カヤさんで海賊女王を目指してもいいんでしょうか?   作:信濃信濃川

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第2話 修行と親

 月日が経つのは早いもので、メリーとギャバンに海賊女王宣言をしてから2年が経とうとしている。

 

 あれからというもの、私の起床時間は必ず夜明け前となってしまった。毎日、離れがたいほど誘惑してくる魅惑のお布団さんを何とかギリギリのところで跳ね除けている。

 

 そこから身支度を済ませたら、朝食の前に私自身を奮い立たせる時間。デスクに山のように積み上げて準備した紙を取って1分間書き殴る。自分のネガティブな思いの丈を。死ぬ、もうやめたい、メリーの鬼、ギャバンのサングラスぶち割りたい、肉なんか大嫌い、といった人に見せるわけにはいかない言葉をひたすら書き連ねていく。一種の浄化作業だ。

 

 そうやって吐き出した後にはまた新たな紙を取り出して今度はポジティブなことを書き殴る。海賊女王、絶対できる、前代未聞のことをやる、パンケーキ至高、ふわふわこそ正義、そんな言葉を書き連ねていき私の心を奮い立たせる。

 

 ここまでくると強烈な眠気も幾分か治まるので、更に新たな紙を取り出して今後の計画を書き殴る。ルフィよりも先に海へ出る、同じタイミングで出る、後にずらす等々、その時々で思考は様々に飛んでいく。

 

 3枚の紙に私自身の思いを書き殴った頃には頭の中もちょっと覚醒状態。後は食堂へ降りていき軽めに朝食を口にしながらその日のスケジュール確認だ。私が宣言をした翌日にはメリーが365日に渡る座学のカリキュラムでびっしりと埋まっているノートを渡してくれた。正直それにはドン引きしてしまったけれど。

 

 ただ、もっとドン引きしてしまったのは、ギャバンから言われたこと。カリキュラムみたいなものはないのかと問えば、そんなものはないと言われたわけで。その代わりに投げつけられた言葉がこれ。

 

「とにかく走れッ!!」

「とにかくでかい岩を抱えて動けッ!!」

「死にそうになるまでいって気絶しろッ!! 大丈夫だ、死にはしねェ!!」

 

 お嬢様に掛ける言葉としてはまったくもって不適切ではあるが、海賊女王になりたければ同意だとメリーにも笑顔で返されてしまった。

 

 「格闘において、基礎体力の無い者に教えられることなどありません。取りあえず戦ううえでの基礎体力を最低限身に付けてください。話はそれからです」

 

 そんな風に言われてはぐうの音も出ない。今の私は最低限の基礎体力すらないお嬢様。やるしかないのだ。

 

 「でも、きつい~ッ!!!」

 

 何度叫びながら草むらを走っていたか数知れない。最初の1年間は本当にきつかった。私から言い出しておいてアレだが、心底後悔していた。単純に体力的なものもあるけれど、屋敷へ戻る際の村の人からの視線を感じていたことも大きい。まだ小さいか弱そうに見えるであろうお嬢様が、突然死にそうになりそうなレベルで体を鍛え始めたのだから奇異な目で見たくもなるだろう。

 

 それでも走ることを止めはしない。まったく持ち上がらない大岩を持ち上げるのを諦めたりはしない。

 

 前の世界では何者でもなかった私。それなりに幸せを感じることはあったけれど、ふとした時に感じる憧れは消えやしなかった。もっとお金があれば、もっと仕事ができれば、とはいえ努力も出来なかった私。人生を先に進めば進むほど虚しさとやるせなさは襲い掛かってきた。

 

 私は既に1回死んでいる身なのだから、ここでは絶対にやりきる。何としてでもやりきる。

 

 逃げ出したくなる気持ちをギリギリのところで持ち堪えながらも積み重ねた2年、104週、730日。そこで実感したのは継続は口ほどに物を言うということ。ギャバンのような強者からすればまだたった2年でしかないのかもしれないが、されど2年なわけで、私の体が変化し始めていることを感じた。走っている途中で足裏の痛みに耐えかねて立ち止まることが減っていた。その分走る距離は長くなっている。大岩を持ち上げることはまだ出来ていないけれど、持ち上げられそうな感覚はある。

