地主と雑兵   作:ikkun

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治療と温泉へ

信春の射た矢を食らった豆助は悶絶する!

 

豆助「んぎぃいい!」

 

作兵衛「豆助!しっかりしろ!」

 

豊太郎「急所は外してる!まず立ち上がって!」

 

豆助「わ、わかったっす・・・でも痛すぎるっす・・・金玉強打した時より。」

 

豊太郎「例えが子供っぽくて余裕そうに見える!」

 

作兵衛「もっといい例えねぇのか!」

 

その間に信春は矢の行方を見ていた。

 

信春「ふむ、当たりましたね。」

 

部下「追って首を取りますか?」

 

信春「所詮雑兵です。必要ありません城の制圧を優先しなさい。」

 

部下「はっ!」

 

信春「でもせっかくなのでもう2・3発。」

 

信春はついでといわんばかりに射ってきた!

 

作兵衛「とにかく離れるぞ!」

 

作兵衛たちは森の中に隠れる。

 

作兵衛「まずは矢を抜かねぇと!それ!」

 

しかし矢じりは刺さったままで木の部分だけが抜けた・・・

 

豊太郎「聞いたことがある・・・武田の矢は緩矢じりっていって体内に残りやすく作られてるって!」

 

作兵衛「これがか・・・」

 

豆助「感心してる場合っすかー!?」

 

豊太郎「でも深く刺さってて手じゃ抜けそうにないね・・・もう鋸で腕ごと肩を切り落とすしか・・・」

 

豆助「そんなー!」

 

作兵衛「ふふふ・・・熟練の雑兵なめんなよ!こんなこともあろうかと用意しといてよかったぜ!ヤットコ!」

 

作兵衛が出したのは針金や板金などをつ噛むのに使われる鉄製の工具だ。

 

ぐりぐりぐり・・・

 

作兵衛「舌噛むなよ!」

 

豆助「あんぎゃぁああ!」

 

そうして矢じりを体から引っこ抜いた!

 

豊太郎「薬は任せて!いいのを時雨にもらってるんだ!でもその前に消毒しないと・・・」

 

作兵衛「よく使うのは酒か梅干しなんかだが切らしてるしな・・・こうなったら。」

 

豆助「まさか・・・」

 

作兵衛「そう!小便で消毒だ!」

 

豊太郎「いけぇええ!」

 

じょばー!

 

豆助「あぁああ!」

 

戦国では当たり前だったが絵づらはシュールそのものだ・・・

 

豊太郎「次は僕の出番だね!」

 

そうして容器から出した塗り薬からはなにやらとんでもない匂いが放たれていた・・・」

 

作兵衛「うおおお!?鼻が曲がる!なんじゃそりゃ!」

 

豊太郎「ボラの浮袋とクマの胆、ドクダミに鉛丹、ウコンの粉(全部戦国時代で傷口に有効な材料)なんかを混ぜた豪華ブレンド薬だよ。並みの傷ならこれで大丈夫って皆から太鼓判!」

 

豆助「んなの塗ったら匂いがこびりつく・・・ぬあぁあ!ぬるぬるする!」

 

豊太郎は容赦なく豆助の傷口に塗りたくった!

 

すると敵の兵士がこちらに近づいてきた!

 

兵士「こっちで何か動いたぞ!」

 

兵士「小笠原兵か!」

 

豊太郎「ここは忍びが使ってるっていう動物の声の物まねで乗り切ろう!」

 

作兵衛「そうだな!・・・こ、コケコッコー・・・」

 

作兵衛は鶏の声を出すが・・・

 

兵士「鶏か・・・」

 

兵士「捕まえて食おうぜ!」

 

兵士の追跡が加速してしまった・・・

 

作兵衛「なんて飢えた雑兵だ!」

 

豊太郎「どっちもどっちだけどね・・・」

 

豆助「そうっすね・・・」

 

2人は豆助を抱えて遠くへと行く・・・

 

豆助「オイラ・・・戦を舐めてたっす・・・こんなにも怖いものだったなんて・・・でも飯沢山食えて幸せだったす。また行きたいっす。」

 

作兵衛・豊太郎「だなー・・・」

 

そこはたくましい3人であった・・・

 

豊太郎「一緒に行った皆は無事かな・・・」

 

