大体の物語はハッピーエンドで終わることが多い、でも全てが希望だけでなく絶望の側面も有してることを忘れてはいけない。それが絶望ばっかの世界に生きていて言える事だ。
そんな俺でも、彼女に出会えた。それだけはいい人生だと言えるかもしれない。
俺が彼女と出会ったのは、中学一年生13歳の冬。テストで赤点を取り帰るのが夕方頃になった日のことだった。
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「う〜さみぃ、いくら俺が馬鹿だからって居残りまでさせなくてもいいよな〜しかもこれ、どうすっかなぁ、」
冬の寒さに震える俺に追撃の恐怖を与える赤点のテスト用紙。ギリ二桁の国語のテストだ…。
「絶対母さんに怒られる!もしこれで小遣い無しとかになったら漫画の新刊が買えねぇ!」
最悪を想像し顔を真っ青にしているとふと近くに神社があるのが目に入った。
「そういえばここに神社あったなこういう時は神頼みだ!」
夕焼けの光と寂れた雰囲気で少し不気味だがこのまま帰って怒られるのもアレなので少し寄る事にした。
考えた結果が神頼みとは情けないがこっちも小遣いを減らされないために必死だ、賽銭箱の前まで行き非常用に持っていた10円玉を入れる。
「お願いします!小遣いダウンだけは!どうか!」
(せめて漫画の新刊買えるくらいのダウンで!)
「こんな時間に神社にお参り?その様子から相当ピンチと見えるがどうかしたのかい?」
必死に神頼みをしていると隣から声が掛かる。
「うおぉ!びっくりした。」
(女の子?)
「おや、そんなにびっくりさせるつもりはなかったんだが…すまないね」
隣を見ると同い年くらいの黄緑色の綺麗な髪を持った女の子がクツクツと笑いながら謝罪をしてきてる所だった。
「いやこっちも急にびっくりしてごめん。君も何か頼み事でもしにきたのか?」
「あいにく私は自分の望みは自分で何とかしたい質でね。それに神は望みを叶えてくれるというより、とてつもない力を持った子供の様なものだと考えているんだ」
「難しいこと考えてんだな、ならどうしてこんな所に?」
「通りすがりに大きな声が聞こえたから少し気になって様子を見に来たんだ。
それより君は何をそんなに必死に頼み込んでたんだい??」
歳もあまり変わらないのに賢そうな言葉選びにびっくりしていると、どうしたのかと質問をされる。
「え〜と‥(なんて言おうか、正直にいうのはちょっと恥ずかしいし)」
点数が低すぎて小遣いを減らされない為に神頼みとは言いづらく、しどろもどろしていると彼女の方から話し始める。
「テストの点数が低すぎて小遣いが減らされないか心配で神頼みをしているみたいな感じかい?」
「なんでわかるんだ!?心でも読めるのか!?」
思わず心を読まれたかのような指摘に驚いているとまたクツクツと笑いながら、答え合わせをする探偵の様な物言いで話し始める。
「なに、簡単な事だよ。ワトソンくん。
さっきから君が手に持ってるテスト用紙から点数が見えてるし。あんなに大きな声で願い事をしてたら誰でも分かるだろうさ」
「まじか…でも、本当にどうすっかなぁこれ」
「捨ててしまったらどうだい?」
「いやぁでも今日テスト返却があるって母さんにバレてるだろうしなぁ」
「んー、それじゃあ正直に言うしか無いんじゃない?」
「そうだよなぁ小遣いは諦めるか…」
「今回は諦めるとして次のテストはどうするんだい?点数を改善しないと君の小遣いは一生下がり続ける事になると思うんだが。」
「確かに何とかしないと!」
「これでも小説を書いていてね素人ではあるが少しは力になれると思うよ。」
「小説家!?俺とおんなじくらいの年なのに小説なんて書けんのか?すげぇな!」
「まだ小説家ではないんだけどね、ところで何で点数が低かったのか分かるの?」
「漢字は得意なんだけどなぁ、どうにも作者の考えを述べよとか、登場人物の気持ちをがわかる文を抜き出せとか文を読んだだけじゃわかんないんだよなぁ…」
「少しテスト用紙を見せてくれないかい?」
少し恥ずかしい気持ちはあれど一緒にテスト用紙を覗き込む。
「なるほど?そうだねぇ…その手の問題を解くには一部を見るんじゃなくて全体を見ると分かりやすいよ。」
「全体?こっからここまでで抜き出せって書いてあるのに?」
「そう。そこに惑わされて一部しか見ていないと中々わからなかったりするんだけど、全体をみると意外とヒントがあったりするから全体を通してどんな物語で結局何を読者に伝えたいかが大切になるんだよ。」
「なるほどなぁ…でもどうやったらそんなの分かるんだ?最初にこの物語がどんな話なのかを書いてくれればわかるけど書いてねーし」
「まぁ最初はざっくりで良いんだよ例えば登場人物から考えて、メインの子が男の子が多かったら友情の話。女の子と男の子だったら恋愛の話。家族だけだったら教育の話みたいな感じである程度区分できる。まぁもちろんそれだけじゃないんだけどね。」
「ふむふむ。」
「あとは楽しい話なのか、悲しい話なのかとかも大事だね、それがわかれば作者の考え、登場人物の気持ちなんかが、ポジティブな事かネガティブ事どちらを伝えようとしてるか分かってくるからね。」
「ほうほう、それじゃあここは自分のやってしまった事に対する罪悪感があるみたいな?」
「そうだね自分が好きな蝶を粗雑に扱ってしまった事の絶望感みたいなのもあるんじゃないかな」
少女と一緒にテストに対しああでもないこうでもないと話し合っていると、そういえば名前を聞いてない事に気が付いた。
「お前すごいな!そういえば名前なんて言うんだ?俺の名前は
「力になれたのなら何よりだよ。私の名前は
「エトって呼んでもいいか?」
「いいよ、苗字で呼ばれるのはあまりなれてなくてね気軽にエトって呼んでくれると助かるよ。私も善吉くんって呼ばせてもらおうかな」
少し寂しそうに笑う彼女の顔は街頭の光と神社の雰囲気のせいか幻想的に見えた。
ただでさえ登場人物が多かったり謎大き過去がたくさんある東京喰種に手を出して大丈夫だろうか…原作との矛盾点がありましたら気軽に感想等に指摘お願いします。