【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

75 / 82

60連でケセド以外コンプ、追加で最強の女(ゲブラー)のアナウンサー。
大勝ちしました。心の中の仙人様も神って言ってる。
あ、短いです。


第75話

 

 

「……で、これはどうなってるのか聞いても良いかな?」

 

「そこの奴に聞けや。」

 

「♪〜」

 

「教えてくれなさそうだし、もう一度君に聞くよ。どうしてこうなった(・・・・・・・・・)?」

 

「見たまんまやろ……やり過ぎたっちゅうわけや。」

 

ピンと立てられた綺麗な黄金色の耳。

光を反射して輝く髪の持ち主は、どこか怒りを滲ませつつ問うた。

その手には、二人の似顔絵が貼られた今朝の新聞が握られている。

 

「時計塔壊しただけだってのにねぇ…ミズ・シチリアも心が狭いね。」

 

「…今すぐ規律に則って下顎砕いたろか?半分お前のせいやろ。」

 

「口にチャックでも縫い付けてみる?」

 

ご機嫌でソファーに寝転がり、クルビアから輸入したという葡萄を口に放り込むラップランド。

過去を抱えつつ、今を生きて、未来を見る。

少なくともここは解き放たれた狼がいる場所ではないが、本当に一文無しだったラップランドには弁償するため働いてもらわなければならない。

何よりアンプルと貴重な都市製(思い出)弾丸()を使用したのだ。……思い出と言っても、既に忘れ始めている物にさほど執着はないが、気分は大切だろう。

 

「君達はシラクーザでは珍しい、本当(・・)の犯罪者だ。見逃されてたマフィアと違って、国もマフィアも、シラクーザにいる限り威信をかけて探すだろうね。」

 

「やから夜逃げの準備しとるんやろ。」

 

「…これを夜逃げと言うのは君だけだよ。」

 

ウルピスフォリアが呆れたように、目を閉じて首を横に振る。

レイホンの周りには大量の酒瓶とツマミが転がっており、ついでに酔いつぶれたソルダート達がいた。

対して、部屋の隅ではレオンとラヴィニアがイチャイチャしながら酒を嗜みつつ、ピザを食べている。

 

「カクテルいる?ボクが作るよ。」

 

「……一応仕事で来たから、アルコールは入れないよ。」

 

「ちぇ、残念。」

 

ラップランドが机の上に無造作に置かれたカクテルシェーカーを手に取り、適当な酒瓶を手にとって注ぐが断られてしまった。ただの酒が注がれたグラスを渡され、顔を顰めつつ飲み干す。

 

「国に狙われるようになって、これほどの余裕がある人は珍しいだろうね。」

 

「褒めとるんか?」

 

「褒めてると思ってるのかい?……逃げるなら早く、私達(ロドス)は手伝うよ。」

 

放り投げられた端末を掴む。

小さなボタンとマイクだけが取り付けられたそれを、コートの内ポケットにしまい込んだ。

 

「あぁ、それと…ドクターから言伝があってね。」

 

「なんて?」

 

「"敵にならない事を祈る"…だってさ。」

 

「ははっ、戦う相手は選んどるわ。死んだらそれっきりやしな。」

 

立て掛けた朴刀を撫で、笑ってシガーナイフを取り出す。

葉巻を一本取り出し、先を千切って後ろに控えている猫に手渡すと、数秒後火が点いた状態で戻ってきた。

 

「ドクターに伝えときぃ。こっちは俺っちらで何とかするさかい、獲物にならんようにってな。」

 

「…それじゃあ、私はこれで失礼するよ。」

 

「それとなぁ」

 

目を閉じ、一度頷いて立ち去ろうとするウルピスフォリアへ向かって箸を投げつける。

箸は彼女を逸れ、何かに当たったかのように弾かれた。

 

「その"虫"、親指の総意やないからな。俺っちが規律に則って体を毀損させてもええけど、どうするんや?」

 

「いや、いいよ。未遂に終わったんだし気にしてないからね。」

 

今度こそ、ウルピスフォリアは立ち去った。

完全に二人だけの空間が出来上がっている彼ら以外の場、その空気は嫌なほど張り詰めている。

 

「心が広い奴で助かったなぁ。」

 

「……はい。」

 

「———次はあらへん、余計な事すんな。」

 

レイホンを中心として放たれる圧が、一つに集中する。

そのまま手を伸ばそうとした時、カラン、と軽い音がした。

 

「…おかわり、いる?」

 

「ハァ…。……一杯貰うわ。」

 

 

 

———

 

 

 

そんな事があった次の日、レイホンは空港にいた。

空港と言うには大げさな規模だが、空港以外に言い表せない場所。

一つしかない航空機が、今から飛び立とうとしていた。

 

「ウルサスまでは約3,4時間ですが、回収しての往復は不可です。片道のみですが問題はありませんか?」

 

「ないわ。」

 

「ないよ。」

 

ロドスから雇ったオペレーターに操縦を任せ、集落を見つけ次第降ろしてもらうつもりだ。最悪数千万もの龍門幣があるため、なんとかなるだろう。

…さり気なく着いてくる気のラップランドもいる。

 

「まだ前を向く勇気は付いとらんのか?」

 

「えぇ…ですが、レオンとなら進むことは出来るでしょう。」

 

「惚気か?」

 

「違います…と言いたい所ですが、惚気です。」

 

ラヴィニアが差し出してきた手を握り、次にレオンのも握る。

二人の後ろには、親指のソルダート達が並んでいた。

 

「そいつら頼んだで。…言う事聞かんかったら俺っちかカトリエル、龍門の方かロドスに連絡せぇ。そうすりゃ何とかなるわ。」

 

彼らが治める都市(ブルネッロ)で、親指は他の国で言う警官代わりの私兵として使われる。

徐々に方針を変えていくようだが、ここの責任はカトリエルに全て任せたためレイホンの知るところではない。

 

「出発します。」

 

「おう、事故無しで頼むで。」

 

ゴオオオオオ…!!!

 

次第に強くなり、音も大きくなるエンジン音。

中に入ると、前よりも中に物が増えていた。

 

「飛行機に乗るのは初めてだね。」

 

興味津々な様子であちこち触るラップランドを横目に、ベルトを付けずに席につく。

ゆっくりと動き出した飛行機は、速度を上げていって陸から離れる。

そして———

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アカン、凍え死ぬわ。」

 

「見てこれ!もう血が凍ってるよ!もう春になのに凄いね!」

 

「そんな事言ってないで早くこちらへ!本当に死にますよ!?」

 

一面銀世界。

その中に巨大な鉄塊と炎という、明らかな異物がある。

レイホン達は今、ウルサスの寒さに苦しむ羽目になっていた。

 

 





ちなみにPCでしてたんですが鏡回れないっていうね…。
バグかなんかしらんけどパック選択時に画面が暗転する。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。