魔法少女ノ魔女裁判 運命の中の少女   作:寝心地

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第8話

全員の視線が集まる中エマは声を発した

 

「えっと、ヒロちゃんとノアちゃんが死んだのに凶器のボウガンの矢は1本しか無いよね」

 

「はぁ?だから何?そんなのボウガンを2回撃った後に1本は回収したかも知れないだろ」

 

エマの答えにココは思った事を言うがエマは更にそれに反論する

 

「でもそれだと床にはもう一つ傷が付いてないとおかしいよね?」

 

「うっ、確かに…………」

 

エマの答えに納得したココはそこで黙りユリカは更に推理を詰める

 

「つまり2人は1本の矢で殺された事になる。じゃあどうやって2人を1本矢で殺したのか、ボウガンで2人を撃ち抜いた?」

 

「それはあり得ないわね、ボウガンには人1人を貫通してもう1人を殺す様な威力は無いもの」

 

ユリカの問いにナノカはそう答えユリカも頷く

 

「それに、二人の死体は立ち位置的に二階堂ヒロが手前、城ケ崎ノアが後ろに立ってる、けど二階堂ヒロの背中にボウガンの矢が貫通した痕跡は無かった。仮に2人が同時に撃ち抜かれたとしたらこれはあり得ない現象だよね?つまり…………」

 

「最初に城ケ崎ノアを刺し殺した後、二階堂ヒロも同じ武器で刺し殺した、そしてその凶器の内容は槍」

 

「槍?」

 

「例えばレイピアの等身と鞘、後は何か長い棒……………箒の持ち手とか?そんなのを合わせて一突き、そして何事も無い様にコラボ配信に向かった、以上が私の推理だよ」

 

ユリカがそう言い終わると全員の視線が自然とレイアに向く

 

レイアは閉じていた目を開きユリカに言葉を向ける

 

「確かに面白い内容だ、一見矛盾も無さそうだ、けど君は1つ大事な事を忘れているよ」

 

「大事な事?」

 

「証拠さ、いくら筋が通っていても、現実的に可能でも、証拠が無ければそれは単なる机上の空論だ、違うかな?」

 

「………………………………」

 

「それに、もし私がその場で槍を作ったとして、彼女達はそれを黙って見ていたとでも?そんな命の危険があるかもしれない時に?」

 

「確かに、それは少し考え難いですね」

 

「そこは心配無かったさ、2人はレイアさんに気付かなかったんだから」

 

「気づかなかった?」

 

「レイアさんの魔法でね」

 

「ッ!!」

 

「彼女は視線を好きな場所に移動・固定出来る魔法使いだ」

 

「確かに、僕達にお互いの魔法を知る術なんて無い…………」

 

「魔法の内容も自己申告ですし好きに嘘が付けますわ」

 

「成る程、【ミスディレクション】ね、手品師が良くやる【視線誘導】とも言うわね」

 

レイアの言葉にユリカは何も答えず10秒ほど沈黙が流れる

 

「だが、それが本当だとして私がやったと言う証拠も無いだろう」

 

「配信の時」

 

「ッ!!」

 

「配信の時、貴女は曲芸を披露していたね」

 

「???ああ、ココ君にせがまれて披露したが…………まさか、その時の剣に血や塗料が付いているなんて言いたいのかい?」

 

「それなら残念だけど、配信のアーカイブを見たけど何処にも血や塗料は付いていなかった、証拠としては使えないわね」

 

「ハッハッハッ!!残念だったねユリカ君、そういう事だ」

 

「ミリアさん、あの時曲芸で使った林檎まだ持ってるよね?」

 

「え?う、うん、後で食べようと思ってポケットの中に…………」

 

ミリアはそう言いポケットの中から林檎を取り出す、林檎にはしっかりと白い塗料とレイピアで突かれた小さな穴があった

 

「纏めると、蓮見レイアは【視線誘導】の魔法で二人の視線を自身以外に固定しその隙に槍を作り2人を突き殺した。しかしそこでアクシデント、槍が崩れバランスを崩しレイピアが地面を引っ掻いた、その後はココのコラボ配信に向かいそのまま曲芸を披露し林檎を突き証拠を残した。他にまだ何か言いたいことでも?」

