【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
星5招集券で遂にレッドの潜在MAXになったので
あとようやく強襲タルちゃんに勝ちました。
不死身のスペクターさんで炎を防ぐIQ200プレイ
スルトのレーヴァテイン切るタイミングミスって退却を余儀なくされたIQ3プレイ
4/19誤字訂正、誤字報告ありがとうございます。
貨物輸送の護衛を終え、帰還した頃。
レイホンは自分へと注がれる視線を感じ取った。
これが戦場ならば敵と判断し、訓練室なら
が、ここは戦場でも訓練室でもない、単なる食堂と宿舎を繋ぐ廊下である。
不思議に思いつつ、不必要な干渉は自分のためにならないと判断し、ドクターの執務室へと向かった。
===
見張り。ケルシーに頼まれて、最近はずっとしてる。
見張りは、狩りに必要。でも、狩りじゃない。
レッド、最近気になる。
ドクターが来てすぐ、見張ってたやつ。あの時は、多分バレてた。アスカロンなら、バレない?
わからない。けど、悔しい。
気になるの、2つある。1つは、消えない匂い。
ちゃんと水浴びしてる、服も洗ってる。
なのに、血の匂い、消えない。命を消した匂い。レッドよりも、濃い。
もう1つ。薄いけど、オオカミの匂いがする。でもオオカミじゃない、多分。
あれ、オオカミよりも大きくて、強くて、堂々としてる。姿は隠さない、昼でも、夜でも。
勝てないけど、ロドスの仲間。戦わなくていい味方、安心。
ドクターにも、ケルシーにも注意された。「礼儀には気をつけろ」…レッド、あまり賢く、ない。
ケルシーみたいに、難しい言葉を並べるのが、礼儀?
それとも、ドクターみたいに、皆に優しくするのが、礼儀?
……挨拶は、できる。
ピピピッ。
ドクターが呼んでる、今日はここまで。
———
「最近、何かを熱心に追いかけてるみたいだけど……ループスの尻尾狙いじゃないよね?」
「違う、気になるもの、見つけた。」
「それは…良いことだ。記録とかつけてるかい?」
首を横に振る。
記録はしたことない、他の誰かが、いつもやってる。
そう答えたら、ドクターがノートを渡してきた。
「記録は大切だよ。気づきを書き留めておけば、いつか役に立つかもしれない。」
「まとめるの、出来ないかも。」
「何事も挑戦さ、レッド。君なりに纏めたら、私に見せてくれないか?勿論、強制じゃない。」
「……分かった、やってみる。」
「ありがとう。楽しみにして待ってるよ。」
ドクターに見せたい。レッド、頑張る。
早速だけど、記録をつけることにした。
———
□月◯日
早速、つけてみた。
あいつはスルトと訓練、レッドも混じって訓練。
大きな音で、耳が壊れるかと思った。結局、勝てなかった。
スルト、何度も向かっていった。レッド、応援してる。
□月△日
今日は護衛の日。
いつもなら、スルトが相手怒らせて、アーミヤたちが止めてた。
けど、スルト、いつもと違う。周りを見て、じっとしてた。狩りの前のレッドと、似てる。
動き方も変わってた、どこかあいつに似てると言ったら、嫌そうな顔してた。スルト、怒った?
