【完結】もしもどこぞの都市のカポがアクナイの世界に転生したら   作:しきょーかい

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オペレーターズ4巻を読んだ感想
ふむ、どうすればアスカロンとかくれんぼができますか?
やっぱりサルカズは貧しくないんだ、胸と太腿が語っている。

P5Sの大阪ジェイルをクリアした感想
曲が良すぎる…!これが…ペルソナだ……!

温度差で風邪引きそう



第92話

 

 何かが浮かび上がる。

 そして、遠い誰かの記憶ではなく、自分の記憶だと理解した。

 幼い頃の自分が、眠気に耐えてテレジアに質問している。

 

「『む   か 、大      漠      、    れ        。      し 。い         、 説              ん ……』」

 

 酷いノイズだった。

 しかし、その状況が当たり前であるかのように場面は再生される。

 

「テレジアさんは、いつも結末を話してくれませんよね……。   さんも、私にだけ結末を教えてくれません。一緒に読み聞かせを聞く、他の人には最後まで読んであげるのに……。」

 

「   も……。そうね、本当に恐ろしい結末なら、眠れなくなるでしょうから。」

 

 自分が言った者の名前も、苦笑するテレジアが言った名前も、ノイズが走る。

 いや、ノイズと言うよりは"空白"だった。何かがあったはずなのに、何かがないと疑問を持つこともできない。

 いくら大切なものであろうと、価値のない記憶に成り下がるしかなかった。

 

 かつての魔王たちの記憶も、こうやって切り刻まれたとするなら。……自分が行ったことは、あまりにも残酷な事なのではないかと思ってしまう。

 必要だったとはいえ、彼らが継承してきた『存続』のための意志を消し去ったのではないか、と。

 今の自分には、それを確かめる術はない。消えずに残ったものもあれば、欠片すら残さず消えたものもあるのだろう。

 

「……おやすみなさい、アーミヤ。いい夢を。」

 

 自分がどうやって部屋に戻ったか覚えていなかった。その晩、自分は安らかに眠ったのだろうか?あの話は結局どういう内容で、どんな結末を迎えたのだろうか?

 ……深く考えることもできそうになかった。

 

 一人の記憶が切り刻まれることは、一つの家庭や都市、文明が目の前で破滅することよりも重いことなのか?

 そんな疑問と共に、源石特有の鈍い煌めきと共に空間は崩壊していき、繋がりは途絶えた。

 

 

 

===

 

 

 

 血を落とし、枯れた薔薇をデルフィーンに渡し、巨大な骸骨がライフボーンという名だと知って……ロドス達とともに飛び立った後、異変が起こる。

 

(いやまぁ、知っとったけどな。そう簡単にはやらせてくれんやろ。)

 

 残念だが、流れから逃れられるものはそうはいない。

 流れに乗せられた状態で、急に止まったらどうなるか。答えは一つしかなかった。

 

「Mon3ter、ドクターを守れ。」

 

「(嬉しそうな鳴き声)」

 

「なんか少し前もこんな感じやったなぁ、二度目の墜落や、はは。」

 

「とんだ厄病神じゃない!アンタだけ落ちなさいよ!」

 

「言ってる場合!?頭でも守っときなさい!」

 

 慣性によって、更に先へと吹き飛ぶ。

 落ちぶれた者が上を目指そうとしても、勢いを押し殺すことしかできないように。

 唯一知る生き方を変えようとしても、心が折れて受け入れることしかできないように。

 自分の欲に従って行動したのなら、ことが終わった後に皮を被っても遅いように。

 

 力を示した今、出来ることは最後まで見届けることだけだ。

 

 

 

———

 

 

 

 遥か遠くに見える、ザ・シャードを中心として源石が周囲の物質を侵食していく。

 専門家ではない為分からないが、侵食というよりも置換という言葉のほうが近いのかもしれない。

 一本の葉巻を取り出し、端を噛みちぎってプッと吐き捨てた。

 

「随分とええ眺めやな。テルツォ、火。」

 

「……どうぞ。」

 

 浮遊するライターが、咥えたシガーの先をジリジリと炙る。

 都市だろうと、軍だろうと、戦艦だろうと喰らい尽くす様は圧巻の一言だ。

 

「はぁ……。『運命』なんてモンに縛られとるんか、難儀なもんやな。俺っちもやけど。」

 

 運命とは、人や物事に定められた傾向と結末のこと。

 そう言い切ったドクターは守られていながらも、誰よりも前を歩んでいる。

 この場でもっとも生存率が高いのはドクターの指揮下だ。そう判断し、穴を埋めようと骸骨の元でクロージャたちの護衛を行おうと進言したところ、ケルシーに却下された。

 

『君は疲弊しているとは言え、未だに私たちが持てる大きな戦力の一つだ。アスカロンとMiseryがいる以上、君は過剰防衛となり得る可能性がある。共に来るのが最も良い判断だ、報酬はしっかり払う、心配する必要はない。』

 

 特に文句もなく、報酬の心配もしていないが、数名の部下を防衛の方に持っていかれたのが痛い。

 ファウストやメフィストは置いてきているため、喪っても痛くない雑兵が大半ではあるが、戦闘中の弾丸支給を行える部下が減ったのは継戦能力に関わってくる。

 

(久しぶりにフェンの嬢ちゃんに挨拶できそうやったのにな)

 

 薄ら寒い気配を感じた方へ、即座に抜刀して振り抜いた。

 周囲のオペレーターやドクターたちにも分かるよう、弾丸を放つ。

 源石に半ば置換された汚泥の中に、黒い衣で朽ちた肉体を包んだ何者かが立っていた。

 

「……死が、お前に追いついた。」

 

「一度逃げ切ったんやし、もう一度逃げられるやろ。」

 

