【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
エンドフィールドのせいで時間足りないんですけど
明日休みになったりしない?しないかぁ…
モジュール変換、理性消化を忘れずに、です。
あと無(理のない)課金で頑張りましょう、リンバスだけで済ませたい…っ
龍門に帰ったレイホンに待ち受けていたのは、タルラの身柄の処理だけではなかった。
「ホンマ助かったで、指導が足りんかったやつが仰山おるとはなぁ…。」
「おヌシの働きに比べたら屁でもないわ、リストは後で渡しに行くわい。」
背を丸めて去っていく鼠王を見届け、溜息をつく。
主なものは不在の間に起こった暴行などの不祥事、加減のない高額徴収。
その中に混じった、ふと現れたマフィアと連携して薬物を持ち込み、稼ぎを得た者達がいたのだ。
加減のない徴収は都市だと当たり前になっているが、こちらでは違う。
「親指の名ぁ汚すやつ、全員消してええやろ。リスト渡されたらすぐ消して来いや」
「「「はっ。」」」
取り敢えずこれで最低限落ち着くだろう。
あとやるべき事は…タルラの引き渡し、メフィスト、ファウスト達の処理をどうするかだ。
「で、俺っちの所でやる気はあんのか?」
「……。」
そうと決まれば、すぐに終わらせたほうが良いだろう。
場所を用意し、メフィストとファウスト達を招集したが異様に空気が重い。
「返事はないんか?」
「…俺達は隊長について行く。隊長のいる場所が、俺達のいる場所だ。」
「さよか。」
迷彩狙撃兵達についてはすぐに決まった。問題はメフィストの方だ。
この少年は"やりすぎた"のだ。図書館があった頃、南部の親指が人差し指に串刺しにされた事があるらしいが…同じようなことをしていたという記録が残っている。
どうやらフロストノヴァと二度目にあったとき、その醜悪なオブジェがあったらしいが覚えていない。
もしメフィストを親指に加入させたのなら、彼に対する恨みが親指に向かうことになる。
そして、それは医療のアーツの使い手が一人加入するメリットと比べ、あまりにも大きいデメリットだ。
「…頼む。イーノを、ここに置いて欲しい。俺が必ず、間違えないように見張る。」
ここでファウストの存在が出てくる。
同じようなことを延々と繰り返すのだ、これで12回目か。
レイホンとしても、ファウストという大きな戦力を親指から失うのは痛い。
この広い龍門の一部を治めるのにですら手が足りない今、ファウストを失うわけにはいかないのだ。
ファウストを失えば、迷彩狙撃兵も失うことになる。
折角増えるはずだった構成員がゼロになると、得たものは称賛と依頼の報酬だけになる。
「…問題起こさんならええわ。せやけど顔は隠しとき、何があるか分からんからな。」
「恩に着る。」
「入ったからには規律に従ってもらうで。目ぇ通しとき、後悔すんのは自分らやで。」
退室していく一行を見て、また溜息を吐いた。
シラクーザへ向かうのは何時になるだろうか。
なんだかんだカポネも腕が立つため、今シラクーザに向かうために外すのはマズい。
溜息と同時に曇り空へと昇っていく紫煙を眺め、そう思った。
———
「酒飲もうや。」
『…事後処理で忙しいんだけど、レイホンも忙しいんじゃないの?』
通話先からガリガリと、ペンを走らせる音が聞こえてくる。『追加の書類ですよ、ドクター。』…恐らく処理すべきものを増やしたであろう、黒いコータスの少女の声も。
ばさり。
受話器越しに聞こえるほどの音。ロドスはドクターを何だと思っているのだろうか。
「いんやぁ、仕事ができる部下を持って幸せやで。オレっちのやらんといかん事少なすぎやわ。」
『それは何より。あぁ、その書類はそこに置いてくれ。—— まぁ、こういう状況だから無理かな…。』
ばさり。ばさり。ばさり。
沢山の書類の束が置かれているのだろう。連続して紙が置かれる音が聞こえる。
それに対して、レイホンが処理するべきものといえば目の前で口轡をして、声を出せずに涙を流し、首を横に振って「やめてくれ」と懇願する者達だけだ。
数十人ほど転がっているが、死ぬのは数人だけというのにここまで怯えるのを見ていると哀れに思えてくる。
「そんくらいチョチョイと抜け出しぃや。」
『えぇ…それで怒られるの私でしょ…。確かに行きたいけどさ…。』
「お、決まりやな。今日の夜、俺っちん所で待ち合わせしとるかい忘れんなや!」
『いやちょ』
通話を切り、懐に通信機をしまいつつ抜刀する。
大きく振り下ろすと、薄暗い部屋が一瞬だけ炎で明るく照らされた。
「〜〜〜!!!」
「じっとしいや、手ぇもぎ取るだけで済むんやからマシや。」
グシャリ。
刀を使わずに済む者から処理を始める。
