【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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はい、ノーパソで復刻鏡鉄道クリアしました。ローディングで30分かかったんですけど。
クリアターン数は116です。

取り敢えずのノリで破壊不能コインにするのやめましょ?




第21話

 

 

「よくもスカルシュレッダーを…!」

 

「馬鹿の一つ覚えかぁ?そんなんで俺っちを倒せるわけ無いやろ!」

 

剣を力任せに振り抜けば、目の前の有象無象は糸が切れた人形のように崩れ落ちる。

ロドスのオペレーターはそれを拘束し、医療オペレーターの下に運ぶ。

その単調な行為の繰り返しに飽きてきた頃、ようやく迫るレユニオンの影が消えた。何人かは恐れをなして逃げ出したようだ。

 

『戦闘終了。連続戦闘で皆疲れているだろう、少しの間だが休むといい。』

 

ドクターの言葉が伝わると、ロドスのオペレーター達は大きく息を吐いて地面に座ったり、倒れたレユニオン兵の運搬を行う。特に手伝うほどのものではないため、懐からシガーを取り出し、口で端を噛み千切る。

部下たちはロドスと合流していないのか姿が見当たらない。仕方なく自分で火を点けようとすると、ドクターと何か話していたフェンがライターを持ってこちらにやってきた。

 

何も言わずにライターの火を点けてこちらに差し出してくるが、ライターをよく見れば安物のオイルライターなのが分かる。

 

「気が利くやんか。やけどこんシガーに見合うやつやないと、シガーの格が下がるかいやめとくわ。」

 

フェンの頭をガシガシと撫でながら、シガーを口に咥えて自分の持つジッポライターで火を点ける。顔を下に向けたまま振り返り、ドクターの下へ戻るフェンを眺めながら一服する。

スカルシュレッダーを斬りつけた手応えからして、そろそろ失血死する頃だろう。レユニオンの集団を見た限り碌な治療すらできない様子だったので、助かる事はない。

 

「ミーシャさん!?無事ですか!?」

 

アーミヤがWから渡された通信機器を持ち騒いでいるが、Wとレユニオン兵の話を聞いていた限りミーシャはWに連れて行かれているだろう。

恐らくそれでも助けに行く…などと言ってこのお人好しの兎は向かうのだろうし、レイホンもそれに付き合わされるしかない。

 

(あん猫がちゃんと約束守ってくれるかやな。二枚舌やったら…。)

 

岩に座り、これから身の振り方と今の状況を考えながら短くなり始めたシガーを楽しむ。

依頼の報酬と約束の履行が上手く行われなかった場合は…。少なくともケルシーの舌は切り取るだろう。

アーミヤを見れば、まだミーシャと話していた。

小声になってよく聞き取れないが、アーミヤの表情を見る限りミーシャとの話は上手く行っていないようだ。

 

「待ってください…!ミーシャさん?ミーシャさん!」

 

一方的に通信を切られたのか、通信機器に向かって呼びかけるアーミヤの姿を見るとシガーを地面に捨て、靴で火をもみ消す。

そろそろここを出発するだろう。この剣を振るうに相応しい相手はWくらいしかいないだろうが、それでもドクターの指揮下で動けるのなら多少の不満は飲み込める。それほど素晴らしい指揮だった。

個別で部下達に龍門に戻っておけ、と連絡を送り立ち上がる。

 

(暴れられる時に暴れとかな損や、精々楽しませてくれや。)

 

 

 

———

 

 

 

「奇跡だ…!スカルシュレッダー!!」

 

「生きてたんだな!よかった…。」

 

「万歳!!万歳!!」

 

騒ぐレユニオン兵。本来なら剣を振るうに値しないような無礼者達の奥に立つその姿は、確実に死んだと思っていたスカルシュレッダーの姿そのものだった。

だが、何故か違和感を覚える。発射機の持ち方、立ち方、そして何より、ガスマスクのレンズ越しに見えるその目に宿った覚悟。

前に見たスカルシュレッダーの目には、憤怒が宿っていた。しかし今のスカルシュレッダーはどうだ、都市で稀に見るような、死してなお喰らいつく覚悟をその目から滲ませている。

 

「あれは…まさか、そんなはずが…。」

 

「チッ、レユニオンの隊長が復帰したか。ここまで士気が高まるとはな。」

 

アーミヤとチェンの呟きをレイホンの耳が拾う。

レイホンはスカルシュレッダーという象徴を、ミーシャが背負ったということを理解した。そうすれば納得がいく。

 

(あのガキがまさかここまで成長するなんてな? ちったぁ楽しめそうや。)

 

朴刀を地面に叩きつけ、噴き出す炎と音で威圧する。士気の上がったレユニオン、スカルシュレッダーはその音にも光にも怖気づくことはない。

 

