遊戯王~黒き羽根は夢に舞う~   作:haruko

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ちょっと長いです。17000文字。
城之内vsマリクの時も長かったので、マリクのせいなのではないでしょうか。

切りどころがなさすぎる。


LP1の戦い その果ての未来

 

 

 

マリク LP 8800 手札5枚

 

ラーの翼神竜

 

守 0

 

伏せカードなし

 

(マキュラ効果 手札から罠カード発動可能)

 

 

勝利  LP 3001 手札1枚

 

ブラックフェザー・ドラゴン

 

攻 2800

 

BF-疾風のゲイル

 

攻 1300

 

伏せカード1枚

 

 

 

「はぁ……はぁ……ぺっ」

 

勝利がたまらず吐き捨てた唾に、赤い血が混じる。

それを見て眉間に皺を寄せたが、無視するように前を向く。

しかし、真っすぐマリクを見据えるための視界が歪み、いつの間にか視界が傾く。

よろける体を必死に支えるために踏ん張る軸足に、激痛が走った。

 

いよいよ、闇のゲームのダメージが肉体に深刻な以上を来している。

 

そしてそれは、闇のゲームを体感している舞は当然として、周りの皆もまた勝利の異常に気付き始める。

 

 

「おいおい……勝利の奴、もうボロボロじゃねえか!」

 

「勝利君……」

 

「くっそお! こう何度もラーの攻撃を受けちゃあ、勝利の体がもたねえぞ!?」

 

「……(本田君のいう通り、このままでは決闘の決着まで、勝利君の体は持たない。だが……)」

 

 

 

 

「遊戯」

 

 

 

 

「っ!? イシズ!」

 

遊戯の思考に横入するように、イシズが話しかける。

その表情は……何かを悟り、そして悲しむような、怯えるような顔。

 

「……あなたは、気づいていますね。勝利が……いえ、二人が巻き込まれた、闇のゲームの全容を……」

 

「……やはり、舞もあそこで、勝利君とともに戦っているのか……」

 

イシズの言葉に、納得したように、しかし苦々しくそう零す遊戯。

そしてそれを聞いた杏子は、驚愕の声を遊戯にぶつける。

 

「ど、どういうこと遊戯!? なんで、舞さんがあそこにいるって……?」

 

舞の体を抱きしめながら、杏子は遊戯を見る。

その瞳は、何か縋るような思いで遊戯を捉えている。

 

遊戯は察した。

舞に触れている杏子には、もうわかっているのだ。

舞のその体に、舞がいないこと。それは、ただの抜け殻であるということに。

それでも、そんな事実を信じたくなくて、遊戯に答えを求めている。

 

一瞬口を開くのを憚られる思いだったが、遊戯は誤魔化すことに価値はないと、思うままに伝えた。

 

「……マリクの行う闇のゲームの対象として、舞の魂は、あの場に引きずりだされている。おそらく……闇のゲームの、生贄として……」

 

「そ……そんな!?」

 

「じゃあまさか! この決闘にかかっているのは、勝利と、舞の命!?」

 

 

 

 

 

「そう……そして、負ければ暗黒へと誘われるその究極の闇の決闘で、彼らは、狂気の選択をした。この神との戦いを、戦いきるという選択を」

 

 

 

 

 

イシズの言葉に、困惑の表情と声が漏れる。

しかし遊戯は、イシズが自分が出した答えと同じ答えにたどり着いたという事実を理解し、汗を垂らす。

 

「……おい。いったい、何の話なんだ? 勝利君の、狂気の選択って……」

 

「わからんか、愚か者ども」

 

今度はそのイシズの後ろから、海馬がいつも通りの強い口調で歩み寄る。

しかし、その口調とは裏腹に、表情に余裕はない。

 

遊戯は、すぐに気づく。

海馬もまた、勝利の選択にたどり着いている。

 

「……遊戯。お前はわかっているだろう。勝利が、何を選択したのかを」

 

「……ああ」

 

返した遊戯は、最後の確認と言わんばかりに勝利を見る。

そしてその煤けていながらも、全くぶれることのない視線と、強さを伴う横顔で、確信した。

 

 

 

 

「……勝利君は、真っ向から受けきるつもりだ。これからの神の攻撃を、その身一つで、耐えきるつもりなんだ」

 

 

 

 

 

「えっ!?」

 

「嘘っ!?」

 

「っ馬鹿野郎! そんなことしたら、勝利と舞は!!?」

 

「……あのアホ」

 

 

 

 

「……ああ。ただでは済まない」

 

 

 

 

絶句した皆は、勝利を見る。

大きく息を吐いて、勝利は決闘盤を持ち直す。

 

すでに2回、ラーの攻撃を受けているその体は、誰が見ても限界が近い。

しかし、勝利に止まる様子は欠片も見られなかった。

 

 

 

「さあ、僕のターンは、終わりだ。お前のターンだよ、マリク」

 

 

 

「……不死鳥は、再び墓地へ舞い戻る」

 

 

 

 

マリク LP 8800 手札5枚

 

モンスターなし

 

伏せカードなし

 

 

勝利  LP 3001 手札1枚

 

ブラックフェザー・ドラゴン

 

攻 2800

 

BF-疾風のゲイル

 

攻 1300

 

伏せカード1枚

 

 

 

無言のままにカードを引くマリク。

 

手札は6枚。LPは驚異の8800。

 

勝利のフィールドには強力なシンクロモンスター、"ブラックフェザー・ドラゴン"がいるとは言え、神の一撃を以てすれば軽々とひっくり返る。

 

マリクの、圧倒的有利なこの状況。

しかし、マリクの表情は優れない。

 

 

(……すべてを、受けてやるだと? なめやがって。必ずやお前の顔を絶望の表情にゆがめた後、お前の女とともに地獄の闇に葬ってやる!)

 

「……俺はモンスターをセット。そして、カードを3枚セットし、ターン終了」

 

 

 

マリク LP 8800 手札2枚

 

伏せモンスター1体

 

伏せカード3枚

 

 

勝利  LP 3001 手札1枚

 

ブラックフェザー・ドラゴン

 

攻 2800

 

BF-疾風のゲイル

 

攻 1300

 

伏せカード1枚

 

 

 

 

「また、伏せカード……」

 

「……おそらく、あの中のカードの一部は、ラーの再召喚の布石やろうな」

 

「ああ。間違いない。勝利君を罠で牽制しながら、準備を整えきる算段だ」

 

「……勝利さん」

 

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

不安に思う皆の気持ちを、振り切るように勝利がカードを引く。

伏せにも、神にも、怯えはなかった。

 

「フィールドに、BFが存在する場合、このモンスターは特殊召喚できる。来い! "BF-突風のオロシ"!」

 

 

 

BFー突風のオロシ

 

闇属性 鳥獣族 星1 (チューナー)

 

攻撃力 400

 

守備力 600

 

BFがいるとき特殊召喚できる

シンクロに使用された時、モンスターの表示形式を変更する

 

 

 

「……舞さん」

 

「けほっ、けほっ……気にするなって言ってるでしょ。真っすぐ、戦いな」

 

