余談ですが、これを書くためにアニメをよく見返しています。
例にもれず当決闘もOCG準拠で書き下す当小説に落とし込むために見直していたのですが……
海馬「"マジック・サンクチュアリ"! 相手ターンに魔法カードを使えるようになる!」
( ゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) ・・・
非常に困りました。
そんな苦悩とともに、お楽しみください笑
「これにて、対戦の組み合わせが決定した! 第1回戦、武藤遊戯vs海馬瀬人! 第2回戦、黒羽勝利vsマリク・イシュタール!」
磯野の宣言と同時に、4人の頭上の天井が開く。
そして屋上付近にいる遊戯と海馬、そしてまだ塔の中腹にもいないマリクと勝利も、上昇するゴンドラで勢いよく上がっていく。
(……まずは俺から。そして相手は……海馬!)
(そう……宿命の決闘だ。遊戯!)
たどり着いたそこは、塔の屋上。
円形の広間となっているそこに、まず遊戯がゴンドラから降り立つ。
それを見た海馬が、嬉しそうに同じくゴンドラを降り、遊戯に並び立つ。
「……城之内の棺は相当重いと見ていたが……安心したぞ遊戯。下らん過去は捨てたようだな」
海馬の言い放つ心無い一言に、遊戯は真っすぐな目で返す。
「海馬……俺は、過去を捨ててなどいない。俺が目指すのは……城之内君と、勝利君。舞、竜崎、そして……みんなとともに笑う未来!」
「……フン。つまらん」
「……海馬君」
遊戯の熱い心も、海馬には届いていない。
舞台の下に立ってそれを聞く勝利も、海馬の答えに虚しさを覚えた。
「ヤツは俺の予想以上にバトルシティを生き抜いた。最後に神に歯向かって見せた。さぞ本望な結末だろう」
「海馬。このバトルシティにおいて、俺たちは戦いのロード……その先にある答え、未来を求めて歩んできたんだ……俺も、勝利君も、そして……城之内君も、その「答え」にたどり着けてはいない」
(そうだ、遊戯君。僕たちのたどり着きたい未来は、まだ先にある)
「敗者に答えなどない。あるのは屈辱、絶望。そして……」
「違う! 俺は勝利君に教えてもらった! 敗北に膝を折り地を見つめるのではなく、その先の未来を見据えて戦う! 再び立ち上がり見果てぬ先まで続く戦いのロードに向き合うこと! それこそが、俺たち決闘者のあるべき姿だと! その先に、俺たちの『答え』は必ずある!」
「遊戯君……」
「フン。全く持って下らんな」
勝利の心を震わす宣誓すらも、海馬には馬耳東風。
一筋の風ほども、彼を動かすことはなかった。
「いいか! 真の勝者はただ一人! 敗者どもの屍を築き上げ、天に輝く栄光を手にしたものだけに与えられるものだ! そしてそれこそが、3枚の神のカードに選ばれし真の決闘者! それがこの俺だ!」
「全く……あいつも変わらないわね」
「海馬瀬人、ここにありやな」
「舞さん。竜崎君」
遅ればせながら最終決闘場に上がってきた二人が、勝利に同意するかのように横に並ぶ。
「杏子ちゃんたちは?」
「……静香から連絡があってな……城之内が、動いたような気がするんやと」
竜崎が、そういった。
遊戯たちを見つめながら話すその横顔からは、何か優しい雰囲気を感じる。
「それを聞いて、静香ちゃんを一人にさせたくないって言って、本田と杏子が飛行船に戻ったのよ。二手に分かれようって言ってね」
「……竜崎君。こっちでよかったの? 病室の方に行ってあげた方がよかったんじゃない?」
純粋な疑問をぶつける勝利。
竜崎は表情を変えずに、すぐ返した。
「……どうせ起きたらすぐ全員集まるやろ」
城之内の復活を信じるその言葉に、勝利と舞は顔を見合わせ笑った。
「勝利。杏子たちから伝言よ。『城之内は任せて。勝利君たちは、あたしたちの分まで遊戯を応援してあげて!』」
「……クックック。了解」
王国で、城之内と舞の決闘の際に、勝利が舞の応援をすることを許してくれた杏子の言葉を思い出し、また笑う勝利。
杏子の優しさに、つくづく世話になると心で頭を下げた。
「フフフ……俺と貴様が決闘者として頂点を争う戦いにしては、この決闘場は殺風景極まりない」
そんなことを語りながら、海馬が天に手を掲げた。
