【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

49 / 82
中指子方イッシュ記念、イッシュッシュ…。
いや投稿頻度落ちるって言っただけですよ、投稿しますよ。


苦難こそ、人間の本質をさらけ出す
Q.彼らは何故、(感染者)の叫びを聞き流せるのだ?
A.彼らが、感染者を人として見ていると思っていたの?




第49話

 

 

轟、とうねりながらこちらへ迫る炎。

アーミヤの前に出て大きく振りかぶった朴刀を振り下ろせば、炎は斬られ場には熱気が漂う。

 

「タァッ!———は、この程度の炎じゃ焼けんわ。」

 

「…どうしてここにコータスの娘が、そして親指がいる?」

 

「ッ!? アーミヤ! レイホン! 気をつけろ!!」

 

正面に堂々と立つ龍の女性が腕を振るえば、再び炎が生まれ、この場の全てをを焼き尽くそうと暴れる。

しかし、もう一人の龍が剣を振り抜くと炎は一瞬にして消える。

まるで剣が炎を貪るかのようにして消えたのを見て、タルラは目を閉じて一度頷いた。

 

「そいつらを守るのか、フェイゼ。…私に剣を向けるだけでは飽き足らず、よりによって感染者の裏切り者と、私たちの同胞を殺した者を守るとは。」

 

「…アーミヤ、レイホン。あれはもう、龍門から攫われた罪なき少女ではない。彼女は確かに、コシチェイの全てを継承している。」

 

(コシチェイ…? 誰やそれ。)

 

知っているのが当たり前というように進む会話の中で、一人ついていけないレイホンはタルラの動きに集中していた。

チェンの持っている剣からは不思議な雰囲気が漂っているのに対して、タルラの持つ剣からは特に何も感じない。

それでも"暴君”と呼ばれるほどの彼女が持つということは、特殊な効果がないだけでただひたすらに丈夫な剣なのか、それとも誰も知らない、知った者は生きて帰ってこないのか。

 

「チェンさん、彼女は『継承者』というだけではありません。……私が仮面を暴くので、レイホンさんも見ておいてください。」

 

「…何だって?」

 

戸惑ったように問うチェンの横へと歩くアーミヤに付き添うようにして、レイホンも歩を進める。

目を開いたタルラは口を開き、低く、厳かに言った。

 

「お前はロドスのあのコータスか。そして、親指のレイホン。…お前達がここに来たということは、ボジョカスティは死んだのだろう。この都市で私を殺せる最後の一人が死んだ。

———ふふふ、ははは、見ているかカルメンよ、この都市も、龍門も、ウルサスも…世界が火に包まれる結末になろうとは、私はどうやら賭けに負けたらしい。」

 

全てを悟ったかのように語りだし、笑うタルラを見て進みだしたアーミヤの足が止まった。

不思議に思い、目を見た。その双眸は困惑を宿して震えており、震える瞳は揺らめく炎を映しているように感じた。

 

「私の仮面を暴くと言ったな、コータスの娘よ。もうその必要はない、ボジョカスティが死んだというのは、私を止める者がいなくなっただけではないのだ。偉大なる戦士の死は、この身に更なる痛みを与えた。」

 

俯瞰するように話すその姿に違和感を覚える。ねじれへ変貌する前のサルカズのようなチグハグさはない。それが当然のように話し、タルラ自身を含めて全てを嘲るように微笑むその姿に一つの答えが生まれる。

 

「今まではフェイゼの死が必要で、この瞬間を求めてきた。だが…そうやって完全にこの身を手中に収めようとした瞬間、燃え盛る炎は私の手ごと焼き尽くすだろうな。」

 

嬢ちゃん、間違っとったらすまんけど、コシチェイっちゅう奴が乗っ取ったっちゅう事か?

