引退したいオールマイト vs 自首したいAFO vs 何も知らない緑谷出久   作:バケギツネ

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死柄木弔は助けに行きたい。

 

 

 

『おわ〜、緊張してきたな。弔は平気か?忘れもんないか?』

 

「うるせえな、集中させろ。」

 

 白霧との出会いから1月後、計画通りにウォルフラムへの強襲作戦が決行される。

 

 参加したメンバーは僕と白霧、そしてメカ脳無。個性・“金属操作”を持つウォルフラムをメタるため、今回のメカ脳無は全機が炭化ケイ素製なんだとか。勿論、用意してくれたのはドクターだ。

 

 一晩続いた死闘の末、何とか僕らはウォルフラムを確保し、現地ヒーローへと密かに引き渡す。

 

「白霧、今回はよくやった。感謝してるよ。」

 

『ハァ、ハァ。それなら次からは、もうちょい部下を大切にしてくれると助かるんですけどねー。』

 

 何はともあれ、ウォルフラムという本命は仕留めた。ドクターからの“追加注文”にも応えてやった。

 

 あとに残った仕事はその残党狩り。そして、奴のアジトからの戦利品調査だ。

 

 残念ながら、現場にあった奴らの記憶媒体内は物理的な損傷が激しく、今は白霧がデータを復旧されるのを待っている状態である。

 

『あーあ。誰かさんが大暴れしなきゃ、データの復旧にこんな時間がかかる事もなかったろうにな〜。』

 

「仕方ねえだろ!加減して勝てる相手じゃなかったんだ!」

 

 そんな時だ。

 

 先生が目覚めたというニュースが、僕らの元へ舞い込んできたのは。

 

「・・・マジか。」

 

 待ち望んでいた瞬間は、驚くほどにあっさりとやって来る。13年間も眠り続けていた先生がその意識を取り戻してくれたのだ。

 

 身体機能の多くを失ってはいるらしいが、ドクター印の機械によってソレも補えているらしい。

 

 本当に、先生が無事に目覚めてよかった。

 

『よーし。そうと決まれば、日本に帰るぞ!』

 

「な、白霧。お前何言って、」

 

『だって弔。大好きな先生が復活したんだぞ?こんな事やってる場合じゃない。お前だって、早く会いに行きたいだろ?』

 

 当たり前だ。今すぐにでも飛んでいきたい。先生には、言わなきゃいけない事が余りにも多すぎる。

 

 だが、

 

「それは、この仕事が片付いてからだ。」

 

『でもよぉ、』

 

「僕の憧れてる魔王は、自分の役目を途中で放り出したりはしない。今回のヤマは引っ掛かる事も多いしな。僕の私情は後回しだ。」

 

『ハァ〜。まったく俺のボスは、頑固というか、真面目というか。』

 

 それから僕らは、データの復旧を待ちつつ、ウォルフラムの関連組織を潰して回る生活を始めた。

 

 思っていた以上に、奴の息がかかっていた組織は多かったらしい。

 

 1つ組織を潰すごとに、次の標的が見つかってまたそこを潰す。するとまた、新たな標的が見つかり、潰しては見つかり、潰しては見つかり。

 

 サーチアンドデストロイアンドサーチアンドデストロイアンドサーチアンドデストロイアンドサーチアンドデストロイ・・・

 

 キリが無かった。

 

 そのまま3ヶ月が経とうとした頃だ。ようやくデータの復旧が終わったのは。

 

 それを確認していた白霧が、驚きの声をあげる。

 

『おっとっと〜。ウォルフラムの傘下組織がやたらと増えてたわけだ。奴さん、例の組織とズブズブだったらしいぜ。』

 

「ヒューマライズか。」

 

 それは、個性の進化で人類が滅ぶという“個性終末論”を信じ、個性所持者の撲滅を掲げるイカれた奴らの集まりだ。

 

 ちなみにだが、個性終末論を唱えたのはウチのドクターである。ホント何やってんだあのジジイ。

 

