ゲームだったらメイン男子以外にも昔はちょくちょく見た美少女ゲームに出て来るクソ雑魚キャラ枠として、何人かモブっぽい感じの男子生徒がピーキー仕様のプレイアブルキャラとして出て来る感じですね。
結果として女子生徒の初期ランクが3〜5になってる感じです。
「キヴォトス…」
「最速…?」
「本来なら貧弱な筈の男子なのに笑える話だろ? 笑えない証拠もあるんだよなぁこれが」
そう言ってスマホを取り出し動画を流すケイゴ。
『ハーイ、それじゃあトキオによる一人キヴォトス一周マラソンはっじまっるよー!!』
『イェーイ!!』
画面には早朝らしい浜辺でケイゴやトキオを含む九人の男子生徒が映っており、司会役なのかバカみたいなノリで騒いでいるケイゴともう一人を其々が持ち寄ったらしい屋外テントの下で机に載せた菓子を摘みながら椅子に座っており、騒ぐ二人を苦笑したりジト目だったりバカを見る様な目をしているのだが、その中でもトキオだけは煤けたような雰囲気で遠い目をしていた。
「なんか…エグい事やらせようとしてる割には凄くゆるい雰囲気ね?」
「まぁ発端はカラオケ大会の罰ゲームだしな」
「なんだか軽い原因で酷い事になってませんか…?」
「寧ろ得意分野でやれるだけマシだと思うがな」
尚、罰ゲームの選出方法は他の参加者が受ける本人に出来そうな罰ゲームの内容を書いたメモを箱に入れ、受ける本人に引かせるくじ引き方式である。
そしてこの時のキヴォトス一周マラソンを入れたのはケイゴである()
『てな訳でトキオにはこのスマホ固定用のハーネスを着けて録画状態のスマホを装備してもらい、キヴォトスの端と呼べる各地に設定したポイントを順番に回ってもらいます!』
『このスマホ自体GPSが付いてるからこっちで追うのも出来るけど、どうせなら後で移動中の動画も見てみたいしね』
『うん? 編集してラスト近くに『サ◯イ』でも流すのか?』
『『ブフォッ!?』』
『?????』
もう一人の司会役が動画を欲しがる理由を聞いて思わず素のテンションになって質問するケイゴに対し、思わず吹き出してしまう動画内の男子達と先生&柴大将。*1
尚今時の子でありキヴォトス在住であるアビドスっ娘達には全くネタが通用せず、皆して仲良く首を傾げたりスマホで元ネタを検索したりして男子二人に見事なジェネレーションギャップを喰らわせ遠い目をさせましたとさ。
『い、いや…ただ単に高速移動している側の視点を見たいってだけだから』
『そんなの市販のスマホなんだからブレブレになるんじゃねぇのか? まぁいいや、取り敢えず逝ってみよー!!』
『オイなにやらイントネーションがおかしくなかったか!? クッ、行くしかないか…』
諦めの言葉と共にスマホがトキオの胸元に固定された事で視点が変わると、走る方向である海岸線が映される。
「因みルートに関しては…あ〜、トキオスマホ貸して」
「何をやっているんだお前は…」
自分のスマホを使用しているのでトキオのスマホを借りたケイゴが少し操作してから皆に見せると、成る程確かにキヴォトスをぐるっと一周する様に細かく点が打たれており、その点を繋ぐ様に線が引かれていた。
「…いや普通に考えてこんな距離走るの無茶でしょ」
「でも動画の通りなんだよなぁ」
『ふっ!!』
「なっ!?」
「わ〜…⭐︎ 速過ぎて引き伸ばされた風景しか映ってませんね〜…」
「ん、速過ぎてカメラが追い付いてないし風の音しか聞こえない」
引き伸ばされる風景が少し流れた後、次に動画でハッキリ映し出されたのは『第一チェックポイント』と書かれた看板であり、その看板の上に載せられたスイッチを押す手が映された次の瞬間にはまた引き伸ばされる風景、そしてその後は背景と数字が変わるだけであり、途中何度か給水している以外全く変化を感じられない動画が続くのであった。
「これ一応キヴォトス人に合わせてチェックポイント作ってたけど、完全に刻み過ぎだったよなぁ」
“いやちょっと待って、これ衝撃波とかどうなってるの? というか本当にこんな速度で急制動を繰り返していたんだとすれば、脚の方にかなりの負担が掛かるものなんじゃないのかい?”
