【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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感想が来るって、こんなに嬉しいことなんですね…
今も書き続けられてるのは感想の力があると思います。

それはそれとしてちょっとヴァル夜記念で書いてるやつのためにミヅキローグやってるんですよ。
最後の騎士お荷物になった挙げ句なんか敵対したんですけどなんでですか?
リンバスの時のあの力はどこにやった…!→なんでその力を早く使わない???
面白いです。


第8話

 

 

ダァン!ダァン!!!

 

降り注ぐ榴弾を避け、弾き、前へ進むレイホン。その前にはガスマスクを付け、両手に現在進行形で榴弾を放つ発射機を持った子供がいる。

榴弾の着弾地点を見ると、明らかに普通の爆発では見ることのない黒い粉末が舞っている。毒の可能性がある以上吸わないようにしているが、この量の爆発を凌ぎながらはキツい。

 

(あないに細い体でようやるわ、普通反動で吹っ飛ぶやろ)

 

勢いよく飛んでくる榴弾の威力を見るに、虎標弾まではないにしても部下たちが持つ推進弾程度の反動はあるはずだ。それを子供の体でものともせずに放ち続けるのに違和感を覚える。

自分たちの知らない反動を打ち消す技術を使っているのか、それとも本人の体幹がその細い体からは想像もできないほど強靭なのか。恐らく前者だろう。

 

「"暴君”の射線上にガキ入れながら動け、ちゃんと付いて来ぃ!」

 

「はっ!」

 

回り込むようにして動き、あの恐るべき"暴君”の謎の力を撃たせないように立ち回る。

相手が一般兵なら一緒に焼き尽くされるだろうが、このレベルの力量なら間違いなく幹部。

幹部を失うのは痛手だろうし、ましてや幹部を殺したのがリーダーだったら組織として崩壊するだろう。

距離が次第に縮まり、この子供を倒したあとはフードを被った女…と次の標的《肉壁》を探していると気付く。

あの女がいない。そして視界に靄がかかってくる。いや、これは…

 

「この水がない、クソ熱い中で霧やと…?」

 

白色の霧が更地を覆い始める。辛うじて後ろに控えるIIII《クァルト》の二人は見えるが、III《テルツォ》以下の部下たちの姿は既に見えない。

それよりもさっさと目の前にいるガスマスクの子供を仕留めるべきだ、と大きく跳躍し勝負にケリをつけようとした瞬間

 

「私が止める。やれ、スカルシュレッダー。」

 

突然視界の端に黒いフードが見えたと思うと、探していた女が低く屈んだ姿勢からレイホンの首目掛けて剣を一振りする。

朴刀を持たない左手で剣の腹を叩き、致命の一撃を振り払ったはいいが、反撃を与える前に女は煙幕を張り、霧の中に消えた。

その一瞬の攻防に足を止めてしまい、濃い霧と煙幕ですぐそこまで来るまで分からなかった空から降る3つの榴弾を避ける事は不可能になった。

 

(…あの女、ようやってくれたな。)

 

残弾を見る。残り3発。

空になった弾倉にベルトから取り外した虎標弾を詰め込み、両手で朴刀を握る。

大きくバットを振るように構え、榴弾がレイホンたちに着弾しようとした瞬間に虎標弾を全て消費し、高速で横に振り抜く。

 

「俺っちに全弾込めた剣使わせたんや!無事に退けると思うなや!」

 

ドン!という全弾発射の爆音と、ガァン!という榴弾を弾く音とともに叫ぶ。

3つの榴弾を全て弾き飛ばしたが、榴弾はその衝撃で爆発し、爆風がレイホンの体を焼く。

それに構わず子供の方へ走り、霧の中でも確認できるほど近付いた。

 

「嘘だろ!?」

 

ガスマスク越しの籠もった驚愕の声が聞こえる。声からしても本当に子供のようだ。

 

「ホンマにガキンチョか、親指に手ぇ出したこと後悔せぇや!」

 

残弾のない朴刀を強く握り、跳躍して大きく振り下ろす。

咄嗟に発射機を十字に構えてその一撃を受け止めようとしたが、レイホンの一撃は発射機の銃口ごとガスマスクを切り裂いた。

スカルシュレッダーと呼ばれていた子供が寸前に一歩引いたためガスマスクを切り裂いただけで終わったが、次はない。

 

「テメェらは感染者なら、子供にも手ぇ出すのか!?」

 

「先に手ぇ出したのはそっちやろ、俺っちのは正当防衛ちゅうやつや。」

 

ガゴン、チャッ、ガシャン!

喋りながら刀に弾を込め、まず一人目にとどめを刺そうとしていると再び煙幕が貼られる。

 

「撤退するぞ、スカルシュレッダー。」

 

「離せクラウンスレイヤー!俺はまだ…!」

 

「お前がここで死んで、悲しむ感染者(仲間)の事を考えろ。」

 

「ッ!……クソ!」

 

どうやら撤退しようとしているようだが、逃がすわけにはいかない。

弾丸を放ち斬撃を繰り出し、霧を無理やり晴らす。

 

「逃がす訳にはいかへんな、俺っち達の安全が保証できんやろ。」

 

フードを被った、確かクラウンスレイヤーと呼ばれていた女がスカルシュレッダーを抱えて逃げようとしている姿を確認すると、高速で回り込み部下と取り囲んだ。

そんな中、レイホンの背後…霧の向こう側から場にそぐわない声が聞こえてくる。

 