「……うん! さらに手札から、"翼の恩返し"を発動!」

 

 

翼の恩返し

 

魔法カード

 

鳥獣族モンスターが2体以上存在する場合、600LPを払って2枚ドローする。

 

 

「LPを600支払い……ぐぅ! カードを2枚ドロー」

 

 

勝利  LP 3001 ー 600 = 2401

 

 

ドローした勝利が胸を抑えると同時、舞の腕が、また一部闇に飲まれる。

しかし舞に、闇に怯える姿はない。

 

「僕に魂を預けてくれた、舞さんの覚悟。無駄にはしない! 僕は、ゲイルとオロシを生贄に、新たなモンスターを召喚! 現れよ! "BF-激震のアブロオロス"!」

 

 

 

BF-激震のアブロオロス

 

闇属性 鳥獣族 星7

 

攻撃力 2600

 

守備力 1800

 

攻撃力を下げることで、爆風を巻き起こし、カードを手札に戻す

戦闘を行うことで、台風を巻き起こし、モンスターを手札に戻す

 

 

 

「よしっ! あのモンスターは、相手のフィールドの魔法・罠カードを手札に戻す効果がある!」

 

「おおっ! マリクの罠カードを吹き飛ばしちまえば、勝利の攻撃のチャンスが来るぜ!」

 

 

 

「行くぜ! 僕はアブロオロスの……」

 

 

 

 

「そう簡単に行かせるかよ。罠カード発動! "強制脱出装置"!」

 

「っ!?」

 

 

 

強制脱出装置

 

罠カード

 

モンスター1体をフィールドから吹き飛ばし、手札に戻す

 

 

勝利が宣言するよりも先に、アブロオロスの着地した地面で大爆発が起こる。

その勢いに押されたアブロオロスが、振り上げた棍棒を卸すことなく、勝利の手札に舞い戻る。

 

 

「攻めが単調になっているんじゃないのか、勝利ぃ? やはり、神に真っ向からぶつかるのは怖くなって、勝負を決めたくなったか?」

 

「……僕は手札から、"闇の誘惑"を発動」

 

 

闇の誘惑

 

魔法カード

 

デッキからカードを2枚ドローし、闇属性モンスターをゲームから除外する

 

 

「デッキから2枚ドロー。そして、アブロオロスを除外」

 

 

 

「ちっ……防がれちまった」

 

「失敗のリカバリーを用意してるのはさすが勝利、っちゅうところやけどな。さすがにマリクも、うまいタイミングや」

 

「ああ……"強制脱出装置"はバウンスカード。融合モンスターのような手札に戻ることがないモンスターは、融合デッキに取り除かれることになる。勝利君のシンクロモンスター

、"ブラックフェザー・ドラゴン"もそれは同様。"ブラックフェザー・ドラゴン"のために発動してもおかしくはなかったが、マリクは勝利君の生贄召喚のタイミングを読み、効果を発動する前に潰して見せた。悔しいが、今のはマリクが1枚上手だった」

 

 

 

「フン。そんなものは、見ていればわかる。問題なのは、この次だ」

 

 

 

海馬が、ぶっきら棒に言う。

しかし、次の勝利の動きを読もうとするその瞳は、真剣そのものだった。

 

「……兄サマ?」

 

(……アブロオロスによる伏せカードの除去は失敗した。であれば、本来はこのターンは攻めに転じるのは諦めて、マリクの動きを見定めるターン。だが……)

 

(……今の勝利に、その道はあらへん)

 

(勝利君なら、必ず……)

 

 

 

 

「……バトル! "ブラックフェザー・ドラゴン"の攻撃! 『ノーブル・ストリーム』!」

 

 

 

 

 

(やはり、攻める!)

 

(これで、何が発動するか……)

 

「……」

 

 

 

ブラックフェザー・ドラゴン

 

攻 2800

 

聖なる魔術師

 

守 400

 

 

 

モンスターが破壊され、マリクは笑い、そのカードを知る遊戯たちは、顔を青ざめる。

 

 

 

「ハハハハハ! "聖なる魔術師(セイント・マジシャン)"の効果発動! 墓地に存在する魔法カードを、1枚回収する!」

 

 

 

聖なる魔術師(セイント・マジシャン)

 

光属性 魔法使い族 星1

 

攻撃力 300

 

守備力 400

 

リバースした時、墓地の魔法カードを回収する

 

 

 

「当然、回収するのは……"死者蘇生"!」

 

 

 

 

「っ! やべぇ!」

 

「これで"ブラックフェザー・ドラゴン"が破壊されちゃう!」

 

「いやっ、ラーには第3の効果もあるんや! もし第3の効果を使ったら、ラーの攻撃力は8799や! 勝利のLPは、吹き飛んでまう!」

 

「勝利君……」

 

 

 

 

 

「……僕はこれで、ターンエンド」

 

 

 

 

 

マリク LP 8800 手札3枚(死者蘇生)

 

モンスターなし

 

伏せカード2枚

 

 

勝利  LP 2401 手札2枚

 

ブラックフェザー・ドラゴン

 

攻 2800

 

伏せカード1枚

 

 

 

 

 

「クックック……闇の足音が聞こえてきたかい、勝利? 待ってろ、今送り届けてやる! 俺のターン、ドロー!」

 

マリクはドローカードを手札に入れ、"死者蘇生"に手を掛ける。

攻撃力をあげたラーで攻撃すれば、勝利のLPは0になり、自分の勝ちが決定する。そんなことは、マリクもわかっている。

だがしかし、マリクは冷静に勝利のフィールドを見つめていた。

 

(……だいぶ前から発動していないリバースカードが1枚……発動条件が厳しいのか、それとも……ラーの攻撃を躱すための、罠カードか)

 

マリクの手札に、"神秘の中華鍋"はもうない。

ということはラーの効果を使ってしまえば、マリクのLPも1になり、万が一にも仕留めそこなった場合一気に危険になる。

 

(……奴の言葉を鵜呑みにし、無理して攻撃するのも馬鹿らしい。そもそも圧倒的有利なこの状況なら……)

 

 

 

 

「……さあ、行くぞ! 俺は手札から、"死者蘇生"を発動!」

 

「っ……」

 

 

 

 

勝利が少し、息を飲む。

その後、舞と目を合わせ、同時に頷く。

 

 

 

 

(大丈夫。もう、覚悟は決めた。ラーと……戦いきって見せる!)

