【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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ランキング入ってる…
これも皆さんのおかげです、ありがとうございます!
セルマァ、俺、涙が…(エアプアルガリア)



第10話

 

 

Ace達と撤退地点に戻る途中、何度かレユニオンの構成員と戦ったが全てレイホンの体に傷一つ付けることなく、一撃で斬り捨てられた。

 

「……。」

 

その様子を何か言いたげに見ていたAceだが、結局口を開くことはなく、四人は撤退地点に辿り着いた。ただ、レイホンが撤退地点を出発したときと違うのは…

 

「W!全ての命には等しく価値があります、あなたはそれを踏みにじった…命への冒涜を、許すわけにはいきません!」

 

「あら、やる気になった?…かかってきなさい!」

 

先程レイホンと軽く戦闘をしたWが恐らくロドスアイランドのトップであろう、茶色の兎耳を生やした少女が言い争っている事。そして今にも彼女らの後ろに付き従っている部下たちが衝突しようとしている事だ。

 

(まぁた兎かい、今までの兎ん中で一番嫌な事思い出したわ)

 

全力の一撃でも倒れなかった黒獣-卯-の筆頭、その師であるジア・チォウ…。自分の死ぬ瞬間まで記憶が連鎖し、呼び起こされる。苦い顔を浮かべていると、突然兎耳の少女が勢いよく振り返った。

 

「!?…Aceさん!無事で良かった!」

 

「げ、アンタは…。」

 

「おお、Wやったか?こんな早う会えるとはな。今はちぃと疲れとるさかい後にしてくれや。」

 

兎耳の少女はAceを見ると喜びを滲ませた声で名前を呼び、Wはレイホンの姿を確認すると本当に嫌そうな声を出して一歩後退る。それを理解した上でWに向かって話しかけると、さらにもう一歩後ろに下がった。

 

「…はぁ、もう興が冷めちゃったわ。——またいつか会いましょ、ドクター。」

 

「は?オイ!」

 

「やめとけって、どうせ俺達じゃどっちにも勝てねぇんだから。お前ら、撤退するぞ!」

 

レイホンがじっと見つめ続けていると、Wは身を翻して都市部の方に戻っていった。それに文句を言おうとしたレユニオン構成員もいたが、別の構成員に止められると黙って撤退していった。

W達が去ったことを確認すると、既に鎮火し、黒く焦げた残骸の中を歩きながら少女が近付いてくる。

 

「Aceさん!本当に、本当に…本当に無事で、何よりです…。」

 

「アーミヤ、無事で何よりだ。ドクター、お前もな。」

 

「…ああ。」

 

大きくAceの名前を呼んだかと思うと、次第に泣き始めてAceに抱きつく少女。Aceは少女をアーミヤと呼び、アーミヤの後ろに立つ黒いフードとコートで全身を覆った不審者をドクターと呼んだ。

 

(ドクターを救出するのが目的やったか?ようやるわ。)

 

アーミヤに付いてくる者たちも何人かAceの無事を喜ぶと、隣に立つ先程の襲撃者(W)に気軽に話しかけ、撤退させたガタイのいい男に注意を向けた。

 

「ッ…。すみません、あなたがロドスの援護をしてくださったレイホンさんですか?」

 

「そうや、俺っちに話しかけるっちゅう事は…嬢ちゃんが隊のトップっちゅう事でええんか?」

 

「ええ、ロドスアイランドのCEO、アーミヤです。」

 

「…なぁ、これ俺っち下顎砕くか舌を斬った方がええんか?」

 

涙を袖で拭くアーミヤに話しかけると、ドクターの救出隊のトップなだけではなく、まさかのロドスアイランドのトップでもあることが判明した。現在レイホンの中で最も高い地位にある組織がロドスアイランド、そのトップに許可なく発言をして(Wに話しかけて)しまった事に気付き、部下の方を振り返って尋ねる。

勿論レイホンより格上のアーミヤがいるので、アーミヤの許可を得ない限り部下は口を開かない。

 

(情報があらへんとこうなるんよな…ハァ、大人しく自分で処罰して治してもらおか)

 

自分でさっさと処罰を済ませようと朴刀を取り出す。すると何かを察したかのように慌てたアーミヤが剣を取り出したレイホンの手を取る。

 

「じ、自分を傷付けようとするのはやめてください!」

 

「…無礼を詫びさせてもらおうか、寛大な心に感謝するで。」

 

(今日一日だけで二回も無礼を働くっちゅうのは…流石の俺っちも疲れとるんか?)

