【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら 作:しきょーかい
チュノックンホンルかぁ
出血火傷呼吸か出血破裂呼吸であれ(強欲)
エンドゥイシュメールかぁ
出血火傷呼吸か出血破裂呼吸であれ(強欲)
え、なにこのEGO……知らん……怖……
運命というものが川のようなものだというのなら、レイホンは流され続けている。
ブラッドブルードのアーツによる幻を打ち砕き、さながら主人公のようにトントン拍子で進んでいく状況。
問題は、全てはアーミヤの持つ力による引力が生み出した流れということであり、自分は流れの勢いも、方向も、一切決めることは出来ないという事。
(まぁ、今更やな。暴れるんはいつも通り、やることやんのもいつも通りや。)
そう、問題は、
いつも通りのことでも、障害は強大だった。
「フンッ!」
血の海。
鮮血と汚血が混じり合い、彼の者を守るために障壁を築き上げる。
じゅうじゅうと音を立てて血が焼けるが、防御を突破するには至らない。
「惨め、そして哀れですね。吹けば飛ぶ命を、わざわざ捨てに来たのだから。」
「自分が狩られる側やと、気付くまで叩き切ったろか!?」
「無駄です。貴方の一撃では何度受けようとも、一切の意味を成さない。」
硬血によって生み出された剣、槍、槌……様々な武器が集中する。
空中に浮かぶ血の球は、異常なほどの引力を携えて、自らの持つ破壊力を誇示している。
「立ち塞がる者たち。一人は純潔なる血脈を持つ者で、未だ幼い弔鐘の主。もう一人は簒奪された『魔王』。……そして、貴方だけが、無関係で、無価値なのですよ。」
「せやな。で、今更どうしろっちゅうんや?」
「大人しくその命を差し出せば、苦しまずに心臓を止めて差し上げましょう。」
「アホか。」
穏やかな空、穏やかな海、穏やかな星々。
その一区画だけ、血で覆われている。炎と呪言、剣戟飛び交う戦闘が繰り広げられている。
「俺っちの知っとる血鬼と、少し違うくらいやな。」
「血鬼?……昇華された今の私に、それほど相応しくない名も無いでしょう。」
血の雨は降り続ける。
生物の形損ない、立ち上がることも満足にできない、哀れな生き物が生み出される。
蒼炎の軌跡が血へと還すが、場に満ちる血は減っているようには見えなかった。
「レイホンさん、来ます!」
「異種族の魔王よ。私が今もあなたを殺さないでいるのは、遺す言葉を考える時間を与えているに過ぎない。……それにすら気づかないのですか?」
血の球が弾ける。
光線のように放たれた、圧縮された血の線を叩き落とし、追撃として放たれた槍を破壊した。
更に血が満ちる。
「『我の言葉は、則ち我が定めしものなり。風雨の暇、うぬらは流動するに能わず。』」
ロゴスの呪言が響く。雨が止んだ。
体力を着実に削っていた血は空中で静止し、コートに弾かれる普通の血となる。
ブラッドブルードの大君は一切動じない。レイホンもまた、変わらずに攻撃を続ける。
「規定した所で、血の主は私であることをお忘れなく。」
「いいえ、血を頂くのはあなただけではないでしょう。」
指輪が一つ、砕け散った。
再び動き出す血が、明らかに意志を持ってアーミヤの下へ集う。
血の海の水位が下がり、蒼炎の剣は螺旋を描く
「
「アーミヤ!」
「……問題ありません、次に備えるぞ。」
「……簒奪者が紛い物の力、それも見様見真似で、私に対抗するというのですか。———侮辱ですね。」
真横に振り抜き、ブラッドブルードの大君の突きを払う。
互いに距離を取った。
なけなしの猛虎標弾を出し惜しみせず、空の弾倉に詰め込んだ。
ベルトにあるのは6発。丁度弾倉一つ分だ。
チャキッ、ガシャン!
