【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
明日レイホンアナウンサー追加されるので投稿します。
我らがカポ、東部十剣、天退星のアナウンサーやで!みんなで天井しような!
ちなみに狂気は2900(うち有償690)、ガチャチケなしだぜ!
はぁ、クソ———。
拠点へ戻る道中、源石が異常に成長した感染者と何度も接敵した。
「ゔゔぅ…あぁぁぁ!!!」
「噛み付かれるな!こいつらに噛まれると…クソッ、数が多過ぎる!」
「誰か、誰か助けて!」
もとはレユニオン兵だったであろう化物は、仲間であるはずのレユニオン兵を攻撃していた。自分の体に生えた源石を引き抜き放り投げ、格段に上昇した身体能力で味方を屠っていく。
即死したレユニオン兵は勿論起き上がらないが、投げられた源石をまともに食らった者や、噛みつかれた者は違った。化物と同じように異常な成長をし、他のレユニオン兵に向かって攻撃を始める。
「感染者やったら化物になる感じか?一応俺っち達も気を付けた方がええかもな。」
拠点に到着すると、職人たちと軽く挨拶を済ませて中に入り、執務室に向かう。
執務室の中では、長机に地図を敷き何やら会話をしていたらしいが、レイホンが入ると場が一斉に静まりかえる。
「…単刀直入に聞くわ、状況は?」
「はっ。現在、スラム街の一部、近衛局ビルの周辺にレユニオン兵を確認。統治下にも被害が出ていて、被害多数、死者も出ています。」
「火ぃくれや。…都市の奴らは?」
「全員無事です。」
所々赤い丸がつけられた地図を見ながら状況を聞く。すでに被害が出ているようで、思うように動かない苛立ちを抑えるためにシガーを取り出す。
近くにいる部下に火をつけてもらい、一回だけ煙を吸う。
「そんならまだマシか。レユニオン幹部はおるんか?」
「クラウンスレイヤー、メフィスト、ファウストは確認済みです。クラウンスレイヤーはロドスが引き受けるとのことで、スノーデビル小隊…フロストノヴァの姿も確認されたとのことですが、その小隊とは連絡が取れません。」
「……はぁ。」
(えらい移動が早いわ、パトリオットとタルラがいないっちゅうのが救いか?)
リーダーであるタルラと、猛者であるパトリオット以外のレイホンの知っているレユニオン幹部が勢揃いしている。
その事実にため息をつき、残った煙が下に落ちる。
「そいつらの処理を順次していくで、ペンギン急便、鼠王んとこも動いとるやろ。確実に仕留めろや。」
そう指示した瞬間、部下の胸ポケットに入れられた通信機器が音を立てて震える。
睨みつけると、部下は迷いなく自身の左手を切断し紐で縛って素早く応急処置をこなした。
「何の連絡や。」
「…黒装束の謎の集団が、スラム街に住む感染者と、レユニオンの虐殺を行っているようです。その遺体を何処かへ運んでるとも。……それと。」
顎をしゃくって連絡の内容を言うように促せば、残った右手で通信機を操作して情報を伝えてくる。
言い淀む部下に目線を送り、「続けろ」と伝える。
「その、鼠王の娘が、黒装束を指揮するかのように振る舞っている…と。」
「…これを鼠王が知っとるんか?いや、知っとるんやったらこんな事は起きんな。」
鼠王とは親指の基盤を整える際何度も話し合い、一度だけだが酒を飲むほどの交流がある。鼠王の人となりはある程度分かった。彼がどれだけ恐ろしく、どれだけスラムを思って行動しているのか。
