カヤさんで海賊女王を目指してもいいんでしょうか? 作:信濃信濃川
私にとってもウソップさんにとっても色々あった7歳。あれから倍の人生を歩んで今はもう14歳。この7年は修行に明け暮れる毎日だった。
ウソップさんと扉越しに涙を流しあったあの日、両親に話をして逆にとんでもない話をし返されたあの日、生涯忘れられないだろうあの日の翌日に、私は大岩を地面から浮かせられることが出来た。
「次の段階だな」
ギャバンには不敵な笑顔で一言そう言われた。
「お嬢様、ここから更にきつくなりますよ。覚悟ください」
満面笑顔でそう告げるメリーにドン引きした。
「ようやった。さすがはわしの子だな」
結構親バカな父親の言葉に嬉しさと恥ずかしさでもじもじしてしまった。
「カヤもパンケーキマンになれるな」
それを言うならパンケーキレディでしょうッ!!
ただのバカなウソップさんには平手打ちを食らわせてやった。
何はともあれ私の修行は基礎体力を付けることから戦闘へと移行する。戦闘の修行は組手、ひたすらに組手、気絶するまで組手、気絶しても組手。地獄には2丁目があることを今更ながら思い知らされた。
とにかく出来ることは何でもやった。そうしないと死ぬからだ。ギャバンもメリーも多分一切何も容赦をしていない。ゆえに、攻撃をさせてもらえない。拳を打ち込むことも、蹴りを入れることも、いいえ、そもそも近づくことすら許してもらえなかった。
そこで感じるのは何か? 恐怖だ。どうしようもなく震える足、押し寄せる悪寒、心臓を鷲掴みにされるような感覚。
私がまず身に付けたことは逃げることであり避けることだった。全力でも足りない。全身全霊を込めて逃げる。あれだけ走ったのだから、私の逃げ足は相当のもの。これはウソップさんという指南役がいることも大きい。
「相手の心を読めッ!! 表情、視線、仕草、全部ヒントだッ!!」
「とにかく話せッ!! 相手を惑わせられるかもしれねェッ!! 自分に心の余裕を持たせられるかもしれねェッ!!」
「逃げることは時間を作ることだッ!! 1秒でもいい、時間を作って何が出来るか考えろッ!!」
全身全霊で逃げて作り出せた1秒。それを使って死角に入り込み、全身全霊で接近する。逃げ足だけでなく私のスピードそのものが段違いに速くなっているが、それでも攻撃が許されることは無かった。
グラサンジジイも羊頭も後ろに目が付いている。それは見聞色の覇気。
「こんのッ、グラサンジジイッ!!!」
思わず出てしまった。お嬢様にはあるまじき言葉。
「ハハ、いいぞッ!! もっと言葉を出せッ!! それでこそ戦いだッ!! まずはてめェの中で渦巻くもんを出してみろッ!!」
「テメェのグラサン、絶対叩き割ってやっからなッ!!!」
メリーに対して羊頭と口にしたら、とても悲しそうな顔をしていたので止めにした。代わりに口にしたのは。
「もっとパンケーキ食わせろッ!!!」
不思議なもので口の応酬で私の心が乗り、そこから体が乗る。全身全霊集中した上で少し向こう側に行けた感じ。それでも攻撃できるなんてことはなくて、また全身全霊での逃げの一手。
ただ、ギャバンとメリーにも一瞬くらいは集中が途切れることもあって、その極極極たまに攻撃できることがある。そして万が一のようにして1度だけ攻撃を掠らせることができた。