「おいおいワシは関係ないぞ。ヒューマライズは、確かにワシの論文を大きく評価しておる。見る目があって結構じゃ。しかしのぉ、奴らの最終目標はワシのソレとは相反する。ワシが目指すのはソフトに合わせたハードの進化、奴らが掲げるのはソフトごとハードをぶっ壊す事であって、」

 

「その話、長くなりそうか?」

 

 そんな話をドクターとしたっけ。

 

「とにかく。相手がヒューマライズとなると、途端に規模がデカくなる。なんせ奴らは世界中に支部があるからな。」

 

『このヤマ相当長引きそうだな〜。俺たちがAFOに会えるのはいつになるのやら。』

 

「先生へのいい土産話ができたと思って諦めろ。」

 

 そこからはまた抗争の日々だ。

 

 世界中を飛び回りながら、ヒューマライズの痕跡を辿り、支部を見つけては乗り込んだ。

 

 制圧を済ませた後にヒーローへと通報し、記憶媒体はとりあえず持ち帰る。

 

 そんな中で、俺たちはヒューマライズ内部での異変に気付く。

 

「白霧。何か匂わねえか?」

 

『ああ。ここんところ、ヒューマライズの人員配置が急激に替わり始めてる。これはあれだな。組織の“上‘でなんかあった時の動きだ。』

 

 その後も調査を続け、僕たちはようやく異変の核心へと踏み込んだ。

 

『ようやく見つけた!奴らの管理してた遺体の解剖記録だ。コイツを見てみろ。』

 

「この風貌は、間違いねえな。」

 

 白霧がピックアップしたのは、他の死体よりも念入りに刻まれていた、青肌が特徴的な遺体の写真。

 

『これでハッキリしたな。』

 

「ああ。ヒューマライズの指導者フレクト・ターンは殺されてる。」

 

『つまり今、ヒューマライズを纏めてるのは、先代を超える強さを持った新しい指導者様ってわけか。ったく笑えねえ冗談だ。』

 

 フレクト・ターンは、あらゆるものを反射する“リフレクト”の個性を備えた実力者。

 

 それを倒したとなると、新しい指導者はそれを凌ぐ力を持っていると考えていい。

 

「何者なんだ?ソイツは。」

 

 その後も調査を続けたが、新しい指導者の正体はハッキリとは分からなかった。

 

 ただ、収穫が無かったわけではない。

 

 新しい指導者は”中性的な青年”らしいという噂と、奴らが近いうちに何処かへ襲撃を行うという状況証拠を、掴む事ができた。

 

 そんなある時、 

 

『弔っち。こんな時にアレなんだが、ちょっと相談してもいいか?』

 

 白霧は、モヤに浮かぶ顔を申し訳なさそうに歪め、おずおずと俺に話しかけてきた。

 

 お調子者のアイツがこんな態度を取ること自体珍しい。

 

『実は俺、日本に呼び戻されそうなんだよ。その、AFOが俺のワープゲートを使いたいみてえでさ。』

 

「そうか。」

 

『そうかって。一緒に着いてこないでいいのか?ちょっと顔を出すだけでも、先生喜ぶと思うぞ?』

 

「何言ってる。ヒューマライズの襲撃計画はまだ全容が掴めてない。僕は残ってその調査に専念する。」

 

『じゃあ。せめて伝言くらいは、』

 

「・・・必要ない。いつか再会した時に、自分の口で直接伝える。」

 

『弔。お前また、無理してねえだろうな。』

 

「うっせえ、先生を待たせんな!早く行ってこい!」

 

 軽く竜巻を起こして、お節介なお目付け役を追っ払う。

 

『この意地っ張り野郎め!気が変わったらいつでも言えよこのヤロー!』

 

 そんな捨て台詞と共に、白霧はワープで先生の元へ行ってしまった。

 

 ここ一年、奴はずっと僕にベッタリとくっ付いていたから、1人になったのは久しぶりだ。

 

 話し相手がいないだけで、こんなにも世界は静かになるのだと、驚いている自分がいる。

 

