13歳の時に出会ったエトを曇らせる話   作:お稲荷さま

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嘉納医師が善吉くんの病気と体質に注目してしまった!
 やっぱ喰種世界の医者と言えばこの人だよなぁ!

今回はエトが善吉母と仲良くなるの巻です


7話

 

 

「っていう事でな、一応病気っぽいけど今すぐどうということは無いっぽいんだ」

 

 次の日エトに病院で言われた事を説明して今の所は大丈夫だという事を告げる。時間は昼前くらい雰囲気以外は一週間前とさほど変わらない。

 

「Rc細胞過剰分泌症ねぇ…………」

 

「あんまり聞かないだろ?俺も昨日言われてびっくりしたもん」

 

「君の話によると症状が進行すると色々と大変そうじゃないか」

 

 そう言ってエトは納得しながらもどこか心配そうにこっちの様子を伺っている。何だか俺より俺の周りの人の方が心配している感じがするが……まぁ病気をしたら大体は周りの人の方が心配したりするしな。

 

「でも良かったぜ、一応遊ぶのに問題はなさそうだ!」

 

「そんな事言ってる場合かい?もしも君に何かあったら……誰が私の小説を読んでくれるんだい?もう少し自分の心配をしてくれよ……」

 

 おちゃらけた俺の様子に少し怒ったように言う彼女の表情を見てどれほど自分勝手な事を言ったのか理解した。

 

「…………ごめん。不安なのは善吉くんの方なのに……」

 

 エトは謝るが悪いのは俺のほうだ

 

「いや、大丈夫。俺もごめん少しふざけすぎた……」

 

 気まずい雰囲気を打ち消すようにエトが

「今日から来週の詳しい検査までは外で遊ぶのは少しやめよう。その代わり君の家に招待してくれないかい?君のご両親にも会ってみたいし、お母様には料理を教えて欲しいと思ってたんだ。」

 

 まぁ昨日は色々あったし外で遊ぶような体力も気力もあまりなかった所だ。

 この一週間外で合流して遊ぶか、家に来てもすぐに俺が外に連れてってしまうから両親もエトをちゃんと紹介して欲しいと言っていた為ちょうど良いだろう。

 

「よし!じゃあ俺の家まで競争だ!」

 

 エトの了承を待たずに一足先に走り出し、差をつける。そこまでしないと身体能力でエトには勝てないのだ。情けない?何とでも言うが良い!

 

「君ってやつは…………甘い!そのくらいの差で勝てると思ってるのかね?」

 

 そう言って家まで5分ほど全力ダッシュをしてどちらが先に家に着くか勝負をし始める。結果は…………

 

 

「まったく……昨日病気だと言われた人には見えないね……」

 

「ゼェ………………ハァ…………だろう?俺を……みくびって貰っちゃ……困るぜ……まだまだだな」

 

「そう言う事は私に勝ってから行ってくれないかい?

そこまで元気ならまぁ大丈夫だろう……ほら肩貸して」

 

 軽口を言いつつエトに肩を貸してもらい家の鍵を開ける。

 

「あら善吉早かったじゃない……あらあらその隣の子はもしかしてエトちゃん?」

 

「お邪魔します、善吉くんにはいつもお世話になってます。芳村 愛支と言います。この前いただいたサンドイッチ美味しかったです。ありがとうございました。」

 

「まあ!礼儀正しいし、可愛くて良い子じゃない!

さぁさぁ、ぜひ入って」

 

 他人行儀のエトを、初めて見るが元の雰囲気も相まって同い年には、見えない……敬語か?やはり敬語が大人への一歩なのか?

 

 そんな風に考え込んでいると2人してリビングに行ってしまった為、急いで追いかける。

 

「今日は外で遊ぶって聞いてたけど何かあったの?」

 

「今日善吉くんから病気の事聞いて、来週の精密検査まで不安だから外で遊ぶのやめようって事になったんです。あと、この前のお礼も言いたかったですし」

 

 母さんとエトが家に戻ってくる事になった理由を話してる。

 

「あ、そうだ何か飲む?お茶とオレンジジュース、コーヒーがあるわよ。」

 

「俺はオレンジジュースで!」

 

「それなら私はコーヒーでも良いですか?砂糖とミルクはなしでお願いします。」

 

「あら、ブラックで飲むなんて大人ねぇ」

 

 そう言いながら母さんはオレンジジュースを頼んだ俺を何か言いたげな目で見てくる。

 

「なんだよ、別に良いだろ」

 

