そしてアビドスという常に外敵から襲われる危険性がある土地に居るケイゴは、大体何でも出来ますが最も戦術の実行力が高いと言っても過言ではありません。
※以前の更新十二月の頭だったとかマ?
「あっ、思い出した…」
「うん? 何思い出したのさケイゴ?」
柴関ラーメンでの食事後、アビドス校舎に戻った一行が雑談に興じている際、唐突にケイゴが呟きそれにホシノが反応すると、ケイゴは何かしらやらかしたかの様に遠い目をしながら手を組み口元を隠す様な仕草*1をした。
「いやな? 柴関ラーメンで珍しくアビドスに来たゲヘナの四人組居たじゃん?」
「すっごく珍しかったですね⭐︎」
「うん、ただあの子らゲヘナで便利屋やってるんだけど、治安維持やってる風紀委員から要注意指定団体に認定されてる札付きだった事を思い出してな…」
『え゛…』
ラーメン屋で食事に困って一つのラーメンを四人で分けよう等と言っていた相手が、まさかの他所の学校では治安維持組織から指名手配されている様な悪人だと言われて思わず固まる面々。
「ケイゴ先輩何処でそんな事知ってたの?」
「ゲヘナ行って賞金稼ぎする時に手配書出てるから、それ見てターゲット決める際に見た覚えがあるんだよ」
「へ〜、賞金稼ぎってそんな制度があるんだ…」
交通費や弾薬費等の問題で滅多にアビドスから離れない他のメンバーに対して、近接武器という消費が極々軽微である為によく出掛けてそれなりに稼いでいるケイゴの話に興味津々といった態度で聞き入る他の面々。
「だがまぁ問題はここからでな…アイツらは便利屋、つまりは依頼を受ければなんでもやる訳だが、そんな連中がこんな何も無いアビドスに何故かやって来ている、なんでだと思う?」
「あ〜…もしかしてそういう事?」
どことなく遠い目をしながら語るケイゴ、そんな様子から大体の事を察したホシノは思わず眉を顰め、他の面々もそんな二人の様子を見て段々と察していく。
「えっと…どういう事?」
「…セリカちゃんは純粋で微笑ましいな〜って事ですよ⭐︎」
約一名察せてない者も居たが。
「という訳でアヤネ、ドローン使って周辺の観測頼んで良いか?」
「あ、はい! …うわぁ…」
「やっぱりかぁ…」
「えっ!? ちょっとこれどういう事!?」
「まぁ、アイツらは最初から俺達狙いで来てたって事だな…多分向こうも二人程俺達がそのターゲットだったとは気付いてなさそうだったが」
ドローンの映像を横から見れば、想像していた通りに便利屋の四人と彼女達に引き連れられた傭兵達の姿が映っていた。
“取り敢えず…迎え撃とうか?”
『は〜い…』
かなりのローテンションで返事を返すケイゴ達。
「折角ケイゴ先輩に奢ってもらったってのに仇で返すなんて許さないんだから!! …なんでみんなニッコリしてるの?」
“いやぁ、セリカは本当に良い子なんだなぁって思っただけだよ”
尚一人義憤に燃えているセリカによってほっこりした模様。
所変わって件の便利屋68の四人もローテンションでアビドス校舎へ向かい歩いていた。
「はぁ…気が重いわね…」
「ま、まさかあのラーメンを奢ってくれた方達が今回のターゲットだったなんて…」
「手のひら返ししてるみたいで気分は良くないね」
「なんていうかやるせないねー」
本来傭兵とはいえ一時的に部下として扱う者達の前でする様な態度では到底なかったが、当の本人達からすれば親切にしてもらった相手に速攻で掌返しした様な状況なのだ、性根が真っ当な者なら普通に気に病むし、どこかズレているが彼女達も真っ当な性根をしている為普通に気に病んでいた。
そんな雇い主達のグダグダ具合に影響されたのか、雇われている傭兵達もタダでさえ抜けている気が皆無なレベルに抜けた様子で駄弁りながら歩いていた。
「そういや今から行くアビドスってなんか噂みたいなのなかったっけ?」
「あ〜…なんかカタカタヘルメット団がかなりの金と時間掛けてるのに落とせてないってヤツ?」
「ウチは少人数なのに矢鱈と強い上にヤバい強さの男が居るって聞いたなー」
「なんかめっちゃ不意打ちが上手くて気付けば人数が減ってるなんて事があるらしいね」
「気付いたら味方の頭数減ってるとか怖くね?」
「流石に冗談みたいな話だけど、数だけはいるカタカタの連中が今もやれてないって事はそうなのかもねー」
「まぁ、流石にドンパチやってたら相手の事注目しちゃうから仕方ないんじゃない?」
「はぁ…ん?」
各々自由に話している傭兵、そんな彼女達のフリーダムさに思わずため息が出るカヨコ。
しかしふと、何か意識の端に引っ掛かる様な何かを感じて振り返る。
「………」
「…は?」
