【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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なんか友達が10連でレイホンアナウンサー当ててたんですけど。
まぁ資料がすぐそこにできたからいいんだけどさ…。

シーズン終わるまでに黒獣ドンキ交換しないとなぁ…。(カス運)




第29話

 

「待ちわびたぞ、ロドス。」

 

「フロストノヴァさん…その姿は…。」

 

雪原と化した下層フロアに辿り着いたロドス一行は、フロストノヴァの小さな変化を問う。

黒色の礫を周囲に浮遊させ、自身の装備が白い炎のようなもので燃えている。

手に持っていた杖と短剣は薄く光を放っており、杖をよく見れば氷でできていることが分かる。

 

「あぁ、これか?フッ…こんなもの、何の価値もない。ただの飾りとでも思ってくれればいい。」

 

そう言う彼女に対し、纏う炎の放つ異質さは飾りと言うには無理があった。

 

「ドクター。お前はここに来るべきではなかった。私を葬るだけなら、ロドスの人員を向かわせ、私の寿命を待てばいい。」

 

「…いいや、私はここに来なくてはならない。最後まで見届ける。」

 

「…そうか、愚問だったな。少しの間共にいただけで、相手の事を理解できる訳が無い。たとえ数年の時を共にしたとしても、理解できない仲間がいるようにな。」

 

確かにドクターがいた所で、ロドスのトップのうち一人が危険にさらされる可能性が生まれるだけだろう。

そうはならなかった。危険だとしても、ドクターに覚悟を決めさせる何かがあった。ドクターの答えに対し首を横に振り、手元の杖と短剣をクロスさせると、レイホンたちに向き合う。

 

「準備はいいか?」

 

「もう始まってるよ!」

 

「ちっと試させてもらうわ!」

 

爆炎を撒き散らし、高速でチェーンソーを振りかぶって叩きつけるブレイズ。

フロストノヴァを挟むようにして弾丸を放った一撃を叩き込む。

 

カァァァン!

 

「チッ、相当硬いねそれ!」

 

ブレイズとの挟撃は、浮遊する黒い結晶によって阻まれた。高い音を鳴らした結晶は少し欠けただけなのを見て、レイホンは頭の中である程度の危険度を算出する。

 

(都市悪夢…下手したら都市の星かもなぁ。全く、部下がおらんくて助かったわ。)

 

部下がいれば今すぐにケジメをつける必要があった。そんな余裕はないだろう。

弾かれた反動に身を任せ、距離を取ってからもう一度斬りかかる。

弾丸を発射していなくとも、(マン)を纏わせている一撃は常人の頭を飛ばすくらい造作もない。

そんな斬撃を幾度となく斬りつけても欠片が飛び散るだけで、ヒビ一つ入らない。

 

結晶の隙間を狙い飛び込もうとしたが、その度にフロストノヴァの揺らめくコートがチロリと反応するのを見るに、まだ何かがあると警戒して飛び退いた。

ブレイズの爆炎でも解けず、チェーンソーの摩擦でも切断される気配のない結晶に阻まれ、何一つ有効打がないまま時間が経過する。

諦めずに結晶と激しくぶつかり合った結果、天退星刀もレイホンの体も程よく温まり始めた。

ただフロストノヴァはアーミヤとドクターの方へ歩いているだけで、自分からは一切の攻撃をしていない。

その余裕を剥がしてやろうと、弾丸を消費して斬りかかる瞬間を見定めていた時、突然彼女は口を開いた。

 

「眠れ、眠れ…♪……いや、お前らに子守唄は、違うか。」

 

唄い始めると同時に、守るように浮遊していた結晶が彼女の周りを離れ、鋭い刃の形を取る。

直ぐに思い直したのか歌うのをやめたが、結晶の形はそのままだ。

向かう先はブレイズとレイホン。高速で射出された礫を弾こうとするが、あまりにも多い数とその速度は、全てを弾くには厳しいものがあった。

切り傷で出血した先から凍り始める異常な極低温。だが、レイホンはそれよりも(シン)を纏う体に傷をつけた事に驚いた。

 

「レイホン。先程、私を殺さなかった礼として教えてやる。お前のベルトに付けられた6発の弾丸、それは全て使い物にならない。…そしてアーミヤ、お前の指輪もだ。」

 

「ッ!」

 

「こりゃ…(マズ)いかもしれんなぁ?」

 

「炎!?私のパクリかなぁ!?」

 

杖と短剣を持つ左手を薙ぎ払うように振るうと、コートに付いていた炎が蛇の形を模し、意思を持ったかのように迫る。

その速度はかつて見た黒獣の筆頭(ズールゥ)と同じ、もしかしたらそれよりも速いかもしれない。

炎はレイホンのベルトとアーミヤの両手に付けられた指輪に触れたと思うと、何もなかったかのようにフッと消えた。

 

