【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
テストからの逃避、筆が進むなぁ!
あとリンバス9章怖い、レイホン来るやろ…。
「……ふぅ。……ここに隠れておけば、きっと見つからないよね。」
廃墟に隠れ、ほっと一息をつく。チェルノボーグからどさくさに紛れて龍門に入れたのは良かったが、龍門の感染者に対する対応はウルサス政府までではないにしろ、かなり激しいものだった。
「どうして、こんな事になっちゃったんだろ。」
答える相手もいないのに、虚空に向かって問いかける。勿論答えが帰って来ることもない……はずだった。
「発見しました。恐らく目標の子供かと。」
「おお、見る限り俺っち達が一番乗りっちゅう事やな?運がええわ。」
瓦礫を退かし、ガラガラと音を立てながら廃墟に入ってくる複数の人影。すぐに柱の陰に身を隠すが、どうやら遅かったようで完全にバレている。
相手が近衛局か、それともスラム街の暴漢か。柱からちらりと覗くと、統一された赤い帽子と服、銃剣を構えているのが分かった。
(親指…!?スラム街で勢力を伸ばしてるあの…!?)
突如として龍門に現れ、複数の組織を潰して勢力を拡大している組織、親指。鼠王に認められた範囲での活動のみだが、その勢いは留まることを知らない。
たった三日で築き上げた地位だとされていたり、近衛局の一部と繋がっていたりなどの噂がある。
「ミーシャやったか?出てくるんやったら早い方がええで。…俺っちらの目的はお前の確保とは言え、ちったぁ乱暴するかもしれんからな。」
脅すように言い放つ男は、廃墟の入口を塞いだまま動かない。
「な、なんで私を捕まえようとするの!?」
大声で叫び質問すると、突然先頭に立つ男以外から殺気と呼ぶのだろう圧が放たれる。足がすくんで動けなくなったが、数秒するとふと圧が消えた。
「俺っちは依頼されとるだけや、まぁ理由も知っとるけどな。」
圧が消え、動くようになった体を動かして親指たちの方を覗き込む。唯一話している男は高そうな黒い葉巻を取り出すと、端を千切って一番小柄な——まだ私ぐらいの幼いフェリーンの子供に先端を差し出した。
その子は丁寧に火を点けると、嬉しそうに笑顔を浮かべて一歩後ろに下がる。
「どうやらお前の父親が有名な科学者やったらしいな?近衛局んとこからも鼠王んとこからも依頼がくるくらいや、相当なモンやろ。」
そう言うと葉巻に口をつけ、煙を口に含んで十分に楽しんでから吐き出す。その動作の中、誰も口を開くことはできなかった。重い煙の独特の匂いが漂う。
近衛局にしろ、鼠王の所にしろ私が無事でいられる気がしない。近衛局よりも鼠王の方が良さそうな気もするが、龍門の感染者への対応を見る限りそれも分からない。
(それに…結局親指がどっちの依頼を受けたのかも分からない…。)
服を強く握りしめ、拭うことのできない不安に身を縮める。
「まぁ、俺っちはどっちの依頼も蹴ったけどな。」
「…え?」
予想外の言葉に耳を疑う、なら、どこの依頼?
「俺っちの部下の面倒見てもらっとるからな、借りは返さんといかんやろ?今の俺っちはロドスっちゅう所の臨時オペレーターっちゅうわけや。」
葉巻を吸う男はそう言ってクツクツと笑った。ロドス?聞いたこともない名前だ。龍門にある組織?まだ私は龍門に来てから数日しか経っていないから、知らない組織があってもおかしくはない。
だけど親指が借りを作るほどの組織なんて、鼠王の所ぐらいしか…。
(いや、それよりもここから逃げる方法を考えないと。)
入口は完全に塞がれているから無理。いくら小柄だとはいえ、あの人数の大人をかいくぐって逃げ出すのは無理。奥に逃げたとしても行き止まり、二階に逃げてもすぐに捕まるだろう。
ふと上を見ると、太陽の光が差し込む窓だったものが目に入った。あそこからなら…!