 

…えぇ、私はこの目で見て確信しました。そして、タルラさんを完全に支配できていないことも。しかし———

 

言い淀むアーミヤが再び口を開こうとした瞬間、辺りが炎によって照らされる。

チェンが前へと駆け出し、その手にある血生臭さすら感じる剣を一閃すると炎は再び消える。

 

「この身はもはや一つの時限爆弾と化した。ならば、私の為す事は決まっている。」

 

「!!! アーミヤ、下がれ!!!」

 

タルラから、空間から、地面から。渦巻く炎がアーミヤ目掛けて迫る。

炎を斬ることの出来るチェンにも捌ける限度はある上に、至る所から迫る全ての炎を断つことはできない。

炎がアーミヤを焼き尽くそうと迫り———

 

「フンッ!!!」

 

光の輪を一つ輝かせた朴刀の一振りが、炎を掻き消した。

炎は確かにアーミヤを焼くだろう、そこに自分(レイホン)がいなければの話だったが。

新しくシガーを取り出し、端を千切ってこの場にいる4人を照らす炎で火を点ける。

 

「俺っちの事軽く見とらんよな?」

 

煙を吐き出し、葉の香りが漂う。

タルラがその腕を振るおうとした瞬間、全力で距離を詰めて斬りかかる。

炎が照らすよりも爛々と輝く赤色の(マン)を纏い振るうが、その一撃は受け止められる。

 

「いいや、軽んじてなんかいないさ。」

 

キィン!キン!キン!

 

三度打ち合う。

互いに剣を振り、火花を散らす。

 

「ちっと飛んでけや!」

 

弾丸を惜しまずに放ち、火を吹く朴刀の一撃がタルラの首へと向かう。

勿論そう簡単に首を獲らせてくれる筈もなく、剣を持つ手首を回して綺麗に受け流される。

それでも天退星刀の持つ圧と熱は消えない。触れた髪の切れ端が焼けて嫌な匂いがした。

返しに放たれる横斬りを防ぎ、追撃の炎を再び掻き消す。

 

「私の息を止めることが出来る程のアーツ。アーツを斬る剣。私の前に立つ者は、それ相応の何かを持っている。……レイホン、お前は、何を持っている?」

 

「力。そんだけや。」

 

「ふ、よく回る口だ。」

 

後ろへと跳躍し、一度アーミヤの下まで戻る。

位置のずれたシガーを咥え直して再び楽しみ、はぁと吐き出す。

 

分かっとったけど、アレはちと相性悪いわ。

 

弾丸の誤爆、オーバーヒートが早くなるんでしたよね…。

 

小声でやり取りをしていると、眺めていたタルラがこちらに向かって歩んできた。

炎を背負いながら、司令塔の至る所を融かしながら進むその姿はまさに龍そのものだったが…。

 

(天罡星と比べたら怖ないな)

 

牽制と言わんばかりに炎が生み出され、その全てをチェンと共に振り払う。

再び距離を詰め、激突。至近距離の爆破、撤退。

この繰り返しでは先にこちらが消耗してしまい、最終的な負けが見えてしまう。

 

「見せてみろ、レイホン。その力とやらが私を止めるに値する物かどうか…見定めてやる。」

 

その程度か、と挑発するタルラを前に、シガーを咥え直して一息つく。

 

「俺っちだけやないで、後ろ見てみぃ。」

 

「?」

 

獲物を見定めた捕食者の視線を向けてくるタルラに対し、タルラの後ろに向けて指を指して忠告する。

その忠告を聞いたタルラが振り返った瞬間、チェンが右から、レイホンが左から挟撃を仕掛ける。

即座に防御の構えを取り、炎の壁で遮ろうとするタルラだったが、炎はチェンが剣を振るうと消えた。

 

「フッ!」

 

「避けれんやろ!」

 

ギャリィィィン!!!

 

「くっ!」

 

タルラの構えた剣が炎を越えて迫るチェンの剣とぶつかり合う音が響き渡り、ガラ空きの胴にレイホンの一撃が叩き込まれる。

その瞬間後ろに飛び退いて威力を和らげるのを見逃さず、更に追撃を仕掛ける。

 

ビュン!タタッ!

 

アーミヤによるアーツを剣で弾いている間に再び距離を詰め、同じように挟撃を仕掛ける。

 

「不意打ちとは…ボジョカスティもそうやって殺したのか?」

 

「そのボジョカスティが言ったんやで!戦争に卑怯は無いってな!」

 

「そうか……む。」

 

2つの攻撃がタルラに迫る中、余裕を持って剣を払うタルラが初めて動きを止めた。

攻撃を避けようともしないその状態に疑問を覚え、寸前で止める。

チェンの方も同じように寸前で攻撃を止め、タルラの首と胴には刃が当てられた。

 

「タルラ。降伏し、チェルノボーグを停めろ。そうすれば、少なくとも話はできるだろう。」

 

その行為を諦めだと受け取ったのか、チェンが降伏を促す。

しかし、余裕を持ってレイホン達と渡り合えるほどの力を持った相手が今更諦めるだろうか?