「そこで、我々の宿命の決闘にふさわしい舞台を用意してやる! ソリッドビジョンシステム、作動!」
海馬の宣言と同時に、あたりのシステムが起動音を鳴らしながら点灯する。
徐々に、海馬のいうふさわしい舞台が見えてきた。
「……こりゃまた」
「趣味全開ね」
「はでなこっちゃ」
勝利たちが周りを見回しながら言う。
彼らの周りに展開されたのは、円形の客席。
遊戯たちを取り囲むかのように展開され、遊戯たちがこれから戦う戦士であることを表すかのようにそこに現れたその建物は……。
「これが俺たちの舞台! 『
「古代ローマの、あれだよね」
「
『カイバ! カイバ! カイバ! カイバ! カイバ!』
「スゲーぜ兄サマ!」
「……」
凄い。システムはとんでもない。
さすが、時代の最先端をいく海場コーポレーションの技術だ。
そこに否定の余地などかけらもない。
しかし、勝利たちは微妙な表情を浮かべていた。
「……自分で作ったシステムに、自分の事応援させて、恥ずかしないんかあいつは」
「本当」
竜崎と舞のセリフに完全に同意する勝利だが、いろんな恩や感謝もある海馬に敢えて無礼をする必要もあるまいと、同意の言葉を飲み込んだ。
「さあ、デッキからカードの剣を抜け!」
海馬の言葉に、場の空気が一気に引きしまる。
それは、決闘開始の合図。
遊戯と海馬の、因縁の決闘の始まりだった。
(……僕らは、杏子ちゃんたちに託されたんだ。ソリッドビジョンの応援に、負けてられないよね)
「がんばれ! 遊戯君!」
「海馬をぶったおしなさい! 遊戯!」
「しょーもない決闘しおったら許さんで! 遊戯!」
「っ! ああ! カードドロー!」
「ふん」
海馬 LP 4000
「デュエル!」
遊戯 LP 4000
「俺のターン! 俺は、"Y-ドラゴン・ヘッド”を守備表示で召喚!」
Y-ドラゴン・ヘッド
光属性 機械族 星4
攻撃力 1500
守備力 1600
X、Y、Zで変形合体する
「カードを1枚セットし、ターンエンド!」
「俺のターン! 俺は、"クィーンズ・ナイト”を守備表示で召喚!」
クィーンズ・ナイト
光属性 戦士族 星4
攻撃力 1500
守備力 1600
「さらにカードを1枚セットし、ターンエンド」
海馬 LP 4000 手札4枚
Y-ドラゴン・ヘッド
守 1600
伏せカード1枚
遊戯 LP 4000 手札4枚
クィーンズ・ナイト
守 1600
伏せカード1枚
「初ターンは、二人ともほぼ同じ構え……」
「うん。牽制のための伏せカード。そして"Y-ドラゴン・ヘッド”も、"クィーンズ・ナイト”も、それぞれの方法でモンスターを展開しながら戦うモンスター群」
「神の召喚の、布石っちゅうわけやな」
遊戯と海馬の間に漂うひりついた空気に息を飲む二人。
優秀な決闘者たちは、すでに二人の決闘の、少し先の未来を見据えている。
「俺のターン! 俺は"Z-メタル・キャタピラー”を守備表示で召喚!」
Z-メタル・キャタピラー
光属性 機械族 星4
攻撃力 1500
守備力 1300
X、Y、Zで変形合体する
「俺はこれで、ターンエンドだ」
海馬が静かにターンを終える。
その様子に、勝利たちが少し眉を曲げた。
「海馬、攻めてこなかったわね」
「ああ……あいつの展開しとるモンスターは『ユニオン』モンスターや。合体させれば攻撃力が上がる。そうすりゃ、"クィーンズ・ナイト”を破壊できたはずや」
「『絵札の三銃士』のモンスター効果は、海馬君も知っているはず。なのに"クィーンズ・ナイト”の処理を急がなかった……遊戯君の伏せを恐れているのか、それとも……」
(たとえ次のターンに三銃士がそろうことになったとしても、その時には奴は召喚権を使用している。次のターンに神をそろえることは不可能。それよりも、お前の低級モンスターにいなくなってもらっては困るんでな……)
海馬は自分の手札を見て、ほくそ笑んだ。
《THE GOD OF OBELISK》
ATTACK 4000
DEFFENCE 4000
The Player shall sacrifice two bodies to God of Obelisk.