 こうも静かだと色々と考え事をしてしまうな。

 

「僕はまた逃げてるだけなのか?」

 

 家族からも、先生からも。

 

 本当に大切だからこそ再び傷つける事を恐れ、何かと理由をつけては向き合う事を躊躇して。

 

「チッ、1人で考え事なんてするもんじゃねえな。」

 

 後ろ向きの思考を振り切るように、次の標的を目指して空を駆ける。

 

「やっぱ移動は不便だな、白霧がいねえと。」

 

 そんな事をボヤキながら、ヒューマライズの支部へと突っ込み、竜巻で次々と制圧していく。

 

 ここ一年の激務のおかげか、個性もだいぶ成長してきた。メカ脳無なしでも、こうして一支部を潰せるくらいには。

 

「あの〜、カレピとデートちてたら〜、なんか怪ちい人達が倒れてるの見つけちゃって〜、はあい!今いる場所は〜、」

 

 マスクに内蔵された変声機で声を弄って、地元ヒーローへの通報も済ませた。

 

 後は奴らから奪った記憶媒体を調べて、

 

「・・・これ、ビンゴか?」

 

 その中にあったのは、大量の偽造パスポートのデータ。それを使用したであろうヒューマライズの構成員は、全員日本へと派遣されていた。

 

「先生が白霧を呼び戻したのも、これが関係してるのか?」

 

 幸いにも、日本に派遣された構成員との通信記録も入手できた。それを辿り、日本における奴らの潜伏場所すらも特定できてしまった。

 

「余りにできすぎてるな。罠か?」

 

 今までずっと喉から手が出るほどに欲しかった情報が、次々と舞い込んでくる。

 

 それについては思うところがないでもないが、この事態を見過ごすわけにもいかなかった。

 

 奴らが日本で企てている襲撃計画が本当なら、事は重大だ。僕の家族にも危害が及ぶことだってあり得る。

 

「乗るしかねえか。おい、白霧。」

 

 マスクに内蔵された通信機で、お喋りな相棒へと呼び掛ける。

 

『へへっ、そろそろ通信が来る事だと思ってたぜ。やっぱりAFOに会いたくなったか?まー、お前がどうしてもってお願いする言うなら、俺が連れてってやらなくも、』

 

「ちげえよ黙ってろ。ヒューマライズは日本で何かしようとしてる。アジトも見つけた。罠かもしれねえが関係ねえ。乗り込むぞ。」

 

 ワープゲートによる奇襲で、日本に潜伏していたヒューマライズの手先達を強襲する。

 

 罠を警戒していた割には、連中はそれほど強くなく、アッサリと制圧が完了した。

 

「結局コイツら、何がしたかったんだ?」

 

『どうやら待機を命じられてたらしいぜ。雄英高校襲撃計画、とやらのためにな。』

 

「雄英?奴らの狙いはそこだったのか?」

 

『ああ、これを見てみろ。』

 

 白霧はアジトに残されていた電子機器を解析し、幾つかのデータを表示させる。

 

 そこには、教師陣と“1-A組生徒“のプロフィール・個性の詳細が収められていた。

 

『1-Aだけ調査が詳細すぎるな。ヒューマライズの狙いはこのクラスと見て良いだろうな。』

 

「どうして奴らがそんな一クラスに拘る?有望株でもいるのか?」

 

『いるんだな〜、これが。』

 

 白霧は一枚の写真を示す。そこに写っているのは、オールマイトのに画風がソックリな緑髪の少年だった。

 

「コイツはっ!?」

 

『緑谷出久。オールマイトの息子っていうのが公然の秘密だ。この子の入学と同時に、オールマイトは教師として雄英に赴任してる。』

 

「職権濫用、極まれりだな。」

 

『オールマイト相手だと、露骨に態度に出るよな〜、弔っちって。』

 

「うるせえ。」

 

 嫌いなもんは嫌いなんだ。こればかりはどうしようもない。

 

