逃げる算段を考えながら今日もニラ雑炊を食べ終わった作兵衛たちは、一息つく。
豆助「確かにこの場所は死ぬかもしれないっすけど兄貴は生きなきゃ駄目っすよ。兄貴にはもう・・・つるさんという帰りを待つ
豆助はそう笑いながら言ったが・・・
作兵衛(しまった・・・歯のニラに気を取られて聞いてなかった・・・)
豊太郎(しかもデカい・・・見苦しい・・・)
カッコつかない豆助を見てそう思っていた・・・
豊太郎「でも実際どうなの?作兵衛、もうすっかりなじんでるしつるさんを夫婦にする気ある?」
作兵衛「率直だな・・・そんな気全くねーよ。」
豆助「えー!?一緒に住んでるのに!そりゃ兄貴は持てないでしょうけど自信持ちましょうよ!」
豊太郎「そうだよ!一厘でも可能性があるなら作兵衛は賭けた方が良いよ!」
作兵衛「大きなお世話だ。こんな雑兵と一緒にいても幸せになれねーだろ。」
豆助「でも村のおっさんたちつるさん狙ってますよ!」
豊太郎「そういう奴らは俺と使用人たちで何とかするからさ!」
作兵衛「そりゃアイツ等よりはましだろうが・・・つるは武家の出だ。身分がちがう。それに雑兵はくいっぱぐれるしいつ死ぬかもしれねーし。まだアイツは15なんだから似合いの相手はいくらでもいるだろ。そもそも行き場がないからついてだけで・・・」
豊太郎「メチャクチャ喋るじゃん・・・」
豆助「ここは見守ろうっす・・・」
なんだかんだ考えてる作兵衛に二人はほほえましい視線を向けるのであった・・・
豆助「じゃあ兄貴が出世すればいいんじゃないっすか?」
豊太郎「そうだよ、俺が力貸すから村長になるなり士官すれば・・・」
作兵衛「俺は気ままな雑兵暮らしがあってんだ・・・たしかにお前が後押しすれば村長の地位分捕れそうで怖いが・・・武士や村長が誰かのために命かけるのが義務になるだろ。そうなったらこういうときに逃げれねぇだろ・・・」
豆助・豊太郎「確かに・・・」
その時3人の第六感が警鐘を鳴らす。
豊太郎「作兵衛がつるさんのこと異常に話してたのって恋心だけじゃなったんだね・・・」
作兵衛「まぁな、恐怖を必死に振り払おうとしてたんだがな。」
豆助「嫌な予感が止まらないっす!」
兵士「申し上げます!武田軍がこの城に向かって進軍中!」
兵士の声で雑兵たちがどよめきはじめる・・・
作兵衛「聞け2人とも・・・東側の板塀に壊れて穴が空いてるところがある。ヤバくなったらそこから逃げるぞ・・・」
豆助「兄貴・・・夕べ見つけて修理しちゃったんすけど・・・」
豊太郎「詰んだねこりゃ・・・」
作兵衛「あほぉお!」
そのころ向かってくる武田軍の中には・・・
信春「軍記物語風に言うならこうでしょうか…次回武田軍蹂躙開始 血に染まる村井城ってとこでしょうかねぇ・・・」
後の武田四臣名にも数えられる馬場信春がいた・・・