【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
あなたの持つ互いに異なる狂気が混じり合えば、ああ…!
爆死的ですね!
ん?(ドーセント並感)
戦場に翻る赤の制服とコート。
前者はくすんでいるが、金の刺繍が輝いている。後者は新品で、着ている者の数は制服の三倍以上だ。
何度衝突しても、決着はつかない。
こちらの練度不足と、向こうの戦法が守りに徹した堅実なものだからだ。
確実に削られてはいる。だが、負けるかは分からない。
互いに本気でぶつかり合う意思がないのも、戦況が膠着している理由だろう。
「あッ、」
「おっと、こっちはアカンで。」
ザシュッ!
偶々こちらへと転がってきた相手を斬り殺す。これなら弾丸を使うまでもない。
血を流し、動かなくなった相手のコートを手に取る。
リウの制服。懐かしいものを見た。所々薄汚れ、質が落ちてはいるが、それでも相当な生地。
目の前には、二人の男女が立っていた。目線は下に、それでも警戒は解かず、何時でも攻めれるように。
「……。」
「規律も知っとるやろ?破ったんなら、守らず前進出来るんやけどな。」
朴刀を納め、ひらひらと両手を振って続ける。
「別にどうもせんで、ここ守ってロドスん所に通さなければ何も言われんからな。それ以外ならどうでもええわ。ま、お前らが"それ”狙いなら、生きて返すわけにはいかんけど。」
「……なら、戦うしかないってことか。」
「お、
相対し、一度納めた朴刀を抜く。
相手もまた、黒色の手袋をはめ直し、低く腰を落とした。
女は拳、男は脚といったところか。
「自分が負ける未来は考えてないんだ?」
「そん時はそん時やな、惨めに命乞いでもするわ。———余計なこと話しちまうかもなぁ、ドクター。」
トントンと、コートの袖に付けられた盗聴器を軽く叩く。
『バレてたか』
「まだあるやろ。悪いことは言わんから全部切っとき、いらん事知って見捨てられたくないやろ?」
『……君の善性を、友として信じることにするよ。』
「あんがとな。」
礼を言い、
ググッ。柄を握りしめ、手袋が擦れる音が聞こえた。
「そんじゃ、名乗らせてもらいますわな。レイホン。親指のカポにして、東部十剣が一人。———今から自分ら殺す男の名、冥土の土産に持って行けや。」
「リウ協会南部支部、2課の———です。」
「同じく。 ——だ。」
「まずはお手並み拝見やな…!」
控えている数名に指示を出し、まだ手出しは不要だと伝える。
迷うことなく突撃し、天退星刀を振るう。
「ふっ!」
ガァン!
弾丸なし、
手を抜いているとはいえ、この一撃を弾けるのなら相当の施術を受けていることだろう。
その隙に懐へと潜り込んだ女の手刀が、レイホンの胸へと向かう。
「ははっ、ちと舐めすぎたか。」
右足に力を込め、踏み込む。手刀が肉に突き刺さり、噴き出す炎がコートに阻まれる。
この一撃は相手を低く見積もりすぎた故の被害だ。自分の失態である以上、甘んじて受け入れよう。
「そんじゃ、コイツはどうや!退かんとどっかしらぶっ飛ぶでぇ!!!」
弾丸の解放。
装填されているのは猛虎標弾ではなく虎標弾だが、今の一撃で負ったダメージからして、この二人の施術だろうと問答無用で切断できると確信している。
真っ直ぐ振り下ろした攻撃は避けられたが、追撃の横斬りはどうだろうか。
「フンッ!」
「やあっ!このまま行くよ。」
「了解!」
女の首を飛ばすまで、残り1秒もない中。
男が低く屈み、上に向かって蹴り上げる。再び刃の側面を打ったが、ジュウと、何かが焼ける音がした。
構わず踏み込み、脚を軸にして全身を捻るかのような構え。
放ってくる技を予想する。疾風突き、違う。正面突破、違う。堅固な守り?違う。
指示を出した。
ドォン!!!