『他にもNo.2ヒーローにして、オールマイトの大親友としても有名なエンデヴァーの三男・轟焦凍 。”敵御用達“の仇名で良くも悪くも有名人な爆轟勝己。まあ、ある意味粒揃いだからな。』

 

「ヒューマライズに狙われるのも、納得の顔ぶれってわけか。」

 

『まったく、AFOはどこまで読んでいたんだか。』

 

「ん?」

 

『聞いて驚くなよ?俺はついさっき、先生を送り届けて来たんだ。それがどこだと思う?雄英だよ。』

 

「それって、つまり。」

 

『AFOは全部お見通しだったってわけだ。雄英に乗り込んだのは、ヒューマライズの襲撃計画を狂わせるためなんだろうな。お陰で奴らは混乱して、襲撃に踏み切れないまま、こうして俺たちに制圧された。』

 

「だとしたら先生は、僕たちはどう動くかまで、完全に把握してた事になる。」

 

『うーーん。流石に考えすぎか?』

 

「いや、先生の事だ。それくらいじゃ驚かねえよ。」

 

 ドクターから先生の全盛期の話を聞いた事がある。

 

「先生のもっとも恐ろしいところ。それは武力ではなく知略じゃ。彼の行動は全てが計算尽く。一見、AHO(アホ)の奇行に見えたとしても、その全てが最善手だったと後に気付かされるんじゃ。相手にしてみれば、たまったもんじゃないだろう。わけの分からんまま、気が付けば詰んでいるんじゃからな。」

 

 あの時は流石にドクターも話を盛りすぎだろうとか思っていたが、今回の件を知れば納得の評価だ。

 

 常人の理解など到底及ばない深謀遠慮。

 

 この13年で、少しは僕も彼に近づけていると思っていたが、とんでもない思い上がりだった。

 

 まだまだ魔王の背中は遠い。

 

「ちなみに白霧。先生を迎えに行かないでいいのか?もうあの人が、雄英に残る理由もないだろ。どういう手筈になってるんだ?」

 

『いやそれがさ。妙な話なんだが、』

 

 白霧は更なる情報を求めて、アジト内の未解析の機材を弄りながら、先生との会話について教えてくれる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『俺も先生に付き添って、いつでも逃げれるよーに、準備しとくか?』

 

『い、いや。付き添いも必要ないし、合図が来た瞬間、直ぐにワープゲートで僕を転送し、その後すぐに閉じちゃってくれ。迎えも要らない。』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 先生は白霧に対し、そんな風に命じていたらしい。

 

「どうなってる?先生はどうやって雄英から逃げるつもりなんだ?」

 

『まあ、何か考えがあるんだろうぜ。あのAFOのことだし!でも、』

 

「どうした?」

 

『いや、ドクターの様子が、ちょっと気になってな。』

 

 白霧の話によると、あのドクターが先生に土下座までしたらしい。

 

 胸騒ぎがするからと、病み上がりの身体で雄英へと乗り込む先生を心配し、己の命を賭けてまで助力を願い出たというのだ。

 

『ドクターの思い込み、だとは思うんだけどな。』

 

「・・・・・・」

 

 確かに先生は強く聡い。でも、どこか危ういところがある。

 

 初めて出会ったあの日だって。普段は明るく朗らかな先生が、時折、悲しげに遠くを見つめる時があった。

 

 失った何かを憂い、それを追いかけるようにして、魔王としての終幕を望んでいる。そんな風に見えてしまう時があったのだ。

 

「先生、アンタは何を考えてるんだ?」

 

 僕まで嫌な予感がしてきた。

 

 もしかしたら先生は、またあの夜のように、自分自身を犠牲にして何かを為そうとしているんじゃないか。そんな気がしてならない。

 

『あれ?おい、弔!こっち来い!』

 

 アジトのモニターを弄っていた白霧が、驚きの声をあげる。

 

『セキュリティーがやたらと固いなと思ったら。このモニター、とんでもない映像をリアルタイムで受信してる。』

 

 モニターに映るのは、数百台のカメラによる学校内部の中継映像だった。

 

