13歳の時に出会ったエトを曇らせる話   作:お稲荷さま

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早くも10話目です全然ストーリーが進まないまぁ次辺りには動くはず。エトにもどんどん善吉家族との思い出が良かったねエトちゃん。

少し長くなりましたがお楽しみください。


評価、感想ありがとうございます!
モチベが爆上がりしてます!


10話

 

 

 

 窓から外を見ると一面銀世界だ。

 学校帰りに寒すぎて雪でも降るんじゃないかって思ってたけど本当に降るなんて思わなかった。どうやら今年はホワイトクリスマスみたいだ。すっかり好きになったコーヒーで体を温めているとパーティの準備をしてた母さんから声が掛かる。

 

「もうすぐエトちゃんくるんでしょ?善吉も準備しちゃいなさい」

 

 言われて時計を見ると確かに時計は15時前を指している。エトに伝えた時間は15時だったのでそろそろ来るだろう。

 

「外寒かったしエトにコーヒーでも淹れといてやるか」

 

 最近はエトに淹れてもらう事が多かったが俺も一応母さんや父さんに頼まれる事が多かったので一応コーヒーは淹れられるのだ。

 ″ピンポーン″

 ちょうど淹れ終わった良いタイミングでインターホンが鳴った。

 

「はーい」

 

 玄関に行きエトを出迎える。ドアを開けるとやはり寒かったのか手と鼻の先を赤くしていた。

 

「今日は招待してくれてありがとうちょっと早かったかな?」

 

「いや、ちょうど今ホットコーヒーを淹れたとこなんだ。タイミングよかったな!」

 

 冷たくなったエトの手を引いてリビングまで案内する。リビングの扉を開けると母さんがクリスマスの飾り付けを終わらせていた。

 

「おぉ!壮観だね。外も雪が降ってるしテンションが上がるね」

 

 緑や赤、白い飾り付けやクリスマスツリーを見てテンションが上がっている様だ言葉は少ないが心なしか目がキラキラしてる感じがする。昨日も言っていたが意外とこういうのが好きなんだろう。

 

「いい感じだろ、エトが来るって言ってたから皆んなで張り切って飾りつけしたんだぜ」

 

「あぁ、すごいよ」

 

「ささ、座って。はいコーヒー」

 

 リビングのダイニングテーブルに座ってもらってさっき淹れたコーヒーを出す。タイミングよく来たからまだ温かいはずだ。

 

「ありがとう……すごく美味しい。なんだかいつもより美味しい様な……?」

 

「あら、わかっちゃう?それね実は善吉が外から来るエトちゃんが寒いだろうからって淹れたやつなのよ!いくら私でも真心込めて淹れた愛のコーヒーには勝てないわね」

 

「ちょっと母さん!エトがいる前で何言ってんだよ!」

 

「愛で料理や飲み物が美味しくなるのは本当なのかも知れないね……」

 

 母さんに抗議していると後ろでエトがらしからぬ事を言っているので振り向き抗議をしようとする。

 

「エトまで何言ってんだよ!……ッ」

 

 後ろを振り向くと少し頬を赤くしてチビチビとコーヒーを飲んでいるエトが居た。

 

 (自分で言っておいて、何顔赤くさせてんだよ……)

 

「うふふ」

 

「ちょっと部屋行ってる!」

 

 少し早足で部屋に向かう。

 

 

 

 

 

 sideエト

 

 少し怒らせてしまったかな?でも彼が淹れてくれたコーヒーは本当に美味しかった。この家族と過ごしていると私が知らなかった、求めていた家族愛というものが実感できる気がする。

 

「大丈夫よ、照れてるだけだから」

 

 今考えていた事を当てられ、顔を上げる。そこには微笑ましいものを見る目で私を見る善吉くんのお母さんが居る。

 

「顔に出てましたか?」

 

「ちょっとね、私にはお見通しよ」

 

 普段は考えている事がわからない等言われるが、善吉くんのお母さんの前だと色々とバレてしまう。日記を見ても思ったが母は強しという事だろうか。

 