 

 

 

 

 

「さあ……三度甦れ! "ラーの翼神竜"!」

 

 

 

 

 

The Winged Dragon of Ra

 

ATTACK  0

DEFFENCE 0

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

再びフィールドに甦る不死鳥。

そしてマリクが、呪文を唱え始め、ラーが姿を変える。

 

 

 

 

 

 

「これは……」

 

「第2の効果。モンスター1体を、問答無用で抹殺する効果か」

 

 

 

 

 

 

「さあ。神を恐れろ。死の足音に震えろ! 黒羽勝利! ハハハハハ!」

 

 

 

 

 

 

 

「……怖くないさ」

 

 

 

 

 

「……なに?」

 

 

 

燃ゆるラーを従え、愉快に笑うマリクに対し、勝利は静かな笑みを見せる。

恐れはない。

その言葉に、嘘がないことは、その表情でわかる。

 

 

 

「……忌むべきは、闇そのもの。貴様という邪悪な存在が生み出す、この闇のゲームというくだらない舞台。カードには、神には、善も悪もない。僕はラーの声を聴き、それに気が付いた。だから、討つべきはラーではないと気づいたんだ」

 

 

 

「……勝利君」

 

 

 

 

 

(ラー)は言った。僕は、確かに聞いたんだ」

 

 

 

 

 

 

 

『我は戦い、王を待つ』

 

 

 

 

 

 

 

「王……だと?」

 

 

 

 

 

 

「……王?」

 

「何の話だ?」

 

皆が疑問符を浮かべる中、イシズ、そして遊戯は、少しだけ表情を変える。

 

 

 

(王……それは果たして、名もなき王の事か……それとも……)

 

(……王)

 

 

 

 

思考の海に沈みかける遊戯を、勝利の高らかな宣言が引き戻す。

 

 

 

 

「ラーの力は、確かに強大。だがしかし、そこに悪も、闇もない! だから僕は、耐えきって見せる! そして、ラーの先にいるお前を討ち、闇を打ち払って見せる!」

 

 

「ふっ、ならばその身でしっかりと味わうがいい! ラーの強大さをな! LPを1000ポイント支払い、"ラーの翼神竜"の効果! 再び"ブラックフェザー・ドラゴン"を灰にしてやれ! 『ゴッド・フェニックス』!」

 

 

マリク LP 8800 ー 1000 = 7800

 

 

 

"ブラックフェザー・ドラゴン"の身に、炎の柱が襲い掛かる。

 

 

 

(っ! 来る!)

 

(……耐えて見せるわ!)

 

 

 

 

『ファー!!!』

 

「があああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

「勝利ぃいいいいいいいい!!!!!」

 

「舞さん!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

城之内が吠え、杏子が叫ぶ。

 

痛みは伝わらずとも。

姿が見えずとも。

 

 

勝利が、舞が。

友が、仲間が。

 

 

傷つき、それでも戦っている姿を、彼らはしっかりと見据えていた。

 

 

 

 

 

 

やがて火が収まり、勝利のフィールドからモンスターが消える。

勝利は膝をつき、だらりと腕を卸している。

 

 

しかしそれでも、勝利は城之内たちに笑顔を向けた。

 

 

「……だい、じょうぶ……僕は……勝つよ……」

 

 

 

 

「しょ……勝利さん……」

 

 

 

 

「不死鳥は、墓地に舞い戻る。ハハハ。虫の息とはこのことだな」

 

「っ! 貴様!」

 

「安心しろよ遊戯。こいつを葬れば、すぐにお前も同じ場所に送ってやる。さて……これで貴様のフィールドのモンスターは消えた」

 

 

 

 

マリク LP 7800 手札3枚

 

モンスターなし

 

伏せカード2枚

 

 

勝利  LP 2401 手札2枚

 

モンスターなし

 

伏せカード1枚

 

 

 

 

「俺は手札から、"ヂェミナイ・デビル"を召喚!」

 

 

ヂェミナイ・デビル

 

闇属性 悪魔族 星4

 

攻撃力 1000

 

守備力 1000

 

手札を捨てる効果を無効にし、破壊する

その後カードを1枚ドローする

 

 

「……"ヂェミナイ・デビル"。おそらく、手札の"死者蘇生"が狙われた時の対策カードか」

 

「"死者蘇生"が決まった後は、攻撃のための駒として出てくるっちゅうわけやな……憎らしいくらい理に叶っとる」

 

「勝利のフィールドに、もうモンスターはいねえ……」

 

 

 

「バトルだ! "ヂェミナイ・デビル"で、勝利にダイレクトアタック! "ツイン・フレア"!」

 

 

 

「っ! (駄目だ……このカードは、まだ使えない!)」

 

 

 

ヂェミナイ・デビル

 

攻 1000

 

 

 

勝利 LP 2401 ー 1000 = 1401

 

 

 

 

「があ!! ま、舞さん……」

 

炎が身を焼き、叫び声を漏らしながらも、舞を見る。

足、腹部、胸部が闇に包まれ、体の半分以上が消えていく。

 

「だ……大丈夫。大丈夫だから……あんたは……前を……」

 

 

 

 

「ハハハ。まだそんな言葉が吐けるとは。さて、『早く殺して』と懇願し始めるのはいつになるのか、楽しみだねえ。俺はカードをさらに1枚伏せ、ターンエンド」

 

(このカードで奴は、チェック。奴はもう、敗北の一途を辿るのみ……フフフ……)

 

 

 

 

 

 

 

マリク LP 7800 手札1枚

 

ヂェミナイ・デビル

 

攻 1000

 

伏せカード3枚

 

 

勝利  LP 1401 手札2枚

 

モンスターなし

 

伏せカード1枚

 

 

 

 

 

 

 

「僕の……ターン……」

 

勝利が声を出し、デッキに手を伸ばす。

しかし、その手が1度、ディスクの横を切る。

 

勝利は誤魔化すかのようにデッキからカードを引くが、もう体がいうことを聞いていないのは火を見るより明らかだった。

 

それでも、勝利はドローを見て、笑う。

 

 

 

 

「僕は……墓地に存在する、闇属性モンスター、"融合呪印生物-闇”と、"ライフ・コーディネーター”をゲームから除外」

 

 

 

 

「っ!? 何?」

 

「なんや、この召喚条件!?」

 

 

 

 

(……マグナムさん。僕に、力を貸してくれ!)

 

 

 

 

「闇と風の狭間より、舞い降りろ。黒風の支配者、"ダーク・シムルグ”!」

 

 

 

 

 

ダーク・シムルグ

 

闇属性 鳥獣族 星7

 

攻撃力 2700

 

守備力 1000

 

墓地の風・闇モンスターを除外し、手札から特殊召喚できる

手札の風・闇モンスターを除外し、墓地から特殊召喚できる

このカードは風属性としても扱う

このカードが存在する限り、相手はカードをセットできない

 

 

 

 

 

 

「おっしゃあ! マグナムの"ダーク・シムルグ”だ!」

 

「そうか! BFじゃない"ライフ・コーディネーター”は、マリクのカード対策だけじゃなく、この"ダーク・シムルグ”召喚のための布石だったんだ!」

 

「いいぞ! 確かあのモンスターの効果は!」

 

 

期待の声に答えるように、"ダーク・シムルグ”の闇がマリクのフィールドを侵食していく。

 

 

「こ、これは……!?」

 

「"ダーク・シムルグ”の効果。このカードが存在する限り、お前は魔法・罠・モンスターカードのセットができなくなるよ」

 

「何ぃ!? ちっ……」

 

 

 

「……ずいぶんといいカードを手に入れているようだな」

 

海馬さえも感心したような声を上げる。

それこそが、この場における"ダーク・シムルグ”というモンスターの有用性の証明でもあった。

 

