【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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チュノックンホンルかぁ
出血火傷呼吸か出血破裂呼吸であれ(強欲)

エンドゥイシュメールかぁ
出血火傷呼吸か出血破裂呼吸であれ(強欲)

え、なにこのEGO……知らん……怖……




第87話

 

 

 運命というものが川のようなものだというのなら、レイホンは流され続けている。

 ブラッドブルードのアーツによる幻を打ち砕き、さながら主人公のようにトントン拍子で進んでいく状況。

 問題は、全てはアーミヤの持つ力による引力が生み出した流れということであり、自分は流れの勢いも、方向も、一切決めることは出来ないという事。

 

(まぁ、今更やな。暴れるんはいつも通り、やることやんのもいつも通りや。)

 

 そう、問題は、勢い(・・)を決められない。

 いつも通りのことでも、障害は強大だった。

 

「フンッ!」

 

 血の海。

 鮮血と汚血が混じり合い、彼の者を守るために障壁を築き上げる。

 じゅうじゅうと音を立てて血が焼けるが、防御を突破するには至らない。

 

「惨め、そして哀れですね。吹けば飛ぶ命を、わざわざ捨てに来たのだから。」

 

「自分が狩られる側やと、気付くまで叩き切ったろか!?」

 

「無駄です。貴方の一撃では何度受けようとも、一切の意味を成さない。」

 

 硬血によって生み出された剣、槍、槌……様々な武器が集中する。

 空中に浮かぶ血の球は、異常なほどの引力を携えて、自らの持つ破壊力を誇示している。

 

「立ち塞がる者たち。一人は純潔なる血脈を持つ者で、未だ幼い弔鐘の主。もう一人は簒奪された『魔王』。……そして、貴方だけが、無関係で、無価値なのですよ。」

 

「せやな。で、今更どうしろっちゅうんや?」

 

「大人しくその命を差し出せば、苦しまずに心臓を止めて差し上げましょう。」

 

「アホか。」

 

 穏やかな空、穏やかな海、穏やかな星々。

 その一区画だけ、血で覆われている。炎と呪言、剣戟飛び交う戦闘が繰り広げられている。

 

「俺っちの知っとる血鬼と、少し違うくらいやな。」

 

「血鬼?……昇華された今の私に、それほど相応しくない名も無いでしょう。」

 

 血の雨は降り続ける。

 生物の形損ない、立ち上がることも満足にできない、哀れな生き物が生み出される。

 蒼炎の軌跡が血へと還すが、場に満ちる血は減っているようには見えなかった。

 

「レイホンさん、来ます!」

 

「異種族の魔王よ。私が今もあなたを殺さないでいるのは、遺す言葉を考える時間を与えているに過ぎない。……それにすら気づかないのですか?」

 

 血の球が弾ける。

 光線のように放たれた、圧縮された血の線を叩き落とし、追撃として放たれた槍を破壊した。

 更に血が満ちる。

 

「『我の言葉は、則ち我が定めしものなり。風雨の暇、うぬらは流動するに能わず。』」

 

 ロゴスの呪言が響く。雨が止んだ。

 体力を着実に削っていた血は空中で静止し、コートに弾かれる普通の血となる。

 ブラッドブルードの大君は一切動じない。レイホンもまた、変わらずに攻撃を続ける。

 

「規定した所で、血の主は私であることをお忘れなく。」

 

「いいえ、血を頂くのはあなただけではないでしょう。」

 

 指輪が一つ、砕け散った。

 再び動き出す血が、明らかに意志を持ってアーミヤの下へ集う。

 血の海の水位が下がり、蒼炎の剣は螺旋を描く硬血(紅血)の槍へと姿を変えた。

 

血を(pileul)……。」

 

「アーミヤ!」

 

「……問題ありません、次に備えるぞ。」

 

「……簒奪者が紛い物の力、それも見様見真似で、私に対抗するというのですか。———侮辱ですね。」

 

 真横に振り抜き、ブラッドブルードの大君の突きを払う。

 互いに距離を取った。

 なけなしの猛虎標弾を出し惜しみせず、空の弾倉に詰め込んだ。

 ベルトにあるのは6発。丁度弾倉一つ分だ。

 

チャキッ、ガシャン!

 

 同時に(シン)を使用する。

 仄かな光が身を包み、血よりも明るい紅へと塗り替わる。

 

「そんじゃ、早速デカいのブチかますさかい、手伝ってくれると助かるわ。」

 

「援護に回ろうぞ、アーミヤ。」

 

「了解。———貫かせていただきましょう。」

 

 あらゆる血を用いて、血の槍は強化され続け怪しく輝く。

 踏み込む為に用意された硬血の台座も、彼女の纏う血のマントも、ブラッドブルードの大君は干渉できていない。その事実が相手を更に苛立たせ、レイホンへ向ける意識の度合いを減らしていく。

 台座が誰のために作られたのか、理解しているというのに。

 

「———フンッ!」

 

 血で隠れた骨(不安定な足場)ではなく、硬血で生み出された台座を踏み砕き、前方へと跳躍。

 弾丸を放ち、振り下ろした一撃は、一点の汚れなき白い服を焦がし、焼き切っていた。

 一瞬遅れて防ごうとした為、生み出される前の盾の欠片が舞い散る。

 

 気味の悪い瞳孔が開き、次に狙う場所は何処かと思考しているのが分かった。

 血を巡らせる大君。身体が強化され、有効打が与えられなくなるよりも速く、ガラ空きの胴を切り抜けた。

 

