【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
誤字多くてすみません…忙しくて振り返る時間がねぇぜ!
誤字報告してくださり感謝しかない。
共テ過去問で8割取らないと単位が死ぬの無理ゲーだと思うの。
大学生ってもっと楽しいもんじゃないの…?(3年目)
やりなおしで腱鞘炎になったの初めて。共テは腕の運動だった…?
ドクターを背負い、着地する。
抱きついていた時から腕が震え、今は足が震えている姿は本当にこの男がロドスのトップなのか疑わしい程だ。
クロスボウに矢を番え、何時でも撃てるように準備する。
「ファウスト、済まないが肩を貸してくれないか?」
「…もっと背の高いやつに頼め。」
「……ファウストと言ったな、偵察を頼む。」
「了解。」
ドクターからの頼みを断り、ケルシーの命令に従って廃墟の屋上まで登る。
いくつかの建物を経由し、そこそこ高い建物から辺りを見渡せば、
(どういう事だ、Wは何を指示した!?)
サルカズの傭兵を纏めているのはWだ。
腹の底が読めない相手の事を考えていても仕方がないため、急いでドクターへ連絡する。
「ドクター。前方へ数十m先で
『仲間同士じゃないのか?ファウスト、君は何処にいる?』
「現場に向かっている。今は敵とはいえ、元は味方だった奴らを見殺しにするわけにはいかない。」
『…そうか。』
通信を切り、傭兵が砲撃の射程範囲内にいることを確認し、発射する。
矢はロドス製の非殺傷のものに変わっているが、音よりも速い矢が頭に当たれば意識を失わない者は少ない。
1発、2発、3発。撃つたびに心に重りが乗ったかのように苦しくなる。
殺していない、気を失わせるだけでこれなのだ。これ以上、人の命を背負ってしまえば次こそ折れてしまうのが分かる。
それでも、今度こそ失う前に動けるようにと願って矢を番えた。
———
「ファウスト…か?」
「ありがとう、お前がいなければ死んでいたよ。」
周囲に数人の傭兵を横たえ、一息つく部下たちの前に姿を表す。
それぞれ軽傷を負ってはいるが、皆の顔を見る限り欠員はいない。味方に裏切られ、殺されるかもしれなかったというのに、自分が生きていたことを喜んでくれる彼らを見ると今の自分が情けなく思える。
「……メフィストは、何処だ。」
「メフィストは数人の傭兵と一緒に……向こうに行ったよ。ファウスト、その服装は一体…。」
「…すまない。」
つい、謝罪の言葉が漏れてしまう。
その言葉を聞いた部下たちは、何かを察したかのように武器を手にした。
戦いたくない。戦ってしまえば、もう二度と手を取り合って進むことはできないから。
そしてそれ以上に、イーノと出会うことを優先し、クロスボウを持つ手に力が入る自分に反吐が出る。
「分かった、俺達も付いて行こう。」
「…いいのか?」
武器から手を離し、両手を上げる部下の言葉に続いて、次々に言葉が発される。
「俺達はレユニオンの為に、感染者の為に戦ってきた。クズになるために戦ってきたわけじゃない。」
「タルラに裏切られた今、信頼できるのはパトリオットの旦那と
「ファウスト…お前は自分が思ってるより人望あるんだぜ?」
「付いてくるなとか命令するなよ。隊長が命令したら、俺達は逆らえないからな。」
はははと、笑いながらそう言ってくれる部下たちの姿を見て、思わず涙が出た。
すぐに拭い去り、部下達に向き合う。
「直にロドスがここに来る。堂々と胸を張って伝えろ。」
「———"未来”の為、力添えさせてもらおう。と。」
———
チェルノボーグ 石棺エリア
「あれは…何だ?」
ドクターが呟く。そう呟くのも無理がないと言える。
目の前には血管を浮き上がらせた巨大な手を数え切れないほど生やし、それを翼のようにして羽ばたこうとし続けているナニカがいた。
腕が生えている大元は、腕の翼に囲まれて見えない。
その周りには無数のサルカズ傭兵が全身から源石を生やして死んでいる。
腕と手で織りなす翼で飛べるはずもない。だが、諦めずに何度も羽ばたく"それ”は、いつしか大空を飛び全てを害するものになるという、予感じみた確信が全員に伝播した。
「♪〜…♪〜…」
「これは…歌?」
「!! ッドクター!総員耳を塞げ!」
「お前らも耳を塞げ、声を聞くな。」
「
「この歌は…。」
ケルシーが叫び、その声に従って殆どのオペレーターと部下の迷彩兵が耳を塞ぐ。
反応が遅れ、歌を聞いたオペレーター達がどうなるかはすぐに分かった。
「っうぇ?……こぽっ。」
「うあぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいだいいだいいだいいい!!!!!」