(マリクのデッキの大半は、"死者蘇生”を複数回使用するためのカードか、相手のLPを直接削るバーンカード。そして、ラーを呼ぶための時間稼ぎ用罠カードで構成されている。セットを封じるということは、マキュラによる手札からの発動などの例外を除き、罠の発動を封じることができるということ。マリクにとって、これほど煩わしい効果もあるまい)

 

海馬のその推測は、マリクの歪み切った表情を見れば、正解であることはすぐにわかった。

 

 

「さらに僕は……"BF-残夜のクリス”を召喚!」

 

 

BFー残夜のクリス

 

闇属性 鳥獣族 星4

 

攻撃力 1900

 

守備力 300

 

BFがいるとき特殊召喚できる

1ターンに1度、魔法・罠による破壊を回避する

 

 

 

 

マリク LP 7800 手札1枚

 

ヂェミナイ・デビル

 

攻 1000

 

伏せカード3枚

 

 

勝利  LP 1401 手札1枚

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

BFー残夜のクリス

 

攻 1900

 

伏せカード1枚

 

 

 

霞みくらつく視界を必死に固定し、フィールドを見て勝利が息をつく。

さすがにLPは危険水域。

1手間違えば、このターンにだって敗北の可能性があるターンだった。

 

 

(……だが、"ダーク・シムルグ”を出した今、新たに伏せカードが増えることはない……"ツインツイスター”も使って、罠カードを破壊する手段もそう多くない……だったら罠は承知で突っ込んで、使わせる以外に勝機はない)

 

ボロボロの体を起こし、向き直る。

その瞳の炎は、前のターンから一つも変わりはしない。

 

LPが減ろうとも、ラーに三度身を焼かれようとも、勝利の闘志は揺らがなかった。

 

 

 

「……バトルだ!」

 

「ちっ! 罠カード発動! "メタル・リフレクト・スライム”!」

 

 

メタル・リフレクト・スライム

 

罠カード

 

このカードは発動したとき、フィールドにモンスターとして召喚される

 

水属性 水族 星10

 

攻撃力 0

 

守備力 3000

 

このカードは攻撃できない

 

 

 

「このカードは発動後に特殊召喚され、守備力3000の盾となる。貴様のモンスターでは、到底破壊できない」

 

「ちっ……だが、お前のもう1体のモンスターは別だ! "ダーク・シムルグ”で、"ヂェミナイ・デビル”に攻撃! 『闇夜の風』!」

 

 

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

ヂェミナイ・デビル

 

攻 1000

 

 

 

 

「ククク。そいつはどうかな。さらに罠カード発動! "立ちはだかる強敵”!」

 

「っ!!? そ、そのカードは……」

 

 

 

 

立ちはだかる強敵

 

罠カード

 

敵モンスターの攻撃を自軍のモンスター1体に移し替える

相手モンスターはすべて、そのモンスターに攻撃しなければならない

 

 

 

「このカードによって、貴様のモンスターの攻撃はすべて、この"メタル・リフレクト・スライム”が受ける! "ダーク・シムルグ”も、そのクリスの攻撃もな!」

 

 

"ダーク・シムルグ”の攻撃の前に、スライムの壁が立ちはだかる。

そして構えをとっていないはずのクリスもスライムにつかまり、腕をとられ、攻撃を強制される。

 

 

「あかん! "メタル・リフレクト・スライム”の守備は3000! これを通したら勝利は!」

 

 

 

メタル・リフレクト・スライム

 

守 3000

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

BFー残夜のクリス

 

攻 1900

 

 

 

スライムにはじき返された風の刃が、斬撃が、勝利と舞に襲い掛かる。

 

 

勝利 LP 1401 ー (3000 ー 2700) ー (3000 ー 1900) = 1

 

 

 

「あがああああああああああああああ!」

 

「くっ! ああああああああああ!!!」

 

 

 

勝利は再び膝をつき、肩を抑えて倒れこむ。

そして舞の姿はみるみる煙のように消えていき、とうとう顔の半面を残すのみとなってしまう。

 

 

 

「……ま……い、さん……」

 

「だ……だい……じょう……ぶ……」

 

 

 

互いの声が、掠れて耳に届かない。

しかし、必死に、声をかける。

 

そこに間違いなくいることを、確かめるように言葉を交わす。

 

そして、ゆっくりと、確実に、体を起こして、立ち上がる。

 

 

 

 

「しょ……勝利君……」

 

「もうLPが……1に……」

 

「くそっ……ちきしょう……」

 

 

 

 

「兄サマ! 勝利はもう無理なの? 負けちまうのか!?」

 

「……状況としては、見た目ほど絶望的なものではない。"ダーク・シムルグ”がマリクに対して強力なカードであることは間違いがないが……」

 

 

(LP1。それはつまり、もはやマリクの神のカードの攻撃を受けきるという勝利の戦略は、崩壊したことを意味する。いくらラーによる攻撃をさばいたとしても、その後のモンスターの攻撃を止められずに負けては意味がない)

 

 

遊戯たちもまた、海馬と同じように状況を整理する。

 

(ここから勝利君は、LPを守りながらも、マリクがラーを再び呼び出す前に、決着をつけなければならなくなった。うかつな攻撃も即敗北につながりかねないこの状況で、マリクの7800ものLPを一気に削り切るのは、あまりにも厳しい)

 

(一応マリクが今伏せているカードは、今発動戦勝ったことを考えても、攻撃反応や妨害の類の罠やない。次からの攻撃は罠を気にせず攻撃することも可能やろうけど……それでも、勝利が決着をつけるには、時間が足らん過ぎる。そもそも、ラーが出てこんかったとしても、マリクが高攻撃力モンスターを出して、攻撃してきたらそれだけでしまいや)

 

 

 

 

「……僕は……げほっ。これで、ターンエンド」

 

 

 

 

マリク LP 7800 手札1枚

 

ヂェミナイ・デビル

 

攻 1000

 

メタル・リフレクト・スライム

 

守 3000

 

伏せカード1枚

 

 

勝利  LP 1 手札1枚

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

BFー残夜のクリス

 

攻 1900

 

伏せカード1枚

 

 

 

 

「俺のターン、ドロー。っ! ちっ……」

 

(罠カード……このタイミングじゃ使えない。待ち望んでいたカードなだけに、不愉快だぜ……だが……)

 

マリクが手元のカードを見て、露骨に笑みをこぼす。

それを見たギャラリーに、嫌な予感が走る。

 

「あの笑顔……」

 

(すでに、ラーの再召喚の手筈が整っているのか……)

 

(それとも……)

 

 

「俺は手札から、"ダークジェロイド”を召喚!」

 

 

「っ! まずい!」

 

 

ダークジェロイド

 

闇属性 悪魔族 星4

 

攻撃力 1200

 

守備力 1500

 

相手モンスターに呪いをかけ、攻撃力を800下げる

 

 

 

「こいつの効果で、モンスターの攻撃力を800下げることができる。対象は当然……"BFー残夜のクリス”!」

 

「くっ!」

 

 

クリスが胸を抑え、蹲る。

それを見た"ダークジェロイド”が不快音を鳴らして笑う。

 

