豊太郎がいつも通り帳簿の計算や畑の見回りをしていると・・・
カーン!カーン!ドーン!
村に太鼓や鐘の音が響き渡った。
小作人「これは戦の合図ですね!」
豊太郎「どうやら臨時の兵を求めてるみたいだね・・・よし!僕が行ってなんか取ってくるよ!」
時雨「だから一人で行こうとしないでくださいよ!?この前だって一人で行ってえらい目にあってたじゃないですか!」
小作人「俺達も行くぜ!これ以上豊太郎様に危ない橋を渡らせるわけにはいかねぇ!」
そうして数人の小作人たちと一緒に豊太郎は作兵衛たちと合流する。
作兵衛「相変わらずすげぇ人数だな。まぁその方が稼げるし飯代も浮くしな。」
豊太郎「でもやっぱり部下が死ぬかもしれないのは心苦しいよ・・・」
つる「とことん大将に向いてませんね・・・」
豊太郎の性格に二人は苦笑いしている・・・
作兵衛「にしてもやっぱお前は沢山持ってくのな。」
豊太郎「そうなんだよね。むしろとか鋸にてぬぐいとか・・・削れるものありそうだけど・・・」
小作人「いやこれくらい持ってないと駄目だ!」
小作人「もしものことがあったら・・・」
つる「両親並みに過保護ですね!?」
あまりの慕われっぷりにつるは驚く。
作兵衛「言っとくが俺だって浪人の方じゃ豊かな方だ。着の身着のまま行く奴もいるし子供を飯食わせるために一緒に連れてく奴だっているからな。」
豆助「厳しい世の中っすよね・・・」
作兵衛・豊太郎(お前が一番悲惨なんだけどな・・・)
山で暮らしてる豆助をみて二人はお前が言うなという視線を向ける。
作兵衛「つる、俺が留守の間家の食い物が盗まれねぇように守ってくれ。」
つる「はい!」
しかしつるは涎を垂らしながら答えた・・・
豊太郎「たまにになるけど僕の使用人が見に来るの方が安全じゃない?」
作兵衛「食いつくされる心配あるしな・・・」
つる「さ、最低限にしますから!」
小菊「3人とも行くんでしょ?」
小菊も送りに来てくれた。
小菊「豆ちゃん無理しないで生きて帰ってきてね!」
豆助「うん。約束するっす!」
二人の間にいい雰囲気が流れる。
つる「あの二人そういう感じなんですね・・・」
豊太郎「まぁまだ小菊の片思いだろうけど・・・」
小菊「豊太郎は・・・まぁ小作人たちが守ってくれるだろうけどできる限り自分でできることは自分でしようね。」
豊太郎「もちろん、そのつもりだよ。」
小菊「作兵衛は武田晴信(信玄)と刺し違えてきてね!」
作兵衛「差がひでぇ!?」
つる「ここはご武運をお祈りするところなのでしょうが・・・武士ではないあなたには違いますね・・・とりあえず気を付けて分捕ってきてください!」
作兵衛「いいな!最高だ!」
そうして明るく村を出た作兵衛たちは小笠原家本拠の林城にやってきた。
豆助「いつきてもデカいっすね。」
豊太郎「確かに、うちの屋敷の2倍くらいデカいな。」
作兵衛「2分の1のデカさでも十分凄いけどな。信濃の国最大の城だぞ・・・」
豊太郎の家のデカさに作兵衛は引きながら言う。
作兵衛「まぁ、俺達には飯がたらふく食える場所にしか見えないけどな。」
豆助・小作人「そうだなあ・・・」
そんなこんなで豆助たちは同じ曲輪に小作人たちは違う曲輪で敵が来るを待つことになった。
豆助「敵はまだ見えないっすね・・・」
豊太郎「取りあえずは休憩かな・・・」
作兵衛「あぁ、だが油断できねぇぞ。」
豆助「あ・・・夜襲とかあるってことっすか!?」
作兵衛「いや盗難だ。」
雑兵「あ!盗まれた―!?」
他の雑兵が荷物を盗まれるのを見ながら作兵衛は言う。
豊太郎「味方さえも敵・・・それが雑兵ってことだね・・・」
基本兵士は3日分は持参した食料で食いつなぐ。
作兵衛「こういう時は大量の持ってきてる奴は助かるな。」
豊太郎「逃げる時邪魔だけどね・・・」
豆助「じゃあおいらたちが荷物減らすっすー!」
3人は豊太郎の持ってきたものと合わせて食いつなぎ4日目に入った。
作兵衛「よっしゃ米だー!」
そうして皆ががっついていると・・・
兵士「殿!指示くらい拙者がやります。」
「いや時には大将が自ら命令をして士気を上げねばならん。7番曲輪の兵士たちよ!ワシが総大将小笠原長時である!」
そうして長時は堂々と名乗るが・・・
作兵衛「おかわりもうめ―!」
豊太郎「僕の用意した調味料が火を噴くね・・・」
豆助「すごそうっすー!」
長時「聞け―!?」
作兵衛達含めた雑兵は全く聞いてなかった・・・