【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
レイホン中編でしか来なかったな…。
残念というべきか、新しい情報がなくて助かったというべきか…。
友人の9章後編を視聴
は?は?は?
お前なんだよ何かしらのキーマンじゃねぇか!
死んでるって何!?顔広すぎるし指切り経験者かよ!!!
ただでさえ9章後編が情報過多なのに…! し、死ぬ。
青黒い剣は沈み始めた太陽の光を浴び、この戦場で最も美しかった。
最も輝いていたのは龍の炎か、それともこの灼熱の中でも排熱する愛刀か。
「その剣は…。」
『赤霄…。』
再び驚きの声を上げるチェン。アーミヤの手に納まる一本の剣であろう名をタルラが呼ぶ。
アーミヤの右腕は剣と一体化しているかのように変化しており、その腕は装甲をまとったように見える。軽く手首を回し、動くことを確かめているアーミヤの目は、ただタルラだけを見つめていた。
「始めましょう、タルラさん。貴方の怒りも、恨みも、ここで断ち切ってみせます。」
『…やってみろ!』
龍が叫び、周囲は辺り一面火の海と化す。
啖呵を切ったアーミヤは、放たれる火球を切り裂いたと思うとチェンとレイホンのもとに跳躍してきた。
「この戦いに勝つには、二人の協力が不可欠です。」
「あぁ、それは分かっている…その、赤霄と同じような剣は一体…?」
「後で説明します、今は彼女の怒りを受け止めるべき時です。」
「…了解。」
チェンはタルラの方へと向かい、剣を振り、一匹の龍を相手にする。
それでも一切退くことなくぶつかり合う事ができる強さに、思わず笑みを浮かべた。
「レイホンさん。」
「ん、あぁ、ホンマに龍狩りができるたぁ想像しとらんかったわ。感謝するで。」
「私は、貴方の過去を垣間見ました。」
「……もっと前に殺しとくべきやったか?」
その言葉に笑みが固まったのが、自分でもハッキリと分かる。
今まで合わせないようにしてきたアーミヤの目を覗き、龍を狩るのではなく、その首を断とうと天退星刀に手をかける。
チャキ、という音は燃え盛る炎に掻き消された。
「貴方の過去を見た上で、頼みます。この大地に怒り、自らの炎に焼かれ苦しむ、一人の少女を助ける手伝いを、どうか。」
頭を下げるアーミヤの手には、今も青黒い剣が握られている。
水で濡れたような刃が炎の光を反射して煌めいており、もしもレイホンが頭を落とそうと抜刀すればその刀は容赦無くレイホンに向けられるだろう。
ジジッ。シガーの先の灰が落ちる。
「…誰にも言わんのやろ?」
「えぇ、絶対に。」
「ふぅ……俺っちの正体を他にバラしたと分かった瞬間、ロドスのオペレーターが何人か死ぬやろうし、ドクターもあん猫も、嬢ちゃんも最後に大暴れする虎の咆哮を聞くことになるやろな。」
「そしてその牙の鋭さも味わうことになるでしょうね。ですが、それは存在しない未来の話です。」
言うことはないと断言するアーミヤは頭を上げた。
剣を持つ手は震えてはいたが、それは恐れによるものなのか分からない程に目に光を宿している。
チッ。思いのほか舌打ちが響いた。
「何をすればええんや。言え。」
「彼女は今、自らを含む全てを焼き尽くそうとしています。それは怒りの矛先が何処に向けるべきかを知らないからであり…。」
ボォン!!!