□月□日
親指の小さなフェリーン、レッドに気付いた、すごい。
レイディアンの所で、ずっと訓練してたらしい。機械はじじつとか言ってたけど、よく分からない。
けど、レッドもまだまだかもと思った。
□月☓日
久しぶりに、アスカロンと遊んだ。ポケットに毛玉入れようとしたけど、バレた。
最近よく見つかる。レッド、ダメになったかも。成長しないといけない。
…
……
………
———
「———それで、遂に見つかった、と。」
「ドクターの指示やって言うとったわ。嘘やったら舌切り落とすつもりやったで。」
「ごめん、これについては少し注意しておくよ……。」
小さな、日記というよりもメモ帳と言うべきものを机の上に置こうとして、置く場所がない事に気づく。
それを見かねたのか、レイホンが手を差し出してきたので大人しく渡す。
そしてすぐに書類の山の上に置く。手が届かなくなった。
今回の問題の張本人は、疲れているのかソファーで横になって寝ている。
お陰でレイホンは座れず立ったままだ。
「日記か……。」
「ん?レイホンも記録をつける事あるの?」
「昔の話や。何処のやつがまだ金払っとらんとか、今日会う相手は俺っちより身分が高いかとかな。」
「……マフィアのそれだね。」
「今更やろ、今後とも宜しく頼むでぇ〜?」
「理性なくした私の介護させるよ、あ〜そろそろ理性吹っ飛びそうだなぁ〜!」
「あ、用事思い出したわ。」
そう言って逃げるレイホン。
結構本気で介護させる気だったので、少し残念だ。大人しく他のオペレーターに頼むとしよう。
その前に……。
「いつもありがとね、レッド。」
眠る幼い狼に、毛布をかけた。
せめてこの一瞬だけでも、甘い夢が見られますように。
===
初めは純粋な疑問。
この世界には、動物の特徴を兼ね備えた者たちがいる。
外郭にいるような、肉々しいものを自らの肉体につけた化物ではなく、生まれつきのものだ。
そこで思ったのだ。
「それ、飛べるんか?」
「はい?」
「羽獣やったか?その翼、あいつらみたいに使って飛べるんか?」
翼を持つ者は、実際に飛べるのかと。
なお聞き取り調査の結果は
「出来る人がいる可能性は0ではないが、十中八九アーツ」
という、アーツとは無縁のレイホンに厳しい答えが返ってきた。
———
「ちゅうわけや、飛んでみぃ。」
「ふざけてんのか!?こんな横暴が通るはずがない!俺は第四高校の———」
ウルサス。辺境ということもあって相変わらず寒いが、陽に当たるほどではない。
蛇との約束を果たしに休暇を取り、会いに来た。これでもう引く場所はない。
常在戦場のひりつきが足りない世界だ、これでようやくマシになった。
戯言をほざくウルサスを、そこらの建物十階以上の高さをした監視塔から蹴り飛ばす。
両手両足を縛られた男は大した抵抗もできず、大声で何かを喚いて———地面に紅いシミを作った。
血の赤だけでなく、脳漿などの体液の黄や白の斑点が美しく散る。
あの親方やヨシヒデなら顔を顰めるだろうが、元から芸術とは主観が入るものだ。
シガーを一本取り出し、端を千切る。
チンッ。
ジッポライターを開き、シガーの先を炙り、火を点けた。
はぁ、と煙を吐けば、煌めく紫煙はおぼろげになり、消える。
「見とったやろ?俺っちに逆らったやつ。全員"規律”に則って処罰するさかい覚えとき。ちなみにあいつは反逆罪やな、軍規でも元々処刑やったし問題なしや、しっかり掃除しといてな。」
この世界の命は、都市ほどではないが軽い。移動都市に住んでいないのなら天災から逃れるのは不可能に近く、彼に住んでいたとしても今落ちていったウルサスのように呆気なく死ぬ事もある。
怯える兵士たちを掻き分け、歩き続けた。
誰もいない廊下を歩いていた頃、カビと血、悪意の匂いが入り混じった淀んだ空気が冷たく、静かに体に触れようと近づいてきているのを感じる。
「それ以上やってみぃ、お前の体も関係ありそうな奴も全部、派手に飾り付けたるわ。」
「……誤解だ。」
「そういう事にしといたる、何用や?お前から言われた通り、見せしめにしっかり殺したで。」
紫煙を吹きかければ、嫌がるように霧散し、レイホンと向き合うように一人の女性が歩いてきた。
闇はその女性から放たれており、じきに収まって消えた。
「喜ぶといい、初めての任務だ。」
「……。」
まだ半ば程残っているシガーを握り潰す。
そろそろ飽きてきた頃だ、新しいものに挑戦してみてもいい頃合いだろう。
「この都市から数十分離れた辺りに小さな集落がある。山賊に占拠され、放っておけば被害が出ることが予想される。山賊の排除に動いてもらおう。」
「人数は?」
「60。私が見届人として同行する、護衛も任務だ。」
「ちったぁ手応えのあるやつが居れば良いんやけどな。」
コツコツと、足音が遠ざかっていく。
一人残されたレイホンは、窓から空を眺めた。
相も変わらず、曇り空だった。
———
ザシュッ!