その鼠王がレユニオンはまだしも、感染者とは言え、スラムに住んでいる者を傷付けるだろうか。余程のことがない限りないと言える。
鼠王の娘…リン・ユーシャだったか。彼女の独断行動?いや、近衛局よりも上だろう…この龍門でその地位に立つのは…。
「…考えても埒が明かんな、統治しとる所のレユニオン兵の排除、幹部と接敵したら連絡しろや。幹部はできたら生け捕りで頼むで。」
「「「はっ。」」」
「俺っちは試したい事があるかい、先行っとけ。」
ぞろぞろと執務室から外へ出ていき、統治下へ向かって出発していく部下を見ながら、何処かに置いたはずの箱を探す。
机の中、下、棚の中を探すが見つからない。
「……。」
「おっ、これや。助かったで。」
まだ外に出ていなかった猫が棚の上にある箱を発見し、アーツで浮かしてレイホンの下へと運ぶ。
箱を受け取り、中に入った6発の弾丸…ロドス製の猛虎標弾を取り出してベルトに装着する。
「さぁて、俺っちを楽しましてくれるヤツはおるんか?」
===
「はっ、はっ、はっ……。」
どれだけ走っただろうか。
後ろに迫る、同胞たちを引き連れて走り続ける。
【菴墓腐謚代∴繧九??溘≠縺ェ縺溘′鄂ェ謔ェ諢溘r隕壹∴繧句ソ?ヲ√?縺ェ縺?o】
「クッ……。」
走る、走り続ける。
酸素が足りない、目眩がし、足がもつれる。
【is@sqepzumkを4du0ueq/is@4r;f@eet…0t.w@d)?】
「五月蝿い…!」
チェルノボーグを襲撃してから、聞こえるようになった声。始めは何を言っているか分からず、聞き間違いか、遂に砲撃音で耳がイカれたのかと思った。
今になってそれが自分の気のせいではなく、ただ自分を誘っている事だけが分かる。
【矢k雨t@降\4s<仲間k死体t@纏0lzb4s<貴方k砲撃k後if<貴方k道q@:t@残.>】
徐々に鮮明になっていき、意味が理解できる部分が現れ始めた。
心の中で黙れと叫ぶが、何の意味もないのだろう。
「いたぞ!レユニオンの狙撃手だ!」
「ッ!」
走った先には大勢の近衛局員、
こちらに向けて構えられた大量の盾とクロスボウに足が止まる。
戦闘経験からか、それとも本能かは分からないが…俺はクロスボウを構えていた。
【さぁ、引き金を引こう。そうすれば貴方の弦は、二度と切れないでしょう。】
言葉に従うまま、引き金に指をかける。
後少し押せば、目の前にいる近衛局員を吹き飛ばし、その後に他の者に殺されるだろう。
「…俺は、撃たない。もう疲れたんだ。」
引き金から指を外し、近衛局員達へと向けたクロスボウを下げる。
【どうして?貴方の道を進めば、いずれ貴方の求める物が手に入るでしょう?】
「俺が求めたのは、相手を殺してでも欲しかったのは道なんかじゃない。俺は…。」
「撃て!」
数えるのも馬鹿馬鹿しい量の矢が、山なりに飛んでくる。
五月蝿いほどに囁いてきた声は、答えを知りたいのか黙った。咳き込み、膝をつく。口から血が溢れ、項垂れる。
「ゴホッ…。俺はただ、幸せになりたかった。生きていれば、いつか幸せになれると信じていた。……でも、あの時が俺の幸せ、理想そのものだったんだ。」
思い浮かんだのは先に死んでしまった戦友たち、道を別れた戦友たち、パトリオット、フロストノヴァ、アリーナ…そして、タルラ。
懐かしい面々が頭をよぎる中、最後に見えたのは一人で泣く
涙が頬を伝い、おぼろげになる視界に突如細長い棒が現れた。
ボンという爆発音と共に、その棒…銃剣が高速で回転する。
———ガキキキキキキン!!!
