魔法少女ノ魔女裁判 運命の中の少女   作:寝心地

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女神様と牢屋敷組 2

宝生マーゴにとって【父】とは恐怖の象徴だった

 

愛を囁きながら命を脅かし

 

愛を囁きながら尊厳を破壊する

 

マーゴが愛を信じられなくなった全ての要因

 

それが今日本政府と言う強大な見えない力の後押しを受け目の前に現れた

 

「マーゴ…………こんな所に居たなんて…………ああ、本当に良かった」

 

動けないマーゴに優しく抱擁する姿は一見優しい父そのものだが牢屋敷に住む者はマーゴの口からその本性を聞き知っている

 

「離れろ、マーゴが苦しんでいる」

 

マーゴの一歩後ろに立っていたアンアンがマーゴの父に声を掛ける

 

「おっとすまないマーゴ、久々の再会に思わず力が入ってしまった」

 

アンアンは精神的な意味で言ったのだが目の前の男にはどうやら通じないらしい。アンアンは政府の人間と思われるスーツを着た男に目を向けるが男は何も言わず呆然と立ち尽くしていた

 

(政府側の判断か?此方の交渉の要であるマーゴを精神的に揺さぶって正常な交渉をさせない様にしようという判断だろう。政府にとって我々は厄介事だろうからな)

 

マーゴが機能しない今自身が何とかしなければとアンアンも普段の怠けている様子とは異なり必死に頭を回す

 

普段はマーゴが頭脳担当をしている分その力を発揮する機会は少ないが実はアンアン自身も同年代と比較してもかなり高い知能を持つ

 

「そうではない、お前の所業はマーゴ自身から聞いている。マーゴはここでの生活を望んでいる。大人しく帰れ」

 

今度は直接的な表現でマーゴの父を拒絶すると優しそうな顔から一変しとても暗く悪い顔が現れる

 

「何を言っているんだい?こんな汚くて不便な場所マーゴは愚か君達にも相応しくない。どうだい?君達もこんな所から出て私の元へ来ないかい?皆等しく【愛してあげる】よ」

 

ゾワリと最後の言葉がアンアンの背中を撫でる感覚に陥りそれを否定する

 

「わがはい達は望んでここに居る。帰りたい者達は皆帰った。マーゴが帰らなかった理由は貴様が居たからだ、マーゴを【支配】するのはもう止めろ、マーゴに貴様は必要無い」

 

「君は愛の何たるかを知らない様だ。おいで、一から僕が教えてあげよう。大丈夫、優しくしてあげるから…………最初はね」

 

「ピッ!?」

 

「止めて!!」

 

アンアンに伸ばされる手をマーゴは咄嗟に打ち払う

 

しかしその顔にはまだ男の支配から抜け出せていないのか恐怖が見える

 

「あ」

 

「マーゴ…………まさかこの程度の期間で私の愛を否定する様になっていたとは、また一から愛を教えないといけないね」

 

(誰か…………助けて)

 

男の手がマーゴに向うとした時

 

「随分騒がしいですね…………」

 

助けを求めるマーゴの前に現れたのは純白の元原初の魔女だった少女だった

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