 

BFー残夜のクリス

 

攻 1900 ー 800 = 1100

 

 

「やべぇ! 勝利のモンスターの攻撃力が、マリクのモンスターを下回っちまった!」

 

「勝利のLPは1しかねえから……」

 

「どんな攻撃であれ、通ってしもたら、終わりや!」

 

「勝利君!」

 

「勝利さん!」

 

 

 

 

 

「さあ! くたばれ勝利! "ダークジェロイド”の攻撃! 『怨念波』!」

 

 

 

 

ダークジェロイド

 

攻 1200

 

BFー残夜のクリス

 

攻 1100

 

 

 

 

「ちっ! 終わらせない! 終わらせて、たまるか! 伏せカードオープン! "ガード・ブロック”!」

 

 

 

 

ガード・ブロック

 

罠カード

 

敵からのダメージを打ち消し、ドローに変換する

 

 

 

 

 

「ダメージを無効にして、ドローに変換する!」

 

「ククク。それがお前の虎の子の伏せカードか。ようやく見れて俺も嬉しいよ」

 

「ぐっ……げほっ、げほっ……」

 

「俺は"ヂェミナイ・デビル”を守備表示に変更する。これで、ターンエンドだ」

 

 

 

マリク LP 7800 手札1枚

 

ヂェミナイ・デビル

 

守 1000

 

メタル・リフレクト・スライム

 

守 3000

 

ダークジェロイド

 

攻 1200

 

 

伏せカード1枚

 

 

勝利  LP 1 手札2枚

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

伏せカードなし

 

 

 

 

 

「あっぶねえ……何とか耐えきったぜ」

 

「ああ……だが」

 

浮かない顔の遊戯。そして、苦い顔の竜崎と、表情を変えない海馬。

三人の頭の中は、同じだった。

 

("ガード・ブロック”……おそらくあれが、勝利君の最後の神対策)

 

("ガード・ブロック”はダメージに対して発動するカードや。相手に対するカードやないから、神の体制をすり抜けて、耐えることができるはずやった)

 

(ラーの第3の効果に対して"ガード・ブロック”を発動して耐えきることができれば、返しのターンにLPが1になったマリクを討つことが可能だった。しかし……勝利のLPが尽きる今、そこまでカードを取っておく余裕はなくなった)

 

 

 

追い詰められている。

神に。マリクに。

 

 

 

それでも、勝利はカードを引く。

諦めは、過ぎりもしていなかった。

 

 

 

「けほっ……ば、バトル……"ダーク・シムルグ”で、"ダークジェロイド”に、攻撃……」

 

 

 

「させねえよ。伏せカードオープン。"闇霊術-欲”」

 

 

闇霊術-欲

 

罠カード

 

闇属性のモンスターを生贄に、魔術を発動する

相手が魔法カードでこれを封じなければ、カードを2枚ドローする

 

 

 

「このカードの効果によって、"ダークジェロイド”を生贄にする。そして俺は、カードを2枚ドロー。最も、貴様はこれを、魔法カードを見せることで無効化することができるぜ」

 

(……なるほど。本命は、攻撃表示の"ダークジェロイド”を攻撃対象から逃がすこと。サクリファイス・エスケープか……しかも……)

 

「……僕の手札に、魔法はない。ドローするがいいさ」

 

「おやおや……いよいよ悪運まで尽きてきたか? じゃあ遠慮なく、2枚ドロー」

 

「くそっ……バトル続行。"ダーク・シムルグ”で、"ヂェミナイ・デビル”に攻撃……」

 

 

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

ヂェミナイ・デビル

 

守 1000

 

 

 

「"ヂェミナイ・デビル”を破壊……はぁ……はぁ……そしてカードを2枚セットし、ターンエンド」

 

「しょうり……」

 

「待ってて……舞さん。すぐに……勝つから」

 

 

 

 

 

マリク LP 7800 手札3枚

 

メタル・リフレクト・スライム

 

守 3000

 

伏せカードなし

 

 

勝利  LP 1 手札1枚

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

伏せカード2枚

 

 

 

 

「……マリクの伏せはなくなった。これでマリクは、新たに罠を伏せることはできない……」

 

「"メタル・リフレクト・スライム”の壁さえ突破できれば、勝利にも勝機はある……せやけど」

 

 

 

 

(マリクに、神召喚の手がまだ残っているのであれば……すべてが終わる)

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン、ドロー……フッフッフッフッフ! いよいよ地獄の闇がお出迎えだなあ? 勝利」

 

 

 

 

 

 

 

 

「何っ!?」

 

「まさか……」

 

「すでに手に!?」

 

背中をぞわりと震わせる、嫌な風が吹き抜ける。

そして、無情にも、マリクのカードはフィールドにたたきつけられる。

 

 

 

 

「魔法カード! "魔法石の採掘”を発動!」

 

 

 

 

 

魔法石の採掘

 

魔法カード

 

手札を2枚捨て、墓地の魔法カードを回収する

 

 

 

 

 

 

「このカードによって、手札から"地獄詩人ヘルポエマー”と、"バイサー・ショック”を墓地に送る。そして……墓地から魔法カードを回収する!」

 

 

 

 

 

その宣言に、一瞬でギャラリーの顔が青ざめる。

この状況で、その効果の意図を察せないものはいなかった。

 

 

 

(ラーの対策カードは、すでに使わされた……)

 

(勝利君にはもう、神に抗うための力も、LPもない)

 

(……負ける……勝利が? 馬鹿な……)

 

 

 

誰も、声を上げない。

それは、あきらめか。

それとも、絶望に対する、最後の抵抗か。

 

 

 

皆、何も言わず、誰も動くこともせずに、その行く末を見守った。

 

 

 

 

「わかっているよなあ。勝利。俺が回収する魔法カード。"死者蘇生”! ハハハハハハハ! これで終わりだ! 勝利!」

 

 

 

 

 

 

墓地から"死者蘇生"を加え、そのまま掲げた手を振り下ろされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間に、口から血を流しながらも、勝利が笑う。

 

暗黒の鳥が、闇を舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

何が起こったのかわからないマリクが、間の抜けた声を響かせる。

 

否、マリクだけではない。

 

 

遊戯も。

 

城之内も。

 

竜崎も。

 

杏子も。御伽も。本田も。静香も。

 

 

そして、海馬でさえも。

 

 

理解が追い付かずに、目を丸くした。

 

 

 

 

 

「……っ! あ、あれは」

 

 

 

 

誰かの声に、視線が集まる。

 

 

黒いカラスが、次元の狭間から、顔をのぞかせて笑っていた。

 

その足に掴まれていたのは、マリクの"死者蘇生”。

 

 

 

『クワックワックワックワッ!』

 

 

 

そしてカラスは、次元に消える。

その次元の隙間は、カラスが消えると同時に、ゆっくりと閉じていった。

 

 

 

 

未だ何が起きたのかわからず、呆ける時間が続く。

 

そして、その静寂を破ったのは、勝利の振り絞るような声だった。

 

 

 

 