「子猫の真似をするのは、今の私の体には堪える。」

 

「…?特に何も起こらんな?」

 

そう思った瞬間、ベルトに装着していたロドス製の猛虎標弾に触れていた場所に刺すような痛みが走る。

都市製の猛虎標弾には影響はないのを確認すると、無事な1発だけ懐に仕舞い込み、今も激痛の元になっている6発を全てベルトから取り外し捨てる。

カランカラン…。不思議と軽い弾丸に疑問を覚えていると、叫び声が聞こえた。

 

「ああッ!うっ、ぐうぅぅっ!!!」

 

叫び声が上がった方を見ると、拳を握りしめて蹲るアーミヤがいた。

 

「「アーミヤ!」」

 

「アーミヤちゃん!」

 

ドクターとグレースロートが同時に名前を呼び、ブレイズがフロストノヴァの前から一時撤退し、アーミヤの下へ向かう。

この状況を黙って見ているほど、優しい相手ではないと分かっているのかと叫びたくなる。

天退星刀に装填された虎標弾5発、懐に仕舞った猛虎標弾1発が頼みの綱だ。

 

貴重な弾丸を使うタイミングを見計らいつつ、光の輪がついた愛刀で斬りかかる。

 

「ぐぅっ……レイホンさん!彼女の炎は熱を吸収します!」

 

「今の一瞬で気付くとはな、中々頭が良い。だが…。」

 

アーミヤが伝えてきた情報はしっかりと伝わった。

黒い結晶が再び周囲を浮遊し始めたが、大きくなるまで時間が掛かるのか小さな結晶しかない。

攻撃するなら今しかない、後ろに回り込んで大きく横に振り抜く。

その瞬間、彼女の揺らめくコートが輝くのが見えた瞬間、即座に(マン)(シン)に回し防御態勢を取る。

先程の猛虎標弾には中身がなかった。少しの熱で異常な程のエネルギーを生む猛虎標弾の中身が空だったのだ。

なら、そのエネルギーが何処に行ったのか…予想が正しければ、今から自分の身でその威力を確かめることになる。

 

ボン!

 

「本質は熱の吸収だ。元々この場にあった熱、貴様らが放った、放ち続けている熱…そして、私がこの醜悪な大地に向ける怒り()。」

 

「カハッ…よぉ、やるやんけ。しくじったわ。」

 

音さえ凍ったのか、小さな爆発音と共に圧倒的な熱量が体を包み、吹き飛ばす。

コートは焼け焦げ、全力の(シン)をも突破した熱はレイホンの皮膚を焼いた。

 

「いずれこの思いも消え果てる。ならば、今ここで貴様らを見定める事に使うとしよう。」

 

フロストノヴァが腕を上げる。

再び彼女の肌から黒色の何かが滲み出し、それは黒い結晶の形を取って大きくなる。

あっという間に元の大きさにまで戻った結晶の合間を縫って、一本の矢がフロストノヴァへ向かった。

 

「駆けろ!」

 

その矢はフロストノヴァに的中するかと思われたが、身に纏う炎が彼女を守るように矢に触れる。すると矢は空中で静止し、炎が矢から離れた瞬間に地面へ向かって垂直に落下した。

 

フロストノヴァが上げた腕を下ろすと、浮遊していた結晶が地面に落ち、白色の炎と冷気を撒き散らして砕け散った。

衝撃で積もった雪が舞う。

地面は黒色に染まり、徐々にその領域は広がりつつある。白色の炎が領域の場所へと延焼すると、辺りの気温は更に下がり始めた。

 

「お前達はここで死に、荒唐無稽な幻想は潰える。否と言うなら、私を打ち破ってみせろ。」

 

雪が降る中、炎の中に立って堂々と言い放つ彼女は何よりも大きく見えた。

 

「……私を破り、希望を見せてくれ。」

 

悲しげに呟いた言葉は、この場にいる全員に届いただろう。

寒さでかじかむ指先に、腕に、足に、全身に力を込めて立ち上がると、背後からチェーンソーの音が小さいながらも聞こえ、矢を再び装填する音も聞こえた。

ゆっくりと立ち上がる、布の擦れる音が雪原にやけに響いた。

 

ガコン。

 

弾倉を開き、懐に仕舞った猛虎標弾を取り出す。

唯一空いた弾倉に、弾を込めた。

 

 






アナウンサーによるレイホンのイメージの変化
関西弁の気のいいおじさん、なお仲良く話している途中で上下を咎める。

関西弁の想像していた数倍戦闘狂で口出してくるおじさん。何時でも上下を咎める。

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