「あ、そうだ。今日のクリスマスパーティのご飯の準備手伝わせて貰ってもいいですか?」

 

 こういう時の為に料理を習っているのだお邪魔させてる身でもあるし手伝わせてもらいたい。

 

「いいわよ!エトちゃんが手伝ってくれるなら百人力ね。あと前も言ったけど敬語はやめてちょうだい、なんだか距離が離れたみたいで悲しいわ」

 

「はい…ありがとうご……ありがとう。」

 

 敬語がなしになるとどんな風に話していいかわからなくなる。いつもみたいに善吉くんに話してるみたいに話すと偉そな、少し小難しい話し方になってしまう。いくら敬語をなしで話していいと言われても普段お世話になってる人にあの喋り方はしたくない。

 

「じゃあチャチャッと夕飯の準備しましょうか!」

 

「うん!」

 

 今はまだどんな風に接していいかよくわからないけどいつか本当の家族みたいになれたらなんて……

そんな事を考えながら料理の準備を手伝う。

 

 

 

 1〜2時間ほどである程度準備が終わり。もうすぐ帰ってくるだろうという事で最後に揚げ物や焼き物も少し手伝わせてもらった。我ながらいい感じに出来たと思う。

 

「後は直前にやるだけね。ありがとうエトちゃん、おかげで早く終わったわ」

 

「こちらこそ、手伝わせてくれてありがとう」

 

 なんだかぎこちない返事になってしまったがしょうがない。

 

 ふと善吉くんが部屋でどう過ごしているか気になったので準備も終わった事だし上にある彼の部屋に向かう。

 

「じゃあ少し善吉くんの部屋行ってきます」

 

「ええ、行ってらっしゃい」

 

 こんな短い会話でもなんだか嬉しい。軽い足取りで彼の部屋まで行くのだった。

 

 

 

 

 

 善吉side

 

 実は今日に向けてエトにプレゼントを買っていた。寒い時期になって来たしちょうどいいと思って買った赤い色のマフラーをいつエトに渡そうか迷っているとあっという間に時間が経ってしまった。エトは母さんの手伝いをしてるのだろうか。本当はさっきリビングで渡そうと思ってたんだけどタイミングを逃してしまった。

 

 ″コンコン″と俺の部屋の扉がノックされる。エトはもう何回も家にきているが毎回ノックを忘れない。細かい礼儀正しさも、彼女らしい

 

「はーい」

 

「入るよー………寝てたら悪いと思ったんだが一応ノックしとこうと思ってね。大丈夫だったかい?」

 

「あぁ、うん。大丈夫普通に起きてたし。それよりどうしたんだ?母さんの相手は疲れたか?」

 

 エトは母さんや父さんと話すときは敬語で話したがるんだが、母さんは敬語をやめて欲しいと言っている。そのせいで気持ち的には敬語を使いたいが使えない。そのせいか母さんと話してると日本語がぎこちなくなるのだ。

 

「いや、君のお母さんと話してるとたのしいよ。少し疲れるけどね」

 

 にっこりと笑うエトに『あ、そうだ』と今思い出したかの様にプレゼントを取り出す。

 

「はい、メリークリスマス。よかったら使ってくれ」

 

「これは……?プレゼント?開けてもいい?」

 

「おう!」

 

 エトが丁寧にそして素早く包装紙を剥がす。

 

「マフラー?」

 

「最近寒くなって来ただろ?だからちょうどいいと思って」

 

「ありがとう!すごく嬉しい!巻いてもいいかい?」

 

「部屋でか?」

 

 キラキラした目で巻いてもいいか聞いてくるが流石に室内で巻くのは暑くないか?