「けほっ……討つべきは……神じゃない。マリクの、闇だった。だから……待っていた。お前と、闇と……神を引きはがせる、この瞬間を。ずっと、待ち続けていたんだ!」

 

 

 

 

「き……貴様ぁ! いったい、何をしたあ!!!!?」

 

 

 

 

 

 

「手札から、モンスター効果発動! 速攻発動型モンスター。異次元の運び屋、"D・D・クロウ”!」

 

 

 

 

 

 

D.D.クロウ

 

闇属性 鳥獣族 星1

 

攻撃力 0

 

守備力 0

 

相手の墓地のカード1枚を奪い取り、次元の彼方へ葬りさる

 

 

 

 

 

 

「"D・D・クロウ”……だと?」

 

「そう……このカードの効果によって、マリク! お前の"死者蘇生”のカードは、除外された! もうこの決闘で、お前の"死者蘇生”を使うことはできない!」

 

「お、おのれぇ……おのれおのれぇ!」

 

 

 

 

 

 

「そ、そうか……そうだったんだ! 勝利君の狙いは、ずっと神ではなかったんだ! 神のカードの力が、どこまで作用するかは未知数で、神のカードに攻撃を仕掛けるのは難しい。だが、神とマリクを繋ぐ"死者蘇生"は、ただの魔法カード。それを取り除いて仕舞えば、マリクの戦術は瓦解する! それをねらって!」

 

「ここまで、全部狙ってたっちゅうんか……? 奴が何度も"死者蘇生"を使いまわし、ラーを蘇生する。そして……マリクが隙を見せたその一瞬を狙い打って、マリクとラーのホットラインを、"死者蘇生”を除外する。それこそが……」

 

(……前のターンに、勝利の秘蔵の罠カード、"ガード・ブロック”を見せたこと。そして、伏せていた罠カードが底を突いたところで、油断と、焦りを見せたそのマリクのほんの僅かな意識の隙間を、狙い打ったというのか!? 馬鹿な……読みが鋭いとか、戦略が深いなどという次元の話ではない!)

 

 

 

 

 

 

「そんな馬鹿なことがあるか!? すべて、演技で、すべて計画通りだったとでもいうつもりか!? ラーの攻撃をすべて受けきると宣言したことも! 一見無計画に見えるように突っ込んで徒にLPを消耗したことも! "ダーク・シムルグ”で俺の罠を縛りつけたことも! 万策尽きたのを見せつけるように"ガード・ブロック”を発動したことも! すべて、すべて、狙っていたとでもいうのか!?」

 

 

 

 

 

 

「……そんなこと、できるわけないだろ」

 

 

 

 

 

嘲るように笑う勝利。

そうして勝利は、痙攣する腕を必死に動かして、マリクを指差した。

 

 

 

「自分を見下げるなよ、マリク。貴様は決闘者の心を持たぬ下種。だが、決闘の腕と、場を読む感覚は一流だ。城之内君の時と違い油断も慢心もないお前を打ち倒すためには、僕も賭けに出るしかなかった。だから……本気(・・)で言ったんだ。『何度でも耐えて見せる』ってね」

 

 

 

その様子に、マリクはただただ言葉を失った。

 

本気で、ラーの攻撃を受けきるつもりだった。

 

 

 

この、最後の最後の、死の土俵際。

 

ここでマリクの隙を生む、この一撃のためだけに。

 

 

 

(『耐えきれば、勝てる』と思っていたわけではなかっただと……来るかもわからない、この一瞬の隙を作るためだけに、ラーの炎を受け続けたというのか!?)

 

 

 

「貴様は、死にも闇にも怯えない。だからこそ、僕たちの『本気』でしか、お前の隙は作れない。だから、舞さんにも頼んだんだ。『僕に、命をかけてくれるか』ってね」

 

「払ったチップの見返りは、あったようね」

 

「ぐっ!!?」

 

 

 

マリクは、震える自分の手を覗く。

手札に残るのは、罠カード。

"ダーク・シムルグ”が鎮座する今、伏せることさえもままならない。

 

今のマリクに、打つ手はなかった。

 

 

 

 

 

 

マリク LP 7800 手札1枚

 

メタル・リフレクト・スライム

 

守 3000

 

伏せカードなし

 

 

勝利  LP 1 手札0枚

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

伏せカード2枚

 

 

 

 

「……た、ターンエンド」

 

 

 

 

 

「き……来た! ついに来やがったぜ! こんちくしょう!」

 

「マリクに防ぐ罠はあらへん! 最大のチャンスや!」

 

「いけぇ! 勝利君!」

 

 

 

 

 

「っ!! うん!」

 

(痛みなんか、忘れろ! 前を向いて、走れ! 友達と、仲間と、舞さんと! みんなで作り上げた、ついに巡ってきたチャンスなんだ!)

 

「僕のターン! ドロー!」

 

全てを振り切るように、カードを引く。

そしてその瞬間に、声が届いた。

 

(……お待たせ。一緒に、戦ってくれ!)

 

『ぴぃ!』

 

 

 

「伏せカードオープン! "貪欲な瓶”!」

 

 

 

貪欲な瓶

 

罠カード

 

墓地のカード5枚をデッキに戻し、1枚ドローする

 

 

 

「このカードにより、僕は"黒い旋風"、"死者蘇生”、"イージーチューニング”、"闇の誘惑”、そして……"ブラックフェザー・ドラゴン”をデッキに戻し、カードを1枚ドロー!」

 

 

 

「"ブラックフェザー・ドラゴン”を、デッキに戻した!」

 

「ってことは遊戯。勝利が狙っているのは……」

 

「ああ……"ブラックフェザー・ドラゴン”の、再召喚!」

 

 

 

 

「こっちも引いたか……なら、そのまま発動! "貪欲な壺”!」

 

 

 

貪欲な壺

 

魔法カード

 

墓地のモンスター5枚を選択し、デッキに戻す

その後、カードを2枚ドローする

 

 

 

 

「このカードにより、"BFー残夜のクリス"、"BF-疾風のゲイル”、"BF-黒槍のブラスト”、"D.D.クロウ”、"デーモンの顕現”をデッキに戻し、カードを2枚ドロー!」

 

「くそ……これ見よがしにドローを……」

 

「さあ、出番だぜ。相棒! 僕は手札から、"BF-極北のブリザード”を召喚!」

 

『ぴぃー!』

 

 

BFー極北のブリザード

 

闇属性 鳥獣族 星2 (チューナー)

 

攻撃力 1300

 

守備力 0

 

このカードは特殊召喚できない

召喚時に、墓地から仲間の星4以下のBFを守備で蘇生させる

 

 

 

「ブリザードの効果! このカードによって、墓地に存在するBFモンスター1体を選択し、特殊召喚できる! 僕は、"BFー突風のオロシ”を特殊召喚!」

 

 

 

「来た来た! 連続召喚!」

 

「勝利のBFたちの、本領発揮だぜ!」

 

「"死者蘇生”を除外したとは言え、ラーの再召喚の可能性は0じゃあない。できる限り、マリクのLPにダメージを与えておきたいが……」

 

 

 

マリク LP 7800 手札1枚

 

メタル・リフレクト・スライム

 

守 3000

 

伏せカードなし

 

 

勝利  LP 1 手札2枚

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

BFー極北のブリザード

 

攻 1300

 

BFー突風のオロシ

 

守 600

 

伏せカード1枚

 

 

 

(ちっ……鬱陶しい。だが、俺のフィールドの"メタル・リフレクト・スライム”に勝るモンスターはいまだいない……数ターン耐えれば、まだいくらでもチャンスが……っ!?)

