13歳の時に出会ったエトを曇らせる話   作:お稲荷さま

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前回の後書きで書き忘れましたが善吉君のお父さんとお母さんの名前が出てきましたね!前回書くまで全く考えてなかったんですが流石に名前が無いのは良く無いと思い出しました。一応なんであの名前にしたのか、理由はありますが今はまだ秘密です。



お気に入り登録、誤字脱字、感想、評価ありがとうございます!
地味にココ好きも見て自分が好きなセリフや文が選ばれてるとテンション上がってます笑


16話

 

善吉side

 

 嘉納先生との話し合いが終わり今度はCCGの職員人が来た。どうやら昨日の事で事情聴取をしたいらしい。

 

「では君の———」

 

 俺の名前や生年月日等の簡単な個人情報を話し、何故あの場に居たのか聞かれたので、手術目的だったと、答える。

 

「ありがとうございます。これで事情聴取を終わります。それでここからは個人的な話をさせていただきたい」

 

「個人的なですか?」

 

「昨日は申し訳なかった。私の部下の不手際で君に怪我をさせてしまい。そして私のせいで君の御両親が亡くなってしまった。心の底から謝罪させてもらいたい」

 

そこでようやく昨日の意識を失う前に来てくれた男性だと気付いた。

 

「あぁ、貴方は昨日の…」

 

「私は昨日ニつのミスを犯してしまった———」

 

 そして昨日の事を詳しく説明された。どうやら昨日の喰種を捜査していたのだが戦闘中に不意をつかれ逃げられてしまったらしい。そして部下の2人が追いかけて捕まえようとしたがその攻撃が俺に当たってしまったという事らしい。

 そして二つ目のミスというのが俺たち3人をすぐに病院に運ばなかったせいで母さんと父さんを死なせてしまったその責任は自分にあると言い。30秒程深く頭を下げた。

 

「頭を上げてください」

 

「申し訳ない、私の部下にも謝罪の機会をいただいてもいいだろうか……」

 

「わかりました」

 

「入ってこい」

 

 “ガラガラ“と扉を空けて入って来たのは2人の女性捜査官。先程の話を聞くところによると双子らしい。

 

「「失礼します。昨日は私たちのせいであの様な事になってしまい申し訳ありませんでした」」

 

 そういって2人で深々と頭を下げる。両親が死んでしまったことはとてもショックだしかし今回の事は誰が悪いのだろうか。

 

 

 

【あんな所で立ち止まってモタモタしてた自分か】

 

  【急いで駆け寄って来てしまった両親か】

 

   【逃げる途中に攻撃して来た喰種か】

 

 【攻撃を自分に当ててしまった目の前の双子か】

 

【逃してしまいその後の判断を間違えた男性か】

 

  【そうする様に命令した男性の上司か】

 

  【両親を先に治療しなかった嘉納先生か】

 

 

 

 いくら考えてもわからない、この人達や喰種が悪いと片付けるのはとても簡単でもっとも楽だろう。しかし両親が言った最後の言葉『しっかり見極めろ』というのが頭の中で何回も繰り返される。

 

「すみません。今日は帰ってもらってもいいですか?あと謝罪は受け入れますので今後謝罪にくる必要はないです」

 

「「で、でも」」

 

「やめなさい………わかりました今日は失礼します」

 

 双子の捜査官が何かを言いたそうにしていたが男性捜査官が止める。

 

「あとこれらが私たちの名刺になります何かあったら連絡してもらいたい」

 

 それぞれの名刺を置いて3人は帰っていった。

 

 これからどうしようか………色々な事が頭に浮かんでは消えていく。何も考える気になれずテレビをつけるとちょうど昨日の事がテレビでやっていた。ニュースでやってるって事はもうエトも知ってるんだろう。連絡しないと心配するだろうな。そこでふと両親が言ってたことを思い出す。

 

 エトが喰種だとしても俺はあいつの事を親友だと思ってるし大切な家族だとも思ってる。だけどもしエトが喰種で俺がその事を知ってると分かったらエトの態度は今までと一緒のままなのだろうか。そして俺自身も今の状態でエトの事を傷つける様な事を言ってしまわないだろうか。すべてが不安で押し潰されそうな感覚になる。

 

 とりあえずエトに電話しよう。こんな状況じゃエトもきっと不安だろう。院内マップをみて公衆電話のところまで行き家に電話をかける。数回程コール音が鳴った後に通話が繋がった。

 

『もしもし…すみません今家主は—』

 

「もしもしエトか?善吉だけど」

 

 電話に出たのはエトの声のはずだが声に生気がない、やはり昨日の事をニュースで見たのだろうか…。

 

『善吉くん!?大丈夫なのかい!?』

 

「うん、手術のおかげで何とか助かったみたいだ」

 

『よかった君まで居なくなってしまったら…私は…』

 

 既に母さんと父さんの事は知ってるのだろう。

 

『今は病院?様子を見に行っても大丈夫かい?』

 

「うん大丈夫。受付の人にはエトの事を知らせておくよ」

 

『ありがとうすぐに向かうよ』

 

 

 エトと電話をした後自分の病室に戻って待つことにする。先程鏡を見たが酷い顔をしていた。エトが来るまでになんとかしないと、心配させちまうよな。

 

 

 待つ事1時間俺の病室のドアがノックされる。多分エトだろう。

 

「はい、どうぞ」

 

「善吉くん良かった…」

 