「いいじゃねェかッ!! 戦いをキレイなもんだと思うなよッ!! 技のやりとりじゃねェッ!! 戦いってのはなァ、命のやりとりだッ!! 生きるか、死ぬかッ!! 何が何でも生きろッ!!」
ギャバンの言葉は私の魂に刻み付けてくるような言葉の重力がある。
「そうです。風の揺らぎの少しの変化、通り過ぎゆく鳥の動き。己の周りの偶然を好機に変えてこそ、そこに勝機があります」
メリーの揺蕩うような言葉は私の真ん中一点にすっと入り込んで来る。
ここに至るまでに試行錯誤を繰り返し繰り返して1年を費やした。そしてその先から始まったものは地獄の3丁目。
「斧を使えッ!! お前に合うッ!!」
「だが戦い方は教えんッ!!皆それぞれ違うしなッ!! 技はてめェで磨くもんだッ!!」
「覇気も然りッ!! 道理はあいつから聞いてるだろッ!! ぶつかり役にはなってやるッ!!」
「死ぬ気で気合入れてッ、生きる気でかかってこいッ!!」
ギャバンの言葉には端々に地獄で瞬く愛を感じてしまうもの。
「は~~~~~ッ?!!! 私が斧使い? 上等じゃない。 ぶん回してやるわッ!!」
「こんのッ、愛の伝道ジジイッ!! 私の愛でテメェを潰してやるッ!!」
誘われて私も構わず愛を乗せた。
「ハハハッ!! やってみろッ!!」
最後には心の中のゴング鳴らして永遠の愛のぶつかり合いスタートだ。
「戦いとは己の創意工夫によるものです。そして六式には極限まで肉体への優しさ迸るムチが必要となります」
「私の六式をもってお嬢様に捧げましょう」
「鉄塊、剃、月歩、指銃、紙絵、嵐脚。ひとつでもいいのでお受け取りください」
「人智の埒外にてお待ち申し上げております」
メリーの言葉は地獄に咲く包み込まれるような慈しみで脳天を突き刺してくるようなもの。
「望むところよッ!! 可愛がってあげるわッ!!」
「人外魔境にもパンケーキはあるんだろうなぁーッ!!!」
招かれて私も構わず慈しみをぶつけた。
「たらふくお肉を召し上がってからですがね」
こちらの最後は天敵想像させられてからの倍返し応酬スタートだ。
そんなめくるめく戦闘の余波はウソップさんにも及んでいた。彼の師匠は私の父親。つまりは狙撃の修行。だが、基礎体力の習得を免れることは無くて。
「はぁ、はぁ、オレはもう、走れねェぞ。走ってはいけない病がぶり返してきちまった」
「そうよな。もう走れんよな。ならばこれならどうだ?」
後ろから見守り隊のように付いていっていたらしい父親が両手で取り出したのは拳銃だったそう。すなわち2丁拳銃で容赦なくぶっ放しの闘牛スタイルへと移行したみたいで。
「いや、おやっさん。治った。治ったってーッ!! カヤーッ!! 助けてくれーッ!!」
牛のように走れる父親は未だ現役バリバリだが、逃げ延びるウソップさんの逃げ足も本物。私は小さな勝利によるご褒美パンケーキを頂きながら、地面に突っ伏して口だけ動かすウソップさんの話を興味深く聞いたものだ。
一方で狙撃の修行はどうかとなると、父親曰く的に当てることに関して何も言うことはないらしい。
ただそれだけでは終わらないのがウソップさんのいいところ!
「ただし、毎日やりなさい。努力はせねばならぬよ。それとも鉛弾でもご所望かな?」
「け、結構です」
こちらも興味津々に笑えたお話!
