【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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ヴァル夜始まりましたね…
皆さんは元気にしてますか?爆死してる人少なくて俺、涙が出そうだよ。
心の中の仙人様は神引きした人を殺れって叫んでます。

そしてアクナイはサンリオコラボですって、ラッピーがヘルメット着けてる…。
あとベッロ—ネさん…
ごめんね、この世界では君が大好きなレオン君はシラクーザの外に逃されてるからあんまり繋がりがないんだ…。



第70話

 

 

再び空間が崩壊していく。

しかし空間ごと消えるのではなく、元の場所に戻るという意味での崩壊だ。

徐々に地下の煉瓦でできた壁が現れ、据えた臭いが鼻を突く。

 

「疑い続け、問い続け、戦い続けた。この大地に立ち向かい、打ち勝つため進む姿は…星そのものだ。」

 

『……。』

 

「ロドスで見た星に、お前は負けていない。願いを、言ってみろ。」

 

血香と羽音が立ち込める中、仰向けになり転がるラヴィニアに向け、レオンが手を差し伸べつつ問う。

 

『私は…暴力ではなく、法によって…けれど、法の正義は定まらなくて…。」

 

ラヴィニアの姿は揺らぎ、元の姿に戻る。

側には、法典が開かれて落ちていた。

 

「互いに道になるんだ。一人が迷ったときは、もう一人が手を引く。手を引いた奴が迷ったなら、互いに話し合って道を探していく。正義は、これから探していけばいい。"絶対"は、ないからな。」

 

「私は———」

 

 

 

 

———

 

 

 

 

南部親指の救出から1週間後。

治療を施し、徐々に目覚め始める者が現れた頃だった。

 

「レイホン、あの時は済まなかったな。」

 

「———別にロドスに報告するだけやし、俺っちも久々に血ィ騒いで暴れられたかい許したるわ。」

 

最初の頃と比べ、仕事にも余裕が生まれ始めている。

ロドスから一部のオペレーターが支援として派遣され、物資も十分にあるため問題はない。

お陰でレオンと話しながらペンを回し、作業するぐらいの余裕はあった。

突然謝るレオンの左手の薬指には、一つのリングが光を反射して煌めいている。

 

「あいつ、構ってやらんで良いんか?」

 

「今日も早めに切り上げさせてもらうさ。」

 

「惚気だねぇ。」

 

軽く心配するように言葉をかければ、結局働かないラップランドも話に混じる。

しかし興味はないのか、一度ソファーの上で寝返りを打つと黙り込んだ。

 

「…申し訳ないが、頼みがある。」

 

「何となく分かっとる。……この都市の管理権、譲ってほしいっちゅうんやろ、ちゃうか?」

 

「そうだ。無理な頼みとは分かっているが…。」

 

本題はこれだろう。

安定軌道に乗り始めた、都市の管理権。

このまま市長として君臨し、不自由のない生活を送るのもいいかもしれないと思う気持ちは確かにあった。

だが、それは上に立つが故の責任や管理、他のファミリーやシチリアとの対話があってこその生活だ。

思うように暴れられない上に、しょうもない相手と自分より格上との会談などストレスが溜まる一方だ。

 

「別にええで。」

 

自分が思っていたより、その言葉は軽かった。

何処かで書類を落とす、かなり大きな音が聞こえた。

 

「…いいのか?」

 

「そん代わり俺っちらの弾丸作ってくれや、勿論親指主導でな。ロドスから買い続けとったら運賃が馬鹿にならんし、依存すんのもアレやからな。」

 

ロドス・アイランド号が今どこにあるのかは分からないが、着払いで送られてくる弾丸の値が上がり続けていることから遠ざかっていることは確かだ。

目的があっての行動かどうかすら分からないが、ドクターとケルシーなら考えがあるのだろう。

懐からシガーを取り出し、自分で火を点ける。

 

「大体、ここんヤツらずっと怯えてばっかで敬意を払っとらんし…全く気分良くならんからな。陰気臭すぎや、マシに出来るんはお前と、そこの嬢ちゃんの方が向いとるやろ。」

 

椅子から立ち上がり、窓を開ける。

雲に隠れてはいるが、昼過ぎの傾いた陽が大地を照らし、丁度いい気温になっている。

一面に広がる葡萄畑の葉はまだ若く、実がつくにはまだまだ時間がかかるだろう。

 

「南部の奴らと葡萄畑は任せるけど、それでええやろ?」

 

「構わない。余程のことがない限り、お前の命令には従うだろうからな。」

 

煙は風に乗って外へ逃げていき、灰が地面に落ちる。

心残りと言えば自分でワインを造れなかったことぐらいだが、別に酒を作ることに興味はなく、旨い酒が飲めればそれでいい。こまめに提供するよう指示しておけば大丈夫だろう。

