【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
なんで親指より人差し指親方が先に来るんですか?
ローランのパチモン、ローラソ
ローラソのパチモンが親指より先…?これ不敬じゃないですか?
あ、元の元が特色だから向こうの方が上…?
失礼しました、規律に則ってご自由にこの身を毀損してください。
やっぱなしで、一応協会直属フィクサーだっ(下顎を砕かれた音)
「レイホンさん、少し聞きたいことがあるのですが…。」
「ん、嬢ちゃんが俺っちに聞くなんて久しぶりやなぁ。答えられる事で頼むで。」
それは訓練も終わり、クロージャの購買部に今日の酒とツマミを買いに行こうとした時。
アーミヤに声をかけられ、足を止めた。
その目からは一つの覚悟のような物が読み取れ、これからの質問は真面目な話であることが分かる。
「ここでは少し人が多いので…別の場所で話しましょう。」
アーミヤに話しかけてくるロドスのオペレーターと何度もすれ違ったが、アーミヤは毎回断りを入れて話を切り、書類を抱えながら早足でどこかへと向かっていく。その後を追い、一つの小部屋に辿り着いた。
アーミヤは乱雑に置かれた段ボール箱の上にゆっくりと書類の束を置くが、それでもばさりと重い音が鳴る。
「ほんで、何が聞きたいんや?」
「チェルノボーグで、タルラさん…いえ、コシチェイを止めた時、私はレイホンさんの記憶を覗きました。」
「そんで?」
「そこで…レイホンさんが剣を教えていた一人の女性。……を見たんですが…。」
どこか言いづらそうに、途切れ途切れで話すアーミヤ。
急かさずに話がまとまるまで待つ。ロドス艦内は禁煙の場所が多く、この部屋も例外ではない。
口寂しさを誤魔化そうとココアシガレットを取り出し、一本口に咥える。
「——— よく見ておけ。この刀を生み出すのは、
「…嘘やろ?」
突然、アーミヤの纏う朗らかな、温かい雰囲気が消え、近付くものを斬り裂くような刺々しさが放たれる。
思わず半歩下がり、腰に下げた刀の間合いから離れるため更にもう一歩下がった。
あの時と同じようにアーミヤの右腕は甲冑のようなもので覆われる。
口調が変わり、何故か聞き覚えのあるものに変化した。
そして気付く。
アーミヤの腰に下げられている刀が、
黒色の鞘に収められたそれは…『阿頼耶識』そっくりだった。
「……ふっ。」
静かに鼻で笑ったアーミヤに向けて、何時でも抜刀出来るように構える。
推測するに、アーミヤのアーツは感情、または記憶の読み取り。更に読み取った記憶を使って武器を生成、経験を自らの物とするといった所だと見ている。
他のオペレーター達と違って随分と多彩なため、アーツではない別の何か…それこそ、コシチェイの言っていた魔王とやらの力かもしれない。
アーミヤ本人に剣術の心得があるとは思えない。素人なら、刀を振るう前に出鼻を挫いて終わりだ。
しかし、レイホンの記憶を読み取っているなら話は変わるだろう。
思考を張り巡らせ、朴刀を握る手に力を込める。
鼻で笑ったアーミヤが動くよりも速く、その手首を打とうと抜刀し———
「——— す、すみません! 見てもらったほうが早いと思ったので…。」
「……はぁ。」
ボキリ。
打つ前に、パラパラと音を立てて甲冑のような物と刀が塵になり、消えていく。
消える寸前に鞘を見たが、そこには確かに『無我夢中 阿鼻叫喚 支離滅裂』と書いてあった。
ココアシガレットを噛み砕き、小さく息を吐く。
「この刀なんですけど…私でも、扱えると思いますか?」
「無理やろ。」
即答する。
確かに振るうことは出来るだろう。鞘付きなら。
適正のない常人は、刃を抜こうとしただけで記憶を滅多切りにされ、廃人となる。
アーミヤがその適性を兼ね備えているかは分からない。奇跡的に持ち合わせている可能性や、魔王の力とやらでデメリットを打ち消せる可能性は0ではないが…限りなく低いだろう。
「刃ぁ抜こうとも思うなや、その瞬間、何もできん一匹のウサギが生まれるで。」
「そう…ですか。」
「大体アレやなくてええやろ、記憶見たんやったらウサギのやつとか、俺っちのもあるやろ。」
「それがですね…。両方とも何故か再現できなくて…。」
残念そうに耳を垂らすアーミヤ。
鎖で雁字搦めにされ、呪印の刻まれた大剣。
弾丸を扱うタイミングを見極めつつ、推進力に負けない力量が必要な朴刀。
確かにアーミヤには扱いづらい武器だろうが、全く扱えない訳ではないだろうと考えて発言した。
しかし、そもそも再現できないということで新たな疑問が生まれてしまう。
「そんなら他ん奴はどうや?俺っちは沢山見てきとるかい、扱えるモン一つくらいあるやろ。」
「あの一瞬で読み取れたのは、ほんの少しで…。レイホンさんにとって印象に残った出来事、その前後だけが読み取れたんです。これ以上は、レイホンさんにまで負担がかかるので…。」
「ヨシヒデと俺っち、あの血鬼に共通点?思い当たらんなぁ。嬢ちゃんには心当たりとか無いんか?」
「あっ……。——— ともかく、今回はありがとうございました。お時間取らせてすみません。」
心当たりを聞いた時、アーミヤが思わず声を漏らした。
問いただそうとしたが、アーミヤがすぐにレイホンに退出を促したため、逆らわずに出ていく。
何かしら心当たりはあるのだろうが、自分には言いたくないこと。自分と同等、またはそれ以上の立場の相手に無理やり聞いても、大抵ろくな事にならないのは都市で経験してきた。
(協力相手のトップ2人が記憶喪失とか話にならんからな、警告はしたからこれでええやろ。)
「おっと、そうやった。」
部屋を出て、自分に用意された個室に向かって歩こうとして気付いた。
まだ今日の酒を買っていない。
暇つぶしついでに運動をし、運動をすると金が手に入る。
ロドスの生活も案外悪くないと考えながら、クロージャの購買部へと歩みだした。
===
源石を通じて術者の記憶を大地に還元し、別の術者がその記憶の一部を読み取る力。
アーミヤが魔王の力を全て解放したとしたとしても、このアーツを超えて
レイホンの記憶を読めたのはただの偶然であり、ただ
再現した硬血の槍は、光の種から全ての世界に繋がる枝へと更に経由し生み出した物。
光と繋がった時のみでしか、レイホンの記憶は覗けないはずなのだ。
しかしあの刀を作る時、印象に残る程強い記憶は読み取ることができた。
「…見てるんですよね。」
自分と光は、まだ繋がっているのではないか?
今も自分を見ているであろう彼女に向かって、声に出した。返事はない。
「カルメンさん。私は、負けませんよ。」
書類の束を再び抱え、部屋を出る。既にレイホンの姿はなかった。
自分も、ドクターも、休む時間にはまだ遠い。
もしかしたら死ぬまで休むことはないのかもしれない。
それでも
「進み続けるんです、歩みを止めてはいけないから。」
自分に言い聞かせるように呟いた。誰もいない廊下への独り言、勿論返事があるわけがない。
『頑張ってね。』
だから、この声はきっと空耳なのだろう。
書類を処理する者へと渡すため、アーミヤは歩き始めた。
レイホン「酒の値段上がっとるんやけど」
ドクター「なんか期日昨日までの書類渡されたんだけど」
C「無視!?」
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