主人公が女の子な上に、俺に対してだけ何故か様子がおかしい件 作:のぞむ
初めてヤンデレ系を書いたので上手く書けているか不安ですが、ひとまず本編をどうぞ!
ある日の夕方、俺は同じ寮に住む幼馴染に押し倒されていた。彼女はいつも通り学校の女子制服を着ていたのだが、いつもと違う事があった。それは目の光がヤンデレ女子みたいに消えている事だ。
「お、おい、
「大丈夫。ここは夜まで誰もいないから…」
「いや、そういう事じゃなくて…」
「ねぇ夜雲…今日廊下でクラスの女子と楽しそうに話してたよね?」
「いや、あれはただ頼まれごとをされただけで…」
「どうして?その子の事が好きなの?僕の事が嫌いになったの?」
「そ、そんなわけ「夜雲」っ!?」
天馬の声に何故か圧に近い物を感じ取った俺は思わず黙ってしまう。
「今から夜雲に、僕の全部を教えるから…夜雲の事、ボクニゼンブオシエテ?」
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トラックに轢かれた俺は、その時のショックで前世の記憶を思い出した。
え?そこは普通トラックに轢かれて、気が付いたら異世界転生してただろって?いやいや、そもそもトラックに轢かれて異世界転生する事自体普通じゃないだろ。
それはさておき、先程言った通り俺は前世の記憶を思い出した。前世の俺はアニメとゲームが趣味のごく普通の大学生で、前世の俺の死因はトラック事故だった。結局トラックに轢かれて転生しとるやないかい!ってツッコミはなしで頼む。
そして、記憶を取り戻した俺はここがイナズマイレブンの世界だという事に気づいた。
イナズマイレブンとは前世で存在したサッカーゲームの事で、アニメ化と漫画化も果たした名作だ。もちろん前世の俺もイナイレファンで無印、GOシリーズの漫画とアニメも見てたし、ゲームも滅茶苦茶やり込んでいた。え?アレオリはどうなのかって?あんなイナイレの皮を被った特級呪物が好きな訳ないだろ。あっ、漫画版のアレスは面白いので是非読んでみてくれ!
さて、ここで記憶を取り戻す前の俺の事を教えよう。俺は長崎のジュニアサッカーチームに所属しており、恥ずかしながらそのチームのエースストライカーと呼ばれていた。ある日の試合の帰り道で事故に遭ってしまい、命に別条はないものの足に大怪我を負ってしまい、医者によると後遺症が残ってしまうらしく、二度とサッカーをする事が出来なってしまったらしい。記憶が戻らなかったら心が折れていただろうが、記憶が戻った影響で俺は前世の俺の精神に引っ張られて割と冷静でいることが出来ている。
「とはいえ、イナイレの世界でサッカーが出来ないのはちょっと辛いな…」
俺はふと小さな声で呟いてしまう。イナイレの世界に転生したんならやっぱサッカーがやりたいもん。あ~、俺もファイアトルネードとか使ってみたかったな~…
確かに選手生命が絶たれたのはキツイけど、何も選手になる事だけがサッカーをやる条件ではない…そう、監督だ。
笹波という苗字で思い浮かぶ人物が一人いる。
笹波雲明…イナズマイレブンのシリーズ最新作、『英雄たちのヴィクトリーロード』の主人公。そして、将来生まれる俺の弟だ。その根拠は至ってシンプル、俺の母さんと雲明の母親が同じ人だからだ。雲明も円堂、天馬といった主人公達と同じかそれ以上にサッカーを愛していたのだが心臓疾患を患ってしまい、突然サッカーが出来なくなった辛い過去を持っている。それから雲明はサッカーから目を背け、挙句の果てに「サッカーには消えてほしい」と願うようになってしまったが、色々あってサッカーから逃げないと誓い、監督という立場で南雲原中にサッカー部を復活させた雲明はフットボールフロンティアに出場し、絶対王者となっている雷門中に挑む…というのが新作の大まかなあらすじだ。前世の俺は体験版と映画でその序章を目にしたが、アレオリと違ってこれからの展開が楽しみになったものだ。あ~、もう少しでゲームが発売ってとこで死んじゃったからそこが一番の未練だな~…
…いや、いつまでも過去を悔やんでもしょうがない。選手生命が絶たれたからなんだ。俺は俺のやり方でサッカーを続ける!
退院したらやる事は一つ、サッカー戦術を頭に叩き込む!
あれから退院した俺は寝る間を惜しんでサッカーの事を一から勉強し続けた。
それと言い忘れていたが、円堂守率いる雷門イレブンがフットボールフロンティアで優勝し、イナズマジャパンがFFIで優勝して既に二年の月日が経過している。今の俺は5歳だ。GOシリーズの主人公、松風天馬と同い年ならあと8年でGOの物語が始まる筈だ。GOシリーズも円堂守が主人公の無印シリーズと同じく三部作構成になっており、それぞれの物語を簡潔に説明すると、1部は八百長がまかり通る管理サッカーを自由なサッカーに戻す話。2部はタイムトラベルで過去の偉人のオーラを集めて未来人とサッカーで戦う話。3部はマジモンの宇宙人と宇宙の存亡を懸けてサッカーをする話だ。説明だけ聞くと無印シリーズよりぶっ飛んだ話だが、どれも無印シリーズに負けず劣らずの名作だと俺は思っている。ただしアレオリ!テメェはダメだ!