 

「そんで何より…女が(タマ)張って、他でもない俺っちに進言したんやで?」

 

笑ってレオンへと言う。

 

「ちったぁ聞いてやらんと男が廃るやろ。」

 

「……フッ。お前が思っているより、人の上に立つのに向いているやつは少ないだろうな。」

 

「褒めても何も出んで?高い酒と飯代くらいや。」

 

互いに軽く笑い、再び席につく。

この書類仕事から逃げられることの方が嬉しいとは口に出さない。

 

「答えはまぁ…アイツが俺っちん所来たら正式に伝えるわ。」

 

「了解した。……アテは、あるのか?」

 

「———    。」

 

ソファーに寝転がっていたラップランドの耳が、ピクリと動いた。

 

 

 

 

———

 

 

 

 

《市長を辞めたい?えぇ、構いませんよ。いつか辞めると思っていましたし……何より、貴方はしっかりと働いてくれたようですから。何か欲しいものがあればどうぞ、報酬は用意します。》

 

ミズ・シチリアへ連絡すると、呆気なく許可は下りた。

本当にこの都市を治めるのは誰でも良かったのではないか、そう思うほどだった。

 

(あとはラヴィニアの嬢ちゃんに伝えるだけやな。)

 

特に用もなく、夜の街を出歩く。

今日はパレードでもあるのか、いつもより通りが混んでいたが、レイホンの姿を見ると道の端へと逃げる。

 

ベッロ—ネのボスと初めて出会った店の前を通り過ぎ、ウサギの事を思い出す。

直にこの都市を出るレイホンにはもう関係ない事だと思うと、それも消えた。

誰もいない、路地裏へと入り込む。

 

ボッ。

 

遠くに響く歓声を背中に、懐から取り出した葉巻の先を切り、火を灯す。

暗い路地に、仄かな明かりがついた。

 

「———出て来ぃや。」

 

コツン、コツン。

軽やかな足音のメロディーを奏でつつ、狼の仮面を被った何者かが剣を抜く。

直剣が纏う白色の光は、シガーについた火よりも明るい。

 

「いつか消えてしまう蝋燭のような人生で、より大きな火をつけようか。」

 

「はッ。」

 

煙を吸い込み、吐き出す。

ジリジリと焼けるシガーの灰が地面に落ち、乾かず残り続けているのであろう水たまりに触れる。

 

「もう点いとるやろ。」

 

 

 

===

 

 

 

《別にええで。》

 

バサッ!

 

思わず手に持っていた書類を落とす。

聞き間違いかと思い、執務室に仕掛けた機械(集音器)とのリンクを強める。

アーツで浮かばせていた箱が落ちた。最大で3つしか操れない上に、力の配分を変えるとすぐこれだ。

 

「どうした?具合でも悪いのか?」

 

「まだガキだし疲れたんだろ。体調崩してもガキは治るの早ぇし、ほっとけ。」

 

一緒に書類を運ぶカポネが心配してきたが、ガンビーノによって茶々を入れられる。

迫力はないだろうが睨み付け、ポケットに入れておいた予定表に「訓練+1時間」と書き足す。

ガンビーノは気付かなかったようだが、カポネは気付いたようだ。

最近の訓練にはリハビリと称し、カポであるカトリエル様が参加している。体づくりや、私の体でも扱える銃剣術など様々な事を教えてもらっているが、かなり過酷なものになっている。

 

「……ガンビーノ、生きてたらまた会おう。」

 

「あ゙?急にどうしたよ。」

 

「…私は大丈夫だから、仕事に戻るよ。」

 

気を取り直して書類を集めて箱の上に置き、箱を浮かばせずに自分で持つ。

アーツを集音器に集中させ、聞き漏らしがないように耳を澄ませる。

 

《アテはあるのか?》

 

一番聞きたいところだ。

彼に置いていかれた瞬間、二度と追いつけなくなるという漠然とした恐怖が全身を支配する。

どうにかしてついていけないか、場所次第では問題なく共に行けるはずだ。

 

《———ウルサス。》

 

ドサッ!

 

「あぁ?またかよ…。」

 

「……ッ!?発作だ、薬持って来い!急げ!」

 

手が震えて、アーツの制御が上手くいかなくなる。

彼が口にしたのは私の故郷であり……。

二度と戻ることはないと、そう信じていた国の名前だった。

 

 





投稿が遅れた理由、生まれて初めての花粉症。
トイレットペーパーが手放せない、10数年共にいた戦友のそれ。
今は鼻セレブです。今までありがと戦友、お前で鼻噛むと痛いんだ…。
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