The opponent shall be damaged.
And the monsters on the field shall be destroyed.
(勝利の神は俺に微笑む。いついかなる時も)
「俺のターン! ドロー!」
引いたカードを見て、今度は遊戯がにやりと笑った。
「……海馬。攻め手を緩めたことを、後悔させてやるぜ! 俺は手札から、"キングス・ナイト”を召喚!」
「っ! 来た!」
キングス・ナイト
光属性 戦士族 星4
攻撃力 1600
守備力 1400
クイーンが場に存在するとき、デッキからジャックを場に呼び寄せる
「なんちゅうドローや。たった2ターンで、絵札のカードをそろえよった!」
「ええ、そして……」
「"キングス・ナイト"の効果発動! フィールドにキング、クイーンの2体がそろったとき、デッキから"ジャックス・ナイト”を特殊召喚する!」
ジャックス・ナイト
光属性 戦士族 星5
攻撃力 1900
守備力 1000
「さらに"クィーンズ・ナイト”を、攻撃表示に変更!」
海馬 LP 4000 手札4枚
Y-ドラゴン・ヘッド
守 1600
Z-メタル・キャタピラー
守 1300
伏せカード1枚
遊戯 LP 4000 手札4枚
キングス・ナイト
攻 1600
クィーンズ・ナイト
攻 1500
ジャックス・ナイト
攻 1900
伏せカード1枚
「一気に遊戯のフィールドのモンスターが3体!」
「海馬のモンスター2体を倒すのにも十分な攻撃力や!」
「ここでの先制は、でかいね」
「バトルだ! "ジャックス・ナイト”で、"Z-メタル・キャタピラー”に攻撃! 『ネイブ・スラッシュ』!」
「甘いぞ! 遊戯! 罠カード発動! "攻撃の無力化”!」
攻撃の無力化
カウンター罠
すべての攻撃は時空の渦に飲み込まれ無効となる
"ジャックス・ナイト"の攻撃が、渦に飲み込まれ勢いをなくす。
そしてほかのナイトたちも、その渦に行動を阻まれ攻撃態勢を解除した。
「くっ……俺はこれで、ターンエンドだ」
「ふっ。貴様のターンは無駄に終わったようだな!」
「さすがに、そう簡単には通らないわね」
「せやけど、モンスターの数で優位をとったのは遊戯や。海馬を速度で追い越した以上、神のカードの先制召喚だって目指せんで!」
「……うん。確かにそうなんだけど」
(絵札モンスターを見せていた遊戯君に、海馬君が攻撃をためらった理由が気になる。こうなることを、見越せていなかったとでもいうのか?)