そんなこんなで私とウソップさんの修行道中は今日まで続いている。
ちなみに、母親との時間も何とか合間に作り出していた。その時には一緒にシロップ小屋に入って、せっせとシロップ作りに精を出す。たっぷり詰まったシロップ入り巨大タンクを屋敷まで運ぶのも私の役目。なんだかんだで修行になってるんだけどと思いながら、先行く母親の後ろ姿をよくよく凝らして眺めてみれば結構筋肉質だった。
「ねェ、もしかしてお母さんも戦ったら結構強いの?」
「フフフッ、これでもシロップ売るのに世界を回っていたのよ。自分の身くらい、自分で守らないとね」
私の質問にこちらを振り返り答えてくれた母親の表情からは凄みが溢れ返っていた。
◆
海賊女王を目指すのであれば修行と並行して進めておかないといけないこともある。海賊団としての準備だ。そのことについてメリーとギャバン、そして父親も交え、最初にひとつの方針として伝えておいた。
あの日以来よく使うようになった屋敷の談話室。
「あなたは元CP0ではなくて現CP0ってことは間違いないのよね?」
話の内容を察したのか厳かな面持ちでいるメリーの返答は首肯ひとつ。
「だったら、協力者を多数抱えているはず。この東の海にも。情報提供者、弱みを握っている裏社会の人間がいるんじゃない?」
「まあ、それなりにはおりますよ」
脳内回路のスイッチでも入れたのか、一拍間を置いたメリーの返事はお茶を濁しそうな響き。
「企んでんな、その顔は」
「ええ、企んでるわ。最初に悪企みの会議だって言ったじゃない」
ギャバンの突込みには開き直りだ。
「調べて欲しい海賊団が3つあるの。クロネコ海賊団とクリーク海賊団にアルビダ海賊団」
「そしてそれぞれの主要メンバー、キャプテン・クロ、ジャンゴ、ニャーバン兄弟、ドン・クリークとギン、アルビダについては常に居場所を突き止められるレベルでの行動確認も」
「あと、できればスベスベの実の所在を探って欲しいの。出来るかしら?」
「ええ、大丈夫ですよ。その3つの海賊団は常に行確対象ですので把握しております。悪魔の実は別途調べさせますが私も聞いたことはありますので大丈夫でしょう」
「すげェな! 今になってお前のことが怖くなってきたよ」
「さすがにあなたのことを行確など致しませんよ。命がいくつあっても足りません」
「どうだかな。オレはお前を行動確認してたことはあるがな」
「ええ、存じ上げております。ですので…」
「はい、そこまで。だーめッ!」
メリーとギャバン、2人の会話が剣呑な雰囲気を帯び始めたので、さすがに止めておく。
「それはそうと、お嬢様、差し出がましいようですがスベスベの実をご所望なさらずともよろしいのでは」
「バーカ。言ってやるなよ。野暮ってもんだ」
「フフッ、私じゃないのよ。ただ必要になるかなァと思ったの。深い話はおいおいでお願い」
2人は私の言葉に顔を見合わるばかりだったので話を続けることにする。
「船も発注を始めて欲しいの。2隻必要でキャラックとキャラヴェルでお願い」
「キャラックだと?! 一体どれくらいの規模で行くつもりなんだ? 最大なら100名は乗れる船だろ」
「船の大きさはある程度必要なの。本当ならガレオンが欲しいのだから」
「ガレオンッ?! 必要ねェだろ。図体ばかりでかい船だ」
「さすがに東の海で新造は難しいですが、中古でよろしければ手に入りますが」
「大幅に艤装できるの?」
「出来ませんね」
「そうでしょう。だからガレオンはウォーターセブンまで我慢するわ」
「おいおい、海軍とやりあう巨大戦艦でも作るつもりなのか?」
「そんなの物騒よ」
「ところで、ギャバンにも聞いておきたいことがあるわ。単刀直入に聞く。私に付いてきてくれるの?」
私の問いかけに対して一瞬目を逸らすギャバン。
やっぱりか。
「正直この島に長居しすぎてる自覚はあってな。妻と子が待ってるし、いつかは戻らねェといけないのは確かだ」
「お前の船に乗るのは確かに帰り道とも重なるが、最短航路じゃねェだろうしな」
「金に糸目をつけねェか、最悪理不尽な力を出せば早く変える方法はある」
う~ん、ギャバンが乗るのと乗らないのとでは天と地より広い差ががあると言っていい。純粋な戦闘力だけじゃなくて、彼がロジャー海賊団で航海士であったということを考えても。
ここは何としてでも連れて行かないといけない。
「実は我が海賊団の今後動く予定はこんな感じなんだけど。ひとまず偉大なる航路に入るまで……」
そう言いながら、手元に置いておいたノートを見開いて見せた。黙って見守ると決めていたのか終始頷くのみだった父親も含めて一同は口をあんぐりである。
そんなにいけない?