「おーい、クラウンスレイヤー?僕のことも助けてくれないかなぁ?この駒たちじゃ、どうにも勝てそうにないや。」

 

「ッ!メフィスト!今はこっちに来るな!」

 

「なん—「丁度ええ、人質が三人になったわ。」——ぐッ!!!」

 

声のした方に走り出し、無防備にも杖を付いて歩いてくるメフィストと呼ばれた少年を羽交い締めにして拘束する。その状態でもクラウンスレイヤーの一挙一動を見逃さないように視線を外さない。

そのまま部下が二人を拘束する。

この三人を上手く使えばロドスアイランドの構成員も、自分たちも上手く逃げることができるだろう…そう考えていたその時霧の中からでも分かるほどの大きさで"暴君”の声が響き、それを聞いたメフィストが叫んだ。

 

「やれ、パトリオット。」

 

「ファウスト、準備だ!」

 

レイホンがその攻撃に気付いたのは本能のお陰だった。

 

ドゴゴゴ…!!!

 

霧の中から何かが高速で迫ってくる。メフィストの拘束を解き、メフィストを地面に転がして片足で踏みつける。

グ、っとくぐもった声がするが、そちらの方を見ている余裕はない。

迫る何かに向けて、全力で立ち向かうため全ての弾丸を取り出し、切り札(猛虎標弾)に切り替える。

濃い霧を晴らしレイホンへ高速で向かってきていたのは、巨大な棒…戦槍だった。

 

「ッ……!!!」

 

全弾を使い切るつもりで、自分の全力を持ってこの攻撃を弾こうと、逸らそうとする。

全力の証である赤と黄色の闘気がレイホンを包み、朴刀には薄っすらと一つの光の輪ができていた。

 

ガヂィィィン!!!!!

 

空気との摩擦で赤熱した金属の戦槍と、(シン)(マン)、猛虎標弾というレイホンが今出せる全力の一撃がぶつかり合う。

朴刀からは絶えず炎が吹き出し、戦槍を逸らそうと全力でレイホンが空に向けて押し出そうとするが、レイホンの体が戦槍の勢いに負けて次第に下がっていく。

 

「ゴホッ、パトリオットの投擲を凌げると本当に思ってるのかい!?…結果は僕も知りたいけど、残念ながらチェックメイトだ!!」

 

地面に転がったメフィストが不思議な形状の杖を持って立ち上がり、今も戦槍と衝突しているレイホンに向かって叫ぶ。

メフィストが"暴君"と共に言ったこと…「ファウスト」とやらに何かの準備を促していたことが頭によぎる。ファウストと呼ばれた者は記憶にない、幹部であろうメフィストがレイホンを追い詰めるべく準備させるということは、恐らく同格の存在(レユニオン幹部)

このチェルノボーグで初めて接敵した強敵、謎の狙撃手の存在が頭の中を占めた瞬間には、メフィストはレイホンに向けて嘲るような笑みを浮かべながら口を開いていた。

 

「ファウスト、今だ!撃て!」

 

その言葉が聞こえた瞬間、「終わった」と思い、諦めの感情が全身を支配した。都市では禁忌とされている壁の破壊をやすやすと行うことのできるほどの威力の狙撃。直撃して耐えられるかは五分五分といったところだろうか。もし耐えたとしても、この戦槍を止めることはできずにレイホンの上半身は吹き飛ぶだろう。

 

(俺っちはここまでの命やったっちゅう事か?命乞いも通るかどうか分からんし…あのガキに命乞いするのはちゃうやろ)

 

「はぁ…クソ———」

 

「まだ諦めるには早いんじゃないか?」

 

ジア・チォウに殺された時と同じ捨て文句を言おうとすると、背後から男の声が聞こえてくる。

その男は下がるレイホンの体を支えたと思うと、どこからか放たれた弾をその手に持つ巨大な盾で受け止めた。

回転するその一撃が盾を削り、ギャリギャリと嫌な音がするが、レイホンの体を撃ち抜くはずだった攻撃は、体を撃ち抜く前に盾を貫くこともできず止まった。

猛虎標弾を全弾発射し、爆発的な勢いに任せて剣を振り上げる。

 

「グ…! ダァッッッ!!!」

 

気合を発して振り上げると、戦槍の軌道は確かに逸れていた。そのまま打ち消せなかった勢いを保持した戦槍は空高く飛んでいく。

 

「馬鹿な、ファウストの砲撃を…あんな盾一枚で!」

 

「ハッ、これでもロドスのエリートオペレーターなんでな。」

 

メフィストの絶叫じみた声を鼻で笑って受け流す、レイホンに向き合う自称ロドスのエリートオペレーター。

他に誰も来ていないところを見るとレイホンの援護に来たのは彼一人のようだ。

 

「俺の名前はAce、ロドスアイランドのオペレーターだ。俺達への協力、感謝する。」

 

「俺っちはレイホンや。こっちの要望飲んでくれるんやったら協力する言うたやろ?」

 

「それでもだ、レユニオンの幹部複数相手によくやってくれた。」

 

互いに震える右手で握手を交わし、すぐに行動に移る。

レイホンは今も叫ぶメフィストを捕縛し、部下が捕縛しているクラウンスレイヤーとスカルシュレッダーの二名の元に向かうのだった。

 

 





サルカズローグは俺にはまだ早かった。
あと30連でヴァル夜コンプはキツいです。

そう言い残すと 男は塵となって消えた
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