何か、嫌な予感がする。
自分の感覚が当たっていることを恐れ、口を噤んだ。
しかし、海馬の笑顔が、勝利の想像の答えだった。
「ふん。俺の前に低級モンスターを並べたことを後悔しながらひれ伏すがいい! 俺のターン! ドロー!」
海馬は不敵な笑みを崩さぬまま、カードを1枚ディスクに振り下ろす。
「俺は魔法カード、"クロス・ソウル”を発動!」
「く、"クロス・ソウル”!?」
「そ、そういうことか!」
クロス・ソウル
魔法カード
相手フィールドのモンスターを1体、自軍のモンスターとして生贄に捧げる
そのターンのバトルは放棄する
「このカードによって、貴様のフィールドの"ジャックス・ナイト”を俺のモンスターの生贄に捧げることができる!」
「海馬君のフィールドにはモンスターが2体、"クロス・ソウル”によって生贄が追加され、これで生贄が3体!」
「まさか……もう手札に!?」
勝利たちの顔から、冷や汗が落ちる。
だが海馬は、もう止まりはしない。
手札のカードに、手を掛ける。
「見るがいい……我が神を!」
1枚を引き抜こうとしたその瞬間に。
笑ったのは、遊戯だった。
「今だ! リバースカードオープン!」
「何っ!?」
「このタイミングで!?」
「罠カード、"光の封殺剣”!」
光の封殺剣
罠カード
相手の4ターン目のターン開始時まで、カードを1枚場に封印する
「このカードによって、俺は海馬の手札のカードを1枚、封印することができる!」
「なるほど! 神のカードが絶対的な支配力を見せるのは飽くまで場に出てからの効果」
「召喚前に手札で射抜けば、オベリスクは場に並ぶ前に封印されるわ!」
「俺が封印するのは、右から2番目のそいつだ!」
遊戯が翳した手を振り下ろすと同時に、海馬が手を掛けようとしたその手札を逃さず光り輝く剣が1枚を場に突き刺した。
「ぐっ……おのれえ!!」
封殺剣の対象が正しかったことは、海馬の呻く表情が雄弁に物語っている
「焦るなよ海馬……ゲームはまだ始まったばかりだぜ?」
遊戯の言葉にさらに眉間の皺が深くなる海馬。
しかし、少しした後その表情をふっと普段の自信に満ちた顔に戻す。
「……瞬殺は免れたようだが、貴様に敗北が訪れることに変わりはない!」
「……なんちゅう自信や」
呆れたような、一周回って関心が入り混じるような呟きを竜崎が吐く。
勝利たちは笑いながらも、状況を冷静に整理した。
「でも、神のカードを封じられて生贄召喚ができなくなった以上、このターンに海馬ができることはそう多くないわ」
「うん……一番大きいのは、"クロス・ソウル”の制約……あのカードを発動したターン、バトルはできなくなる……つまり、遊戯君の『絵札の三銃士』を倒す手段はなくなったことになる。もしも遊戯君の手に神のカードがあろうものなら……」
その先の一方的な展開を想像した勝利はしかし、すぐに首を振った。
(海馬君が、そんなことを良しとするはずはない)
「俺は神を封印されたが故に、このターンまだモンスターを召喚してはいない……よって、モンスターを召喚する。いでよ! "X-ヘッド・キャノン”!」
X-ヘッド・キャノン
光属性 機械族 星4
攻撃力 1800
守備力 1500
X、Y、Zで変形合体する
「なっ!?」
「そのモンスターは!?」
「合体能力を持ったモンスター、3体目や!」
(まさか海馬君は、神のカードを降臨を遊戯君が防ぐことも見越して準備をしていたのか!?)