それからあっという間に4年の月日が経ち、9歳になった俺は長崎を離れ、かの稲妻町に引っ越してきた。やはりサッカーをするならここしかないと思い、母さんを説得して単身この町にやって来たのだ。
ちなみに俺が今日からお世話になるのは原作で天馬も住んでいた木枯らし荘だ。木枯らし荘に着くと寮母の秋さんが優しく出迎えてくれた。それから部屋の整理していると秋さんがここに住んでいる俺と同い年だという子を紹介してくれたのだが…
「ま、松風天馬です…よろしくお願いしましゅ!…あっ」
「…!?」
別に天馬が噛んだから驚いているのではない。天馬の容姿に驚いているのだ。
黄色のパーカーに青色の短パンといった男が着てそうな服装。そして特徴的な天然パーマをポニーテールに結び、女の子の様な可愛らしい顔立ちにまつ毛…
…どう見ても女の子じゃねぇかっ!!
「ど、どうしたの?」
天馬は不安そうな表情で話しかけてくる。なんか可愛いな…
「な、なんでもないよ。よろしく、松風さん」
「て、天馬でいいよ。よろしくね」
天馬は緊張しながらもそう言ってくる。
それから部屋の整理を終えた俺は軽くリフティングをしていた。怪我の後遺症で昔のように激しいプレイは出来なくなったが、こういう軽いリフティングなら問題ない為、毎日欠かさずやっている。
「ん?」
「あっ…」
部屋の外から視線を感じたのでドアの方を見てみると天馬が外からこちらを覗き見ていた。
「天馬じゃないか。入ってこいよ」
「い、いいの?」
「もちろん」
「お、お邪魔します」
部屋に入った天馬はどこか緊張している様子だった。そういえばさっきもどこかオドオドしている感じだったな。
「…ねぇ、笹波君もサッカーやるの?」
「夜雲でいいよ。そういう天馬も?」
「う、うん…」
すると天馬はどこか浮かない顔をしてしまう。
「どうかした?」
「…僕、3歳の時にサッカーボールに助けられたんだ」
それから天馬は過去に木材に挟まっていた子犬を助けた際に倒れそうになった木材に潰されそうになった際、ある人物が蹴ったサッカーボールに助けられ、それからその人物に憧れてサッカーを始めたそうだ。
ふむ、原作同様謎の人物、つまり豪炎寺修也に助けられたんだな。
「でも、今まで一緒にサッカーをやる友達がいなくて、他の子から『女の子なのにサッカーやってるの?』『天馬って男みたいだね』って言われたりするんだ…やっぱり、女の子がサッカーをするのって変なのかな?」
そう言って天馬は俯いてしまう。なるほど、どうも天馬が原作より自信なさげだな~とは思ってたけど、そういう背景があったのか…
「おかしな話だな」
「え…?」
「サッカーをやるのに男も女も関係ないだろ?…天馬。君はサッカーが好きか?」
「う、うん、超大好きだよ!」
「ならそれで良いだろ?他の奴が何と言おうと関係ない」
「夜雲…」
「それにさ、さっきの天馬は男みたいって言った奴には腹が立つよ。こんなに可愛いのに」
「か、可愛い…僕が…?」
「ああ。どう見ても君女の子じゃん」
「可愛い…僕が…」
すると天馬が嬉しそうに笑みを浮かべているのが見えた。
「夜雲!今度一緒に河川敷に行ってサッカーやろうよ!」
「俺も?」
「うん!夜雲が一緒ならサッカーも喜ぶよ!」
「…ハハッ、サッカーが喜ぶか…面白い奴だな」
「わ、笑わないでよ~!」
「悪い悪い」
こうして天馬と河川敷に行く約束をした俺。ちなみに今の俺がまともにサッカーが出来ない事はその後ちゃんと伝えたぞ。
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僕と同い年の男の子が木枯らし荘に住む事になった事を秋姉から聞いた時に感じたのは恐怖と不安だった。
あの人とサッカーボールに助けられたあの日から僕はサッカーにのめり込んだけど、ここに来てから他の子から『女の子らしくない』、『下手くそなのにサッカーばっかやってるつまんない奴』とよく言われている。そんな事を言われたって僕はサッカーが大好きだ。だけど僕は、僕自身に自信を無くしていた。
だけど彼…夜雲はそれをおかしな話だと言った。それだけじゃない。僕の事を可愛いって言ってくれた。その時の僕の心の中は凄く暖かくなっていた。
それから夜雲と一緒に過ごす内に、これが恋なんだと理解することが出来た。
僕は、夜雲とずっと一緒にいたい…夜雲を離したくない…夜雲が他の女の子と仲良くしてるところなんて見たくない…
ズットイッショダヨ?ヤクモ…
イメージCV:入野自由
前世の記憶を思い出してすぐにサッカーが出来なくなった可哀想な主人公。とはいえ本人はすぐに気持ちを切り替え、監督としてサッカーに関わろうとしている。ちなみに後に生まれる弟と同じくらいレスバが強い模様。