【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
どうも
リンバス10章クリアしたり歳ローグ難易度9までやったりブランドマネージャードンキで爆死したり
なんか色々してた人です
10章サラジネ…サラジネ?サラジネでした。
「ガヴィル、レイホン。単刀直入に聞くよ、どうすれば私の命は助かるんだ?」
「みっともなく命乞いでもすりゃええんやないかなぁ。」
「バレなきゃ問題ねぇだろ、エンジンの一個や二個取り返せばいいんだ。」
「そうですよ!ガヴィルさんなら余裕ですよ!——わっ!?」
助命嘆願を勧め、本気で命を懸けた視線になるドクターの背中を叩いてガヴィルが言う。
その声に賛同する声が聞こえた瞬間、朴刀を抜いて切り払った。
ドクターとガヴィルを背にして、前衛として前に立つ。
「ケオベは……やられたんか?」
「ん?ガヴィルの友達って言ってたよ?」
「やられとらんのかい。ドクターは指示出せや、あんくらいなら……一撃で終いやな。」
黒いフードを被った、やけに太い蛇のような尻尾を持つ少女に向き合う。
周囲には他の気配もあるが、ケオベが後ろを守れば全員始末するのは容易い。たとえ二人を抜けたとしても、"あの"ガヴィルが側にいる以上ドクターには手が出せないだろう。
「あちゃ〜……レイホン、剣を収めても大丈夫だ。知り合いだよ。」
「……。」
ガヴィルの言葉に剣先を下げる。
ドクターを見て大丈夫かと視線で問うと、静かに頷いたため少女だけを通して剣を収めた。
おそらく同胞であろうアダクリスを、未だ無邪気に引きずり続けるケオベに引きつつもガヴィルへと走り寄る少女は勢いを落とすことなく、そのまま飛びついて抱きしめた。
「ガヴィルさん!久しぶりです!きれいだしかっこいいし、やっぱりガヴィルさんは最高です!」
「お、おう。お前も元気そうで何よりだよ、トミミ。それと早速で悪いんだが、なんでこんなとこいるんだ?」
ガヴィルがトミミという少女を引き剥がしつつ質問する。その間にドクターを近くに引き寄せ、いつでも守れるように構えた。
飛行機は故障で墜落したのではなく、何者かによって破壊された事を覚えている。見た目が少女で、放たれる圧が普通であっても油断はできない。殺気は抑制できるものであり、この世界にはアーツと、頭によって規制されない兵器があるからだ。
とはいっても、レイホンもドクターにも、相手の嘘を見抜く能力は備わっていない。
せいぜい圧を掛けて相手の動揺を誘うくらいだ。
「えっとですね、空から何か落ちて来るのが見えたので、様子を見に来たんです。ですがまさかガヴィルさんに会えるなんて!無事で何よりです!やっぱり大族長にはガヴィルさんが相応しいですから!」
「おう……。っと、アタシは休暇で里帰りしただけだ、少ししたら戻るぞ。」
それもこちらに一切興味がなければ意味がない。
だが、ガヴィルが何気なく漏らした言葉にトミミが固まり、熱狂が消えた。
そしてようやくこちらに注意を向ける。
「……ガヴィルさん、この人たちは?赤い服を着てる人、ものすごく強そうです。」
「この不審者がドクターで、こっちがレイホン。ドクターは上司で、レイホンは……何だろうな?」
「一応今は同僚やな、任務外やったら取引先のお偉いさんや。」
「上司とお偉いさん……まさか二人ともガヴィルさんより強いんですか?」
再びドクターと顔を見合わせた。
「私一人じゃ勝てないよ。」
「俺っちは負けんで。———神秘でも持ってかかってこいや。」
苦笑しながら答えるドクターに続き、柄に手を置く。
葉巻を一本取り出して端を噛み千切る。そのまま口に咥え、吸いながら炙るように火をつけた。
発散していた圧をトミミ一人を刺すように集中させる。
「っ。」
「言うじゃねぇか。いつか
「ズゥママなら…今はとある部族の族長です。今の大族長を超えるかどうかの話題、密林中持ちきりですよ。」
「手紙どおりならアイツが大族長の座を降りるらしいな。はっ、やりてぇことやりきったんだな———じゃなくて、どこにいるか知らねぇか?」
「ズゥママに用があるなら、明日の祭典で会えると思います。大族長の座を狙う人たちは、全員霊殿に集まりますから。」
トミミをかばうようにガヴィルが間に入り、エンジンを持っていたと思われる部族について問いただす。
大族長の座を降りるらしい相手はガヴィルの知り合いのようで、ドクターに何か知っているかと視線を向けると、顔をそらされた。
何を隠しているのか追求しようとして———
「何を隠しとるん———」
『ドクター様、緊急メンテナンスが終わりました。出発しますか?』
「あぁ、できるだけ早く出発しよう。話は道中でもできるだろうから。」
タイミングの悪いことにLancet-2が割り込んできて、ドクターは逃げてさっさと物資を用意し始める。
その様子に疑問を抱きつつも、物資を詰め込むことにした。
===
「ヤン〜?本当に大族長やめちゃうの〜?」
「はい。ここでやるべきこととやりたいこと、どちらとも終わったので。グローリアは離れたくないんですか?」
「暇だし離れたいよ?義体の手入れもできないし〜、碌な設備は用意できてないからね〜。」
「それは…申し訳ないですね。僕なりにやれることは全部やったんですが、やっぱり足りないな。次の族長が僕の意志を継いでうまくやってくれることを、信じるしかありませんね。」
「でも祭典には参加するんでしょ?」
「……強さも大事ですから。本心も知れるなら、利用しない手はないです。継ぐなら、僕より強くないと。」
「拗らせてるね〜。」
「でしょうね。でも、それが僕です。誰が何と言おうと、この行動には意味がある。苦しみに意味がなくて、無駄になろうとも、植物と砂漠で包まれた"ここ”は発展できた。苦痛の流れに沿って傷つかないよりも、僕は逆らい続けて傷ついていくべきだった。」
「私は従うだけが楽だしね〜。ヤンはヤンの道に気付くのが遅かったんだよ。」
「……でも、そのお陰で自分とずっと向き合えました。絶望を貼り付けて覆っていた巨大な手で道を切り拓いて、視界を閉ざす錠前を砕いて、腐ってボロボロになった剣を研ぎ直した。」
「私たちじゃ手に入らない力、羨ましいけど〜……私はいらないかな。」
「欲しいと思って手に入るものではないですから。たとえ手に入れたとしても、その先まで彼女は見てくれませんし。」
「無責任だよね〜。」
「えぇ、本当に。なりたい自分になったとして、道に迷えば意味がないですから。」
「それじゃあ……」
「はい。祭典に向けて備えましょうか。」
それを
第二次煙戦争に備えるぞ。