 

「………………………………フフ、フフフ、フハハハハッハッハッ、あ〜あ、バレちゃった」

 

壊れた様に笑いユリカの推理を認めるレイアに周りにいた少女達はざわつきレイアから一歩離れた

 

(まぁ、殆どズル(ゲームの知識)からの推理だから推理と言うより再現だけどね)

 

それから魔女の投票は全会一致でレイアになった

 

「何で?何でノアちゃんを殺したの?ノアちゃんは悪い事なんてしてなかったじゃないか!!何で!?」 

 

エマが悲痛な声でそう問いかけるとレイアは笑う

 

「ノア君の同室のアンアン君が倒れただろう?それで私は彼女を守らないとと思ってしまった。私はか弱き者を守らなくてはと言う思いに突き動かされてしまった様だ」

 

「嘘…………」

 

レイアの言葉にユリカはウイスキーを煽りそう呟く

 

「か弱き者の為に〜なんて大嘘、本当は自分より目立った相手を許せなかっただけ、だから二階堂ヒロも殺した、【バルーン】として話題に上がる城ケ崎ノアと周りを仕切って纏める二階堂ヒロが疎ましくなっただけ、この事件の真相なんてそんな物」

 

「ッ!!そ、それは…………」

 

「私は最初に言った、あの2人を殺す動機それは【2人が目立っていたから】そこに親切心も王子様気質も無い、完全に自己中心的な思いで起こした殺人だ」

 

そこにゴクチョーが羽ばたき現れる

 

「あ、話は終わりました?それじゃあ時間も押してますし、さっさと始めちゃいましょうか。各自のスマホにボタンが表示されていると思うので、全員がそれを押したら死刑執行スタートします。ぐーっと長く押していただけますと」

 

ゴクチョーはそう言うと全員がスマホのボタンを押していく

 

「はい、ではこれより、魔女の処刑を執行します」

 

ゴクチョーがそう言うと歯車が回る音が聞こえ台座と入れ替わる様に天使像が現れた

 

「蓮見レイアさんには、この中に入ってもらいます」

 

ゴクチョーがそう言うと看守がレイアを天使像の前に連れて行く

 

「ま、待ってくれ、嫌だ【あの】中には入りたくない!!」

 

「…………もう遅いよ」

 

ユリカの言葉通り看守に力で敵う訳もなくレイアが天使像の前に立つと天使像がゆっくりと開いた

 

中は針だらけになっていた

 

「天使像の中は鉄の処女、とんでもなく悪趣味ね♪」

 

「嫌だ!!これを閉じないでくれ!!嫌だ!!だって、だって皆に見えないじゃないか!!」

 

「………………………………」

 

「やっぱヘビースモーカーアル中の言った通り、自分が1番目立てない状況が嫌だったからでしょ」

 

「ッ!!」

 

「蓮見レイア、人殺しの役の最後は決まって悲惨って知ってた筈でしょ?」

 

「ッ!!」

 

「人を殺した時点で、貴女は主役の座を捨てたんだよ」

 

「あ、ああ、ああああああああああ〜!!!!」

 

ユリカの言葉にストレスを感じたのかレイアの顔がヒビ割れ手足が怪物の物となりながら天使像は完全にレイアを包んだ

 

「……………………死してなお敵わなかったね」

 

「はい、無事魔女のなれはてとなりましたので彼女は永遠の牢獄へと閉じ込めます」

 

ゴクチョーが宣言し静寂が訪れ裁判所を支配した

 

「無事に終わって良かったですね。また殺人事件が起きたら魔女裁判を開廷します。やれやれお疲れ様でした。これにて閉廷とします」

 

裁判が終わり全員が帰ろうとした時

 

一発の銃声が響いた

 

(ああ、そんな事もあったね)

 

ユリカはそんな事を考えながらため息を吐いた

 

「この茶番を何時まで続けるつもり?私達の中にいるでしょう?このデスゲームの黒幕が」

 

黒部ナノカは硝煙立ち上る銃を構えそう周りに問いかけた

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