【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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有償と無償(ガチャチケ)
あなたの持つ互いに異なる狂気が混じり合えば、ああ…!
爆死的ですね!

ん?(ドーセント並感)



第80話

 

 

戦場に翻る赤の制服とコート。

前者はくすんでいるが、金の刺繍が輝いている。後者は新品で、着ている者の数は制服の三倍以上だ。

何度衝突しても、決着はつかない。

こちらの練度不足と、向こうの戦法が守りに徹した堅実なものだからだ。

確実に削られてはいる。だが、負けるかは分からない。

互いに本気でぶつかり合う意思がないのも、戦況が膠着している理由だろう。

 

「あッ、」

 

「おっと、こっちはアカンで。」

 

ザシュッ!

偶々こちらへと転がってきた相手を斬り殺す。これなら弾丸を使うまでもない。

血を流し、動かなくなった相手のコートを手に取る。

リウの制服。懐かしいものを見た。所々薄汚れ、質が落ちてはいるが、それでも相当な生地。

目の前には、二人の男女が立っていた。目線は下に、それでも警戒は解かず、何時でも攻めれるように。

 

「……。」

 

「規律も知っとるやろ?破ったんなら、守らず前進出来るんやけどな。」

 

朴刀を納め、ひらひらと両手を振って続ける。

 

「別にどうもせんで、ここ守ってロドスん所に通さなければ何も言われんからな。それ以外ならどうでもええわ。ま、お前らが"それ”狙いなら、生きて返すわけにはいかんけど。」

 

「……なら、戦うしかないってことか。」

 

「お、()るんか?そんならはよ言えや、しょうもない戦い見せられて暇やったからな。リウのところと戦うんは初めての奴しか居らんし、ええ『戦争』の経験になるやろ。」

 

相対し、一度納めた朴刀を抜く。

相手もまた、黒色の手袋をはめ直し、低く腰を落とした。

女は拳、男は脚といったところか。

 

「自分が負ける未来は考えてないんだ?」

 

「そん時はそん時やな、惨めに命乞いでもするわ。———余計なこと話しちまうかもなぁ、ドクター。」

 

トントンと、コートの袖に付けられた盗聴器を軽く叩く。

 

『バレてたか』

 

「まだあるやろ。悪いことは言わんから全部切っとき、いらん事知って見捨てられたくないやろ?」

 

『……君の善性を、友として信じることにするよ。』

 

「あんがとな。」

 

礼を言い、(シン)を纏わせる。

ググッ。柄を握りしめ、手袋が擦れる音が聞こえた。

(マン)は使わない。これから先を考えるのなら、消耗は抑えたほうが良いだろう。

 

「そんじゃ、名乗らせてもらいますわな。レイホン。親指のカポにして、東部十剣が一人。———今から自分ら殺す男の名、冥土の土産に持って行けや。」

 

「リウ協会南部支部、2課の———です。」

 

「同じく。 ——だ。」

 

「まずはお手並み拝見やな…!」

 

控えている数名に指示を出し、まだ手出しは不要だと伝える。

迷うことなく突撃し、天退星刀を振るう。

 

「ふっ!」

 

ガァン!

弾丸なし、(マン)なし、(シン)あり。小手調べの一撃は、男の蹴りが刃の側面を打ったことで弾かれた。

手を抜いているとはいえ、この一撃を弾けるのなら相当の施術を受けていることだろう。

その隙に懐へと潜り込んだ女の手刀が、レイホンの胸へと向かう。

 

「ははっ、ちと舐めすぎたか。」

 

右足に力を込め、踏み込む。手刀が肉に突き刺さり、噴き出す炎がコートに阻まれる。

この一撃は相手を低く見積もりすぎた故の被害だ。自分の失態である以上、甘んじて受け入れよう。

 

「そんじゃ、コイツはどうや!退かんとどっかしらぶっ飛ぶでぇ!!!」

 

弾丸の解放。

装填されているのは猛虎標弾ではなく虎標弾だが、今の一撃で負ったダメージからして、この二人の施術だろうと問答無用で切断できると確信している。

真っ直ぐ振り下ろした攻撃は避けられたが、追撃の横斬りはどうだろうか。

 

「フンッ!」

 

「やあっ!このまま行くよ。」

 

「了解!」

 

女の首を飛ばすまで、残り1秒もない中。

男が低く屈み、上に向かって蹴り上げる。再び刃の側面を打ったが、ジュウと、何かが焼ける音がした。

構わず踏み込み、脚を軸にして全身を捻るかのような構え。

放ってくる技を予想する。疾風突き、違う。正面突破、違う。堅固な守り?違う。

指示を出した。

 

ドォン!!!