金属同士がぶつかり合う音が響き、銃剣によって阻まれた矢は半ばから折れて辺りに散らばる。
何もなかったかのように、一本の銃剣が宙に浮かんでいた。
ザッ、ザッ、ザッ。
背後から聞こえてくる足音の方を反射的に振り向くと、自分が連れてきた多数の
近付く人の顔は逆光でよく見えない。眩しさに目を閉じると、突然疲れと痛みが襲いかかり、瞼を開く力が入らなくなった。
何故か、濃いタバコの葉と血の匂いがした。
===
(撃たんかったな。)
やろうと思えば目の前にいる程度の小隊、壊滅できただろうにと思いつつシガーを指で挟む。
「お前達は…親指か!?何をしている、そいつはレユニオンの—— 「黙れ、いつ俺っちが話していいっちゅう許可を出したんや?」 —!!」
先程銃剣を投げた右肩を回しながら、許可なしに発言した近衛局員に向かって返す。
煙を吐き出し、手に持ったシガーを再び口に咥える。
気を失っている黒髪の少年を見ながら、腹部に負った傷と口から溢れる血を確認すると部下に連絡を入れる。
「俺っちはなぁ、近衛局と争う気はないんやで?龍と鬼に言われんかったか?"礼儀には気をつけろ”ってな。」
シガーを噛み締めて、威圧しながら続ける。
「イイ事教えたる。親指の前で礼を損ねんのはなぁ、喧嘩の原因を作るっちゅう事や。分かったんやったら黙っとき……次はない。」
殺気を混ぜた圧を抑えて、いつも通りの笑みを顔に貼り付けて言う。
「ここはスラムの一角、それも俺っちらの領域や。コイツの処理は任せてもらうで?」
そう言って気を失った少年…ファウストを抱えると、一人の近衛局員がこちらに向けてクロスボウを構え、声を上げた。
立ち方、構え方から見る限り近衛局員の中でも新入りなのだろう。この場で一番地位が高いのが誰かも分からず叫ぶ姿は実に滑稽だった。
「ふざけるな!急に出てきたと思えば俺達の手柄を奪おうってか!?相手は二人、しかも一人は子供だ!全員でやってしまえば…………あ?何で俺から離れて…。」
「治安を守る奴らの台詞やないなぁ。…猫、下顎と舌。」
「っ!はっ!!」
銃剣を猫から受け取り、唯一発言した近衛局員目掛けて投擲する。
先に付けられた刃が喉元を突く寸前、推進弾が発射され回転し始めた銃剣の銃床がヘルメット越しに下顎を砕いた。そのまま回転する銃剣の刃が口元を切り裂き、用を終えた銃剣がふよふよと浮いてこちらに戻ってくる。
「今すぐ手当てすれば助かる傷や、ここは退いてもらおか。」
こちらへ何か言いたげに見つめる近衛局員と、グレースロートと名乗ったロドスのオペレーターを無視してファウストを猫に預ける。
「ソルダートIIII《クァルト》ん奴らがおるかい、一緒にそれ持って戻っとけや。ロドスの医療なら死なせんやろ。」
背中を叩き、拠点へ戻らせる。
シガーの煙はいつもよりいい香りだった。当たりを引いた幸運と共にシガーを噛み締めて吸う。
駆け出す猫に向けられた殺気に気付いたのは、同じような者を相手にしたからだろう。
キィン!
「……。」
「どんな所にも似たようなヤツは居るんやなぁ。数の多い黒装束に、そこそこの戦闘能力、どっかの兎みたいやわ。」
「……。」
「返事もせぇへんのな、兎以下の知能しか持ち合わせとらん傀儡やったか?」
「……現在、龍門にお前達と戦う意志はない。」
猫ごとファウストを殺そうと突き出した剣を弾き、迫り合う。
必要のないことは話す気がないのか、こちらの話に乗ってこなかったが煽ると距離を取って剣を収めた。
「ほなハナから邪魔すんなや。しかも二枚舌を使うヤツやし信用できんわ…チィ!」
どこからか現れた別の黒装束が、再び殺そうと剣を突き出す。間に割り込んで剣を持つ手首を蹴り上げると、ゴキリと鈍い音が響き剣が地面に落ちる。
「撤退するぞ、まだ処理すべき対象が山程残っている。」
「……了解。」
「…何やったんや。」
剣を収めた黒装束が撤退の指示を出すと、手首を折られた黒装束が渋りながらも頷く。本当に都市で見た黒獣のように、そこにいた筈の姿はフッと消える。
考えている暇があれば動くべきだろう。もう残り少ないシガーを地面に投げ捨て、靴でもみ消すと、部下からの報告があった龍門の下層へと駆け出すのだった。
終わりを予感し、項垂れる。
やっぱり、勝てない相手だったんだろうか…。
「終わる時間は…。」
明るい声に顔を上げた。
そこには満身創痍になったにも関わらず、何一つ屈せずに。
突然のアナウンサーと良秀による致命傷を防いだ友達(重課金勢)が立っていた。
「そなたが…決めると言ったではないか…。」
いつも課金していた後ろ姿が視界に入る。
その馴染み深くも、限りなく大きく感じる姿に、二度と呼べないと思っていた名前を再び呟いた。
<初回ボーナスの乗った、有償狂気12000円分…。>
課金勢のリンバス7章、天井交換しかない。