魔琥羅くんのキヴォトス奮闘記   作:魔王零

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過去(青い夏)の記憶

後ろからホシノが来た。

 

そしてホシノは.........

 

「うへぇ~.........悟、"なにを怖がってた"の」

 

いきなりそんなことを言ってきた。

 

「は?怖がってなんか.........」

 

だが.........

 

そこで俺は、過去の記憶、を思い出した。

 

 

 

 

____________

 

「おい魔琥羅!さっさと適応して俺の『無下限』通せよ!暇すぎて死ぬ!」

 

五条悟のふてぶてしい声が、夏の盛りの高専グラウンドに響く。 隣では夏油傑が「悟、それは無理難題というものだよ」と苦笑しながら、手元の呪霊を弄んでいる。さらに後ろでは、硝子が「あー......青春だねぇ」とやる気なさそうにアイスを齧っていた。

 

御三家禪院家の異端児。歴代最強の『十種影法術』を継承しながら、その本質は「他者への慈しみ」に満ちた、あの腐った家系における唯一の良心と皆から言われていた。

 

だが、その実態は。

 

「悟、お前それ昨日も言っただろ。俺の適応は万能じゃないんだって。あと傑、その呪霊をこっちに投げるな。硝子!その棒を俺に押し付けるな、当たりが出たら奢るから!」

 

俺は、最強の問題児たちの「おもちゃ」兼「唯一のブレーキ役」だった。

 

そして、運命の、『漿体・天内理子の「護衛」と「抹消」』任務へ。

 

「ったく、夜蛾の説教は相変わらずなげぇな」

 

五条悟が後頭部で手を組み、高専の長い階段を気怠げに下りていく。 その数歩後ろ、俺は夏油傑と並んで歩いていた。 任務の内容は、星漿体・天内理子の「護衛」と「抹消」。 天元様の弟子として、俺はこの任務の重さを誰よりも理解していた。同化に失敗すれば、天元様は意思を失い、日本を覆う結界は崩壊。最悪、人類が呪霊化する。

 

「魔琥羅、君はどう思う? 天元様の弟子としてではなく、一人の呪術師としてさ」

 

傑が、どこか遠くを見るような目で問いかけてくる。 俺は自分の頭上で、まだ透明な、けれど確実に存在する『適応の車輪』を意識した。

 

「理屈じゃ分かってる。でも、同化ってのは結局、一人の女の子の人生を飲み込むことだ。それが『世界の平和』って綺麗な言葉で包まれてるのが、どうにも胸糞悪いよ」

 

「.........君は本当に、禪院家とは思えないほど優しいね」

 

傑は少しだけ寂しそうに笑った。その横顔に、後の離反の予兆なんてまだ微塵もない。ただ、正義感の強い少年が、理不尽な運命に眉を潜めているだけだった。

 

そこまで思い出して、ようやく、俺は"大切なものを失うことへの恐怖"を感じていたのだと気づいた。

 

「だ、大丈夫?」

 

どうやら俺は気づかぬうちに過呼吸になっていたらしい。

 

「ああ、心配かけたな.........すまん、今日は一人にしてくれ」

 

そういって、俺は家に帰った。

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  • 庵歌姫
  • 家入硝子
  • 天内理子
  • 七海健人
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