 

改めて考えると、ジア・チォウに頭を吹き飛ばされてから死んだというストレスがつきまとい、知らぬ土地をずっと駆け続け、礼儀を弁えない愚か者たちには処罰を下し、一瞬とはいえ死を覚悟した。

正直言ってこれで疲れないのはあのチォウでも難しいのでは?と思ったが、あれが死んだ姿を想像できない上に、本気を見ていない自分が推し量れるわけもないかと考え直す。

取り敢えず反省し、これ以上の無礼がないように意識する。

 

「アーミヤ、Scoutは…偵察部隊はどうした?」

 

「Wという女性の言葉が正しければ…恐らく……。」

 

「…そうか。」

 

AceがScoutという名を呼び、恐らくその人物が率いていたであろう部隊を尋ねる。レイホンがロドスの人物を見ると、中小事務所の代表クラスが少し、自分に匹敵するような強者は片手で数えられるほどしかいないのが分かる。そして、明らかに偵察部隊と言える装備をした者はいない。

レイホンがそう見た通り、偵察部隊が全滅したと推測できる言葉をアーミヤが言う。

 

「…レイホンさん、ドクターの救出に協力していただき、ありがとうございました。」

 

「おう、後はそっちが俺っちの要求を叶えるだけやで。」

 

沈んだ空気を振り払うように、アーミヤはレイホンに向かって礼を言う。ただ、どうしても涙を流して赤くなった目は目立った。

 

「そのためにも…まずは帰りましょう。私たちの家、ロドスに。レイホンさん達も少しの間滞在してもらいます。」

 

そう言い切ったアーミヤは、ドクターの手を取って撤退地点の奥にある大きなテントへ向かっていった。Aceもその後を追い、他の者達もアーミヤとドクターの二人を守るように追いかける。

 

「これでちったぁ楽になるとええけどな。…他ん奴ら呼んでこいや。」

 

「はっ。」

 

その場に残されたレイホンが部下の二人に呼びかけ、親指の招集をする。辺りに屯するソルダートが揃う前に一服しようと懐に手を入れ、シガーを全て吸いきった事を思い出した。

 

「チッ、高級シガーも条件に入れと 「すまない、少しいいか?」 …どうしたんや、嬢ちゃん。」

 

仕事が終わった後の一服ができない苛立ちに舌打ちをし、今からでも条件を付け足せないかと独り言をぼやいていると、アーミヤに途中まで付いていった女性が戻ってきていた。

 

「カジミエーシュの耀騎士(ようきし)、ニアールだ。」

 

「親指のカポ、東部十剣のレイホンや。」

 

頭になんの動物かは分からないが耳と大きな尾を生やした、機動力に難のありそうな重装を身に纏う金髪の女性はニアールと名乗った。カジミエーシュというのが何なのか分からないが、組織か国名だろうと当たりをつける。

 

(騎士っちゅうたらX社の採掘騎士どもぐらいしか知らんな、こっちの騎士がどうかは知らんけど。)

 

H社の利益を求め、ジア・シーチュンが家主になることを防ぐために行動していた巣の一つ。わざわざ北部から来たようだが、レイホンがジア・チォウに敗北した時点で無駄足になっただろう。

そんな事を考えながらもニアールから一切目を離さないレイホン。何の用があって自分の名を呼んだのか、と視線で訴える。

 

「貴方に頼みがある。」

 

「聞いたるわ。」

 

顎をしゃくり、次の言葉を促す。コクリと頷いたニアールは再び口を開く。

 

「どうか、ロドスと共に歩んではくれないだろうか。」

 

「そりゃ無理な"お願い”やな。」

 

即答する。レイホンがロドスを援護した理由は現状最も追い詰められていて、かつ最も高い地位にいたからである。自分たち(親指)の利益を追求した結果、最も利益を得られるのがロドスにつく事だったから協力しただけで、報酬を得た後に共に進む気はない。

ただ、

 

「まぁ、親指に対しての依頼やったら、報酬次第で受けるけどな。」

 

「…分かった。時間を取らせて済まない。」

 

何かを考えるように目を閉じると、ニアールは大きく頷いてアーミヤ達の下へ去っていった。

 

ニアールが去って少しすると、複数の足音が近付くのを感じ取る。振り向くとそこには、現在チェルノボーグにいる親指のソルダート、およそ30名が揃っていた。

 

「これからどうするか、やな。」

 

方針と動きを決めるため、部下を引き連れてアーミヤ達の下へ向かうのだった。

 

 

 




ROG吹っ飛んだからちょっと投稿頻度落ちるかもしれないです。
ストーリーを実際に読んで書いてるから…適当に動画で探すか…。
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