源石が急速に成長し、全身の臓器を貫いて即死させる。
それだけで済むならまだ良かった。それなら痛みをまともに感じずに死ねただろうから。
少しだけ歌を聞いたのであろうオペレーターは、こぶし大の源石結晶が身体から滲み出し、中途半端に成長して止まった。
死んだオペレーターから血赤色の音符が生まれ、"ナニカ”の下へと向かっていく。痛みに絶叫するオペレーターの口からは黒色の楽譜が生まれ、音符と"ナニカ”の声によって歌は刻まれる。
その中で、唯一自分だけが歌を聞いても大丈夫だった。
「…イーノ。」
“ナニカ”は羽ばたくことをやめ、その姿を見せた。
背中から大きな肉を生やし、喉と胸に真っ黒な穴が空き、肉の塊を身にまとっていたが…それは間違いなくイーノの姿だ。
穴の先は何処につながっているかはわからないが、少なくとも入れば二度と戻れないだろう。
「わぁあ?キャヒヒ、ククク、アハハ!」
名前を呼べば、"それ”は驚いたように、泣いたように、笑うように反応する。
それが数分間続くと、途端に静まり返った。
「イーノ。」
「イーノ。お前は、どうしたい。」
「……
問いかければ、謎の言語で返される。
だが、不思議と意味が分かった。
「考える事を放棄することは、停滞に。停滞は緩やかな死に繋がる。」
「
それは———
「
…そうだ。
「
…ああ、そうだ。
「
…その通りだ。
「ああ、そうだ。俺は一度諦めた。」
膝をついて、謎の声に対して賛成することもなく、反対することもなく諦めた。
あの時必死に足掻いていれば、また変わったのだろうかと思う。いや、変わらないだろうな。
「それでも、また、もう一度だけ立ち上がってみようと思えたんだ。」
そうだ。姉さんの遺してくれた剣が勇気をくれた。
そして自分も違うだろう。
この剣は、自分が義を成す事のできる時まで、または———
「|x
「託された思いと、輝かしい
———義を成せる
「……
「いいや、見たのは未来だ。ただ勝手に、あの頃の自分達と重ねてしまっただけだ。」
ただ皆と、辛くても、ひもじくても、慎ましく生きていければそれで良かった。それで幸せだった。
幸せという物は奪われて、または自分より下を見て初めて気付くことができるものだ。
自分より下を見ることができなかった俺達には、奪われて気付くことしかできなかった。
奪われてしまった幸せを、再び取り戻そうと活動する彼らなら。
「俺はあいつらと共に進むことはできない。」
この残酷な大地を、優しさのあふれる大地に変えようと努力する彼らなら。
「だが、彼らが夢を叶え、いつの日かお前が許されるように願うことぐらいは、許されても良いはずだ。」
いつか必ず、夢を叶える事ができるだろう。それは、世界が合わせなければいけない。
いつか、いつか…遠い先だったとしても、その尊い行為は報われなければならない。
「…
「
再び、羽ばたき始める。
肉の翼が地面に打ち付けられ、皮が破れ血が飛び散る。
「
地面が揺れ、倒れ伏したサルカズの傭兵と即死したオペレーターの死体が動き出す。
身体から突出する黒色の源石は明るく輝き始め、盛大に爆発する。
その爆発は何かを祝う花火のようで…。
爆発したサルカズ傭兵の姿が、二足歩行の1つ目の巨人のような姿に変貌する。大きな目を持つ頭部からは炎を噴出させ、偉大なものの誕生を喜ぶように叫ぶ。
イーノの背から生える肉の翼が、もう一対増えた。
「
羽ばたき続けた肉の塊は、遂に空に浮かんだ。
ゆっくりとこちらに向けて、墜落しつつも必死に足掻いてくる。
「きmiを越えて、僕ha歌uんだ。」
…ノイズが消えて鮮明に聞こえたその言葉は、かつての自分が最も求めていた言葉で。
今の自分が、その
「……俺が無理矢理にでも、お前を止めるべきだった。お前は、優しいやつだから。」
全身に、クロスボウに力を込める。
声が聞こえてから、掴んだこの感触をただひたすらに追い求めてきた。この先に、極めた先には彼女がいると確信したから。
薄っすらと身を纏うのは光、その力を番えた矢に纏わせるように意識する。
「ドクター。」
『…総員、戦闘準備。連絡は以降電子機器を用いて伝える。決して"アレ”の歌を聞くな。』
『『『了解。』』』
ガァン!
矢の先に光の輪が生まれると同時に発射する。
放たれた矢は肉の翼を貫いたかと思うと、着弾点を中心にして円状に肉を抉り取った。
「…イーノ。お前が自分の為に動けて、嬉しいよ。だけど…俺も今回は、譲る気はない。」
「命令を、ドクター。」
なんかブラソSteam版は実績があるらしいね…(Wikiを眺める敗北者)(仲間の童話2冊目)
俺ゲーム下手だ!