森から突然現れた女性に豆助と豊太郎は驚く。
豆助「こんな山奥に女ー!?しかもすげぇ別嬪さんっす!」
豊太郎「うちの小作人や世話役で雇っている人にもこんなに美人はいないな・・・」
作兵衛「比べられる対象が凄すぎだろお前・・・」
すると少女が口を開く・・・
「あの・・おねがいがございます・・・」
ぐぎゅるるるう・・・
まるで地鳴りのようなお腹の音に3人は察した・・・
作兵衛「あーうん言わなくてもわかる。」
そうして3人は少女に味噌汁を食べさせる。
「助かりました。2日何も食べてなかったので。」
作兵衛「あんた何者だ?住むところでも焼かれたのか?」
「その前に差し出がましいようですが・・・・おかわりください。」
豊太郎「結構食べたのに!?」
作兵衛「本当に差し出がましいな!?」
取りあえずまた豊太郎の干飯を食べさせる。
「おいしかった・・・貴方たちは命の恩人です。ありがとうございます!」
作兵衛(味噌と芋がらは俺が用意したわけじゃねーんだよな・・・)
死体からはぎ取ったと知ったらどんな顔するか気になる作兵衛だった・・・
「私は諏訪の矢島家に仕えていた武士の娘です。二日ほど前武田家に攻め込まれ父を始め家族全員が殺されました。」
少女の身の上は悲惨だったが・・・
作兵衛「ふーん・・・俺も両親敵兵に殺されてるしな。」
豆助「よくある話っすね。おいらは親に山ン中捨てられたっす。」
豊太郎「いや二人とももっと親身になろうよ。僕も土地の相続の時に親兄弟で殺し合って僕だけ生き残ったけど。」
「なんかすみません・・・」
この戦国時代悲劇は日常だった・・・
「私は武田家に捕まりそうになりましたがかろうじてここまで逃げてきました・・・貴方たちは武田家ではないですよね?」
作兵衛「小笠原家の雑兵だ。もっとも略奪行為は黙認されてるからあんたをさらって売ることもできるけど。」
豊太郎「作兵衛なんで言っちゃうの!このまま村に連れ帰って恩に付け込んでただで働かせようとしてたのに!」
豆助「豊太郎さんも結構過激なこと考えてた。」
「あばば・・・・」
作兵衛「しねぇよ冗談だ。豊太郎もやめてやれ。」
豊太郎「はーい。」
少女の世間知らずっぷりに驚かされていると・・・
敵雑兵「へへへ・・・見つけたぜ。」
二人の性格の悪そうな雑兵が現れた!
「あれは・・・私を捕まえようとした雑兵たち!こんなところにまで・・・」
敵雑兵「おうよ!五里(20キロ)追っちまったぜ!」
敵兵「山あり谷ありだったな兄者!」
作兵衛「諦めろよ・・・」
豊太郎「そうだ!この女性は僕たちの村で働かせるんだ!無賃でね!」
「・・・」
豆助「うわー!どっちからも離れていく!俺達が止めるから大丈夫っすよー!」
敵雑兵「諦めてたまるか!こんな上玉!いい値で売れるぜ!」
作兵衛「失せな、この女は渡せ・・・」
作兵衛がそうして少女を遠ざけようと手を伸ばしたら胸に当たってしまった・・・
「・・・」
作兵衛「うわー!違う手が当たって・・・」
敵雑兵「なんだテメェは!なぜその女を助ける!」
作兵衛「俺の飯を美味しいと言ってくれた。それだけで十分だ。」
豆助「じゃあ美味しいって言わなかったら見捨ててたんすか!?」
豊太郎「流石作兵衛・・・僕よりも酷いことを・・・」
「おいしかったです美味しかったです!」
作兵衛「ちげーよ!あんたも真に受けんな!」
敵雑兵「でもそんなに美味しいなら・・・ちょっと食ってみてえな。」
作兵衛「そうか?ならまだ残ってるから・・・」
雑兵「隙ありー!」
雑兵はそういって刀を振り下ろす!作兵衛もなんとか槍で受け止める!
豆助「兄貴って意外とバカなんすか?単純なんすか!?俺たちも助太刀するっすよ!」
豊太郎「もちろん!」
ズババっ!!
豆助は一瞬で、豊太郎は作兵衛に攻撃していた男を背後からぶった切った。
豊太郎「豆助、一対一とはいえ一瞬で勝っちゃった。」
豆助「案外楽勝だったっすね。」
作兵衛「竜だったか・・・?」
豆助のあまりの強さに作兵衛は驚くのだった・・・