 

 

 

マリクは、気づく。

今勝利が蘇生した突風のオロシは、レベル1。

そして……チューナーモンスターだ。

 

 

 

「さあ、行こう! レベル7、"ダーク・シムルグ”に、レベル1、"BFー突風のオロシ”をチューニング!」

 

黒い風が、鬱屈とした空気を切り裂く。

全力で、全身全霊だった。

 

「何度だって、舞い降りる! 激しく優しい、勝利の翼! シンクロ召喚! "ブラックフェザー・ドラゴン”!!」

 

 

 

『ファー!!』

 

 

 

三度、現れた"ブラックフェザー・ドラゴン"が、マリクの前へと立ち塞がる。

マリクは心底嫌そうな顔で、吐き捨てるように言った。

 

「けっ……たとえ貴様のエースが出てこようが、"メタル・リフレクト・スライム”の守備力は超えられちゃあいないんだ。所詮は無駄なあがき……なっ!?」

 

 

マリクの言葉を遮ったのは、一陣の風。

そして、その風に反応してしまったマリクの頼みの綱、"メタル・リフレクト・スライム”はマリクの意志に反して戦闘態勢をとっていた。

 

 

 

マリク LP 7800 手札1枚

 

メタル・リフレクト・スライム

 

攻 0

 

伏せカードなし

 

 

勝利  LP 1 手札2枚

 

ブラックフェザー・ドラゴン

 

攻 2800

 

BFー極北のブリザード

 

攻 1300

 

伏せカード1枚

 

 

 

「馬鹿な……いったい、なぜ……?」

 

「オロシの効果。このカードがシンクロに使われた時、その突風によってモンスターの表示形式を変更することができるんだ」

 

 

 

「うまい! "メタル・リフレクト・スライム”は守備こそ高いが、攻撃力は0のモンスターだ!」

 

「これなら、誰でも突破できるぜ!」

 

 

 

「そして……これでラストだ! 手札の闇属性モンスター、"BF-精鋭のゼピュロス”と、風属性モンスター、"トラファスフィア”をゲームから除外し、墓地から"ダーク・シムルグ”を蘇らせる! 来い! "ダーク・シムルグ”!」

 

 

 

再び、並び立つ"ダーク・シムルグ”。

そして再び、マリクの場に、闇の靄が立ち込める。

 

 

 

 

マリク LP 7800 手札1枚

 

メタル・リフレクト・スライム

 

攻 0

 

伏せカードなし

 

 

勝利  LP 1 手札0枚

 

ブラックフェザー・ドラゴン

 

攻 2800

 

BFー極北のブリザード

 

攻 1300

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

伏せカード1枚

 

 

 

 

「ぐっ……勝利……黒羽勝利!!!」

 

 

 

 

「す、すげぇ……一気に最上級モンスターが、場に2体も……」

 

「しかも、"ダーク・シムルグ”が健在である以上、マリクは再び罠カードの発動を封じられたも同然。次のターンも、マリクに耐えきる術はほぼない」

 

「そんでターンを稼ごうにも、もう……」

 

 

 

 

「さあ、行くぜ。マリク、今度は貴様は、僕の攻撃を受け止める番だ! "ダーク・シムルグ”! "メタル・リフレクト・スライム”に攻撃! 『闇夜の風』!」

 

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

メタル・リフレクト・スライム

 

攻 0

 

 

 

マリク LP 7800 ー 2700 = 5100

 

 

 

「うぐおおおお!!」

 

 

身を割くようなその大きなダメージに、マリクはこの決闘中初めてうめき声を上げる。

しかし、それだけでは終わらない。

 

 

 

 

「"ブラックフェザー・ドラゴン”! マリクにダイレクトアタック! 『ノーブル・ストリーム』!」

 

 

 

 

マリク LP 5100 ー 2800 = 2300

 

 

 

 

「があああああああ!!?」

 

 

 

 

「ラストだ! ブリザード! マリクにダイレクトアタック! 『アイシクル・ショット』!」

 

 

『ぴぃーーーーー!』

 

 

 

 

マリク LP 2300 ー 1300 = 1000

 

 

 

 

 

「うおっしゃあ! 一気に大ダメージだぜ!」

 

「これでマリクのLPももう僅か! 次のターンには、確実に0にできるよ!」

 

「それだけやないで! LPが1000になったっちゅうことは、もうマリクは、ラーを蘇生させてもまともに効果は使えないっちゅうことや!」

 

「それに、"ブラックフェザー・ドラゴン”もいる。マリクのダメージ戦術で、勝利君のLPを削ることも不可能だ!」

 

「よっしゃあ! 決めちまえ、勝利!」

 

 

 

 

 

「っ! ……ああ! みんな、任せてよ! 僕は、これで……ターンエンド(やばい……みんなの声が、掠れて、聞こえなくなってきてる……持ってくれ。僕の体。残り、1ターンなんだ!)」

 

 

 

 

 

 

マリク LP 1000 手札0枚

 

モンスターなし

 

伏せカードなし

 

 

勝利  LP 1 手札0枚

 

ブラックフェザー・ドラゴン

 

攻 2800

 

BFー極北のブリザード

 

攻 1300

 

ダーク・シムルグ

 

攻 2700

 

伏せカード1枚

 

 

 

 

 

「勝利……(あなたの未来は……マリクを打ち破る未来は、目の前に……)」

 

待ちわびた、願い続けた未来が見えたことに、喜びたい想いを必死に堪えて最後まで決闘を見据えるイシズ。

 

しかし……その想いは、ほかならぬマリクの表情によって、恐怖に塗りつぶされることとなる。

 

 

 

イシズだけではない。

追い詰めた。

もはや、ターンの切り替わりを待つばかり。

 

そんな浮ついた心を咎めるような暗黒の瘴気が、場に張り詰めていた

 

 

 

 

 

 

「俺が……負けるだと? 名もなきファラオを葬ることすらもできず……勝利を消すこともできず……自ら仕掛けたゲームでありえない……そんなことが、あっていいはずがない!」

 

 

 

 

 

「っ! (こいつ……ここにきて、覇気が! 勝ちへの執念が、跳ね上がりやがった!)」

 

(いいだろう。お前があがくなら、俺も最後まできっちり戦ってやる。いざとなれば、この主人格様を使う手もある。どれだけみっともなく粘ることになろうとも、貴様だけは確実にこの手で抹殺する!)