作兵衛「アイツ等なら強いから大丈夫だろ。それより豆助、大丈夫か?」

 

豆助「さっき縫ってくれた薬のおかげでなんとか・・・やっぱり兄貴は乱暴に見えて・・・いじわるで薄情に見えて・・・あー・・・もう喋る気力ないっす。」

 

豊太郎「そんな半端なところで!そこは仲間を大切にするとか面倒見良いとかでしょ!」

 

作兵衛「照れること言うな!」

 

そうしながらも3人は進むが・・・

 

豊太郎「あれ?ここって遠回りの道じゃ・・・?」

 

豆助「そうっすね。」

 

作兵衛「この先に温泉がある。怪我に効くって噂だぜ。」

 

そうして3人は温泉に行くことになるのだった・・・




一方のつるたちは・・・

小菊「作兵衛って一見冷たいけどいざとなったら面倒見いいんだよね。」

つる「わかります。私を側に置いてくれましたし。」

小菊「私のお父が戦で死んだときも指持ってきてくれて・・・」

つる「・・・」

時雨「小菊さん、情報量が多すぎてつるさん処理しきれてません。」

小菊「あぁ、ごめん・・・4・5年前のことなんだけどそれまではよくわかんない人だったけどある戦のあとに突然来て渡してくれたんだ。いたいけな女の子にさー。」

つる「笑っていいのでしょうか・・・」

小菊「それで私すっごい泣いたんだ。そしたら作兵衛が人はすぐ死んじまう、生きてることをありがたく思え。泣いてたって腹が減るって言って自分の豆味噌握り飯くれたんだ。」

時雨「途中まで良い話だったのに・・・」

つる「ごはんで解決しようとするところは作兵衛殿ですね・・・」

時雨「でもわかります。作兵衛さんは私の第2の恩人ですから。口減らしで元の村を捨てられた私はすっかり人間不信で豊太郎様以外信じられなくなってました・・・」

つる「・・・」

小菊「時雨ちゃーん。その過去もつるちゃん処理しきれてないよ。」

時雨「あぁ、豊太郎さまのおかげで人里まで下りられるくらいまでにはなってたんですけどね。」

つる「むしろ獣になり果ててたんですか!?」

今の時雨からは想像もつかない話である・・・

つる「そうして山から下りたのは良かったんですが仕事のないときはいっつも誰もいないとこでぼーっとしてたんです。そしたら・・・」

ー回想ー

作兵衛「お前いつもここにいるよな。豊太郎はどうしたんだよ。」

時雨「・・・今は仕事中。」

作兵衛「そうか。ここは誰も来なくてこっそり鍋するのは丁度良かったんだが・・・やっぱ鍋ってのは振る舞う奴いないと物足りねぇからな。ちょっと食べてけ。」

そうして出されたのは味噌汁に大根となすの入った素朴なものだった・・・

時雨「・・・美味しい。暖かい・・・」

作兵衛「そりゃよかった。また戦で儲かったらこっそり振る舞ってやるよ。」

ー回想終了ー

時雨「あの味噌汁の温かさで私はちょっとずつですけど豊太郎様に尽くす以外に興味を持つきっかけになったと思うんです。」

小菊「いやぁ、ごめんね。二人そろって湿っぽい話して。」

つる「いえ、作兵衛殿や豊太郎殿の人間のわかる話でした。そしてその二つの料理が食べたくなりました。」

時雨「やっぱりそこですか。」

つるの涎を垂らす姿に流石と思う二人だった・・・

つる「ところで話は変わるんですが・・・そのこの辺にお風呂ってありますか?」

小菊「ないなー・・・その辺の川じゃダメなの?」

つる「そうしてるのですが・・・村のおじさん3人組が見物しにくるので・・・」

時雨「・・・やっぱりあのスケベたちは射殺するべきですね。」

小菊「まだ獣の名残が残ってる!」

つる「お気持ちだけ受け取っておきます!」

小菊「じゃあ温泉行こうよ!山の秘密の隠し湯があるんだー!」

時雨「いいですね。男が来ても私が矢を放って威嚇してあげますよ。」

つる「でも・・・3人が戦に言ってるのに・・・」

小菊「そんなの気にしてたら何にもできないよー」

そうして3人も温泉に行くことになった・・・
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