 

 そして、村人からは声を掛けられるようになった。

 

「あんた、すごいよッ!! 頑張ってるなッ!!」

「精が出るわねェ。お腹減ってるでしょ、私の作ったミートパイ食べるといいわッ!!」

「お姉ちゃん、私も走るよッ!!」

 

 おじさん、おばさん、小さい子供から笑顔で掛けられる言葉の数々によって、苦しさが楽しさへと変わってきているのだ。ミートパイじゃなくてパンケーキが欲しかったという思いもあるにはあるが、さすがにそんなことは言えないので大嫌いな肉が入っているけれど有難く頂いた。

 

 そんな村人との交流が生まれてくる前から、ウソップさんは私に対して何かと声を掛けてきてくれていた。たまねぎ、にんじん、ピーマンはまだこの世に生を受けていないので、まずはウソップさんから私に付いてきて洗脳作戦、いいえ教育作戦をじわじわと開始する。彼の場合、父親が海賊であるお陰なのか海賊に対する興味は殊の外高い。そんな矢先に起きた出来事があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体を鍛える修行漬けの毎日で中々時間を作れずにいて、ウソップさんと交流できないと当初は懸念を抱いていたが、それは杞憂だった。ウソップさんというのはこと人とのコミュニケーションにかけてはぐいぐい来てくれるからだ。

 

 午前中の修行を終えて午後に入る前にはお昼ご飯を食べるのだが、屋敷には戻らずに外で摂っている。メリーが持ってきてくれるのだ。そこへいつの間にかウソップさんも加わるようになり、ギャバンもここで昼食を摂るようになったので、中々賑やかなものとなっていた。

 

「メリー、今日は肉なのね?」

「何言ってんだよカヤ、今日もだろ」

「いやー、ウソップさん、現実逃避させてよー」

「お嬢様、ほらウソップ君はこんなにも美味しそうに食べてくれていますよ」

「相変わらずなんだが、お前のように肉を不味そうに食べる奴を俺は見たことねェよ。面白ェな、本当に」

「カヤにいいこと教えてやるよ。南の海にはパンケーキマンってヒーローがいてだなァ……」

「……大怪獣ニクニクギドラを倒してから肉も大好物になったって話だ」

「フフフッ、ウソップさんったら、どこでそんな話聞いたのー」

「でーも、私は今すぐパンケーキ食べた~いッ!!」

「お嬢様、その残った肉を召し上がってからです」

「そうだ、頑張れ。肉はウソ吐かねェぞ」

「カヤ、頑張ったらパンケーキマンが来てくれるんだ。多分な」

 

 日々面白可笑しくもお昼ご飯の時間を過ごしていたのだけれど、私が7歳の頃にウソップさんがパタリと来なくなった時があった。ついこの前までは「海賊が来たぞーッ」と毎朝村中巻き込んでの大騒動を起こしていたというのに。ただ、思い当たるところはあった。ウソップさんの母親であるバンキーナさんが亡くなったのだ。時間が経てばまた来てくれるかなとも思っていたが、1ヶ月経てどもウソップさんは姿を見せようとしない。

 

 心配になった私はその日、午後の修行を取り止めてウソップさんに会いに行った。

 

 あの時は1週間で戻ってきたんだけどなァ

 

 あの時というのはバンキーナさんが亡くなる少し前、ウソップさんの父親であるヤソップさんが海賊として海へ出て行ってしまった時のことだ。その時もパタリと昼ご飯時に来ないようになり、心配になっていたが1週間後には何事もなかったかのように現れた。

 

 私は心配だったので聞こうとしたのだが、メリーやギャバンがそのことには触れようとしないので、そういうものなのかと今まで通りに振舞うことにした。

 