「…俺っちの今の上司達が到着したようやな?カポネ、あの窓塞げや。」
「……了解。」
急いで窓から外に出ようとするが、向こうの射撃のほうが早かった。
「くっ…!うわっ!」
窓があった場所は崩落し、落ちてくる瓦礫に巻き込まれないよう逃げるので精一杯。しかも二階に逃げようとすると、いつの間にか親指が階段への道を塞いでいた。
外からもこちらへ駆けてくる複数の足音が聞こえる。
「今のうちに嬢ちゃんを褒めとくわ。俺っちと目を合わせず、こっちに攻撃してこなかったのは正解やったで。」
男はそう言って、まだ火のついた葉巻をグシャリと握りつぶした。貼り付けていた飄々とした笑みは消え、心も体も冷えるような無表情と地の底で轟くような低い声に、思わず足の力が抜けてへたり込む。
「レイホンさん!ミーシャさんは無事ですか!?」
「おう、怪我一つないで。」
廃墟に入る新しい人達。茶髪のコータスの少女と、黒いコートで全身を覆い、バイザーで目元を隠した不審者。その後ろにも何人かいるようだが、溢れ出てきた涙でよく見えない。
目の前の男は既に再び笑顔を貼り付けていたが、その下の表情を見た今ではもう何も信用できない。
どうして、こんな事になっちゃったんだろう。
===
目の前でへたり込み、涙を流している少女。ミーシャを見てレイホンは心の中でため息を吐いた。
いくらロドスに恩があるとは言え、近衛局と鼠王のところの依頼を断ったのは拙かった。弾丸さえ龍門で作れるようになれば、この依頼を受けることもなかっただろう。
(あの猫…どうにもキナ臭いんよなこの依頼。)
ケルシーから半分ほど脅しのかかった依頼を断るわけにもいかず、依頼を受けたはいいが随分と怪しいところがある依頼だった。
この少女一人を捕まえるためだけに、一体どれだけの組織と人が動いているのか…アーミヤは、ロドスは知っているのだろうか。
この三日間、レイホン達が他の組織を襲撃、吸収して掌握した人員を総動員して制しているが、それも時間の問題だろう。鼠王と敵対する気はないので、後で手土産を持っていかねばならない。
(レユニオンの奴らも狙っとるからな。龍門にもわんさかおるわ。)
スラム街に潜む大量のレユニオンを制することはできず、邪魔をした一部の構成員は始末してきたが…いかんせん数が多過ぎる。
アーミヤがミーシャに話しかけて何やら説得しているが、そんな事をしている暇があったらスラム街から抜け出すのを優先した方が良い。そう思う程の量のレユニオンがこのスラム街に巣食っている。
「…レイホンさん。」
「分かっとる、俺っちが道を作るから逃げる準備せいや。お前ら、処罰と殺しはナシで頼むで。」
泣き止んだミーシャを立ち上がらせるアーミヤが、その耳に付けたインカムからなにか情報が来たのかレイホンの名前を呼ぶ。ほぼ同時にレイホンの耳にも多数の足跡が聞こえてくる。
「14、15…そんくらいやったら一分も掛からん。」
「この人達本当に強いの?どう思う、リスカム。」
「……喋ってないで行くよ、フランカ。というか、道を作るって……。」
足音からある程度の人数を絞り、蹂躙できる数だと断定する。
まだ疑いの視線を向けてくるフランカを無視して、ロドス製の虎標弾を装填し、右肩に朴刀を構えて低く屈む。
銃口から紅の炎が吹き出し、レイホンと剣をふつふつと加熱する。
「…タァッ!ほい、そっからさっさと行けや。」
跳躍と共に大きく振り上げ、所々ヒビの入った壁を叩けば当然のように崩れる。光の差し込む路地を剣で指し、進むよう顎をしゃくる。
ミーシャの手を取って外へ出ていくロドスとBSWの面々を見送り、もう一度壁に向かって剣を一振りすれば、廃墟がその攻撃に耐えることができるはずもなくレイホンが作り出した道は上から降り注ぐ瓦礫で完全に塞がれた。ロドスを追うなら遠回りしたほうが早いだろう。
天井が崩落し、生き埋めになる前に部下を連れて外に出る。そこにはレユニオンを示す仮面を被った人物たち。
その中からガスマスクを被り、両手に発射機を持つ子供が現れる。
「…ミーシャを、どこにやった…!」
「ハッ! 会うのはチェルノボーグ以来やな?それ外して喋れや、何言うとるのか分からんわ。」
くぐもった声でミーシャの事を尋ねるスカルシュレッダーの言葉を鼻で笑い、礼儀のためにも話すときはガスマスクを外せと返す。
「…グッ、お前…!」
「スカルシュレッダー!大丈夫か!」
「ああ、お前達も気をつけろ。」
「……処罰ができんのが辛いわ。お前は俺っちが相手したるさかい、満足したら帰れや。」
こちらに向かって発射機を構えたスカルシュレッダーを見た瞬間、全身に
今や龍門の近衛局ビル周辺、スラム街の一部を取り締まる親指のトップ。その自分がいるというのに、許可も得ず発言する
ロドスとの契約で処罰が禁じられている今、相手にしたくないレユニオン幹部をどう撤退させるか迷ったが特に迷うことはない。
ただ、追ってこられない程度の怪我を負わせればいいだけ。
「どけ!俺はアイツに…ミーシャに会わないといけないんだ!」
「じゃあ俺っちを倒すか、一度撤退して出直すんやなぁ!」
叫びながら放たれた榴弾…ロドスから渡された作戦記録曰く、源石榴弾を弾く。弾かれた榴弾がスラム街の建物を壊し、土煙が舞う中、発射機を変形させ近接武器にしたスカルシュレッダーとレイホンの天退星刀が火花を散らしてぶつかり合うのだった。
定メールの同期化ストーリーにビビり散らかしてた人です。
おまッ…!J社の範囲はどこだ…!?(地図を見る)
これ南部…いや東部っぽいなぁ!?トランプじゃなくて花札やってる時点で東部かぁ!?
関西弁のジジイお前レイホンだったりするのか!?やめろよ!?
白髪のおじさんだったか…ビビらせやがって…
マジでビビった。