その疑問に否と答えるように、タルラが口を開く。

 

「時が来た。」

 

「何?」

 

「お前達は遅かったということだ、フェイゼ。今のが、私を止める最後の機会だった。」

 

「チェンさん、レイホンさん! 下がってください!!!」

 

アーミヤの警告が聞こえた瞬間、チェンと共に大きく飛び退く。

先程まで立っていた場所は業火に飲まれ、タルラ自身もその炎に焼かれるかのようにして姿が消えていく。

 

「タルラ!」

 

炎に手を伸ばすチェンを引き止め、タルラが姿を消して尚も渦巻く炎を警戒する。

炎を見るアーミヤはレイホンと同じように警戒しつつも、その目にはレイホンよりもハッキリと、警戒するべき何かを捉えているように見えた。

 

「アーミヤ、どういう事だ? タルラは…。」

 

「それは、もう少しで、ハァ、分かります、チェンさん。」

 

「っ、すまない。今どうにかする。」

 

炎の繭は周囲の酸素を奪い続け、放つ熱は肌を、空気を吸い込む喉を焼く。

チェン自身が丈夫なのと、レイホンが何もなかったかのようにしていたため気付かなかった様だが、アーミヤにとってはこの場所は燃え盛る竈の中のようなものだ。

それに気づいたチェンが腕を振るうと、融けかけたガラス窓は割れて天井が崩れていく。

 

ガコッ、ジュッ!

 

炎の繭に触れた瓦礫は一瞬にして溶解し、煙となって消える。

見上げれば沈み始めた太陽が見える。随分と開放的になった最上階で、炎の繭は一回り大きくなったと思うと、更にもう一回り、更にもう一回り…と次第に巨大化し始める。

 

「今がチャンスやと思うんやけど、手ぇ出さんほうがええかな?」

 

「「……。」」

 

懐から簡易解錠妖精を取り出し、アーミヤとチェンに問いかける。

しかし、チェンは炎の繭をじっと見つめ続け、アーミヤは何かを探るように目を閉じてそれぞれ集中しており返事がない。

 

(変身途中っちゅう絶好のチャンス、逃すわけ無いやろ。)

 

ここからねじれようと、神秘を扱えるようになろうと激突は必至。ならば先に削っておこうと炎の繭の方へ進む。

軽く一振りして、一瞬だが炎が切れる事を確認する。

 

「おい、レイホン…。アーミヤ、止めなくていいのか?」

 

「……え? レイホンさん! 待ってください!」

 

「ん? あ、これアカンわ、やらかしたわ。」

 

アーミヤが止めた頃には遅かった。

一閃。繭を『閉じられた物』として定義できる間、その瞬間に妖精を使用する。

P社の特異点を使用しているわけでもないただの炎の繭が、F社の特異点(妖精)を阻むことが出来るはずもなく、炎は霧散する。

 

そこには、まだ体が出来上がっていないのか所々体が溶けた溶岩のような血を吹き出す龍がいた。

怒りと悲しさを宿した目は、自らの目覚めを早めた一人に注がれ……。

 

『——— し  ね ! 』

 

「ド直球やなぁ!!!」

 

「レイホン!」

 

「レイホンさん!」

 

黒いアーツの糸を縒り合わせて作られた黒色の壁を破り、今までアーツの炎を斬ってきた剣をものともせずに。

全てを焼き尽くす炎はレイホンを殺すため、純粋な殺意を持って吐き出された。

 

 





出血呼吸パ15層初挑戦。
船長「タンギョッチ(スキル3)」
12層乱入リカルド「チィチャァ!(反撃)」
船長「ナヌン,イィスマァエルダァ…ナヌン,ヨギソ…(死)」
俺「振動パだったら行けたなこれ…まぁこれが都市か、それはそれで、これはこれだから。」

振動パが一番安定すると思うの、時計揃えたカポは15層だろうと有利取るからね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。