 その頃からだったっけ、ウソップさんがやたらと海賊に興味を持つようになったのは。ギャバンが元海賊であることを知ると何かにつけて話を聞きに来るようになったらしい。もちろんギャバンが元ロジャー海賊団であることは知らない。私の場合は単刀直入に断言してしまったので否定はしなかったが、ギャバン本人は周りに対してヤーさんと呼ばせているらしい。

 

 とにかく、1か月も姿を見せようとしないのは心配だ。最近は毎朝の海賊だの大騒動も鳴りを潜めているらしくて、村の人たちも心配しているはずなのだ。

 

 ウソップさんの家は少し小高い丘の上にある。屋根から煙突が出ていて、私の屋敷に比べればこじんまりとしているが、よく手入れされている過ごしやすそうなお家だった。

 

 行ってみると今も変わらず手入れはされていた。周りの草が伸び切っていることもなく、家の横には薪が積まれていた。

 

 一人でもちゃんと生活はしているみたい。

 

 玄関扉の前に立ち、何度もためらってしまうが意を決してノックして、ウソップさんを呼んでみる。

 

 最初は何も反応が無い。でも物音はするのだ。中にいるはず。2回、3回と何度もノックして呼んでみる。

 

「カヤッ!! 来るなよッ!!」

 

 反応はあったけれど、それは拒絶だった。

 

「ウソップさんッ!! 何言ってるのよッ!! 来るに決まってるじゃないッ!! 心配なんだからッ!!!」

「放っておいてくれよッ!! お前は修行の時間だろッ!! こんなところで何やってんだよッ!! 早く戻れッ!!」

 

 取り付く島が無かった。とはいえ、修行に戻る気になどもちろんなれない。どうしようもなくなった私は取りあえず扉の前に座り込んで待ってみることにした。

 

 ただ待っているというのもアレだから、体を動かそうかとも思ったがそんな気分にもなれないので、ぼーっと何かを考えるしかすることはない。

 

 父親がいなくなり、それにようやく慣れたかと思えば母親が亡くなってしまう。よく考えなくとも私なら絶望しているかもしれない。ウソップさんがこうなってるのも仕方ない。むしろ、ちゃんと生活しているだけすごい。私なら廃人になっていてもおかしくない。バンキーナさんの教えが良かったんだろう。

 

 私も親子関係は何とかしないといけないのよねェ。

 

 修行をはじめてからもうすぐ2年が経とうとしているが、まだ海賊女王になりたいということを両親には伝えていないのだ。勢いでメリーとギャバンに宣言をして修行をはじめて、何をやっているのかについては両親も知ってはいるだろうが、なぜやっているのかを全く何も伝えていない。

 

 1週間続いたら言おう。1か月続いたら、3か月、1年、そうやってもう2年が経とうとしている。さすがに不味いなという思いはある。だが踏み出せない。

 

 本当の両親ではない。そんな思いがどこかにあるのかもしれない。メリーやギャバン、ウソップさんは前の世界で漫画越しに、アニメ越しに見知った存在ではあるが、言わば名も無き両親は遠い存在に思えてしまう。距離感が掴めないでいた。屋敷の中で生活をしていく上での最低限のコミュニケーションは取れているがそれ以上のものはない。

 

 そしてこれも踏み出せない理由なのかもしれないのが、両親もまた何も聞いては来ないのだ。好きにさせてもらっているとも言えるのかもしれないが……

 

「カヤ? まだいるか?」

 

 小さな声だった。

 

「うん。いるわ。放ってはおけないわよ。だから、まだいる」

 

 すぐには返事はなく、間が空く。

 

 でもこれはいい間、かもしれないわね。

 

「オレ、どうしたらいいのかなァ?」

 

 その言葉を聞いた瞬間に涙が出そうになっていた。

 

「淋しいの?」

「バカッ!! 淋しいわけあるかよッ!! オレは淋しくなんかねェッ!!」

 

 再びの間、それでも。

 