タルラの周囲に浮く火球が高速で迫り、切った瞬間爆発する。
チェンは巨体による質量攻撃を捌くのに精一杯であり、レイホン達に迫る無数の火球にまで手が届かない。
溶解しかけた床からは突然火柱が立ち上り、ドロドロの金属はコートに触れると冷えて固まる。
このまま周囲を回るだけでは勝利には近付かないだろう。いつあの龍が自分は飛べるのだ、飛翔を妨げるものはないと気付くか分からない。
「納めることができないのは怒りを収めた時、その怒りが消えてしまう事、これまでの全てが無為になる事を恐れているからです。」
音のない、緩やかな一薙ぎ。それだけで火球は消え去った。もし剣の道に縁のないものに音がないのは音さえも切ったからだと言えば納得してしまうだろう。
火球が消える際の光を反射したのか、アーミヤの頭に小さな黒い王冠のようなものが見えた気がしたが、気の所為だったのか瞬きをすると見えなくなる。
「私達は彼女の進む道を見つける…つまり元に戻す手助けをします。そのために一度全てを吐き出させて…心の殻に阻まれない状態を作り上げます。要するに……。」
「ぶっ叩いてええっちゅうことやな!」
「ま、間違ってはいませんが…殺さないでくださいね!」
炎の壁を裂き、道を作り出す。
直進するとすぐそこに炎を写し褐色に見える尾が見えた。
右肩に構えて飛びかかる。振り下ろす瞬間に弾丸を放つと肉を殴りつけたときと同じ鈍い音がした。
グムゥッ!
『ぐぅ!』
「硬ったいなぁ、肉も斬れんし骨も断てんか。」
鱗が何枚か抉り取れたが、肉には一切ダメージが入っていない。
元々叩きつける気でいたため切ることは狙いにしていなかったが、朴刀についた光の輪と薄く朱色に光る体が全力であることを示している。
天究星の
『我々の苦しみを知らない、貴様の軽い一撃で傷付くものか!』
「じゃあその軽い一撃で鱗剥がしたるわ。」
鱗が剥がれた場所から、肉に沿って平行に力を込めて振るう。
確かに肉は切れなかったが、鱗と肉はそこまで強く結びついていないのかミチミチと音を立てて剥がれた。
『ぐうっ…!』
「効いとるやんけ、このまま丸裸にしてまうか? そんなら自分が龍やなくて蜥蜴やったって気付くやろ、な?」
『……ガァッ!!!』
攻撃は効かないが挑発は効くようで、チェンに大量の炎を浴びせた瞬間、その炎が斬られて消える前にこちらへ噛みつこうと口を開けて迫ってくる。
屈まずに天退星刀を右肩に構え、迎え撃つ構えを取る。
「そんな口開けとったら舌噛むでぇ!!!」
『!? ガッ!』
開かれた大口からは炎が漏れていたが、わざわざレイホンを飲み込もうと頭を低く下げたタルラにタイミングを見計らい、その場で振り下ろす。
ドン!と溶けた足場の崩壊を更に早めたであろう程の踏み込み、猛虎標弾の同時発射、全力の
「フンッ!」
ガァァァン!
『ッ! 〜〜〜ッ!!!』
朴刀を振り下ろした後、すぐに跳躍し眼と眼の間に立つ。
蛇のような目がこちらを睨むよりも速く、再びその眉間に振り下ろした。
流石に頭への一撃は効いたのか、痛みで暴れる龍の頭から後ろへ跳躍し、空いた左手を使って着地する。
「まだ終わらんやろ、立てや。一瞬でも覚悟を背負ったんやったら、立てるやろ。」
ふぅと煙を吐き出し、まだ暴れる龍を見てそう言った。
『貴様に、我々の苦しみが分かるか?』
龍は動きを止め、チェンとアーミヤもレイホンの横に並び立つ。
チェンは乱れた呼吸を鎮め、アーミヤは再び目を閉じて何かに集中している。
龍はそれに構わず叫んだ。
『いいや、分からないだろう。分かる訳が無い、分かってたまるか!!!』
怒りだけではない、その言葉に宿っているものを久しく目の当たりにした。
嘲り、侮蔑。自らは知っていて、相手は知らない。その事実に対してここまで傲慢になれるとは。
(大体それを知りたいやつ早々おらんやろ、なりたくてなったやつなんて少数ちゃうか?)