「あ、あ、あ…」
「クソが!どっから情報が漏れた!」
「頭ァ!……頭がいねぇ、裏切ったんだ!」
朴刀を振るえば、面白いように倒れていく。
猛獣の唸り声よりも低く、爆音を鳴らせば持ち手以外の誰かが死に、逃げ出そうとするものは見えない壁に阻まれて逃げられない。
「なんや、ペーペーしか居らんやん。こんなんでええのか?」
「……装備を見ればわかるが、これはウルサスの最新のものだ。扱い手が使いこなせていなくとも———」
ダァン!ギィン!!!
斜め後ろに付き従う、女性に向かって放たれた弾丸を斬り落とす。
数発レイホンに直撃したが、コートに当たった部分は勿論、肌にも傷一つない。
それを見て山賊のパニックはより大きくなる。
「装備の質は確かだと、そう言いたかったが比較対象が悪いな。頭を失った部隊は脆いものだ。」
「裏切らせたんか?」
「いや、元々ウルサス軍の者だ。こうやって一網打尽にするのが効率的で、こまめに消している。」
「ウルサスの繁栄を願っとる奴が、ウルサスを削っとるんか。はっ、皮肉か何かか?」
「兵にしたところで、不和を生み出すだけだ。それで弱くなってしまっては元も子もない。地道に時間をかける、そうしなければ真の強さというものは得られないと、私は知っている。」
「……お前がそれ言うんか。」
話していても、朴刀を振るう手を止めることはない。
話が終わった頃を見計らって、残り少ない山賊の中から、一人が武器を捨てて歩み出てきた。
「こ、降参だ!命だけは———」
「殺せ。」
「……今回は見逃しといたるけど、次からは礼儀に気ぃつけや。」
言われるままに、真横に振り抜く。
力任せに振り抜いた朴刀が、首を捩じ切って遠くへ吹き飛ばした。
それから数時間後、血に塗れた廃村には誰の姿もなかったという。
———
「レイホン、おかえり。休みはどうだった?」
「ドクターか。全然やな、ロドスやと血が騒ぐような奴ばっかで良いんやけど……。他んとこは大した事ない奴らばっかで、腕が鈍ってまうからアカンと思ったところやわ。」
「ははは、そうか。それはもう3日も寝ていない私に対しての当てつけかな?」
「……誰や、今日の秘書。誰かアーミヤかあん猫呼んでくれんか?これ壊れる寸前やで。」
そう言うと、ドクターは静かに端末を取り出し、画面をレイホンへと向けてきた。
そこにはアーミヤが、こちらに向かって微笑んでいる画像が映っている。
「ああもう見てこの絶妙なバランス感覚わかる?まず視線、あのまっすぐで少し柔らかくて、それでいて「ちゃんと見てるよ」って言ってくる目が良い、すごく良い。しかもただ可愛いだけじゃない、落ち着きと芯の強さが同時にあるんだ。そして長い耳!あれは反則だ、ちょっとした角度で表情が変わる感じまで、簡単に想像できるのが良い。さらに服装!外套の大きさが「守る側の人間」って雰囲気を出してるのに、下の制服でちゃんと“年相応の可愛さ”も残してるのが完璧なんだ。あと細い脚に対しての靴の"重さ”。分かるかい?この靴が上に立つものとして、しっかり"重み”を出してるんだ。 それでいて表情が、「優しさ」と「責任」を同時に背負ってる笑顔なんだ。守ってあげたいのに、同時に「守る側なんだ」と理解させられる。私なんかが守れるものかどうかも怪しいし、守られる側かもしれないけれど、この笑顔を見れば私が出来ることは何でもしようと思えるんだよ。分かるかいレイホン、分かったかいレイホ———」
遂に狂ったドクターを叩き、意識を飛ばす。
周囲のオペレーターたちも既にアーミヤたちを呼びに行っているようで、少しするとアーミヤがやってきた。
「すみません、レイホンさん。」
「———随分と愛されとるな。」
「え?」
「なんでもあらへん。ほな、何かあったら呼べや。」
その澄んだ、純粋な瞳で見透かされる前に去った。
上手いこと生きるには、どうやら障害が多いようだ。
ちなみにラストのドクターのセリフは"素"です。
友人に送ったら「本当に狂ってるやつがあるか!」と言われました。
なんでやアーミヤかわいいやろ!
でも6章クリア後で「また会えて」は
人・心・無な黒うさぎ……。白うさぎは何処ですか?