エアプ客室乗務員の日常   作:一旦サボり

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移動:もぐもぐ

 

時計頭さんを最後に主要なメンバーが集まるまでの道中、何度か頭の血管の切れたヴェル無惨リウスが十二囚人を解散するかとヒヤヒヤすることがあった。

しかしドジって困っている私を手助けした囚人に対して、赤い視線が多少の目溢ししてくれることが判明。私は召使いでありながら姫プを余儀なくされた。

おそらくカロンにも適用されると思うのだが、カロンは結構……上背があった。精神年齢は間違いなく上なのに、身長と都市への適正の低さのせいで、私の方が弟だと思われているらしい!

 

「坊ちゃん、頼むから皿をひっくり返さないでくれよ」

「もうそんな事しません。一回しかやった事ないですし!」

 

手伝えない分、気を遣ってくれるグレゴールさん。片手が昆虫なのは気にならないとして、コックローチと仲が良いのは欠点に含めない方が良いのだろうか。

お陰でキッチンにホイホイを置く事ができず仕舞いで、悩んだ末にハッカ油と重曹だけ常備している。衛生管理は私が守る。

 

「今日は焦げてないじゃん! でもなんか、火が通ってなくない?」

「マジですか!? ……レンチンしましょう!」

「はいは〜い」

 

齧った一夜干しの魚から生焼けを指摘し、自発的に電子レンジに向かうロージャさん。つまみ食い常習犯だ。

失敗した料理でも食べられるものは果敢に食べようとしてくる。逆にこれは食べられないと言われた場合、私は結構自信をなくす。

 

「今日も野菜炒めは茶色いですね〜。なんのソースがかかっているんでしょう?」

「C・D」

「……クックドゥですか?」

「つまらない味だ」

 

庶民飯を楽しんでいる節のあるホンルさん。怒ることは無いけどしばしば鋭利な評価が飛んでくる。そして良秀さんには調味料がバレている。シンクレアさん、なんで今のを翻訳できたんだ?

この三人は舌がまともなので、ちょっと食材を安いものにしたりすると気がつく。私の料理が下手とかではなく、学校の給食とかにも文句を言うタイプの人だと思う。

 

「栄養バランスに関しては評価している。精進するといい」

「青野菜が並ぶだけ偉いもんですよ。この人数分を作るのも大変でしょうし」

「規定通りの食事であれば問題ない」

 

ウーティス、イシュメール、ムルソーさん、優等生三人である。メンタルが沈み込んでいるイサンさんはまだ含まれていない。

食べ物に関してはここが平均値だろう。いつか彼らに笑顔で美味しいと言ってもらいたいものである。

 

「ああ、飯か。あんがとよ」

「感謝します」

 

ファウストさんは意外にも、私の料理を楽しんでいる節がある。不確実認定ありがとう。

そしてチンピラ人格のヒースクリフさんはその実、私にビビられると言う理由であまり関わりがない。怖いわけではないのだが、初対面で帰り血にびっくりして大泣きしたのが良くなかったのだろうか。

 

「シェフ殿ォ!!!早くご飯を食べながらフィクサー講義の続きをしましょうぞ!!」

「…………」

「ドンキさん、イサンさんがびっくりしますから急な大声はやめてあげてくださいな」

「殊に驚きしよしには……」

 

ロージャ姐さん曰く、ドンキホーテさんと私はおちびちゃん同盟だ。実際ほんとに趣味が合うので仲は良い。カロンはヴェルギリウスの自作ぬいぐるみとか見ても触り心地しか見てくれないですからね。

イサンさんは温かいものを食べて療養するべき。以上である。

 

……よし、これで囚人をザッと説明しただろうか。十二人、少ないようで多い。いや普通に多いか。ヴェルギリウスさんとカロンも含めて大所帯ですよ。誰か居なくなってもわかるまい。

そうなってくると一回の料理の量もまぁそこそこになるわけで、多少の荒さは見逃されるけど純粋に労力が大変なんだなあ。また一人増えたし、食材の買い足しとかどうすんだろ。

 

「はい、ダンテさんもどうぞ!」

……チクタク?

