しばらく戦もなく作兵衛たちは穏やかな日々を送っていたが・・・
豊太郎「やっぱり村の心配は日に日に増してくね・・・」
作兵衛「まぁな、武田軍が目と鼻の先まで来ちまったからな。」
二人であけびを食べながら話していると・・・
小菊「二人ともー村長が呼んでるよ。半手について相談したいって。」
小菊からの伝言を受け取る。
つる「半手?」
通りがかったつるが聞いたことがないらしく不思議そうにする。
作兵衛「あぁ、つまり・・・」
つる「その前にその美味しそうな実をください!」
豊太郎「アケビね、うちが作って余ったから上げるよ。」
つる「やったー!」
そうして食べながら質問の答えを二人は話す。
作兵衛「勢力の境目付近の村が年貢を半分ずつ納めるんだ。」
豊太郎「略奪を禁止するまぁいわゆる賄賂だね。」
つる「なるほど・・・あ、皮捨ててきますよ?」
作兵衛「アケビの皮は干物や漬物にするんだよ!」
つる「無知ですみません!」
応えてる途中であけびの皮を捨てようとするつるに怒る作兵衛であった・・・
つる「村に住んで驚いたことがあるんですけど・・・豊太郎さんの持ってる土地もそうですけど農民の方々が強い!刀持ってるし槍や甲冑もあるし。」
作兵衛「そりゃ合戦に出るし村同士での争いもある落ち武者だって狩るしな。」
豊太郎「山賊くらいなら余裕で迎撃できるよ。まぁうちの土地は異常で少人数なら武士も撃退できそうな勢いだけど・・・」
つる「時雨さんがその筆頭ですもんね。」
豊太郎の土地の戦力にも驚きつつもそれでも大人数の侍に襲われたらやばいということで3人は村長の所に行く。
村長「おぉ、3人ともよく来てくれた!さっそくじゃが・・・あんたが噂のつるさんか?ワシのところで働かない?」
作兵衛「半手は?」
豊太郎「村長さん!つるさんはうちでも働いてるんですからせめて週の半分にしてください!じゃないと村長の地位狙いますよ。」
村長「そ、それは勘弁してくれ!わかった半手じゃったな・・・それで武田軍は我々の村を襲いに・・・」
作兵衛「来るぜ。」
村長「即答ー!?」
豊太郎「林城を攻める前に略奪するのは戦力の半減にも必要だしね。それに半手で許してくれるかもわからないしね。」
村長「そうじゃよな・・・全部奪った方がオイシイもんじゃからな・・・」
つる「そんな・・・家にある味噌や麦・・・野菜が・・・」
作兵衛「お前はもっと自分の心配しろ。」
豊太郎「色気より食い気だね・・・」
当然つるのような若くて美人な女性も略奪の対象である・・・
作兵衛「あとは小笠原をおびき寄せるために襲うってのもあるからな・・・」
小菊「みんな持ってかれちゃうの?そんなのやだよ・・・」
小菊も話を聞いて涙目で現れる。
作兵衛「小菊・・・これが戦なんだ。」
つる「奇跡を信じましょう!台風とか火山の噴火とか!」
小菊「作物ダメになるからそれもいや・・・」
我儘だがどっちも大損害なのでもっともである。
豊太郎「うちの土地の人間なら大群でも主力が来なかったらある程度対応できるけど・・・この前見たいな馬場信春みたいな主力が来たら一たまりもない・・・」
作兵衛「十分すごいけどな・・・」
そうして会議は村長含む上位陣で決めることになった。
つる「豊太郎さんはいなくていいんですか?戦力保有してるみたいですけど・・・」
豊太郎「つるさん取られたくなくて脅したけどうちの土地も一応この村の管轄だからね。村長さんたちの意向に従うからいいんだよ。」
作兵衛「そーそー・・・それより自分たちのことも気にしねぇとな。金もあまりねーし・・・」
豆助「兄貴たちー!こないだ取られた村井城を武田軍が作り直すって!人夫を雇ってるらしいっすよ!」
作兵衛「いいな!行くか!」
豊太郎「豆助良い情報だね!」
皆乗り気なのにつるは唖然とする・・・
つる「え・・・武田の城作りを手伝いに行く?」
作兵衛「城作りは現地の人手を使うのが普通だぞ。」
つる「でも敵ですよ?この村を襲おうとしてるんですよ!?」
作兵衛「金がもらえるからいく。」
豆助「しょうがないっすよ。これも雑兵の生き方なんすから。」
豊太郎「武士とちがってどこにも属してない雑兵はどこでも働かないとね。」
つる「でも・・・嫌です。武田は私の家族の敵なのです。」
作兵衛「・・・いいんだぜ?俺のやり方が気に食わねぇなら出てっても・・・」
スケベオヤジ「待ってました!」
オヤジ「つるちゃん!」
オヤジ「ワシの所に!」
豊太郎「どっから湧いて出たんですか!行くにしても時雨のところとか頼れるところ!」
作兵衛「その通りだ!」
突然わいたスケベオヤジたちに二人は叫ぶ。
つる「嫌ですけど・・・出ていきませんし止めません。でも!私にだって怒る自由くらいあるでしょう?家でぷんすかしながら留守番して掃除でもして待ってますから!しっかり働いて美味しいもの買ってきてください!」
作兵衛「それで済むならありがてえな。」
豊太郎「やっぱり好きなんだな作兵衛のこと・・・」
豆助「そうっすね。」
つるの心の広さにほっこりする3人であった・・・