同時に
仄かな光が身を包み、血よりも明るい紅へと塗り替わる。
「そんじゃ、早速デカいのブチかますさかい、手伝ってくれると助かるわ。」
「援護に回ろうぞ、アーミヤ。」
「了解。———貫かせていただきましょう。」
あらゆる血を用いて、血の槍は強化され続け怪しく輝く。
踏み込む為に用意された硬血の台座も、彼女の纏う血のマントも、ブラッドブルードの大君は干渉できていない。その事実が相手を更に苛立たせ、レイホンへ向ける意識の度合いを減らしていく。
台座が誰のために作られたのか、理解しているというのに。
「———フンッ!」
弾丸を放ち、振り下ろした一撃は、一点の汚れなき白い服を焦がし、焼き切っていた。
一瞬遅れて防ごうとした為、生み出される前の盾の欠片が舞い散る。
気味の悪い瞳孔が開き、次に狙う場所は何処かと思考しているのが分かった。
血を巡らせる大君。身体が強化され、有効打が与えられなくなるよりも速く、ガラ空きの胴を切り抜けた。
「……ッ、その、色は。」
「考えとる暇あるんかァ!?」
身を翻し、屈んで天退星刀が火を吹く音を聞く。
撃鉄を引いて弾丸を放つと同時に、目の前に近づいた大君の身体を袈裟に斬り、振り向こうとした相手の背後に回った。
守備の為か、至る所から血の棘が生え、謎の波動とともに大量の眷属が生み出される。
ただでさえ生物以下だったものは、更に醜く、血に染まって食らいつこうとする。
「———割けるがよい」
「『我は許さぬ。路端の石屑が如く、砕けよ』。」
それらがレイホンの行動を阻害するよりも先に、巨大な鋏が眷属を一掃し、呪言が棘を砕く。
切り拓かれた道、互いの一歩で間合いに入る。
「狂った獣め……!」
「狂っとらんなら、大人しく引っ込んどくべきやったな!!!」
昇華された
手刀が首を貫こうと突き出され……下からの振り上げにより、
残弾は残り一発。
光の輪が1つ、存在を示す。
退がろうとしたブラッドブルードの大君へ、アーミヤの構えた血の槍が追撃した。
「
「『我が発する、我が定める。汝ら、流動すること無かれ。』」
レイホンが通る道。先にアーミヤが突撃し、大君は血の壁で止める。
ロゴスの口で紡がれた言葉は、下がろうとする敵の動きを止めた。
ボボボ……ボウッ!!!
炎と共に、光の輪が2つ、存在を示す。
「お前に構っている余裕は……ないのですよ!」
「くっ!」
血の壁から幾本もの棘が生み出され、固定された血は再び流れ始める。
弾かれるように吹き飛んだアーミヤの手には、既に槍の姿はなかった。
そして光の輪が3つ、存在を示した。
ドンッ!
「何処に———」
「ジィアッ!!!!!」
揺れる世界。垣間見える空間の狭間。
血の壁を打ち砕き、咄嗟に庇おうとした腕を切り落とし、気味の悪い目も、皺のある顔も、焦げ跡のついた服も、
大君の身体は崩壊していく。塵と化して、血へと還る。
「第2ラウンドやな。虎に喰われた気分はどうや?」
「———余程、苦しんで死にたいと見える。」
「まだ終わっておらぬぞ。これより正念場故に……構えよ、アーミヤ、レイホン。」
何かが砕け散った残骸のある場所。
そこに、表情から余裕が消え、先程と変わって赤黒い血のオーラを纏った大君がいた。
これまでに与えてきた一切の傷はなく、万全の姿で立つ相手を前に、薬莢を全て排出する。
「力が余ってしゃあないわ、最後まで付き合えや。名前……まぁ蛭でええか。」
「……まず、お前から殺します。」
笑顔でベルトから全ての弾丸を抜き取り、弾倉に込めた。
無尽蔵の血は枯れる気配がなく、勝利もまた、血の海の下に隠れ続けている。
(不思議と負ける気がしないんよな!)
敵の肉を抉り抜き、出血させることだけを考えて作ったような槍を弾く。
黒いコータスが並び立ち、蒼炎が辺りを照らし出す。
「蒼き龍、紅の虎、哀悼の主……血吸い蛭。お前だけ弱っちく見えるわ。はは。」
「……その程度の挑発に、私が乗るとでも?」
「効いとるやんけ、無駄に歳とったジジイは隠し事が下手やな。」
周囲の血が、大君の元へ集約していく。
血の色に染まった目は、レイホンのみを見据えていた。
血とアーツで構成された、破壊を目的とした球体。
ボジョカスティが用いていたような巫術と似た、身体を蝕む血の霧。
「私の名はドゥカレ。ブラッドブルードの大君、全ての血を統べる者。殺す前に名を聞いておきましょう。獣に名乗る名があれば、ですが。」
「やっと名乗ったわ。……我が名はレイホン。親指のカポにして、東部十剣が一人。覚悟せぇや、今日、サルカズ王庭の主が一人沈むことになるからな。」
「大言壮語。どこまで続くのか気になりますね。……っ。」
惜しまずに弾丸を放ち、背後に回って斬りつける。
即座に血が固まり、硬血の甲冑が背中を守った。
「死人に口なし、死ぬまで。口で殺す気やないんなら、さっさ掛かってこいや。」
切り返しの一撃が甲冑を破壊し、振り向きざまの一撃と天退星刀が激突する。
敵は一人のブラッドブルード。
真の戦いの幕が、今上がった。
コラボで人間(?)をEGOで抽出していたので
理論上は可能ということをファウストと皆さんはご存知です
鏡の世界をいくら見ても可能性がない?
ほなEGOで抽出すればええか……
既存人格の底上げ出来るの良いね、船長イッシュも出来そう
分からないのか?こいつらはもはや「イシュメール」だ。
私の憎悪を自分の憎悪とみなし、
私の仇を自分の仇とみなし、
いかなるものにも逆らえぬ、私の銛!
ちょっと見てみたいかも、ガスハープーンイシュメール