 開いたドアの先には今にも泣きそうな顔をしたエトが立っていた。いや顔が浮腫んでいるし目元が腫れている、所から泣いていたのかもしれない。

 

「なんとかな、今はもうすっかり元気だぜ!」

 

 自分は今上手く笑えてるだろうか、エトを心配させない様にいつも通り話そうとはしているが出来ているかどうかは俺にはわからない。

 

「善吉くん……」

 

 するとエトが駆け寄って来て俺を抱きしめる。

 

「そんな悲しそうな笑顔をしないでくれ……」

 

 あぁ、どうやら上手く笑えてなかったみたいだ……けどエトに抱きしめられるとなんだか安心する。そして今まで言えなかった本音が溢れた様に出て来てしまう。

 

「なんで…父さんと母さんが死なないといけなかったんだ…なんで先生は二人を先に手術してくれなかったんだ、なんですぐ助けないで喰種の方に行ったんだよ!……」

 

「善吉くん…大丈夫、今は泣いていいんだ」

 

 エトのその言葉を聞いて涙が頬を伝う。

数分間エトと抱き合いながら2人して涙を流した。

 

 

 

 

「落ち着いた?」

 

「そっちこそ大丈夫か?」

 

 俺もエトもどちらも目が真っ赤だようやく落ち着いたので少しずつ昨日あった事を話す。

 

「そんな感じで俺が運ばれてついでに予定してた手術もしたって事らしい」

 

「そうか、辛い事話させてすまないね」

 

「いや、エトにも知っておいて欲しかったんだ2人の最後を。2人ともエトの事心配してたしな」

 

「お義母さんもお義父さんも心配性だな」

 

「まったくだ」

 

 ある程度話し終わり、エトの視線が机の上にある名刺にいく。

 

「これは?」

 

「これか?昨日の捜査官の名刺だ、捜査中だったらしい」

 

「ふ〜ん……それより善吉くん足は大丈夫なのかい?それも喰種にやられたんだろう?」

 

 自分で聞いたくせに早くも話題を変えて足の状態を質問される。

 

「それよりってお前が聞いたんだろ?大丈夫だでもめっちゃ痛かったけど今は全く痛くないんだ、すごいよなほぼ完治してるらしいぜ。あと別に喰種にやられた訳じゃないぞ?名刺の双子の捜査官の誤射が足に当たっちまってな」

 

「捜査官が?ニュースでは喰種によるものと報道されていたが……」

 

 確かに先程見たニュースでも特に捜査官の事には触れられてなかったな。

 

「まぁ…CCGの世間的な立場もあるだろうししょうがないんじゃないか?」

 

「しょうがないで済む話ではないだろ、それにもう1人の捜査官の男もすぐに君達を運ばなかったのもおかしい」

 

 今まで見た事もない程エトが怒っている。ここまで怒るのは俺が病気についてふざけた態度をとった時くらいか……

 

「ま、まぁ、落ち着けって。その人も上に命令されて仕方なく向かってたんだぜ?無線で本部と局長からの命令だって……言ってたし」

 

「上からの命令……なるほど……奴らか……」

 

最後に何か言ってた様な気がするが聞こえなかった。

 

「まぁ、取り敢えず俺は怪我も治ったし手術もしたし明日には帰れるらしいからさ!また美味い飯作ってくれよ肉も解禁されたし!」

 

「あぁ、明日善吉くんが帰って来たら豪華なご飯を準備しておこう!おや…そろそろ時間らしい今日は帰ろうかな……」

 

「気をつけて帰れよ!」

 

 エトを見送った後1人になり考える。

 やっぱりエトは俺の大切な人であることに変わりはない。そしてどちらにしろ俺は知らない事ばかりだ。だから自分の目で見て、知って、考えなきゃ行けない、この世界で自分が信じる正しい事を見失わない様に。

 

 『本日は自称喰種の研究家小倉先生に来ていただきました』

 

 そしてつけっぱなしのテレビを見るとどうやら喰種についての専門家が出ているらしい。この人なら喰種についても色々と詳しいのだろうろか?テレビの音を少し大きくしよう。

 テレビのリモコンを取ろうとするとさっきの名刺がなくなっていることに気づいた。

 

「あれ?さっきの名刺どこやったっけ?」

 

 

 

 

 ――――――――――

 

 

 エトside

 

 彼の病室を後にする。善吉くんが無事で本当によかった。昨日のニュースを見てお義母さんとお義父さんが亡くなってしまったと知ったときは絶望しか無かった。

 

 私の事を受け入れてくれて、書いた本を楽しみにしてくれて、そして本当の家族として接してくれた二人がもうこの世には居ないという事が信じられなかった。しかしいくら調べても二人が生きている可能性があるというニュースや記事は一つもない。そして善吉くんの意識が戻らないという事も大きく乗っていた。

 

 だから善吉くんから連絡が来た時はとても嬉しかった。私にも希望がまだ残っているたった一人の家族が…。

 

 だから。

 

「お義母さんとお義父さんが死んだ要因を作った喰種は絶対に殺す。さ二人をすぐに運ばなかったこいつも。そして善吉くんを傷つけたこいつらも。命令した“和修”どもも、全員殺してやる

 

 これは別に善吉くんのためではない。ただ私の大切なものを奪った奴らに対する復讐。

 

 そのためにはまずこの3人だ……。手には先程善吉くんの机の上から取ってきた3枚の名刺がある。






始まってしまいますエトちゃんの復讐が‥。

でもよかったね、二人とも大切に思いあってるのは事実だ!
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