 

「「なっ」」

 

「お前らが出てきた時点で、半分負けみたいなモンやし……俺っちの身を守る奴くらい用意しとくやろ。」

 

二本の矢が、更に一歩踏み出そうとした二人の足を地面に縫い止めた。

一本は貫き、地面ごと破壊して。

もう一本は突き刺さり、"何か”を注入して。

 

「〜〜〜ッ!毒だ、千切っていい!」

 

「気付くの早いなぁ、でも、もう遅いわ。」

 

片足が使えなくなった状態で、男を助けるため手刀を振るった女の両足を焼き切る。

そのまま脚も一本切り落とし、念の為腕も切断した。

 

「鉄山靠やろ、あのまま技が出てたら俺っちも痛手を負っとったんやないか?そうはならんかったけど。」

 

「…っ、なんで、分かって……。」

 

「リウの奴らと()り合うのが初めてなわけ無いわ、剣持ちやない相手が使う技くらい覚えとる。急で済まんかったな、ファウスト、テルツォ。ようやった。」

 

『問題ない、向こうの援護に移る。』

 

『…お褒めに預かり光栄です。』

 

ファウストは勿論、テルツォもこの年月でかなりの成長を遂げている。

ロドスのエリートオペレーター、レイディアンに師事して自身のアーツの本質を理解した今、舐めてかかれば待っているのは"痛い目”ではなく"死”である。

独自に開発している源石弾、毒、強力な装備。

ロドスの理念に反して扱うことのできない物を扱い、敵を制圧するのが今の仕事だ。

 

「言い残すことあるなら、一応聞いとくで。」

 

「シャオ部長、ロウェル部長……申し訳ありません。」

 

「同じく。申し訳ないな……。」

 

「ちゃあんと伝えとくで、ハァッ!」

 

手向けに弾丸を使用し、二人の頭を吹き飛ばす。

炎は断面を焼き、頭は粉々に砕け散った。残された体は、光になって霧散する。

 

「殺した気がせんな、戦況はどうなっとる?」

 

『……どこも膠着しています。物量では勝てていますが、質にかなりの差があります。敵の戦法・連携によって崩され、このままでは敗北するでしょう。』

 

「ま、そんなもんか。ソルダートにそこまで期待しとらんし、戦えるやつにはもうちょい気張ってもらわんとな。———ロドスはどこまで進んどる?」

 

『……3割、いえ、2割になりましたね。』

 

「かーっ、裏で支援しとるやつどうにかせんといかんか。リウの奴らが出た時点で向こうは勝ちを確信したってことやろ?士気も上々、質も上々……撤退戦やけど、コレちっとキツいんやないか?」

 

愚痴を漏らす。

ロドスのオペレーターはどれも粒ぞろいだ。何なら粒ではなく巨大な宝石もある。

まだ磨かれていない可能性の塊、既に磨かれ光を放つ宝石。

Ace、ブレイズ、Misery、レイディアンの4名のエリートオペレーターが参加しているはずであり、スルトやソーンズなどの強力なオペレーターも複数名参加している事を、確かにドクターから聞いている。

 

ドクターの事だ、それぞれが全力を尽くせる構成、それでいて高めあえる構成だろう。

それが全く進んでいないのだ。いくら護衛対象がいるからとはいえ、あまりにも遅すぎる。

 

「面倒やけど行くしかあらへんか、部長クラスと()り合ってもええんやけど…死ぬのは勘弁やしな。」

 

ブツッ、一度ドクターへ連絡を入れ、即座に切る。

これで後は向こうにとって余裕のあるタイミングで———ブツ、繋がった。

 

『……どうしたレイホン、そっちは終わったのか?』

 

いつものドクターではない。

本気で頭を回転させ、全ての情報を処理して勝利を目指す、リーダーの声。

 

「終わったで。そっちにヤバイ奴居るか?それか噂。」

 

『居る、噂もある。大将は二人だ。』

 

「こっちの奴も言っとったわ。シャオとロウェル、その名で揺さぶりかけてみぃ。」

 

『了解。…………あぁ、ほんの一瞬だが、動きが止まったな。』

 

ドクターが了解と呟いてから数秒後、答えが返ってくる。

 