斬り掛かってくるレユニオン兵を文字通り蹴散らす(蹴って血肉を散らす)。弾丸を使うべき相手は、まだ見ぬWとスカルシュレッダーくらいだろう。

戦場を駆け、辺りの敵を斬り裂く。スカルシュレッダーの下へ向かい、行く手を阻む重装歩兵の鎧を破壊し、空から射撃を行うドローンを気絶したレユニオン兵を放り投げて墜とす。

 

「行くぞ、スカルシュレッダー!明日を掴むのは俺達だ!」

 

レイホンの攻撃が届く範囲まで、残り数歩。

突然スカルシュレッダーを含む何人かが、アーミヤ達のいる本陣に向かって駆け出す。

それは必然的にレイホンの下に近付くことになる。

 

「逃さへんで。」

 

スカルシュレッダーに向けて上から下へ斜めに一閃。周囲のレユニオン兵が肉壁となり、レイホンの斬撃を防ぐ。

下から上へ斬り上げる。既にスカルシュレッダーはレイホンを超え、向こうまで走り抜けようとしている。それをどこからか湧いて出たレユニオン兵が身を挺して守る。

弾丸を使用し、頭を吹き飛ばす勢いで大きく横に一閃。重装歩兵が壁となるが、その分厚い鎧は切断されて重装歩兵はレイホンの方へ倒れる。

 

レイホンという壁を抜け、素早くアーミヤとドクターの下へ走るスカルシュレッダーを追おうとするが、レユニオン兵が先程とは比べ物にならないほどの密度でレイホンに迫ってきた。

 

「コイツをスカルシュレッダーの所に行かせるな!」

 

「スカルシュレッダーが、あいつらを倒せば終わりだ!それまで耐えるんだ!!」

 

「…お前ら如きで、止まると思とるんか?」

 

邪魔をするレユニオン兵を、片っ端から無力化する。多少の怪我ならロドスの医療オペレーターが治療する、死なない程度の傷なら構わないだろう。

剣を持つものは手首を切り落とす。弓を使うものは落ち落とした矢を投げ返す。銃を使うものは近付き銃を破壊する。盾を使うものは刃の側面で思い切り吹き飛ばす。アーツを使う者は下顎を殴り抜いて気絶させる。

 

「悪魔め…!」

 

「俺っちの自認は虎なんやけどな。」

 

倒れてもレイホンの足を掴み、追わせまいとするレユニオン兵の手を踏み砕く。

レイホンがスカルシュレッダーとアーミヤの下に辿り着くと、二人は何やら言い争っていた。

 

「ロドスはレユニオンの皆を傷付けた…!」

 

「レユニオンの皆さんは、チェルノボーグの人達を…!」

 

感染者と非感染者、どちらが先に手を出したのか。答えのない問いであるそれを、レイホンに知る術はないし、知るつもりもない。どちらにしろ、全力で斬れば殆ど死ぬ。それだというのに、何故ここまでの壁が生まれるのか。

 

(死生観の違いやろな。命っちゅうもんはもうちょい軽くてもええ。)

 

スカルシュレッダーはロドスのオペレーターに向けて榴弾を放ちながら、不思議な形状の片手剣を持った褐色の少年と斬り結んでいる。

スカルシュレッダーの一撃が少年の武器を弾き、隙を生み出すと、その隙を逃さず発射機を構える。

 

ドゴン!

 

「くっ…。すまない、ドクター。」

 

少年が榴弾をまともに受け撤退する。スカルシュレッダーの次の狙いは、アーミヤだ。

術師であるアーミヤの前にホシグマとチェンが立ち塞がり、スカルシュレッダーをアーミヤに近付けさせないように立ち回る。

 

「レユニオンが感染者を弾圧する皆を倒して、自分たちの地位を確立する。そこに私達の…いや、俺達の未来があるんだ!」

 

「違います!感染者と非感染者が、互いに手を取り合った先にこそ、私達の未来があるんです!」

 

「ハッ、…ちゃうやろ。仁義を為すから悪が消えるのも、悪を消すから仁義が通るのも正しい。どっちにせぇこの問答は初めから成り立たんわ。」

 

ジア・チォウの意見と、自分の意見を合わせ、少女二人の論争をそう言い切って断ち切る。

どちらも正解なのだろう。レイホンからすれば、力で自分の地位を示せるのならそうすればいいと思う。勿論抵抗されるだろうが、都市ではねじ伏せる力があれば何の問題もない。

ただ、レイホンにとって残念なことにその方法はテラでは認められていない。

ある程度力を持ったとして、最終的には既に存在している巨大な存在に打倒されるだけ。

 

アーミヤの意見は理想論であり、最終的に人の善性を信じるという、レイホンとは相容れない考えだ。

非感染者からすれば、いつ爆発するか分からない時限爆弾が感染者だ。更にその時限爆弾は超常の力を操り、危害を与えてくる可能性がある。

人を信じるという事は難しい。それなのに、半分化物のような感染者をどう信じろというのだ。

 