ある者は手を握りつぶし、無理矢理引きちぎった。
ある者は舌を切り、またある者は左足を切る。暴れるものはおらず、処理はすぐに終わった。
「新しく入ったやつにちゃんと教えとき、二度と俺っちの刀がしょーもない事で抜かれんようにな。」
今までのドクターを見る限り、なんだかんだ言ってやってくる姿が簡単に想像できる。
濃い血香が漂う中、レイホンの頭には今日の夜の事だけが浮かんでいた。
———
日が沈み、双月が浮かぶ夜。
先に手をつけていたレイホン達の下にドクターと、一人の女性が付き添いとしてやって来た。
腰に鞭を装備し、警戒している彼女のコードネーム名は…確かドーベルマンだったか。
「で、早速だけどこれはどういう状況か教えてくれないかな?」
「隊長!もう隊長じゃないな…チェン!胴が空いてるぞ!」
「分かってる!ぐっ…!」
「何処を狙っているか分かれば、対応するのは「隙ありだ!」 うっ…。」
ドクターが困惑して問いかけるのに対し、顎をしゃくって二人の喧嘩を指す。
ついさっき始まったばかりで、互いに余裕があるように見えるが、実際は酒が入っているので決着はすぐに着くだろう。
「スッキリするための姉妹喧嘩やな。ま、座って飲めや。」
「うーん…死人は出ないだろうし、いいのか…? お言葉に甘えていただくよ。」
取り敢えず、机に置かれた酒瓶の中で
その時初めて、ドクターがフードとバイザーを下ろした姿を見た。
白い髪に、灰色の目。若干濁っているように見える目の下には、消える未来が想像できないほど濃い隈がある。
(いや、流石にブラックすぎやろ…。仕事終わる前に過労死するのが先ちゃうか?)
「う〜ん…ちょっと喉が乾くかな、ヒリヒリしてきた。」
「それならドクター、これを飲むといい。クルビアで採れたシラクーザの葡萄から作られたワインだ。」
一応度数は高いそれを飲み、味の感想ではなく自分の状態を述べるドクター。
グラスを一口で飲みきった事に反応したいが、(過労)死の影が見える事に目が行ってしまう。
ホシグマが別の酒を勧め、ドクターとレイホンのグラスに注ぐ。
チャポチャポと注がれる中、肉と肉がぶつかり合う音が響く。酒に血が入らない程度にしてもらおう。
そう考えながら喧嘩を眺め、ドクターと共に口をつけて———顔を顰めた。
「酸っぱいなぁ…。香りはええんやけどな。」
「うん、酸っぱい。あと渋い。ドーベルマンも飲む?」
「…護衛に酒を勧めるとは。一口だけいただくが……酸っぱいな。」
甘さを捨てて酸っぱさに命を懸けたのかと聞きたいほどの酸味。
レイホンにとって渋さはそこまででもなかったが、ドクターからすると気になるレベルだったらしい。
香りが良いため、余計に際立つ酸味。
顔を顰める3人の顔を見て、ホシグマは大きく笑って次の酒を勧めた。
「それが良いんじゃないか、次はフルーツムシから採れた果実から作った……チェン!足下!」
「"暴君”もそん程度か〜? 向こうが来るんならチャンスやろ、一発ぶちかませや!」
ホシグマが注ぎつつ叫び、その叫びに答えるようにチェンがタルラの足払いを回避する。
レイホンが叫べば、チェンのカウンターに対して攻撃で迎え撃とうとする。
ゴッ!!!
バタリ。
「お〜、互いにいいの入ったな。じゃあ、弱った龍を介抱する鬼が一番という事で…。」
「それやったら虎も一番になるんやけどなぁ。」
「……。」
「喧嘩しないでね?私じゃ止められないからね?酒飲んで帰るよ?」
「ップ、ハハハ!!!冗談さ、そんなに慌てなくていい、ドクター。」
ダブルノックアウト。
互いの拳は相手の顎を打ち抜き、同じタイミングで倒れた。
倒れた二人を抱え、ソファーに寝かせるホシグマが放った言葉に噛みつくと、ホシグマは闘気を漲らせる。
ドクターが慌てて制止した姿がツボにはまったのか、ホシグマは再び大きく笑った。
———
東の空が、黒から青へと変わる頃。
喧嘩の後は酒で気を失ったタルラをドーベルマンに渡し、思い出す。
「あぁ、そうやった。」
「どうした?」
「シラクーザまで行きたいんやけど、ちょっと乗せてくれへん?」
「うーん…これから何処に行くのか私も知らないからなぁ。ドーベルマンは何か知ってる?」
「私は何も。」
「じゃあ明日…いや、今日帰ったらケルシーに聞いてみるよ。龍門から移動するなら道中だし大丈夫だと思う。」
「助かるで。」
「うん、それじゃ。」
皆さんは酒、強いですか?というか飲めますか?
友人は強いけど俺は雑魚です。ビール二杯と焼酎一合でバカになります。
今回の話を書くためにオールドパーをわざわざ買って飲んでみました。
値段…うん、高い…高いか?まぁアンダーボスが飲むような値段ではないか…。
ドクターの感想は友人の感想を参考にしました。舌バカ二人でごめんね。