「2課の部長、またはもう片方か。どっちにしろ状況は最悪やな。」

 

リウの目的は「勝利」である。勝利の確保をして、戦争に赴く。確実に勝てる相手と戦っているわけだ。

もちろん、士気が落ちるわけもない。

3課、4課ならまだしも2課の部長が出ると決めたなら、それはもう「勝利」しているのだから。

 

『情報が足りない、知っていること全て言え。』

 

「今そっち攻めとるんはリウの2課や、南部やし、俺っちの知り合いは居らんやろ。部長が二人居るみたいやし、良くて3課、最悪の場合やったら1課の部長も居るかもな。」

 

『1課と2課の違いは?戦法、技に違いは?』

 

「知らん、けど確実に言えるで。1課の方が強い。部長クラスやったら……。連携を考えるんなら、俺っちが"暴君”と同じアーツを使って戦って、そんでもって下手したら負けるくらいか。」

 

『いい情報だな、もう一人が出るまでに撤退しないと詰みか。』

 

ふと、背後に大火が現れたような気がする。

……急いでドクターに情報を伝える必要ができた。

 

「精神系アーツの術師、居るか?」

 

『一応。精神かどうかは怪しいが、レイディアンがいる。有効なのか?』

 

「逆や、金の刺繍がされとるやろ?アレがある限り、精神系の攻撃は効かんで。それと、これ以上の情報はお前が生きとったら……いや、互いに生きとったら続きを話したるわ。」

 

『……成程。武運を祈る。』

 

最後にレイホンがどういう状況か悟ったのか、そう言ってドクターは通信を切った。

通信機を仕舞い、先程から覇気を放ち続ける者へ向き合う。

 

「……はっ、随分と有情な奴やな。」

 

「怒りは原動力であり、刃には成り得ない。故に、私はこの怒りの炎で一本の刃を鋳造し、貴様を討つ。」

 

「南部1課。部長の座を降りて図書館に行ったやつが居ったって話があってな。」

 

「……。」

 

「お前のことやろ。R社の奴らに、俺っちは見とらんけど人差し指。本になった奴の待機所か?」

 

「そう見えるのか?刹那に見る夢にしては、実に救いのない地だと思うが。」

 

「まぁ、せやな。都市と違うとこで、都市に似たモン見るのは悍ましくもあるわ。」

 

「そうか。」

 

刃は抜き身のまま、話をする間にファウスト達へ指示を出す。

このレベル相手の下手な横槍は利用される可能性がある以上、下がらせる必要があった。

 

ゴウッ!

唐突に、青龍偃月刀が大きく振るわれた。

その背後に、炎を、龍を、"ある男”を幻視する。

 

「シ協会2課、私の知り合いもいたが…行方は不明だ。何が言いたいか分かるか?」

 

ブォンブォンブォンブォン……。

片手で軽々しく回し続ける。次第に炎を吹き出し始める武器。

全身に緊張が走る。武器は違うが、その構え方はまるで……。

 

「…さぁ、分からんな。先に名乗っとくわ、親指のカポ、東部十剣が一人、小指の(・・・)挿翅虎(天退星)、レイホン。」

 

「月は沈んだ。なら、今は太陽()の場だろう。」

 

ダァン!石突が地面に突き刺さり、周囲の建物が揺れる。

 

「リウ協会、()南部1課部長『鉄血』のシャオ。この名を焼き付けてやる。」

 

「太陽堕とせば、陽も月も消えて『()』の舞台やなぁ!」

 

「やってみるといい。」

 

即座に振るわれた一撃。

弾いた隙に距離を詰め———

 

 

 

更に強力な斬撃が、レイホンごと辺り一帯を薙ぎ払った。

 

 




Q.どうしてあの子は9枚のチケットを使ったの?
A.それはな、娘。彼はどうやっても残り1枚のチケットを得られないと悟ったからだ。
 あと一回引けば手に入る…。そんな期待を抱いて引いたんだ。
Q.なら、130狂気を追加して10連引けばいいのに。
A.しかし娘、よく考えてみるんだ。リンバスは、ガチャチケと狂気を同時に使える
 よう出来ていない。だから、彼は単発9連するしかないんだ。
Q.……じゃあお父さん。あの子はいつ10連できるの?
A.ガチャチケを…取っておくんだ。いつか10連引けるまで。
Q.じゃあそれまで、ガチャ禁をするんだよね!やくそく!
A.(リカルドヒースを見て絶句する)

「……い。(財布が)寂しい。」
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