「別に何でもないわよ?エトちゃんは私とコーヒー飲みましょうね!善吉苦いのは苦手みたいだから……」

 

「おや?善吉くんはコーヒーが嫌いなのかい?」

 

エトまで乱入して来た、別に嫌いではない本当だ、今の気分ではないだけで。

 少し茶化す様に言ってくる母さんとエトににバカにされてるみたいな感じがするので言い返す

 

「別に苦手じゃねーよあんまり飲まないってだけ」

 

「そうなのか、アイスとホットどちらも飲みたかったから善吉くんがアイスに分けて貰おうと思ってたんだが……」

 

 わざとらしく残念そうな顔をするエトを見ていると何だか悪い事をした気持ちになって来たのでしょうがなく母さんにアイスを頼む。

 

「ありがとう、善吉くん。やっぱり君は優しいね」

 

「あらあら、やるわねぇ善吉」

 

 別にエトの為ではないたまには母さんが淹れた自家製コーヒーが飲みたかっただけだ。

 

「別にさっき走って暑くなったからアイスコーヒーが飲みたくなっただけ」

 

 2人してニコニコしてこっちを見てくる視線が何だがむず痒い。

 

「母さん早く持って来てよ!」

 何だが視線のせいで居心地が悪くなりそうだったので母さんを急かす。

 

「はいはい、準備してくるわね」

 

待ってる間にエトと雑談をする。

 

「善吉くんのお母様は中々愉快な方だね、それに趣味も良い」

 

「ただコーヒーが好きで、コーヒーメーカー買ったり。自分で淹れてるだけだよ」

 

「その事を言ってるんだよコーヒー好きとしては羨ましい限りだ」

 

 雑談をして待つ事数分母さんが帰って来て皆んなでコーヒーを飲む。

 

「「美味しい……」」

 

 あの日サンドイッチを食べた時と同じ様に2人して被ってしまう。

 

「あら、2人して言ってくれるなんて作った甲斐があったわ」

 

「本当に美味しいです。ありがとうございます。後で入れ方を教えてもらっても?あと善吉くんアイスも一口飲ませてくれ」

 

 この前のサンドイッチの事といいエトは中々食い意地が張ってるのかもしれない。さっきも飲みたいと言っていたので、カップを渡す。

 

「私のも飲むかい?」

 

 エトの方もカップを出してくるが関節キスを意識してしまい顔が熱くなる。

 

「あら善吉どうしたの?顔が赤いわよ?照れてるのー?」

 

「うるさい、まだ体が冷えてないだけだよ」

 

 エトは誰がどう見ても文句を言わないほどの美少女である為どうしたって意識してしまう時はある、しかも本人に全然自覚がないのが尚のこと、たちが悪い。

 

「要らないなら全部私が飲んでしまうがいいかい?」

 

「いいよ、美味いだろ?」

 

「あぁ!絶品だ」

 

 美味しそうに飲んでいるエトを見ていると中々欲しいとは言い難い。

 

「そんなに喜んで貰えて嬉しいわ」

 

「えぇ、こんなに美味しいの初めて飲みました。この前の料理も美味しかったですり料理や淹れ方教えてもらうことは可能ですか?」

 

「ええ!良いわよ!私娘に料理教えたりするのが夢だったの!」

 

「娘……………………おかあさん…………」

 

 娘と言われたエトが少し恥ずかしそうにお母さんと呼んでいるのを見て、母さんが勢い良く抱きしめて

「善吉この子私の娘にして良い?!」

 とテンションが爆上がりした状態で聞いてくる。

 

「母さん……犬猫じゃないんだから……」

 

「ペットじゃないわ!この子は娘よ!」

 

「……ムグ…………ムググ」

 

「母さんエトが苦しそうだから離してあげないよ……フフッ」

 

 いきなり抱きしめられた為息が出来ないのか母さんの胸の中で苦しそうにバタバタしている。ちょっと間抜けな状況に思わず笑ってしまう。

 

「ごめんなさいエトちゃん、でも本当に家族だと思ってくれて良いからね!お母さんが何でもしてあげるわ!」

 

「ありがとうございます。」

 

「敬語はなしよ!」

 

「ありがとう……」

 

「もー!かわいいー!」

 

 母さんのエト可愛がりはエトが帰るまで続いた、そしてエトはこの一週間で母さんからコーヒーの淹れ方を教えて貰っていた。

 

 友人と家族が仲良くなった様で何よりだ




エトは日記の中でしか知らなかった母親というものに触れて内心とても喜んでいます。
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