 

「あぁ!駄目かい?」

 

「いや、良いけど暑くない?」

 

「すぐにつけてる姿を見てみたいんだ」

 

 そうしてすぐに巻き鏡を見ている。髪と同じ色にしようか迷ったがなんとなく赤が似合う気がしたので色は赤にしたが間違ってなかったらしい。

 

「いいね。似合ってる」

 

「そうかい?ありがと。あ、そうだ私も一応プレゼントというか私の小説の原稿あとブックカバーを買ったんだ」

 

 そこには夢にまでみたこの前原稿(続きも含めた)とブックカバーだ。

 

「おぉ!さっそく読む!」

 

「喜んで貰えて嬉しいけどもうすぐ君のお父さんも帰ってくるだろうしその後にしたらどうだい?」

 

「うっ……まぁ確かに一回読み始めたら止まれなさそうだし……」

 

 エトめ自分は開けてすぐ着けていた癖に俺には後にしろと言うのか……クリスマスプレゼントの魔力争っていると玄関が開く音と父さんが「ただいま」と言ってる声が聞こえた。

 

「さぁ下に行こう」

 

 マフラーをつけたままウキウキでリビングに降りていってるエトに外さないのか聞こうとするが既に居ない。

 まぁ気に入ってもらえならよかった。

 

「俺も下行こ」

 

 

 

 

 ――――――――

「似合ってるわよ」

「さすが俺の息子だセンスがいい」

 

 下に降りるとエトが父さんと母さんに貰ったマフラーを自慢している様だ。

 

「父さんおかえり」

 

「おぉ!善吉ただいま。やっぱりお前センスいいな!」

 

「なら良かった」

 

「ほい、これ父さんと母さんから。あとエトちゃんもこれどうぞ。普段母さんの手伝いとかしてもらってるしね」

 

「え……私にも…いいんですか?」

 

 俺とエト二人分のプレゼントがあるみたいだ。俺のは大きめ、エトのは小さめだ。

 

「「開けてもいい?」」

 

 やっぱプレゼントはワクワクするもので2人揃って聞く。

 

「「あぁ(ええ)、どうぞ!」」

 

開けると中にあったのは俺が欲しかった漫画の一巻から二十巻までのセット。

 そしてエトの方はなんだか高そうなペンが入っていた。

 

「おぉ!やったありがと後で絶対読む」

 

「読むのは後にしなさいね。どうエトちゃん気に入った?」

 

「これ万年筆……こんな高そうなの貰って大丈夫なんですか?」

 

「良いの!お父さんと一緒に選んだのよ?この前読ませて貰った小説とても面白かったわ!絶対プロの売れっ子作家になれるってお父さんと話してて、だから仕事でも使える様に少し高のものを奮発しちゃった。お父さんも私もすっかり貴女のファンになったわ!」

 

「これを使っていい小説をいっぱい書いて欲しいんだ。もし良かったら使ってくれるかな?」

 

「ありがとぅ…ございます」

 

 応援してもらえたからなのかそれともプレゼントが嬉しかったのか…エトは少し震えた声で父さんと母さんにお礼を言っていた。

 

「さぁ!みんなでご飯食べましょ!」

 

 先程できたばかりでまだ湯気だった料理に思わず口の中に涎が溜まる。

 

「善吉!今日は薬もちゃんと用意してあるからいっぱい食べてね!エトちゃんも善吉のために手伝ってくれたんだから」

 

「大丈夫なの?お金とか……」

 

「何いらん心配してるんだ、そんな事言うなら父さんが全部食べちゃうぞ」

 

「いらないのかい?私が善吉くんの分まで食べようか??」

 

 父さんとエトが俺の分は残さないで全部食べる様な言い方をしてくる。それはずるいだろう、しかも2人ともニヤニヤしてるし。

 

「いや!俺も食べる!2人とも俺の分とるなよ!」

 

 

 

 

 最高のプレゼントも貰いさらに美味い料理でお腹もいっぱいになり。横には親友も居る。最高のクリスマスを過ごしたのだった。





父「そうだ今日はもう遅いし泊まってったらどうだ?」

エト「いいんですか?電話お借りしますね」

母「夜は女子会しましょ!」

善吉「じゃあ俺はエトの小説の続き読も」

父•母「それは俺(私)も読む!」

エト「楽しいね!善吉くん」 善吉「おう!」

こんな一幕があったとか


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