「まじか?」
「お嬢様……、私は大反対ですよ」
「頭イカレてるぞッ!! 物騒っていうさっきの言葉、そっくりそのまま返さねェとな」
「私にとってそれは褒め言葉よ。常人じゃない人からしても前代未聞のことをやりたいのッ!!だからこれをやるッ!!!」
父親は笑っていた。むしろ大爆笑していた。
「コハハハハハッ!! 久しぶりにこんなに笑ったもんよ。我が娘として天晴れだな。思うようにやったらいい。わしも出来ることはしてやるよ」
「おい、マム。ほんとにお前の娘か?」
違うけどね。口には出さないけど。
「分かったよ。こんな計画、十中八九うまくいくもんじゃねェッ!! オレが必要だな。付いて行ってやるよッ!!」
「その代わりに、ちゃんとオレの家まで届けろよなッ!!」
「お嬢様、承知いたしました。私も腹を括ります」
最後にはギャバンもメリーも意を決したかのような顔つきで深く頷いてくれた。
「ありがとうッ!! お父さんも、ギャバンも、メリーも、よろしくお願いいたしますッ!!!」
私は思わず立ち上がり、深々と頭を下げていた。
◆
6年前には待望の出来事も起きていた。ついにたまねぎ、にんじん、ピーマンがこの世に生を受けたのだ。私はこの子たちにヤサイーズという名を授けたいのだけど、だめだろうか? いいえ、性急に事を急ごうとするのはだめだ。じっくり行かないといけないわね。
とはいえ、心の中で使う分にはいいわよね。ダダ洩れしない限りは。
ヤサイーズたちはすくすくと育っていく中で、ウソップさんのウソに触れ合い、ギャバンに触れ合い、海賊への興味バロメーターはじわじわと上昇中。既に彼らはウソップ海賊団入りを果たしているので実質海賊でもある。因みに私も末席に加えられているが。ウソップさんのウソにも難なく対応し、ギャバンにはちゃっかりと可愛がられ、まったくもって頼もしい限りである。
もちろん恒例のお昼ご飯の輪にも加わるようになった。
「皆さん、こんにちはッ!」
「お、今日はピーマン1人か? 他の2人はどうした?」
「たまねぎは寝てたかと思います。もうすぐ来ると思うけど」
「にんじん君が一緒に来ないなんて珍しいわね」
「あいつ最近なんかおかしいんですよ」
「おおッ! 愛に目覚めでもしたか?」
「ないない。ヤーさんじゃあるまいし」
「分かりますよ。ウソップ君の焦り」
「えッ? もしかしてカヤさんに?」
「あらー、私の船に乗ってくれるってことかなァ」
「「「「そういうことじゃねェだろッ!!!!」」」」
こうやってぐるぐる回して最後に落とすみたいなことも恒例になってきている。正直何て答えようかと怖い。瞬発力は鍛えられつつあるかもしれないけど。
それに、6歳に手を出してしまったら犯罪でしょう。
「まあ、にんじんもすぐに来ると思いますよ。ただあいつら、捕まってなきゃいいけど」
そう呟いたピーマン君は自分の緑髪をバットでポンポンと叩いていた。彼がそんなものを持っていることもまた珍しい。武器のようなものを持つとしても相場は小ぶりの木剣と決まっているのに。
「「たいへんだああああ」」
ようやくにんじん君とたまねぎ君がやってきた。よく聞くフレーズと共に。
「やっと来たかって、あいつら何引っ張ってんだろ」
「荷車のようですね」
「どうしたんだよお前らって、何だそれッ!!」
ウソップさんの声に釣られて荷車の中を覗いてみるとバットが沢山に、時折釘が刺さっているバット。更にはフライパンも沢山あった。
「カ、カヤさんが負けないようにって村のみんながくれたんですッ!!」
息咳きってにんじん君が答えてくれた。
「おじさんたちからはやっぱりバットだろって。これは何なら釘も刺してやるって渡されて」
「やっぱりお前もかー、おじさんたちに囲まれてるんじゃないかと思ってたんだよなァ」
「怖ーなッ!! おっさん連中ッ!!」
確かに。海賊だーの時に釘バットで今度は追い掛けられるかもしれないものね。
「たまねぎ坊主よ。フライパンは何なんだ?」
「私も亭主にプッツン来た時はこれで一発よって、おばさんたちから譲られだんです」
「おばさん連中も怖ーッ!!」
「じゃあ、その手首に巻いてる輪ゴムはどうしたの?」
私も気になっているポイントをたまねぎ君に聞いてみる。彼が輪ゴムをこれでもかと巻き付けている姿は妙に馴染んでいるのだ。
「小さな女の子たちが輪ゴムでも勝てるかなァってくれました」
「んなもんで勝てるわけあるかーいッ!!」
「がははは、いい奴らじゃねェかッ!!」
「お嬢様、愛されてますね」
「わたし、困っちゃーうッ!!」
「「「「「「よッ!! 可愛いよッ!!!!!!」」」」」」
私たち、こんなのでいいのかな……
楽しいけどッ!!