「……ッ、その、色は。」

 

「考えとる暇あるんかァ!?」

 

 身を翻し、屈んで天退星刀が火を吹く音を聞く。

 撃鉄を引いて弾丸を放つと同時に、目の前に近づいた大君の身体を袈裟に斬り、振り向こうとした相手の背後に回った。

 

 守備の為か、至る所から血の棘が生え、謎の波動とともに大量の眷属が生み出される。

 ただでさえ生物以下だったものは、更に醜く、血に染まって食らいつこうとする。

 

「———割けるがよい」

 

「『我は許さぬ。路端の石屑が如く、砕けよ』。」

 

 それらがレイホンの行動を阻害するよりも先に、巨大な鋏が眷属を一掃し、呪言が棘を砕く。

 切り拓かれた道、互いの一歩で間合いに入る。

 

「狂った獣め……!」

 

「狂っとらんなら、大人しく引っ込んどくべきやったな!!!」

 

 昇華された(アーツ)、血で強化された肉体。

 手刀が首を貫こうと突き出され……下からの振り上げにより、(ひしゃ)げた。

 残弾は残り一発。

 

 光の輪が1つ、存在を示す。

 退がろうとしたブラッドブルードの大君へ、アーミヤの構えた血の槍が追撃した。

 

仲間(家族)の為、退いてもらいましょう。」

 

「『我が発する、我が定める。汝ら、流動すること無かれ。』」

 

 レイホンが通る道。先にアーミヤが突撃し、大君は血の壁で止める。

 ロゴスの口で紡がれた言葉は、下がろうとする敵の動きを止めた。

 

ボボボ……ボウッ!!!

 

 炎と共に、光の輪が2つ、存在を示す。

 

「お前に構っている余裕は……ないのですよ!」

 

「くっ!」

 

 血の壁から幾本もの棘が生み出され、固定された血は再び流れ始める。

 弾かれるように吹き飛んだアーミヤの手には、既に槍の姿はなかった。

 そして光の輪が3つ、存在を示した。

 

ドンッ!

 

「何処に———」

 

「ジィアッ!!!!!」

 

 揺れる世界。垣間見える空間の狭間。

 

 血の壁を打ち砕き、咄嗟に庇おうとした腕を切り落とし、気味の悪い目も、皺のある顔も、焦げ跡のついた服も、巧妙に(・・・)隠されていた(・・・・・・)玉座(・・)ごと、全て叩き斬った。

 大君の身体は崩壊していく。塵と化して、血へと還る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「第2ラウンドやな。虎に喰われた気分はどうや?」

 

「———余程、苦しんで死にたいと見える。」

 

「まだ終わっておらぬぞ。これより正念場故に……構えよ、アーミヤ、レイホン。」

 

 何かが砕け散った残骸のある場所。

 そこに、表情から余裕が消え、先程と変わって赤黒い血のオーラを纏った大君がいた。

 これまでに与えてきた一切の傷はなく、万全の姿で立つ相手を前に、薬莢を全て排出する。

 

「力が余ってしゃあないわ、最後まで付き合えや。名前……まぁ蛭でええか。」

 

「……まず、お前から殺します。」

 

 笑顔でベルトから全ての弾丸を抜き取り、弾倉に込めた。

 無尽蔵の血は枯れる気配がなく、勝利もまた、血の海の下に隠れ続けている。

 

(不思議と負ける気がしないんよな!)

 

 敵の肉を抉り抜き、出血させることだけを考えて作ったような槍を弾く。

 黒いコータスが並び立ち、蒼炎が辺りを照らし出す。

 

「蒼き龍、紅の虎、哀悼の主……血吸い蛭。お前だけ弱っちく見えるわ。はは。」

 

「……その程度の挑発に、私が乗るとでも?」

 

「効いとるやんけ、無駄に歳とったジジイは隠し事が下手やな。」

 

 周囲の血が、大君の元へ集約していく。

 血の色に染まった目は、レイホンのみを見据えていた。

 

 血とアーツで構成された、破壊を目的とした球体。

 ボジョカスティが用いていたような巫術と似た、身体を蝕む血の霧。

 

「私の名はドゥカレ。ブラッドブルードの大君、全ての血を統べる者。殺す前に名を聞いておきましょう。獣に名乗る名があれば、ですが。」

 

「やっと名乗ったわ。……我が名はレイホン。親指のカポにして、東部十剣が一人。覚悟せぇや、今日、サルカズ王庭の主が一人沈むことになるからな。」

 

「大言壮語。どこまで続くのか気になりますね。……っ。」

 

 惜しまずに弾丸を放ち、背後に回って斬りつける。

 即座に血が固まり、硬血の甲冑が背中を守った。

 

「死人に口なし、死ぬまで。口で殺す気やないんなら、さっさ掛かってこいや。」

 

 切り返しの一撃が甲冑を破壊し、振り向きざまの一撃と天退星刀が激突する。

 敵は一人のブラッドブルード。

 真の戦いの幕が、今上がった。

 

 





コラボで人間(?)をEGOで抽出していたので
理論上は可能ということをファウストと皆さんはご存知です
鏡の世界をいくら見ても可能性がない?
ほなEGOで抽出すればええか……

既存人格の底上げ出来るの良いね、船長イッシュも出来そう
分からないのか?こいつらはもはや「イシュメール」だ。
私の憎悪を自分の憎悪とみなし、
私の仇を自分の仇とみなし、
いかなるものにも逆らえぬ、私の銛!

ちょっと見てみたいかも、ガスハープーンイシュメール
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