【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

104 / 107
アークナイツ
半年後に備えて石貯めるか…
戦闘記録も貯めないとな…
龍門幣もだな…
昇進素材、アーツ学も必要か…

リンバス
パス代用意、経験チケット、紐完備
チケット、本当にできるか?(ガチャチケ50)

この差よ



第87話

 

 

リアンの存在がバレた。

 

「引き渡してもらおうか。」

 

「断るわ。」

 

「「……。」」

 

ケルシーからの申し出を速攻で跳ね除け、対話の場の空気が張り詰める。

この場にいるのはロドスのトップ三名、関係者というバベル……ロドスの元になったという組織のメンバー達。追加でアスカロンとクロージャ、ワルファリン、ウィシャデルと名乗ったWの四名。

対してこちらは自分とファウスト(心と望)、メフィスト、ラップランド(神秘使い)の四名。

そこそこ広い筈のドクターの執務室が手狭に感じるほどだ。

 

バベルのメンバーと言うが、全員がロドスでは別の名称で呼ばれている。

状況にもよるが、一人でレイホンの足止めを可能にする者たち。ロドスにおける任務中、同格の存在として扱われる者たち。

エリートオペレーター、その殆どが集結していた。

 

「……この状況でも怯えることはないか。」

 

「いや、流石に手ぇ出してこんやろ?その点でなら信頼できるわ。口はよう回るやろうけど、そんなら俺っちがズバッと断っちまえばそもそも交渉に立てんかい、何もできんやろ。」

 

「これまでの恩といい、テレシスの一件といい、君は我々を掻き乱すのが得意なようだ。」

 

「んな褒めても何も出んで?」

 

「……。」

 

溜息をつくケルシー、呆れたような顔をするAceやレイディアン。

険しい顔をする者もまだ残ってはいるが、張り詰めた糸は多少緩んだ。

 

「ケルシー、この場でこんな事を言うのも何だが……リアンとは何者なんだ?」

 

その間にドクターがケルシーに問い、彼らの雰囲気が「そうか、忘れているのか」と更に緩んだと思った瞬間。

 

「私もずっと思っていました。テレジアさんに関係している人ですか?」

 

「———は?」

 

アーミヤの放った言葉が場を凍てつかせた。

誰かは分からないが、思わず驚嘆が漏れてしまった者もいる。

どうやら、アーミヤは知っていて然るべき存在だったらしい。そして、そんな存在が記憶から消えてしまうような出来事に、この場にいる自分ともう一人は心当たりがあった。

 

「阿頼耶識やな。」

 

「うむ……我の力不足故に招いたものだ。謝罪で許されることではないが、今一度頭を下げよう。」

 

「いえ、あの状況では、仕方がないことでしたから。」

 

「いっ!?」

 

ロゴスがアーミヤに謝罪し、合わせてレイホンも頭を下げておく。

隣に座っている狼が一度ピクリと反応したが、太ももを抓って余計なことをしないよう釘を差す。

恨めしげに睨んでくるラップランドを無視して、ケルシーに質問した。

 

「何で知っとるんかとかは聞かんで。いつかバレると思っとったしな。やから聞きたいのは、何でアイツを欲しがっとるんかちゅうトコや。折角見つけたお仲間なんでな。」

 

「待て、彼と仲間だと?」

 

「同じヤツに教えとってな?せやからアイツも俺っちも、同じ『親方』っちゅうわけや。あぁ、完全に一緒ってわけやないで?アイツは蜘蛛の巣(ゴミ箱)、俺っちはフリーやからな。」

 

「記憶喪失という建前くらい覚えていてくれ。……少し時間をもらうとしよう。」

 

思考の海に沈んでいくケルシーを無視し、容赦なく茶菓子を食べていく脳天気な狼も無視し、会談が始まってから唯一視線をそらさない人物と目を合わせた。

 

「……。」

 

「んな睨みつけんでや。お前相手にしとると、いつ殺されるか分からんくてヒヤヒヤするんやで?」

 

「感情を制御する術くらい、身につけている。」

 

そう返してくるが、視線には複数の感情が滲み出ている。

混ざり合ってどのような感情が向けられているか分からず、なんならレイホンを超えてリアンに向けられているかどうかも怪しい。

 

「……彼は今、どういう状況なんだ?」

 

「自称記憶喪失やな、ドクターのお仲間さんやで。」

 

「うーん……まだ否定できないな。」

 

「記憶喪失か、やはり———」

 

浮き上がってきたかと思えば、再び沈んでいくケルシー。

全ての茶菓子を食べ終わったラップランドがドクターにおかわりを要求し、新しいものが開けられる。

満足げなラップランドと、手足となって動くドクター。

その様子を見ていたほぼ全員がため息をつく。

 

「———分かった、処遇はそちらに任せるとしよう。ただし、記憶が戻った時はすぐに教えてくれ。ここにいるものは皆、濃くも薄くも彼と繋がりがあった者たちだからな。」

 

「連絡はドクターにでええか?」

 

「えっ」

 

「あぁ、問題ない。では……解散してくれ。」

 

野良狼に餌付けをしていたドクターが驚きの声を上げ、ケルシーの命令に合わせてエリートオペレーターたちは執務室から出ていく。

レイホンも立ち上がり、伸びをして固まった身体をほぐした。

 

「レイホン。」

 

「ん?」

 

「これをリアンに渡しておけ、アイツの落とし物だ。」

 

アスカロンが歩みより、小さな何かを手渡してきた。

受け取り、手の中に入ったそれを見る。犬笛のような形をし、先は先割れスプーンの形を取っている。

 

「……カドゥケウスやんけ。」

 

「あと2つ、仮面と端末機もあるが……今のアイツには必要ないだろう。では。」

 

折角購入した武器が全て無意味に成ったことを悟り、姿を消して去るアスカロンを呆然と眺めた。

今から部下に与え、扱えるようになるまで扱(しご)くにしても時間がかかるだろう。

また、すべての武器を指導できる相手は何の武器が来るか分からず、訓練に使えるか分からないとくる。

 

(こいつが動かんことを祈るわ……)

 

内心で呟き、カドゥケウスを懐に仕舞い込む。

状況がややこしくなりつつあることを感じつつ、三人を引き連れて執務室を出た。

 

 





一部の内心

Ace…レイホンがケルシーと仲良くできればな…。
レイディアン…小猫ちゃんはいないかぁ、良かった。
ロゴス…申し訳なく思う気持ちは真実であり、しかしながら我が許可したのもまた事実。
    いかような処罰も甘んじて受け入れようぞ。
ラップランド…一触即発だと思ったんだけどなぁ、残念。
ドクター…尻尾触らせて欲しい…ダメか……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。