肉を除けば私も含めてみんなでお昼ご飯を美味しく頂いたところでの食後タイム。
「それで、にんじん君は本当のところ、どうしたの?」
いつもと違って遅れてきてしまった理由を率直に彼に聞いてみる。言葉に詰まっているみたいだが、気にすることでもない風に様子を待ってみた。
「オレ、将来やりたいこと見つかって、酒場を経営することなんですッ!! それでベッドに入ってたら、どんな店にしようかなとか色々考えてしまって……」
「眠れなくなってしまったのね…… 素敵じゃない、その夢」
ヤサイーズのみんなが想定通りの夢を抱いていて良かった。
「ねェ、みんな聞いてくれる? 私の夢も」
「「「海賊女王ですよねッ!!!」」」
ヤサイーズたちが口を揃えて誇らしそうに言ってくれた。
「フフフッ、そうだけど。 実はもうひとつ夢があるのッ! 海賊女王も目指しながらねッ!!」
私から初めて漏れ出てきたもうひとつの夢というキーワードにみんなが身を乗り出してくれる。
「キャバレーをやりたいの。みんなと世界中を回りながらね」
「「「キャバレー?」」」
「そう、ショー劇場よ。歌や踊り、コメディを舞台の上でやってお客さんに見てもらうの。それで楽しんでもらう。お客さんに楽しんでもらうことで私たちみんなも楽しくなれるのよ」
「そこではね、演劇もやりたいから脚本が必要になるわ。たまねぎ君の小説を脚本にして世界中のみんなに見てもらえるかもね」
「そこでは食事も、それにお酒も重要よ。とびっきりのものがね。にんじん君の作ったごはんやお酒を世界中のみんなが味わってくれるかもね」
「そこではね、劇場、舞台を作るわけだから大工さんにも最高のものを作ってもらいたいの。ピーマン君の棟梁としての腕前を世界中の人に見てもらえるかもね」
ヤサイーズたちは私の言葉に放心状態で、まるで夢見心地で。
「ウソップさんも世界中のみんなにウソを吐けるーッ!!」
「ってオイッ!!」
そしてみんなで笑い合った。
「それもお前の夢か、がははは、いいじゃねェかッ!!」
「お嬢様、素敵な夢ですね」
「へへ、オレも良いと思うぞ」
ギャバンもメリーもウソップさんも共感してくれた。
「海賊というのはね、海賊ばっかりしてるわけじゃないの。やりたいことをやるのが海賊。どんなことをしてもいい。その分責任はあるけれど。でもそれが自由、そして挑戦。海賊っていうのはそういうものなの」
「それをみんなでやるのよ。だから、みんなに何かあった時は戦う。戦う理由が無いのに戦うことはないわ。それは私がさせない」
「もし良かったら、近い将来、私の船に乗ってくれると嬉しいな」
みんなの言葉、表情、視線、仕草。いい感じだな。
私の海賊女王への道、洗脳活動、いいえ教育活動。
勝ったかな? 勝てるといいな……