「お前も全部分かったって、そう言い切れんのやろ。…はっ、向き合わず折れた奴に割く時間が勿体無いわ。まだアーミヤの嬢ちゃんの方がマシやな。」
心の中で吐き捨てつつも、再び暴れられて炎を撒き散らされてはたまらない。
これ以上温度が上がると天退星刀の排熱が追いつかなくなり、怒りを受け止めるという行為に終わりが見出せなくなる。
それでも挑発をやめずに、自分にできることはやっておくことにした。
『コータスの娘…ロドスの幼き、リーダー…。』
「嬢ちゃんらはガキの癖に背負いすぎなんよな、お前は重すぎて持てんっちゅうて周りに迷惑かけるんや、いい加減にしいっちゅう話よな。」
その言葉はこの場にいるレイホン以外の全員に効いたのか、チェンはバッとこちらを睨み、アーミヤは目を開けて誤魔化すように首を振ってから目を閉じた。
『私、は、ただ、背負い続け……』
「そんで今『重い重い』っちゅうて暴れとるんやろ。こっちは後始末すんのも疲れるんやで。辛さが見て取れる時点で上に立つ奴としては失格やな。アーミヤの嬢ちゃんなら余程の時やないと見透かせんわ。」
『……。』
周囲の火力が弱まり、爛々と輝いていた炎の色が少しずつ、鈍く、暗くなっていく。
アーミヤが何故か恥ずかしそうにしていたが、小声で「褒めとらんけどな」と言うと再び集中した顔になる。
じっとレイホンを見つめる蛇の目の瞳孔は開かれ、身に纏っている炎は周囲の炎と反比例するように明るくなっていた。
「そんでもって暴れることしか出来んのやろ。……本気で、勝てると思うたんか?」
『!!!』
ガコン!チャッ、ガシャン!
空いた3つの弾倉に弾を込め、抑制していた殺気を発散させる。
その体を燃料にするかのように纏っている炎が輝き始め、次第に体が小さくなっていく。
「お前にゃ名乗る必要もないわ。どれ、かかってこいや。尻尾巻いて逃げ出すような日和った事せんやろ?」
『その程度の安い挑発に、私が乗るとでも?』
「その程度の奴が売りつけてきた喧嘩も買えん貧乏人って事やな……蜥蜴なら見逃してやるさかい、さっさ失せろや。いや、空ぁ飛べんし蜥蜴やったか?」
ボッ!!!
目が痛くなるほど輝く炎が爆発し、その爆炎の中から鱗の軽鎧と炎そのものを剣にしたかのような直剣を持つ、一人の少女が歩み出る。
「……後悔するぞ。」
「知らんかったか、口だけじゃ何とでも言えるんやで? 全部出しきってから言えや。」
大気を震わせる響く声は肉声に変わり、横に振るわれた剣から牽制の飛ぶ斬撃が炎を纏い迫る。
チェンが斬撃を断ち切り、双方歩み寄る中でタルラが口を開いた。
それと同時に、残った炎が色を変え、形をなしていく。
「ドラコの…怒れる龍の前に立つ事の恐ろしさを、その身に刻んでやろう。」
「別にそりゃ構わんけど…そいつは卑怯やろ!」
白色の炎がフロストノヴァの形をなし、黒色の炎がボジョカスティの形を取った瞬間、嫌な予感がしてその場から横に跳躍する。
炎が今も体を焼くほどの灼熱でありながら、突如皮膚が凍てつき、その原因であろう鼻歌を歌う
前に立つ全ての物を薙ぎ払う炎の戦槍を握り、投擲の構えを取る
二回戦目は、タルラの持つ直剣が縦に振り下ろされ、その直線にある物を焼き切って始まった。
というか色々ともう言いたいことがある章でしたね。
軽いネタバレになるけれど…
『
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