【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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アクナイの方も合成石底ついてもうたし...スカウト券もみんなくたばったやろ...。リミテッドしとるスカウトはピックアップもウィシャデルも出なかったんやし、打つ手なんかあらへんわぁ...。

単刀直入に言うわ。
どうすりゃ今からでも俺っちの命だけでも助かるんや?



第5話

 

 

レイホンにとって、この世界で初めての戦いは間違いなくこれだろう。

全身に全力の(シン)を纏わせ、飛んでくる爆弾の向こうにいる女性目掛けて跳躍する。

 

バァン!!!

 

爆弾が業火を撒き散らす中、レイホンは笑っていた。

このチェルノボーグで出会った虎標弾を使うに足る相手はあの狙撃手しかおらず、戦いと言えるものではなかった。それも結局対面することなく終わったので、ずっと消化不良だったのだ。

更に礼儀を弁えない雑魚共を相手にし、いくら制裁を加えても燻りは増すだけだった。

それを解消できるだろう相手を前にして、全弾を装填したのだ。

 

「こっち来んなっての!」

 

背は向けず、後ろに向かって跳躍する女性(W)。どこからか取り出したのか更に爆弾を投げ付ける。

 

「つれんなぁ嬢ちゃん!俺っちはノッてきたばっかやでぇ!」

 

このまま爆弾を退()かれながら投げられると、流石に(シン)でダメージを軽減しているとはいえ負けるだろう。小さな爆弾だが、その威力は想像以上だった。

地面に片膝を付き、低く屈む。剣を右肩の横に構え、天退星刀の5つの筒全てから炎が噴き出す。

薄っすらと現れる輝く一つの輪は全力の証。

剣が放つ膨大な推進力を抑えるかのように、はたまた初めての全力を喜ぶかのように。力を込めている体は震える。

爆弾がレイホンの元に降り注ぎ、内側から熱と光を放とうとした瞬間、レイホンは姿を消した。

 

ダン!

 

「消えっ…!上か!」

 

「こん一撃で沈むとか、シケた真似晒すなや!」

 

空に飛び上がったレイホンは、重力と弾丸の推進力、そして自らの力を合わせWに振り下ろす。

回避が間に合わないと判断したWはナイフを二本取り出し、一本をレイホンに投げるが、銃剣に阻まれ、カキンと軽い音を立てて弾かれる。

 

「こんなのがいるんなら他の奴らも呼ぶべきだったわ…!」

 

「タァッッ!!!!!」

 

爆発。

レイホンの一撃は文字通り地面を砕き、離れていたフェン達の足元まで割れた。

虎標弾の全弾発射。その威力は立ち塞がる者全てを斬り捨てる一撃。

 

「次元が違いすぎる…。」

 

思わず言葉に出してしまったフェン。土煙で姿は見えないが、あの女性が到底生きているとは思えない。それどころか、原型を保っているかすらも。

もうもうと立ち込める土煙が晴れ始めようとした時、金属がぶつかり合う音が聞こえた。

 

「近接もできるんか!多彩やなぁ!」

 

「専門じゃ、ないのよッ!」

 

Wの服は土ではない、明らかに他の黒で汚れていた。

 

(俺っちの一撃より自爆の方が軽いと読んで避けたんか、やるやんけ)

 

文字通り火を噴く勢いで剣を振り回すレイホンと、それを小さなナイフで捌き続けるW。

速度も火力もレイホンが上回っているが、有効打を与えられないのはそれをナイフで磨り上げ逸らすWの技術の高さ、そして食らってはいけない攻撃を一瞬で見極める目の良さと判断の速さ、それについていける身体能力の高さだろう。

 

(どれも最高やな、コイツやったら猛虎標弾使うてええかもな)

 

 

===

 

 

レイホンとの剣戟を繰り広げながら徐々に退がるWにフェンは違和感を覚える。

 

(何故あっちに退がる?向こうにはロドスの撤退地点、あの女性にとっては敵の陣地のはず…。あの人は、どこから来た?目的は何だ?……まさか!)

 

「クルース!撤退地点はどうなってる!?」

 

「…!燃えてる!フェンちゃん!どうする!?」

 

「…っ!」

 

やられた。撤退地点に爆弾でも仕込んでいたのだろう。彼女の目的は分からないが、ロドスに敵対していることは明らかだ。

行動予備隊の仲間は無事か、被害はどれほどか、今すぐに駆け出したいが、この激戦を走り抜けて無事でいられる保証はない。

だが…

 

(それで…また、守れなかった人が生まれるくらいなら…!)

 

 

===

 

 

二人が撤退地点の異変に気付いた時、レイホンと剣戟を繰り広げるWの顔は次第に最初の不敵な笑みを取り戻していた。

未だ変わらずWは防戦一方で、朴刀(天退星刀)は紅の炎を吹き出している。

 

「何がおかしいんや?」

 

「ヒミツよ。」

 

その態度に違和感を感じつつも攻めの手を緩めないレイホン。しかし、レイホンが一歩踏み込んで斬り掛かると大きく飛び退く。

踏み込んだ地面の底で何かを踏んだ、罠かと気付いたときにはもう遅く、足下から巨大な熱と光のエネルギーが音を伴って放出される。

 

「バーン!仕込みは大事に、ってね!」

 

「…やるやんけ。」

 

即座に防御の姿勢を取ったが、地雷の勢いで吹き飛んだレイホン。特別な生地で仕立てられた服は破れてこそないものの、土と煤で汚れている。だがそれだけで、身体には目立った傷はない。

レイホンが吹き飛んだ瞬間に距離を取ったWの手には、再びナイフではなく爆弾が握られていた。

興が乗ってきた、部下に換えの弾丸(猛虎標弾)を要求しようとした時、撤退地点に向けて駆け出すフェンを見た。

 

(おいおい、状況が見えてないんか?)

 

何か理由があるのか、と撤退地点の方をよく見ると火の手が上がっているのが分かった。

まさか、と思い振り向く。

 

「ようやく気付いたのかしら?ま、私の目的は達成したし、ここらでおいとまするわ。」

 

「…名前んくらい名乗れや。」

 

「そうねぇ…私のことはWって呼んでちょうだい。」

 

「親指のカポ、東部十剣、小指の挿翅虎(天退星)…まぁ、レイホンでええわ。」

 

レイホンが名乗り終えると、Wと名乗った女性は少し考えるように首を傾げてポイと何かを上に投げる。それはWの頭上で爆発すると大量の煙を出し、煙が晴れたあとには初めから何もなかったかのように残骸が散らばっていた。

 

体を動かしたお陰で自分が鈍っていないのを、自分が生きている事を改めて実感できた。これだから強者との戦いはたまらない。

Wの撤退を見届け、懐から取り出したシガーで一服しようとしたが、走っていったフェンの事を思い出し、銃剣を構えたまま戦いを見ていた仲間と、少し怯えた様子のクルースを連れて燃える撤退地点へと急ぐのだった。

 

 





ヴァル夜1日前なので投稿しました。
俺は今回のヴァル夜は参加できないから…みんな楽しんでね…(血涙)

そしてアランさんほぼ無条件で貫通ダイス威力+2は特色に片足踏み込んでるんだよな…と思いました。
なんでそんな強者をぶち殺すんですか?(アンダーボスの意に疑問を唱えたため死)
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