 振り下ろされた大剣と撃ち合う。

 大剣は錆だらけで、まともに迫り合うこともできず、半ばから切断された。

 それでも平然とする相手から、死を伴った腐臭が漂う。

 

「霊骸布。……ナハツェーラーか。———Mon3ter、ドクターを守れ。」

 

「出来れば!俺っちの方に!手ェ回して欲しいわ!」

 

 折れた大剣を捨てた遺骸は、泥沼から新しい大剣……変わらず錆びた大剣を抜いた。

 同時に、周囲から同じような姿をした者たちが現れ、腐臭がさらに濃くなる。

 振り下ろし、横斬り、斬り上げ。それぞれ躱し、撃ち落とし、カウンターとして斬り抜けた。だが、手応えが薄い。

 

「……斬り難いわ。このガスも碌なモンやなさそうやし、近接やなくて射撃に切り替え。推進弾じゃ布も貫けんやろうし……大して変わらんやろうけど、火炎弾でサポートやな。」

 

「はっ、伝達します。」

 

「戦闘中すまぬが、我らの撤退を阻む結界を破るのに少々手間取る。それまで、時間稼ぎを頼む。」

 

「仕留めんくてええなら、少しはマシになるか?誤差やな。」

 

 炎の勢いは泥に塗れた布に阻まれ、満足できるものとは程遠い。

 リウの炎でもあれば彼らを焼き尽くすことも出来るのだろうが、彼らはヴィクトリアから撤退したという情報が入っている。仕方がなく、隠し札である"煙”の参戦を命令した。

 

「足止めでええ、そういうの得意やろ?」

 

「何秒だ?」

 

「2秒。」

 

「了解した。」

 

 霧に乗って、明らかに霧よりも濃い煙が辺りを包み始める。

 黒い刃が衣を引き裂いた瞬間をしっかりと見届け、中のナハツェーラーにダメージを与えられると判断してから朴刀を振るった。

 

「———全ては、煙の中に。」

 

「……また一人、死が追いついた。」

 

「追いつかれたのはお前や。そんなチンケなモンで逃げられるわけ無いやろ。」

 

 炎と共に遺骸を切り捨て、切り裂かれた布が宙を舞い、一段と濃くなった腐臭ごと遺骸を焼き切る。

 起き上がることのない遺骸を踏みつけて、押し寄せるナハツェーラーの足止めをするクラウンスレイヤーに続き、跳躍して朴刀を振り下ろした。

 

「歩みを止め、死を受け入れろ。」

 

「止まるのはうぬらの方だ。沈め、歩みを止めよ。」

 

 浮遊する身体を泥沼に絡め取られ、武器を振るうことしかできないナハツェーラーと打ち合う。

 打ち合う度に火花が散ったが、それも数度だけ。古びた大剣は砕け散る。

 首を刎ねた。

 

「はぁ……公爵軍と()りあっとるやろうに、ようこっちに戦力割けるわ。」

 

「戦争でナハツェーラーに勝る戦士はそういない。その理由は彼らの貪食、貪婪さにある。性質として現れるまでに至った彼らにとって、戦場の死は彼らの力を増幅させるエネルギーに過ぎない。戦場さえあれば、彼らは再び剣を持って戦いに望むのだ。」

 

「長い解説助かるわ。…フンッ!」

 

 数人倒した頃には、それよりも多くのナハツェーラーが湧き出る。

 更に湧き出たナハツェーラーを倒し終わる頃には、布を完全に切断できていない者たちが立ち上がる。

 

(キリがないわ……この霧、腐敗を進める効果でもあるんか?あながち間違っても無さそうやな)

 

 疲れを知らず、幾度となく切り捨てても立ち上がるナハツェーラーと斬り結んでいたその時。

 

パキリ。

 

 ガラスに罅が入るような音がすると、背後にいるドクターたちが撤退を始めた。

 逃さないと前に進もうとするナハツェーラーたちを、朴刀で吹き飛ばす。

 

「ここは通行止めやな。ほれ、俺っちを殺してみろや。」

 

「なぜ挑発する……。」

 

「……。」

 

 クラウンスレイヤーの呟きを無視し、咥えた葉巻の灰を指先でトントンと落とした。

 丁度レイホンの足元から這い出たナハツェーラーの頭に灰が落ちる。

 いつの間にか、周囲を覆っていた霧は濃い煙に塗り替わっていた。進もうとするナハツェーラーは足を止め、的確に急所を狙って足止めをする何者に警戒している。

 

「……忘れるな、必ず死は、お前たちを捕らえるだろう。」

 

「当たり前のこと言うとるけど、覚えておく価値あるんか?」

 

「……。」

 

 言い放つと、一人、また一人と煙の中に消えていった。

 徐々に煙が晴れていくが、大量の人影はもう存在していなかった。

 

「帰ってったか、一人で相手すんのも厳しかったから助かったで。俺っちと同じぐらい素早い奴らやったし、決闘申し込まれたら危なかったわ。」

 

「先を急ぐぞ、ロドスは既に進んでいる。」

 

 クラウンスレイヤーと二人残され、ロドスの後を追おうとする前に忠告しておく。

 非常事態であろうと、ロドスのいない親指だけの場である以上、規律は正しておくべきだ。

 

「下顎砕かれたくないんなら、気安く口を開けるなや。」

 

「……了解。」

 

 弾丸を空いた弾倉に詰め込んで、臨戦態勢に入りながら沼地を駆ける。

 異常な姿に変貌した源石生物をいなしつつ、合流するために走り続けるのだった。

 

 





引き継ぎ、発表準備。
これらを終わらせ、遂に自由を手に入れるはずだった…。
しかしそれも、就活が足を引っ張り続けなければの話である。

やすみをくれ

(貰えたとしてもゲームで潰すので意味はない)
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