「3体の、マグネットモンスター……」
「その通り。X、Y、Z、3体が場に召喚された時、その合体能力が発動する。行くぞ! "X-ヘッド・キャノン"、"Y-ドラゴン・ヘッド"、"Z-メタル・キャタピラー"の3体をゲームから除外し、新たな合体モンスターを召喚する!」
3体のモンスターが、空中でぶつかり合い、その身を合わせる。
"Z-メタル・キャタピラー"がその四つ足を使い下半身に。
"Y-ドラゴン・ヘッド"が、その羽ばたく身を同体に。
そして"X-ヘッド・キャノン"がその手法を構える上半身となり、1体のモンスターが新たに誕生した。
「現れよ! "XYZ-ドラゴン・キャノン”!」
XYZ-ドラゴン・キャノン
光属性 機械族 星8
融合モンスター
X-ヘッド・キャノン+Y-ドラゴン・ヘッド+Z-メタル・キャタピラー
攻撃力 2800
守備力 2600
3体を場から除外し、合体召喚する
手札を1枚捨て、相手カードを1枚破壊する
突如現れた大型モンスターに、場の空気が一気に海馬のものへと変わる。
「まさかこんなモンスターを用意していたなんて……」
「……融合にモンスターを使ったことで、3体の生贄は遠ざかったけど、出したモンスターも十分に強力なモンスター。神を躱すだけでは、海馬君に対して有利を取り切ることはできないってことだ。これは1本取られたね」
「バトルはもう出来ひん。けど、あのモンスターは……」
「"XYZ-ドラゴン・キャノン”の効果起動! 手札を1枚捨て、敵フィールドのカードを1枚破壊する! 対称は、"ジャックス・ナイト”だ! 『ハイパー・インパクト』!」
海馬 手札2枚 ⇒ 手札1枚
"ジャックス・ナイト” 破壊
「ぐっ! "ジャックス・ナイト”が!?」
「俺はさらにカードを伏せ、ターンエンドだ」
海馬 LP 4000 手札0枚
XYZ-ドラゴン・キャノン
攻撃力 2800
伏せカード1枚
オベリスクの巨神兵 封印中(1ターン目)
遊戯 LP 4000 手札4枚
キングス・ナイト
攻 1600
クィーンズ・ナイト
攻 1500
伏せカードなし
「……これで遊戯君は、手札に神のカードがいたとしても、生贄が足らなくなった」
「海馬もさすがに、神のカードを警戒してるっちゅうわけやな」
「全員が"ラーの翼神竜"に勝るとも劣らない力を持っているとするのであれば、当然の話でしょうね」
(さあ遊戯君。どうする?)
「俺のターン、ドロー……」
引いたカードを見てしばし止まる遊戯だったが、やがてその顔を笑顔に変える。
「強力モンスターを出して俺のカードを葬ってさぞご満悦のようだが、そんなカードじゃあ、俺には勝てないぜ! 海馬!」
「何……?」
今度は遊戯が意気揚々と、引いたカードを場に卸す。
「魔法カード、"浅すぎた墓穴”を発動!」
浅すぎた墓穴
魔法カード
互いのプレイヤーは墓地のモンスターを1体選び、場に裏側表示でセットする
「"浅すぎた墓穴”の効果により、俺たちはお互いの墓地から1枚モンスターを選択し、場にセットすることができる!」
(なるほど。うまい)
「この効果なら、さっき破壊された"ジャックス・ナイト”を蘇生できるわ!」
「ちょお待て。あのカードは、互いの墓地にモンスターがいるときのカードやろ? 海馬のモンスターは合体のために除外されたから、墓地にカードは……」
「いや……見落としてるぜ、竜崎君」
「海馬。お前はさっき、"XYZ-ドラゴン・キャノン”の効果によって墓地にカードを送ったよな?」
「……くっ……」
「さあ、そのモンスターを蘇生しな。俺も、カードを1体蘇生するぜ!」
海馬 LP 4000 手札0枚
XYZ-ドラゴン・キャノン
攻撃力 2800
伏せモンスター1体
伏せカード1枚
オベリスクの巨神兵 封印中(1ターン目)
遊戯 LP 4000 手札4枚
キングス・ナイト
攻 1600
クィーンズ・ナイト
攻 1500
伏せモンスター1体
伏せカードなし
「……なるほどな。目ざといやっちゃ」
「これで遊戯君のフィールドには、モンスターが3体」
「生贄が、そろってる……」
来るか。
神が。
全員の意識が、遊戯の手札に。