「そこがオレ達が本来貧弱である筈の男子らしからぬ所だな、オレの走りによって衝撃波は起こらないし、急制動によるGの負荷は限りなく無に等しくなっている、そういう《神秘》をオレは行使している」
『《神秘》?』
トキオの説明に同音異口で首を傾げる面々。
「生徒達が其々生まれた時から浮かべているヘイローだが、このヘイローから送られている見えない力の事だな」
「齎される量が個人によって異なる為かなり差が出やすい代物だが、これによって生徒達はキヴォトスの外から見れば超人的と言える身体能力や、銃弾を受けても痛いで済ませられる程の防御力を得ているという訳だ」
「基本的に無意識で扱う代物なんだが、男子生徒はこれを操作する能力が極端に低くてなぁ…例えるならゲームなんかでステータス100が通常なら最大だとして、普通の女子生徒の平均ステータスが50とかだとすると、男子生徒って1有るか無いかっていう論外なんだよ」
「一応理由はある程度推測出来るが関係無いのでここでは置いておこう、その様な訳で神秘を操作する能力が低い男子生徒は女子生徒に比べて体格や筋肉量が良くても貧弱になる傾向が高いという訳だな…それでも銃弾を受けても『かなり痛い』程度に済ませられるのが神秘の凄まじい所だな」
男子二人から交互に浴びせられる説明にシロコとセリカは思考放棄し、それ以外の面々は今迄考えもしなかったヘイローについて聞いた事で興味深そうに眺めていた。
「えっと、つまりその神秘を沢山扱えるからケイゴ先輩はあんなに強いという事なのでしょうか?」
「お〜流石はアヤネ、アビドスで一番勉強熱心なだけはあるな、アヤネの推察通り扱えないから弱いのなら、訓練やらなんやら色々してリソース増やせば強くなれるよね? っていう脳筋理論で鍛えたからこそアビドス入学前から飛躍的に強くなった今の俺が有る訳だな」
「追加で言っておくと初期の総量が少ないからこそ鍛え易かったというのもあるのだろうな、どうやら男子生徒も先程ケイゴが例えで出した能力を上げるかの様に神秘の器を補強出来る様なのだが、元の器が小さい分どの様にすれば強化出来ているのか実感し易く分かり易いのはあったな」
自らの体験をしみじみと語るケイゴとトキオだが、そんな二人に待ったが掛かる。
“あの…今迄の話を聞くと神秘って身体能力の強化に使われてるみたいだけど、それなら衝撃波はどうしているんだい?”
「そこら辺は神秘の適性と応用ですね、神秘ってのは人には推し量れない秘密の事なんですよ? 個人の感覚でしか扱えない様な訳の分からん超常現象の一つや二つ、顕現してもおかしくはないのが神秘ってシロモノなんですよ」
「一応これも個人によって発現する能力やタイミング等は違う様だがな、オレの場合は零から最大迄瞬時に移行する常識外の加速能力に自身ですら際限不明な最高速度、そしてそれらの速度を問題無く発揮出来る若干の空間操作がそれに当たるな、最高速度が不明なのは動体視力が追い付かないのと体力が先に限界を迎える為に出せた事がないからだ」
「因みにトキオの現時点での最高速度はマッハ11、某激怒したで有名な走る男の表現から計測された速度と同じであって、神秘による緩和が無けりゃ半径2kmの窓ガラスが割れて周りの人間が吹っ飛ばされる様な衝撃波が出るらしいな」
尚、参考程度に軽く調べて出て来るライフルの一番速い弾速がマッハ5.6であり、即ちトキオはライフル弾の約二倍近い速度で走れている訳であり、その様な速度なら問題無く周囲を認識出来る程度の動体視力を有しているという事である。
“なんていうかとんでもないね…”
「あっ、でも俺の場合みたいに純粋に身体能力が高いだけの場合もあるけどな?」
「あれ、そうなの?」
「応、大体さっきの例に出したステータスで言えばオール100とかそんな感じ」
『えっ…?』
「それもう最高到達点じゃないんですか…?」
サラッとお出しされるステータスの最大値に思わず唖然とする一同。
「トキオみたいに一芸特化型になると100の上限とか軽く突破するから最高到達点(笑)でしかないゾ」
「以前ケイゴに聞いた話だと、そこのホシノとやらは攻撃力は120で防御力は150はあるらしいからな」
『上限突破者まさかの身内だった…』
「少なくとも足滑らせたホシノを受け止めようとして頭突き喰らった際の互いのダメージからみてそれくらいだと俺は判断した」
“その判断基準はどうなんだい…?”
「それは私が石頭だって言いたいのかな?」
「あっちょっと待って逃げ場無いのにアームロックはダメだってイタタタタタッ!?」
固有ステータス表見たら綺麗に全部MAXなケイゴ、相手に合わせて戦闘スタイル切り替えてますが基本的に奇襲戦法をメインにやってます。
意識外から防御抜く様なシャムシールの一撃喰らえばホシノでもかなりの痛手になりますし、当たり所が悪ければ気絶させられます。
対してスピードの項目だけ計測不能でそれ以外は持久が80位にのトキオ、相手が反応出来ない速度でひたすら正面からヒットアンドアウェイが基本です。
認識さえしていればレーザーとかでない限り全て回避する様なヤツが高めのスタミナで妨害やサポートに専念しているとかいう、先に潰したいけど後回しになる面倒なヤツ筆頭です。
ケイゴとトキオがタイマンするとなると、ケイゴの勝ち筋はスピードの差で防御一辺倒になるので只管守り固めてトキオがバテるのを待ち続けた後に殴り勝つしかなく、トキオも運良く会心入って防御抜けるのを祈るしかない泥試合になります。
尚、両方とも切り札切る場合は先に切った方が勝ちとなり、もしも同時に発動した場合は相性差からトキオはどうしようもなくなるのでケイゴに軍配が傾きます。
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