城作りのため村井城へと向かう作兵衛たちだったが問題があった・・・
豆助「おいらたち顔覚えられてないっすかね・・・」
豊太郎「確かに・・・逃がした兵だし。」
作兵衛「雑兵の顔なんていちいち覚えてねぇよ。でも念のため軽く変装しとくか。」
作兵衛は頭に布を巻いて頭巾のようにする。
豊太郎「こんなこともあろうかと買っておいてよかったよ!」
作兵衛「よくあったなそんな眼帯・・・」
豊太郎は眼帯をして目元を隠す。
豆助「了解っす!」
豆助は髪を何本も束ねて鼻に棒を突っ込んでいた・・・
作兵衛「ふざけてると思われて切られるぞ!?」
豊太郎「別人ではあるけど・・・」
しかし城に向かっている最中でも作兵衛の頭には小菊の不安そうな顔やつるの暗い顔が浮かぶ・・・
作兵衛「やっぱ武田に手を貸すっていうのは癪だな。しょうがねぇ、ちょっと体を張るか!」
豆助「馬場なんとかを暗殺するんすか!?」
豊太郎「い、いきなりだね!暗殺の道具なんて小作人たちの創った焙烙玉(爆弾)くらいしかないけど・・・」
作兵衛「それちょっとじゃねぇだろ!?しかもあるのかよ!爆発させたら目立つからやるなよ!?」
取りあえず作戦を教えた後3人は村井城へと向かい修復作業に精を出す。
作兵衛(つるや小菊のために・・・武田軍を騙す!)
兵士「飯だぞー。」
兵士「我が武田軍は大盛りな上に山の幸も沢山あるぞ!」
作兵衛「武田軍っていい奴らなんじゃねぇか・・・」
豆助「兄貴!揺るがないで!」
豊太郎「もうすでに敵の調略にハマってる・・・」
この飯も絶対武田の方がいいと思わせるためなのに揺らいでる作兵衛に豆助と豊太郎は呆れる。
豆助「ってあれ?そういえばいろいろ混ざった飯っすね。」
作兵衛「あぁ、雑穀飯だな。」
豊太郎「粟やヒエ、黍、麦が混ざった美味しい料理なんだよ。甲斐は土地柄米が少ないからね。」
豆助「米が食えないなんてかわいそーっすね武田って・・・」
武田の兵士や村人「あぁん?」
作兵衛(武田騙すよりこいつと一緒に居る方が危険かも・・・)
失言する豆助に作兵衛は命の危険を感じていると・・・
馬場「今聞き捨てならないことが聞こえましたねぇ・・・」
そこにいたのは馬場信春だった・・・
馬場「美味しいんですよ、雑穀飯は。」
何を考えてるかわからない顔に3人は怯えながら話を聞く。
馬場「力が出るのが白飯やほうとうですが腹持ちがいいのは雑穀飯なのです。しかも例外に強いので安心して確保できるという素晴らしさがあるのです。わかりましたか?では。」
そう言って豆知識を披露して去っていった・・・
3人(全然頭に入らなかった・・・)
怖すぎて聞くことはできなかったが・・・
作兵衛(やっぱ雑兵の顔は覚えてないか・・・だったら食ったらすぐに計画実行だ。)
馬場「あ、そういえばあなたの顔ご飯粒ついてますよ。」
作兵衛「どうも・・・」
豊太郎「怖すぎる・・・」
そうして怯えながらも3人はある噂を流した・・・
兵士「馬場様!妙な噂を耳にしました!小笠原軍が決戦の準備をしていると!」
馬場「ほう・・・決戦となるとこちらもうかつには動けませんね。」
作兵衛(武田を足止めしてやる!くいつけ!)
しかし・・・
馬場「これは敵の流言ですね。おそらく武田軍の足止めが狙いでしょう。」
豊太郎(ダメか・・・)
馬場「それにしても稚拙な流言ですね。考えたものの顔が見てみたい。」
豊太郎(がっつり戦ってるのに・・・なんか空しい・・・)
作兵衛(悪かったなあぁ!)
流石は名将すぐに見破られた・・・
作兵衛「ダメだったか・・・せめて嫌がらせして帰るか。」
豆助・豊太郎「?」
作兵衛は報酬を受け取った後頭巾を脱いで土で顔を汚して着物を一枚脱ぎ・・・
豊太郎「また報酬貰ってきたの・・・?」
豆助「バレたら死ぬのに凄いっすね・・・」
作兵衛「こういうのは堂々とやりゃいいんだよ。」
賃金を2重に受け取っていた・・・
そうして帰る時だった・・・
小笠原軍「えいえいおー!」
なんと小笠原軍が勝鬨を上げ始めた!
作兵衛「あのお山の大将やってくれたぜ!」
兵士「これは林城の方から!」
馬場「噂は本当だったのか・・・ならばここだけの兵では危険・・・守備兵を残し撤退ですね。」
馬場はしばらくして引き返すのだった・・・
それを聞いた豊太郎はすぐに小菊に伝える。
豊太郎「小菊ちゃん!武田軍引き返したよ!」
小菊「やったー!稲刈りするぞー!」
つる「よかったー!」
豆助「つるさん喜ぶのはいいけど隠して!」
すると作兵衛の家からも声が聞こえる。
豊太郎「つるさんに伝えた豆助・・・着替えのときに入っちゃったんだ・・・」
小菊「まぁ喜びが勝っちゃうよね!」
そうして村の危機は去ったのだった・・・
作兵衛「村長!武田軍撤退させたのは俺だぜ、報酬くれよ!」
村長「えー・・・」
作兵衛はちょっとカッコ悪かったが・・・