「「なっ」」
「お前らが出てきた時点で、半分負けみたいなモンやし……俺っちの身を守る奴くらい用意しとくやろ。」
二本の矢が、更に一歩踏み出そうとした二人の足を地面に縫い止めた。
一本は貫き、地面ごと破壊して。
もう一本は突き刺さり、"何か”を注入して。
「〜〜〜ッ!毒だ、千切っていい!」
「気付くの早いなぁ、でも、もう遅いわ。」
片足が使えなくなった状態で、男を助けるため手刀を振るった女の両足を焼き切る。
そのまま脚も一本切り落とし、念の為腕も切断した。
「鉄山靠やろ、あのまま技が出てたら俺っちも痛手を負っとったんやないか?そうはならんかったけど。」
「…っ、なんで、分かって……。」
「リウの奴らと
『問題ない、向こうの援護に移る。』
『…お褒めに預かり光栄です。』
ファウストは勿論、テルツォもこの年月でかなりの成長を遂げている。
ロドスのエリートオペレーター、レイディアンに師事して自身のアーツの本質を理解した今、舐めてかかれば待っているのは"痛い目”ではなく"死”である。
独自に開発している源石弾、毒、強力な装備。
ロドスの理念に反して扱うことのできない物を扱い、敵を制圧するのが今の仕事だ。
「言い残すことあるなら、一応聞いとくで。」
「シャオ部長、ロウェル部長……申し訳ありません。」
「同じく。申し訳ないな……。」
「ちゃあんと伝えとくで、ハァッ!」
手向けに弾丸を使用し、二人の頭を吹き飛ばす。
炎は断面を焼き、頭は粉々に砕け散った。残された体は、光になって霧散する。
「殺した気がせんな、戦況はどうなっとる?」
『……どこも膠着しています。物量では勝てていますが、質にかなりの差があります。敵の戦法・連携によって崩され、このままでは敗北するでしょう。』
「ま、そんなもんか。ソルダートにそこまで期待しとらんし、戦えるやつにはもうちょい気張ってもらわんとな。———ロドスはどこまで進んどる?」
『……3割、いえ、2割になりましたね。』
「かーっ、裏で支援しとるやつどうにかせんといかんか。リウの奴らが出た時点で向こうは勝ちを確信したってことやろ?士気も上々、質も上々……撤退戦やけど、コレちっとキツいんやないか?」
愚痴を漏らす。
ロドスのオペレーターはどれも粒ぞろいだ。何なら粒ではなく巨大な宝石もある。
まだ磨かれていない可能性の塊、既に磨かれ光を放つ宝石。
Ace、ブレイズ、Misery、レイディアンの4名のエリートオペレーターが参加しているはずであり、スルトやソーンズなどの強力なオペレーターも複数名参加している事を、確かにドクターから聞いている。
ドクターの事だ、それぞれが全力を尽くせる構成、それでいて高めあえる構成だろう。
それが全く進んでいないのだ。いくら護衛対象がいるからとはいえ、あまりにも遅すぎる。
「面倒やけど行くしかあらへんか、部長クラスと
ブツッ、一度ドクターへ連絡を入れ、即座に切る。
これで後は向こうにとって余裕のあるタイミングで———ブツ、繋がった。
『……どうしたレイホン、そっちは終わったのか?』
いつものドクターではない。
本気で頭を回転させ、全ての情報を処理して勝利を目指す、リーダーの声。
「終わったで。そっちにヤバイ奴居るか?それか噂。」
『居る、噂もある。大将は二人だ。』
「こっちの奴も言っとったわ。シャオとロウェル、その名で揺さぶりかけてみぃ。」
『了解。…………あぁ、ほんの一瞬だが、動きが止まったな。』
ドクターが了解と呟いてから数秒後、答えが返ってくる。
「2課の部長、またはもう片方か。どっちにしろ状況は最悪やな。」
リウの目的は「勝利」である。勝利の確保をして、戦争に赴く。確実に勝てる相手と戦っているわけだ。