「オレは父ちゃんのこと誇りに思ってんだ。母ちゃんのことを大事に思ってることも知ってる。それでも自分の夢に賭けて、海賊やってんだ」

「けどよォ、けど……、父ちゃんには母ちゃんの傍にいでやっで欲しがっだッ!! オレは父ちゃんのごど恨まねェどいげないのがなァ? 父ちゃんのごど大好きなのにッ!!」

 

 途中泣きながら話しているのだろうウソップさんの言葉に私も涙が止まらなかった。自分の中に少しでも芽生えてしまった父親をよく思わない気持ち、恨んでしまうような気持ちに一人で思い悩み、それをどうすることも出来ずにいたのだ。

 

「ウソップさんは優しいね。もう海賊やるしかないよ。立派な海賊になってヤソップさんに会いに行けばいい。そこでふざけんなって言ってやればいい」

 

 ウソップさんは泣いていた。ただただ泣いていた。

 

 

 

 

「カヤ、来てくれてありがとな。助かった。オレはもう大丈夫だから心配するな。明日からまた昼メシ食いに行くからよ」

「うん、分かったわ。でも、ウソップさん、夕飯も一緒に食べない? 屋敷に来たらいいじゃない。修行も一緒にやる。立派な海賊になるには必要よ。メリーの授業も受けた方がいい」

「それはちょっとなァ……、まあ、考えとくよ」

 

 少しだけ笑いそうになる。基本的に、ウソップさんはしんどいことはパスなのだ。

 

 最後に扉を開けて顔を見せてと頼んでみたが、それは断固として断られた。今は見せられる顔じゃないと。

 

 あ~あ、ウソップさんも乗り越えたんだし、私も乗り越えないとなァ。

 

 両親に、話をするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウソップさんの家を後にして、午後の修行を終えた遅い時間の夕食時に両親には話がしたいと伝えると、談話室でしようということになった。

 

 普段滅多に足を踏み入れることは無い部屋ではあるが、ゆったりとしたソファがあって、重厚そうな椅子があって、話をするには打ってつけの部屋だった。

 

 ソファに腰を沈めて、椅子に座る父親を改めてまじまじと見つめてみれば、威厳を感じてしまう。

 

 体格が大きい。太っているとも言えるが、肩や腕には筋肉の盛り上がりを感じる。白いものが混じりつつあるが立派な口ひげを蓄えていて、眼光も鋭かった。

 

 隣の椅子に腰を下ろした母親はふんわりと柔らかい出で立ちでありながら、後ろにまとめた金髪には凛々しさを感じてしまう。

 

 シロップ村には村長として朝のコーヒーが大好きなモーニンさんがいるが、よくよく思い至れば、この2人は実質的な村長的存在なのであった。シロップ村の大部分の生計は我が家が営んでいるシロップの外への販売で成り立っているとメリーに教えてもらった。両親はそれを先代から引き継いでやってきたのだ。威厳を感じるのは当然のことかもしれない。

 

 私は居住まいを正すようにして、ソファには浅く座り、背筋を伸ばす。

 

「今夜は時間を作ってくれてありがとう。私がこの2年間、毎日毎日何をやっているのかは知っていると思うんだけど、このことについて話をしたいの」

 

「今まで話せてなくて本当にごめんなさい。どうしても踏ん切りが付かなかった。話さないといけないって毎日毎日思っていたけど出来なかった。でも友達の様子に背中を押されたの。私も進まないといけないと感じた。だから話したい」

 

 両親は言葉を返すことは無くとも頷きながら話を聞いてくれている。

 

「私は海賊女王になるッ! なりたいのッ! だからまずは私の体を鍛えて、メリーから色々教えてもらっている」

 

「どうしてそう思う?」

 

 父親が初めて口を開く。海賊女王になりたい理由か……

 

「海賊女王になるのに理由は必要?」

「ふむ……、必要にならない人間もいるかもしれないな。ただ、海賊女王になるというのは茨の道だ。茨も茨、帰り着くところがしっかりと無いと難しいかもしれぬよ」

「わしは何人も志半ばで己の夢を折ってしまった者を見てきた。カヤ、お前にはそうなって欲しくはない」

 