『間違いない。ここは雄英だ。』

 

「分かるのか?」

 

『OBなんでな。これだけのカメラを仕込むとなると、外部からの犯行はまず不可能だ。ってなると、確実にいるだろ。雄英内部にヒューマライズ側の内通者が。』

 

 内通者、か。

 

 先生が自ら雄英に乗り込んだのは、その内通者を始末するためでもあったのかもしれない。

 

 そんな事を考えながら、数百の中継映像から先生の姿を探した。

 

「っ、おい、嘘だろ。」

 

 程なくしてそれは見つかった。

 

『これ、流石のAFOも、ヤベエんじゃねえのか?』

 

 僕の目に映るのは、オールマイトをはじめとしたプロヒーロー達に包囲された、絶体絶命の先生だった。

 

 あの人の隣には、いつの間にか目覚めたのかギガントマキアの姿もある。だが奴は、完全に無力化されていた。

 

 資料を読んだだけだが、あの巨人がいかに恐ろしい存在かはよく知っている。それを行動不能にまで追い込むとは。恐らくは、オールマイトにやられたんだろう。

 

 先生はヒーロー達に囲まれながらも、白い隔壁に身を包んで、何とかその追撃を凌いでいるようだ。

 

 あの隔壁の方も資料で存在は知っている。確か、先生自身が最終手段とまで言っていた、防御用の個性だ。

 

 そんなものを使わざるを得ない程に、先生は追い詰められているという事になる。

 

「白霧!一旦僕をドクターのとこへ飛ばせ!早く!」

 

『おう!』

 

 身体が勝手に動いていた。僕はワープゲートを潜り、1年ぶりにドクターの髭面と対面する。

 

「死柄木弔!?どうしていきなり、」

 

「説明は後だ、メカ脳無をありったけ起動しろ!先生が危ない!僕もアンタも、あの夜を繰り返す気はないだろう!?」

 

「・・・ああ。分かった。」

 

 余計な言葉は要らなかった。ドクターはすぐさま僕の意図を理解しくれる。

 

「安心せい。メカ脳無の起動ならとっくに済んどる。お主が来るずっと前からな。」

 

 彼の背後には、既に臨戦体制のメカ脳無100体。

 

 どうやらドクターは、先生に緊急用の個性を渡しただけでは飽き足らず、こんな備えまでしていたらしい。

 

「随分と準備がいいじゃないか。」

 

「当たり前じゃ。もう先生を失う気はないからのぉ。ワシなりに最善を尽くしとるだけじゃ。」

 

「どうする?ここまでやって、先生にとっては余計なお世話でしかなかったら。」

 

「その時はその時じゃ。寧ろそっちの方が喜ばしいわい。もしワシらが先生の力を見誤っていた時は、2人仲良く処罰でもされようじゃないか。」

 

 そう言って、ドクターはニィっと歯を見せる。

 

 このジジイは信用ならない男だが、少なくとも先生への想いについては、誰よりも信頼できる。

 

 僕たち皆んなは、AFOという1人のために、その意思を一つすることで、ようやく結束することができるのだ。

 

 敵連合とは、そういうおかしな組織なのである。

 

『おい弔!やべえって!オールマイトが、AFOの隔壁をぶっ壊しやがった!それもデコピンの風圧で!』

 

「ったく、化け物かっ!」

 

 相手はオールマイト。先生の仇ともいえる存在で、その強さについては言うまでもないだろう。だが、それを恐れて退く者に次の魔王は務まるまい。

 

 恐らく奴は、今度こそ先生の息の根を止めるつもりだ。そうはさせない。今度こそ先生を守り抜いてみせる。

 

「白霧。位置情報は憶えてるな?」

 

『ああ。乗り込むとしようぜ、雄英に!』

 

 こうして僕は、メカ脳無達と共に白霧のワープゲートを潜り、

 

「ゴボボボボボっボぼぼぼぼぼボッボッ!」

 

 その先にあった湖で溺れかけるのだった。

 

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