もちろん、士気が落ちるわけもない。
3課、4課ならまだしも2課の部長が出ると決めたなら、それはもう「勝利」しているのだから。
『情報が足りない、知っていること全て言え。』
「今そっち攻めとるんはリウの2課や、南部やし、俺っちの知り合いは居らんやろ。部長が二人居るみたいやし、良くて3課、最悪の場合やったら1課の部長も居るかもな。」
『1課と2課の違いは?戦法、技に違いは?』
「知らん、けど確実に言えるで。1課の方が強い。部長クラスやったら……。連携を考えるんなら、俺っちが"暴君”と同じアーツを使って戦って、そんでもって下手したら負けるくらいか。」
『いい情報だな、もう一人が出るまでに撤退しないと詰みか。』
ふと、背後に大火が現れたような気がする。
……急いでドクターに情報を伝える必要ができた。
「精神系アーツの術師、居るか?」
『一応。精神かどうかは怪しいが、レイディアンがいる。有効なのか?』
「逆や、金の刺繍がされとるやろ?アレがある限り、精神系の攻撃は効かんで。それと、これ以上の情報はお前が生きとったら……いや、互いに生きとったら続きを話したるわ。」
『……成程。武運を祈る。』
最後にレイホンがどういう状況か悟ったのか、そう言ってドクターは通信を切った。
通信機を仕舞い、先程から覇気を放ち続ける者へ向き合う。
「……はっ、随分と有情な奴やな。」
「怒りは原動力であり、刃には成り得ない。故に、私はこの怒りの炎で一本の刃を鋳造し、貴様を討つ。」
「南部1課。部長の座を降りて図書館に行ったやつが居ったって話があってな。」
「……。」
「お前のことやろ。R社の奴らに、俺っちは見とらんけど人差し指。本になった奴の待機所か?」
「そう見えるのか?刹那に見る夢にしては、実に救いのない地だと思うが。」
「まぁ、せやな。都市と違うとこで、都市に似たモン見るのは悍ましくもあるわ。」
「そうか。」
刃は抜き身のまま、話をする間にファウスト達へ指示を出す。
このレベル相手の下手な横槍は利用される可能性がある以上、下がらせる必要があった。
ゴウッ!
唐突に、青龍偃月刀が大きく振るわれた。
その背後に、炎を、龍を、"ある男”を幻視する。
「シ協会2課、私の知り合いもいたが…行方は不明だ。何が言いたいか分かるか?」
ブォンブォンブォンブォン……。
片手で軽々しく回し続ける。次第に炎を吹き出し始める武器。
全身に緊張が走る。武器は違うが、その構え方はまるで……。
「…さぁ、分からんな。先に名乗っとくわ、親指のカポ、東部十剣が一人、
「月は沈んだ。なら、今は
ダァン!石突が地面に突き刺さり、周囲の建物が揺れる。
「リウ協会、
「太陽堕とせば、陽も月も消えて『
「やってみるといい。」
即座に振るわれた一撃。
弾いた隙に距離を詰め———
更に強力な斬撃が、レイホンごと辺り一帯を薙ぎ払った。
Q.どうしてあの子は9枚のチケットを使ったの?
A.それはな、娘。彼はどうやっても残り1枚のチケットを得られないと悟ったからだ。
あと一回引けば手に入る…。そんな期待を抱いて引いたんだ。
Q.なら、130狂気を追加して10連引けばいいのに。
A.しかし娘、よく考えてみるんだ。リンバスは、ガチャチケと狂気を同時に使える
よう出来ていない。だから、彼は単発9連するしかないんだ。
Q.……じゃあお父さん。あの子はいつ10連できるの?
A.ガチャチケを…取っておくんだ。いつか10連引けるまで。
Q.じゃあそれまで、ガチャ禁をするんだよね!やくそく!
A.(リカルドヒースを見て絶句する)
「……い。(財布が)寂しい。」