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン! ドロー!」

 

 

 

 

 

 

その瞬間に、マリクは、口を三日月に曲げる。

 

そして……そのカードを、場に置いた。

 

 

 

 

 

 

 

「フフフフフ……ハハハハハ……アーッハッハッハッハ! まさか、こんなカードが舞い込んでくるとはなあ! まったく、決闘ってのは何が起こるかわからねえよ。なあ、勝利?」

 

 

 

 

 

 

 

(なんだ……いったい、何のカードを引いた? "ダーク・シムルグ”で、モンスターも罠も伏せられない。効果ダメージは"ブラックフェザー・ドラゴン”が止める。ここでこの2体を除去して、僕を追い詰めるカードなんて……)

 

 

 

 

 

 

ない。

そう考え、思考を捨てようとしたその瞬間に。

 

 

勝利の足元に、溶岩(・・)があふれ出す。

 

 

 

 

 

「っ!!!!? しまっ」

 

 

 

 

 

「"ダーク・シムルグ”と"ブラックフェザー・ドラゴン”を生贄に、勝利のフィールドに現れるがいい! "溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム”!!!」

 

 

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム

 

炎属性 悪魔族 星8

 

攻撃力 3000

 

守備力 2500

 

このモンスターは相手モンスター2体を生贄に相手の場に召喚する

プレイヤーを檻に閉じ込め、毎ターン1000ポイントのダメージを与える

 

 

 

 

勝利は反応することもできず、たちまちゴーレムの檻の中に閉じ込められる。

その効果をよく知る城之内が、思わず拳で太ももを叩く。

 

 

「くそっ! なんだってこんなタイミングで!」

 

「完全に、頭から抜けとった……除去と、ダメージ。同時にこなせる、マリクの上級モンスター……」

 

(……ラヴァゴーレム。あのモンスターは、相手のモンスター2体を生贄に、特殊召喚されるモンスター……"ダーク・シムルグ”だけの状態ならば、召喚されることはなかったが……)

 

 

ようやくラーを封じ込めた、次のターン。

罠もない。これまで防がれ続けた、LPを削る最高の機会。

そして、ラーの再召喚を考えれば、是が非でも攻撃しておきたい場面。

 

千載一遇のチャンスに、焦りが出てしまった。

 

 

(いや……違う。勝利君と、舞は、もう限界だった。限界の最中にようやくつかんだチャンスを、ものにしようと必死に戦った)

 

 

焦らせたのは、自分たちだ。

冷静にならなければならなかったのは、自分たちの方だった。

 

 

 

 

 

 

(ラヴァゴーレムは、城之内君との決闘ですでに出ていたモンスター……俺たちが、俺が冷静にマリクのデッキを見据え、一言勝利君に、『冷静に対応するんだ』と声を賭ければ、それだけで勝利君なら看破できた。それを……ただ勢いのままに応援するだけで、何も考えなかった。勝利君の思考の機会を奪い取ったのは……勝利君が気づくチャンスを奪い取ったのは、俺自身だ)

 

 

 

 

 

 

 

遊戯は、膝から崩れ落ちる。

 

拳を、力の限りに地面にたたきつけた。

 

 

 

 

 

(すまない……勝利君!)

 

 

 

 

 

 

 

「さて…………ムルグ……消え……セット………終りょ……ハハハ!」

 

 

 

 

 

 

 

(……やばい。何言ってる。何も……わかんない。やばい……力が……)

 

(しょう……り……だめ……おきて……)

 

 

 

 

 

 

 

檻の中で、崩れ落ちる勝利。

それを見ていた舞の目も、ゆっくりと閉じていく。

 

 

 

 

 

 

悲鳴が、木霊する。

 

 

未来が、崩れる音が鳴り響いた。





D.Dクロウまでは感想欄で予想している人もいましたが、さすがにこの展開を読めた人はいなかったことでしょう。
2話に分けてもよかったんですが、どうにもキリがよくならないということで。
思い切って全部のせにしました。

次回 勝利vsマリク 完結です

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

活動報告の方で、乃亜編のアイデアを募集しています。
・乃亜編のアイデアについて
勝利たちの『デッキマスター能力』について、募集中です。

ぜひお知恵をお借りできると幸いです。よろしくお願いします。
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遊戯王GX 転生しましたがシンクロやエクシーズ等の召喚方法は使えない。何故かガチャ運はメッチャ良い件(作者:zero3 ガイル)(原作:遊戯王GX)

▼よくあるOCGプレイヤーが遊戯王GXの世界に転生する二次創作。そんな世界は基本的に無印やGXにないシンクロ、エクシーズ、ペンデュラム、リンク召喚といった召喚方法で無双する転生者は多いだろうが俺には前世で使用したカードがないからこの世界でメジャーなアドバンス召喚・儀式召喚・融合召喚を駆使してデッキを構築するしかない。▼だけど前世以上に無駄にガチャ運が良いせい…


総合評価:668/評価:7.05/連載:18話/更新日時:2026年05月15日(金) 12:00 小説情報

ラーイエローの神楽坂(作者:ラララララクダ)(原作:遊戯王)

※原作ネタバレ注意▼なぜか神楽坂に転生した【ラーの翼神竜】大好き主人公が、精霊たちと一緒に遊戯王世界を生きていく話。▼なお、肝心のラーはまだ手に入っていない模様。▼初めての投稿です。▼拙い部分も多いと思いますが、よろしくお願いします。


総合評価:731/評価:7.94/連載:14話/更新日時:2026年03月21日(土) 20:00 小説情報

軍貫使いはZEXALで寿司を握る(作者:Dの軍貫 シンキハヨ・チョーダイナ)(原作:遊戯王)

転生したら寿司屋の息子になったらしい人がZEXALでそれっぽく振る舞うみたいな話。一気見で熱が高まって収まらないので書いてみました。▼みんなも軍貫使おう!


総合評価:3057/評価:8.08/連載:44話/更新日時:2026年06月23日(火) 00:00 小説情報

デジモンアドベンチャー IB(作者:煮干し銀)(原作:デジモンアドベンチャー)

デジモンゲーム最新作をプレイしてデジモン好きになった男は、正月休みを利用してデジモン作品を観ようと計画していた。▼しかし、いざデジモンアドベンチャーを観始めようとしたところで意識を失い、気がつくと森の中だった。▼男は森をさまよい、一匹のツノモンと出会う。▼ツノモンからこの場所がファイル島だと聞かされた男は、スマホにいつの間にかインストールされていたデジモン育…


総合評価:855/評価:8.35/連載:22話/更新日時:2026年06月03日(水) 09:05 小説情報

サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!(作者:DestinyImpulse)(原作:ポケットモンスター)

▼ 転生したのはオリ主でもモブでもなく紛れもなく主人公。▼ 定期的に世界を救わなくてはならない大役を背負いながらも、ポケモンとの出会いと冒険に胸を躍らせる。▼ ▼「通りすがりのポケモントレーナーだ、覚えておけ!ピカチュウ、君に決めた!!」▼「ピカチュウ!!」▼ コレはアニポケ主人公のサトシに転生した少年が、時にポケモンと絆を深め、時に女の子とのフラグを作り、…


総合評価:7666/評価:8.61/連載:59話/更新日時:2026年06月26日(金) 19:30 小説情報


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