 

ふむ、ちょっとニュアンスが分かるようになってきたようだ。おおかた「私?」とでも言っているんだろうね。

 

「やや、食べれないのはわかっていますよ。しかし、ご飯は権利でございます。一人だけ無いのも寂しいでしょう! あ、ぼっち飯が嫌だったらヴェルさんでも添えましょうか?」

ポーン!? チクタクチクタク

「じゃあ……ユーリさ〜ん、こっちで食べませんか?」

 

流石に(バス部署の)初陣前でピリついてそうなヴェルギリウスを引っ張ってくることはない。冗談なので、そんな怯えんでも……これが初期の頃の味かね。

ドンキさんの「カリジャナリ〜!」が聞けて、私はちょっと楽しかった。

 

時は一章序盤。ユーリ氏はついさっき乗車したばかりだ。まだカロンの運転にはケチがついていない。

内容としては……折れた翼、ロボトミ社の地下へ行くんだったね。グレゴールさんの部下?なんかを見つつ、初めての幻想体や都市にありがちなギミックでボコボコにされ、最終的には目的のものを敵対勢力に奪われて、しょんぼりしながら帰りヴェルギリウスに嫌味を言われて終了だ。うお、ギスギスカンパニー……!

 

なお可愛い髪色のユーリちゃんはなんか普通に道中で死ぬ。読んでる途中におよ?と思ったら死ぬし、なんか暫くロード画面に出てきて脅かしてくれる。

アークナイツでも大概そんなことはあったが、なんだかんだ敵として出てくるし、普通にボコボコにする側なので「あれ?今死んだか……」とログを見返したのは印象深いよね。

 

おっと、思考を現実に戻そう。

 

「……えーと、こちらは?」

「リンバスカンパニー駅弁です」

「随分家庭的ですね……」

 

お昼ご飯は形式的に四角い弁当のような皿に入っている。こぼしたりしやすい為だ。

個人的なこだわりとして毎食スープを付けているのだが、高確率で運ぶ時や飲む時に溢されているので停車時に水拭きモップが欠かせない。

因みにメニューに選択権はなく、アレルギーも無さそうな囚人には選択権が与えられていない。一応リクエストは聞くつもりでいるが、あまり難しいご飯を頼むと全てがダメになるので皆さん慎重である。

そして今日は米と焼き魚と野菜炒めと味噌汁だ。客が来るので一番失敗の少ない料理で挑んでいる。

まぁ、私の弁当だけ焦げた米がみちみちに詰まっているが。このバスにはまだ炊飯器が存在していないので仕方ないな!許容範囲内だよ!

 

「……人の手料理を食べるのって久しぶりな気がします」

「ふふん。バスでは基本こうなので、良ければ楽しんでいってくださいね」

「シェフ殿……今日のご飯も美味しそうであるな!」

カチカチカチ?

「しっ、管理人……ここはリンバスカンパニーの良い部分のアピールをするべきですぞ」

「うん、美味しいです。ありがとうございます、案内人の私にまで……」

 

良い人やん!!(確信)

本当に美味しそうに弁当を食べてくれるユーリさんにこちらが感激してしまう。やはりクックドゥは神!企業努力万歳!翼イェーイ!

本当に可能な限り助けに行きたいけど、ちょっと戦力的にキツいか。足を引っ張るのが関の山だ。ちょっと世界観が厳しすぎるんだな。

こっそり着いていけばヴェルギリウスが助けに来てくれるかな?

いやぁ、うーん、参ったなァ

 





エタるのが早すぎる!(計画性なし)
エンケファリン消費イベは完走したので楽しんでいます。特殊充電で鏡ダンジョンに行くのがめちゃくちゃたのしくてですね
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