そこには大量に雇い入れていた筈の傭兵達が何故か半分程しか居らず、そんな傭兵達の最後尾に身長の差で頭一つ分背が高い、丁度昼にラーメンを奢ってくれた男子生徒であるケイゴが気絶した傭兵を抱えていたのだった。
「社長奇襲ッ!!」
「ええっ!?」
「ウッソ、いつの間に!?」
「シャオラァッ!!」
『ぎゃあぁぁぁっ!?』
バレた事が分かった瞬間抱えていた傭兵を他の傭兵達へとぶん投げるケイゴ、ご丁寧に着弾面積が増える様に手早く横向きにしている辺り実にやり慣れている。
「ついでだ持ってけ!!」
「グレネード!!」
追撃として気絶させた傭兵からスっていたグレネードを集団の中心に投げ込めば、更に混乱は広がるばかりである。
そしてケイゴがこの奇襲戦法を手慣れているという事は、他のアビドス生徒達も大なり小なり手慣れているという事である。
『“二人とも今だよ”』
「ん、追撃する」
「いっきますよ〜♪」
『みぎゃぁぁぁぁぁっ!?』
シッテムの箱で状況を確認していた先生からの合図に併せて、左右の廃墟となっている建物の屋根上からシロコとノノミが、其々ドローンによるわざと散らせた爆撃とマシンガンによる斉射を浴びせ掛け、それによって傭兵達のパニックは最高潮に達する。
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ!?」
「み、皆さん混乱されててアル様の声が聞こえていません!?」
金で雇われただけの傭兵等、混乱しきってしまえば最早雇い主であるだけでしかない便利屋達の静止等で止まる訳もなく、そのままアビドスによる蹂躙は続く。
「さぁてと、行こっかセリカちゃん」
「恩知らずなんか蹴散らしてやるんだから!!」
『支援は任せてください!!』
便利屋達の本来ならば進行ルートであった筈の道飛び出た残りの三人は、盾を構えながら制圧射撃でジリジリと詰め寄っていくホシノを遮蔽物にしながらセリカが弾をばら撒き、新しく現れた二人に気が取られている間にアヤネがシロコとノノミに弾薬を補充していく。
「ろ、碌に隠れられる場所が無いせいで逃げられない…っ!?」
「というか攻撃が途切れないから何処向いても死角になって襲われてるみたい」
「どうするアルちゃん、一か八かで正面突破してみちゃう?」
「こ、このままじゃあアル様がやられちゃう!? 死んでください死んでください死んでくださいっ!!」
「あっ!? ちょっとハルカ待ちなs「俺も居る事を忘れてもらっちゃ困るなぁ?」ヒェッ!?」
「グエッ!?」
追い詰められた事で暴走し始めたハルカがホシノ達に向かって突撃しようとし、そんなハルカをアルが静止しようとした寸前、既に乱戦の中へと飛び込んでいたケイゴが的確にハルカの首へとシャムシールの切っ先を叩き込まれ気を失った。
「さて、これでアンタらの勝ち目は更に減った訳なんだが…どうする? 降伏ならいつでも受け付けるぞ」
視野狭窄に陥っていた所でケイゴによりハルカはダウンし、それによって前衛がいなくなった便利屋は最早自分達の勝機が無くなった事を悟る。
丁度そのタイミングでアビドス高校から昼を告げる鐘の音が鳴り、闇討ちや待ち伏せで時間を掛けていた結果、いつの間にか時間が正午になっていた事を知らせる。
すると…。
「ひ、昼になったぞ!! とっとと撤退するんだ!!」
「なんなんだよここの連中ありえねぇだろ!?」
「ひぃ〜ん、もうやだぁっ!?!!」
唐突にケイゴがいなくなった事で空いた後方へと逃げ帰る傭兵達、如何やら逃げ道は把握していたらしいのだが、今迄右往左往していたのも一応はちゃんと就労時間を守る為だった模様…何気にプロ意識は高かったのかもしれない。
「…で、どうするよ?」
“私としては一度話を聞かせてほしい所ではあるかな?”
慌てて帰った傭兵の姿に微妙に気が抜けたケイゴは念の為といった感じで聞き、安全になったと判断した先生も出て来て便利屋達へと問いかける。
「はぁ…私達のボロ負けなんだから投降するに決まってるわよ…」
アルの言葉に各自武器を捨て投降する便利屋、こうしてアビドスでの突発的な戦闘は幕引きを迎えるのであった。
別にステルス特化な訳でもないのにホラーさながらのスニーキングスキルで傭兵を刈り取っていくケイゴ、気付いた方も居ると思いますが、傭兵達が雑談してる中で薄らと色が違う台詞はケイゴの発言となっており、それにカヨコが気付くまで一人ずつジワジワと締め落として数を減らして行ってました、怖いですね。
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