その行く先に集まる。
遊戯が、手札の1枚を抜き出した。
「俺は……"融合"を発動!」
「何っ! "融合"だと!?」
「なるほど……そっちか」
融合
魔法カード
決められたモンスター2体以上を融合する
「このカードによって、フィールドに存在する『絵札の三銃士』を融合する!」
"キングス・ナイト"、"クィーンズ・ナイト"、そして伏せられていた"ジャックス・ナイト”が立ち上がり、剣を束ねる。
その剣が光り輝き、やがて一人の戦士が場に降臨した。
「現れよ! 天位の騎士、"アルカナ ナイトジョーカー”!」
アルカナ ナイトジョーカー
光属性 戦士族 星9
融合モンスター
キングス・ナイト+クィーンズ・ナイト+ジャックス・ナイト
攻撃力 3800
守備力 2500
相手の効果がアルカナ ナイトジョーカーを選択した時、そのカードと同じ種類のカードを手札から捨てることで、その効果を無効にする
凛として剣を構え身を置くその姿に、勝利たちが息を飲む。
その表情は、興奮を抑えきれぬ様子だった。
「あれが……絵札を束ねた時に現れる天位騎士……」
「"カオス・ソルジャー"に並び立つほどの伝説とされる戦士……」
「攻撃力、3800。いきなりなんっちゅうモンスターを……」
同じく3体のモンスターを束ねたエース級モンスターが互いのフィールドに並び立つ。
しかし、その2体には、明確な優劣が存在していた。
海馬 LP 4000 手札0枚
XYZ-ドラゴン・キャノン
攻撃力 2800
伏せモンスター1体
伏せカード1枚
オベリスクの巨神兵 封印中(1ターン目)
遊戯 LP 4000 手札3枚
アルカナ ナイトジョーカー
攻 3800
伏せカードなし
「遊戯……"XYZ-ドラゴン・キャノン”の攻撃力を、たった1ターンで超えるだなんて……」
「しかも……あのカードには、特殊能力がある」
「"アルカナ ナイトジョーカー”は1ターンに1度、自身を対象として魔法・罠・モンスターの効果を、それと同じ種類のカードを手札から捨てることで、無効にすることができる」
「……遊戯の手札次第やけど、海馬の罠や魔法は通じひんっちゅうわけやな」
「ああ……これで遊戯君は、決闘の場を完全に制圧した!」
「さあ、行くぜ海馬! "アルカナ ナイトジョーカー”で、"XYZ-ドラゴン・キャノン”に攻撃! 『天剣ージョーカーズブレード』!」
「……さすがだとほめてやりたいところだが……甘いぞ、遊戯! 罠カード発動! "亜空間物質転送装置”!」
「何っ!?」
亜空間物質転送装置
罠カード
自軍のモンスターを1ターンだけ亜空間に逃がす
「このカードの効果によって、"XYZ-ドラゴン・キャノン”を除外!」
"アルカナ ナイトジョーカー”の剣がその身を討つその瞬間に、"XYZ-ドラゴン・キャノン”がその場から消える。
敵を掠めたその攻撃は、代わりの海馬のセットモンスターへと向かった。
アルカナ ナイトジョーカー
攻 3800
伏せモンスター
水晶の占い師
守 100
「……攻撃を躱された」
「自身をねらっとらんカードは、いくら"アルカナ ナイトジョーカー”でも無効にできんからな」
「さすがに海馬のうまさが出たわね。しかもあのセットモンスター……」
「"水晶の占い師”の効果発動! デッキからカードを2枚引き、1枚をデッキの下に戻す!」
水晶の占い師
水属性 魔法使い族 星1
攻撃力 100
守備力 100
2ターン先まで未来を見通し、カードを選択する
「手札補充まで……海馬もまた、完璧に切り返した」
「くっ……俺はこれで、ターンエンドだ!」
「この瞬間に、"XYZ-ドラゴン・キャノン”が帰還する!」
海馬 LP 4000 手札1枚
XYZ-ドラゴン・キャノン
攻撃力 2800
伏せカードなし
オベリスクの巨神兵 封印中(1ターン目)
遊戯 LP 4000 手札3枚
アルカナ ナイトジョーカー
攻 3800
伏せカードなし
「遊戯君が持っていきかけた場の流れを、海馬君が逃すまいと引き戻した……」
「まだまだ……どうなるかわからんってわけや」
「……やっぱり、神のカードがどこで現れるのか。そこが一つのターニングポイントね」
