寝台特急「サンライズ出雲」出雲・松江殺人事件   作:新庄雄太郎

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そして、第一の事件は都内で起きていた。


第1章 八岐大蛇

「へぇー、これが八岐大蛇か。」

 

「うん。」

 

「これはね、出雲に伝わる伝説なんだよ。」

 

と、愛は言った。

 

「希はよく知っているんだね。」

 

「うん、まぁね。」

 

「僕も、歴史で習っているよ。」

 

「えっ、それは本当なの。」

 

「うん。」

 

「今、授業でやっいているのよ。」

 

「へぇー。」

 

「凄いわ。」

 

高天原を追放された須佐之男命(スサノオノミコト)は、出雲国の肥河(島根県斐伊川)の上流の鳥髪(現・奥出雲町鳥上)に降り立った。箸が流れてきた川を上ると、美しい娘を間に老夫婦が泣いていた。その夫婦は大山津見神の子の足名椎命と手名椎命であり、娘は櫛名田比売(くしなだひめ)といった。夫婦の娘は8人いたが、年に一度、高志から八俣遠呂智という8つの頭と8本の尾を持った巨大な怪物がやって来て娘を食べてしまう。今年も八俣遠呂智の来る時期が近付いたため、最後に残った末娘の櫛名田比売も食べられてしまうと泣いていた。須佐之男命は、櫛名田比売との結婚を条件に八俣遠呂智退治を請け負った。まず、須佐之男命は神通力で櫛名田比売の形を変えて、歯の多い櫛にして自分の髪に挿した。そして、足名椎命と手名椎命に、7回絞った強い酒(八塩折之酒)を醸し、8つの門を作り、それぞれに酒を満たした酒桶を置くように命じた。準備をして待っていると八俣遠呂智がやって来て、8つの頭をそれぞれの酒桶に突っ込んで酒を飲み出した。八俣遠呂智が酔って寝てしまうと、須佐之男命は十拳剣で切り刻んだ。このとき、尾を切ると剣の刃が欠け、尾の中から大刀が出てきた。そしてこの大刀を天照大御神に献上した。これが「天叢雲剣」(草那藝之大刀)である。八俣遠呂智を退治した須佐之男命は、櫛になった櫛名田比売と暮らす場所を求めて出雲の根之堅洲国(現・島根県安来市[8])の須賀の地[注 2]へ行き、そこで「夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐 都麻碁微爾 夜幣賀岐都久流 曾能夜幣賀岐袁 」(八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を)と詠んだ。

 

「へぇー、なるほどね。」

 

そして、神社へ行った時の事だった。

 

キャーッ!

 

と、悲鳴が聞こえた。

 

「どうした。」

 

「大変だよ、この死んでるのよ。」

 

「何だって。」

 

数分後、警視庁のパトカーが到着した。

 

「で、君たちがこの死体の発見者なんだね。」

 

「ええ。」

 

「警部。」

 

「何だ、深川。」

 

「被害者の身元が分かりました。」

 

と、深川刑事は言った。

 

「ほう、誰なんだ。」

 

「名前は、伊藤国彦さん47歳だ。」

 

「それで、死因は?。」

 

「恐らく、死因は毒殺だろう。」

 

「被害者は毒入りのコーヒーを飲んだんでしょう。」

 

「ねぇ、これは何かな?。」

 

と、しずくは言った。

 

「ああ、これは寝台特急「サンライズ出雲」の乗車券だ。」

 

「本当だ。」

 

「えーと東京発出雲市行、22時00分発寝台特急「サンライズ出雲」」

 

「でも、何でそれを持っていたのかしら。」

 

「やはり、この事件は出雲にありそうだ。」

 

「ええ。」

 

「じゃあ、行ってみようか。」

 

「うん。」

 

そして、次の日。

 

歩夢は侑としずくとシオンと一緒に出雲へ向かった。




次の日。

歩夢たちは寝台特急「サンライズ」出雲に乗って出雲へ向かった。
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