 両親からの強い眼差しを私は真正面から受け止める。視線を外すことなく。

 

「海賊女王への道が茨であることは分かっているつもり。だからこそそれは大きな大きな目標だし、挑戦しがいがある。私は挑戦する人生でありたいのッ!! そこに自分の時間を、命を費やしたいッ!!」

 

 私の言葉に両親は深く頷いてくれた。

 

「分かった。お前の気持ちはしかと、受け止めた。親と言えども子供の気持ちを止める権利はない。カヤが思うようにするといい。思うように生きるといいよ」

「私もあなたと同じようなことを考えていた時期があった。私にとってはそれがたまたまシロップだった。人がやりたいことは人それぞれ違うものよ。あなたの気持ち、尊重するわ」

 

 両親からの言葉、私は涙が出そうだった。母親は本当のところではシロップの事業を継いで欲しいと思っているのかもしれない。シロップ小屋に行って作るのを手伝った時にはとても嬉しそうにしていたから。

 

 それでも母親は私の気持ちを尊重すると言ってくれている。

 

 これが愛なのかもなァ。

 

「カヤ、わしらは同じようなことで思い悩んでいたのかもしれぬな。実はわしらからも話しておくべきことがある。話すべきか、話さぬべきか、ずっと決めかねていたことだったが、話しておこう」

「メイプル、すまんがメリーとギャバンを呼んできてくれんか」

「分かったわ。でも、私はここまでにしておく。その方がいいと思うから」

 

 え? 何、何、何? メリーもギャバンも呼ぶって、何の話?

 

 父親からも話があると言われて、そんなことは考えてもいなかったので動揺を隠せない。そしてその動揺を隠せないままメリーとギャバンが入ってくる。

 

「お前に伝えておかねばならぬ話はわしの過去の話だ」

「わしはこの村で生まれたわけではない。メイプルに嫁いだのだ。嫁ぐ前は海賊をしておった。ピーター・マムという名でな。まだ手配書が残っておるであろうが、まあ所謂ロジャー海賊団におったということ」

 

 は~~~ッ?!!

 

「驚くのも無理はないな。だがな、わしにはもうひとつ名があるのだ。わしの本当の名はシェパード・十二・マム聖。わしは元天竜人なのだよ」

 

 もう心が色々追い付いていなかった。私は話をちゃんと聴けていただろうか。

 

 父親は元々神の騎士団に属していたらしい。だが天竜人たる考えを良しとしなかった父親は思い悩んだ末にマリージョアを出奔したということらしい。そしてロジャー海賊団に入って自由に生きる道を辿り、ロジャーが処刑されたのを直に目の当たりにした後で母親がシロップを売っているところに出くわし今に至ると。

 

「え、じゃあメリーは?」

「CP0だな。元ではなく今もということになるが。一応はな。わしの所在を血眼になって探し出して、監視のために潜入してきおったよ。まあ暗殺するつもりでもあったのであろうが。こいつもわしと同じで考えが異端なんでな。今はマリージョアと繋がりはあっても、言うことは聞いていないとそういうわけだ」

「マム、何度も言ってるがオレはまだ正直疑ってるぞ、こいつのことは」

「ギャバンさん、私も何度も申し上げておりますが、行動で示して見せますので」

 

 え~~~~ッ!!!!!!!!!

 

「カヤ、今まで話せておらずにすまんことをした。お前の話を聞いて嬉しくもあったが、険しき道であることは確かだ。ロジャーのことを思うとな。決して勧められはせんのだが、お前の気持ちは尊重したい。わしもできることはしてやろう。これでも昔は神の騎士団におった。一応はな、武術の天才とも言われておったし、ロジャーのところにおったときは砲手を務めておった。狙撃にしても伝えられることはあると思う」

 

 これは、もしかして、もしかすると、私も本当に主人公的存在かもしれない。

 

 行く。私は行くよ。どこまでも。

 

 

 

 

 

 

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