勝利たちが、冷静に状況を分析する。
しかし、その言葉が聞こえていたか。
それとも、今のターンの攻防に思うところがあったか。
海馬が高らかに笑い声をあげた。
「ハッハッハッ! 遊戯。所詮貴様もその程度。真に神に見初められし決闘者はこの俺、ただ一人だということだ!」
「……何だと?」
「……いきなり何の話や?」
「さあ……?」
「……」
「俺は神を召喚しようとし、貴様に咎められた。その攻防は見事だったと褒めてやろう。しかし今のターンに、『最強の決闘者』の称号を決定するこの決闘の全てが詰まっていた」
「……」
「『神』は常に……最強の決闘者の元に舞い込むのだ!」
「……その意見には賛成だが、それはお前ではないよ。海馬」
勝利たちから少し離れた観戦席で、マリクが笑う。
対称的に勝利は、海馬の演説を苦々しく聞いていた
「今の貴様のターン。俺には召喚妨害のカードはなかった。つまり遊戯。貴様は神を召喚しようと思えば、召喚することが可能だった」
「……それがどうした?」
「ふん……強がろうとも、貴様が今神のカードを持たぬことは明白。貴様は神降臨のタイミングを、自ら逃したのだ!」
海馬は遊戯を指さし、神を従えぬその姿を揶揄する。
その言葉には力があり、駆け引きや挑発の色ではない、確信が彼の瞳から感じられた。
「神のカードを従え、この決闘を制し、『決闘王』の称号を手にするのはこの俺! それを今から、証明してくれるわ!」
「……なんやあれ。別に、神のカードが絶対。ってわけでもないやろ。"アルカナ ナイトジョーカー”だって超エース級カードや」
「……同感ね。神のカードは確かに強力だけど、その力が完璧じゃあないことは、城之内が証明してくれた。まだ決闘も始まったばかりだし、召喚を逃したって非難されるようなことじゃあ……勝利?」
言いかけていた舞が、勝利を見て言葉を止める。
勝利の表情は、苦々しくもあり、歯がゆく、辛そうでもあった。
「……何か、気持ちが悪い。海馬君が、神を絶対視しすぎている」
「……? 確かに、海馬は神のカードを、文字通り神格化してるっぽく見えるけど……そんなにおかしい事?」
「まあ、歪んだ思想やとは思うけどな。海馬の性格考えりゃ、そない不自然なことでもないで?」
二人の意見は最もだった。
いや、もっと言えば、不自然であってもいい。
どれだけ怪しく、常識からかけ離れた思想であれど、それは海馬の思想であり、勝利がとやかく言うようなものでもない。
しかし、勝利は自身の感覚で、明確にそれを嫌悪していた。
(……わからない。僕が海馬君に、何を求めているのか……その答えは、この決闘の先にあるんだろうか)
勝利は改めて遊戯を見る。
勝利と同じ、苦しい想いか。
それとも、別を想うか。
遊戯の表情からは、彼の想いを読み取ることはできなかった。
ただ真っすぐに、遊戯は海馬を捉える。
「御託はいいからかかってきな! 俺の魂のデッキが、粉砕するぜ!」
二人の決闘は、始まったばかりだった。
というわけで、遊戯vs海馬戦。
少し悩みましたが、ちゃんと書くことにしました。
私の小説で、細かく書くかカットするかと決める基準は何個かありますが、明確なものを上げると
・勝利たちがかかわる、原作にない決闘
・勝利たちの動きで結果、および内容が変わる決闘
+
・書きたい、書いてて楽しい決闘
になります。
遊戯vs海馬
については、
・勝利たちの動きで結果、ないし内容が変わる可能性がある、と私が判断した決闘
+
・書きたい、書いてて楽しい決闘
になります。
勝利たちの介入によって、二人の決闘がどうなるのか。
お楽しみください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
活動報告の方で、乃亜編のアイデアを募集しています。
・乃亜編のアイデアについて
勝利たちの『デッキマスター能力』について、募集中です。
ぜひお知恵をお借りできると幸いです。よろしくお願いします。
超魔導竜騎士の参加はありorなし
-
友情カードの融合!熱い!やって欲しい!
-
遊戯があれ使ってるの見たくない!却下!