戦闘に参加しながら思う。

レイホン(スカルシュレッダー)ジア・チォウ(アーミヤ)の考えは決して交わらない。

相手の仁義を認めても、それは相手の考えで自分の考えではないのだから。

妥協点を見つける時間も、もう過ぎただろう。

 

「もとから、こうなる運命だったんだ。」

 

スカルシュレッダーの攻撃は苛烈さを増していき、ホシグマの持つ大盾を掻い潜るように榴弾を放ち、チェンの肌にも少しずつ傷が増えていき、レイホンの攻撃を受け流す。

その急激な成長速度は目を見張るものがある。が、レイホンを心躍らせるほどではない。

 

(中々やるやんけ…せやけど、もう限界やろ。)

 

このような力が、そこらの少女に出せるはずがない。火事場の馬鹿力、またはアーツだろうと目をつける。

どちらにしろ、レイホン達を倒すことはできず、エネルギーが尽きるのは目に見えている。

 

「アーミヤ!何をしている!」

 

「あ……。」

 

スカルシュレッダーの放った、「運命」という言葉がアーミヤを揺さぶったのか、アーツによる攻撃が途絶える。それに気付いたチェンが呼びかけるが、反応が芳しくない。

見逃さず榴弾を放ち、発射機を構えるその隙を狙ったレイホンの斬撃を避けるスカルシュレッダー。

 

「もう、分かった。——恨むなら、私を恨め。 確かレイホンと言ったか、ホシグマ、レイホン。……ここで始末をつける、協力しろ。」

 

「…了解。」

 

「俺っちは援護に回らせてもらうで、俺っちが殺すのはアカンからな。」

 

そう言うと、アーミヤを庇って動いていたチェンの動きが変わる。スカルシュレッダーに攻撃の隙を与えないような、素早い連撃。

後ろに下がり距離を取ろうとするも、そこをホシグマとレイホンが塞ぐ。

連撃に押されるスカルシュレッダーは、地面に榴弾を放ち無理矢理距離を取る。

 

「クッ…!」

 

先程の話を聞いていたからか、自分を殺す事のないだろうレイホンの下に走るスカルシュレッダー。

レイホンの奥へ走り抜けようとして——その単調な直線移動を、レイホンが見逃すことはない。弾丸を発射し、剣を振り下ろして左腕を斬り落とした。

 

「ッ!ああッ!!!」

 

「じぃとしとれ、俺っちと違って隊長さんなら苦しまずに終わらせてくれるやろし。」

 

半分ほど焼き切られた左腕から血が吹き出す。地面にうずくまって悶えるスカルシュレッダーは、チェンが近付くと倒れた姿勢のまま榴弾を発射するが、まだ抜き身で構えていたレイホンが弾き飛ばす。

 

「詰みだ。」

 

チェンが胸を貫く。剣が引き抜かれると、スカルシュレッダーは一度震え、胸から勢いを失った鮮血が流れ出す。

肺に溜まった血と、ガスマスクでくぐもる声は最後まで聞き取れなかった。

 

「う、あ……俺は……ぐ、私、は———。」

 

血が喉に詰まり、数回咳をすると、その身体から生気は失われた。ガスマスクからは血が漏れ出している。

 

「…終わったぞ。」

 

チェンはそう言ってアーミヤに向き直る。

レイホンがスカルシュレッダーの持つ発射機を掴むと、死んでもなお離さないと言わんばかりに強く握られていた。無理矢理取ろうと思えば取れるのだろうが、やめた。それは自分がやるべきことではない。

 

チェンとアーミヤの話を後ろにして、レイホンはスカルシュレッダーがやって来た方を眺める。

砂煙の舞う中、白色の髪と、赤黒い角が見えた気がした。

 

(湿っぽい終わり方やなぁ…。)

 

レユニオンの幹部『スカルシュレッダー』が龍門のチェンによって討ち取られた。

ここにはその事実だけが残り、ミーシャと呼ばれた少女がどうなったかを知る者はここにいる数人だけだろう。

 

シガーを取り出して端を千切る。ライターで火をつけようとしたが、砂が詰まったのか火花が散らない。

ハッと鼻で笑って、火のついていないシガーを咥える。

ドクターに先に帰ると告げ、龍門へ向けて歩き出す。もう少し歩けば、この鬱陶しい砂煙も晴れて火を点けられるだろう。

 

初めは晴れていた空は、黒い煙と砂で曇っていた。

 

 

 






カポとソルダート、終止符コンビに船長、控え枠にチーフバトラー。
船長で弾丸を早く消費して、速度が上がる猛虎標弾モードは追撃なし。
完璧すぎる…なお現実はそう上手くいかない模様。

最後はギミック無視のために黒獣使ったけど最初からこれで良かったな?


あ、活動報告の方にちょこっと裏出してます。見なくてもいいやつです。
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