不幸体質な少年の青春の物語   作:イルカはシャチ

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不幸中のサイワイ

なんの変哲のない1日、僕は生まれた時から今日までずっと不幸に狙われている。

 

名前は幸村 燈真(ゆきむら とうま)高校3年生だ

 

両親は不幸体質な僕を守ろうとして幼い頃に亡くなった。親戚や面倒を見てくれた児童施設の人、僕を助けようとした人はみな僕の不幸に巻き込まれ、例外なく死んでいった。

 

中学生になった頃には周りに守られるだけなのが嫌で、毎日筋トレやジョギングで肉体を鍛え、武道はすべて制覇した。

 

周りの援助もあって今日まで生き延びてきたということだ

 

 

 

 

僕は稽古帰り、夜道を一人歩いていた。

 

街灯がぼんやりと照らす人気のない道、そんな場所で僕は突然前から走ってきたフードの男に刺され、、

 

そうになった

 

最初の方こそ対応仕切れず刺される事が多かったが、今となっては日常茶飯事。簡単に交わして反撃まですることができる

 

 

「困るんだよね、こういうの」

 

 

「お前っ!ゴフッ、、」

 

 

「片付いたことだし警察に連絡っと」

 

 

僕がスマホに手をかけた時、丁度巡回中の警察が通りかかった

 

 

「あのー今さっき通り魔に合って──」

 

 

僕は迷わず巡回していた警察官に話しかけたが、向こうはこちらを見るなり瞬時に距離を取った

 

 

「聞いてます?」

 

 

僕が尋ねる

 

 

「武器を床に置いて大人しく投降しろ!」

 

 

突然怒鳴られるも訳が分からない、武器?そんなもの持って、、

 

僕がふと視線を手元に落とすとそこには包丁を握る自分の手があった

 

 

「う、っそだろ、、」

 

 

僕は攻撃の意思がないことを示すために、身を屈めて地面に包丁を置こうとする。しかし、包丁を置こうとしたタイミングで急に足がもつれてしまった

 

 

「あっ、、。」

 

 

次に目に入ったのは肩から血を流した警官が1人、何とか急所は外れたようだ

 

 

「うあぁぁぁぁっ!肩に刺され、てち、血が、、!」

 

 

警官は絶叫しながら腰にしまってあった拳銃を取り出す

 

 

「へ?」

 

 

は、何で僕に向かって拳銃を構えるんだよ?そんなん人に向けていいもんじゃ──

 

 

パアンッ

 

 

乾いた銃声が1回

 

 

どこ、右足ッ、落ち着け、大丈夫だ、距離をって──

 

 

パアンッ パアンッ

 

 

容赦なく2発目3発目の銃声が聞こえ、2つの弾丸は僕の身体を貫通する

 

 

「かはっ、、はぁはあま、、」

 

 

口から血が溢れ出す。肺に1発喰らってる

 

近くの病院まで間に合うか?

 

人気のない路地を抜けて大通りに出る。駄目だ、もう足が動かない

 

僕は膝から崩れ落ち横たわる──

 

 

 

………

 

 

………

 

 

 

僕には不幸体質ともう一つ特徴がある。これに気づいたのは中学の頃に自殺を試みた時

 

僕には不幸体質と共に「絶対に生き残る」という生き残り体質を持ち合わせているのだ

 

大量に飲んだ薬はすぐに吐き出てしまい、頑丈なロープも千切れたり外れたりした

 

 

「……。」

 

 

目の前を丁度救急車が通る。少しして、こちらに戻ってきた救急車に運ばれる

 

僕はそこで意識を手放した。

 

 

 

………

 

 

………

 

 

 

目を開く、知らない天井、見慣れない部屋、病室ではないようだ

 

直前に生き残り体質など語っといて恥ずかしいが、死んでしまったのかもしれない

 

しかし、救急車に運ばれた時点での持ち物はすべて手元にあり、服もそのまま。変わった部分としては撃たれた部分が完治しているところと、血で汚れた服が元の綺麗な状態であること

 

持ち物の学生証やスマホのデータもあり、体の自由が効くため死んだと断定することは出来ない。ならばこれは転移と呼べばいい現象ではないだろうか?不幸体質と生き残り体質、この2つが作用したことによる結果結果(アンサー)が転移という仮説だ

 

そんなちょー賢い考えを巡らせていると、部屋のドアが開かれる音がした。部屋の中に入ってきた女の子は僕の元まで来て足を止めた

 

 

「先生?」

 

 

天使の輪っかのようなものをつけた女の子、覚えのない役職

 

 

「やっぱ死んだのかな」

 

 

「、、、?混乱しているようなのでこちらから改めて今の状況を説明しますね」

 

 

僕の声など他所に彼女は咳払いをして今の状況について話し始めた

 

 

「──というのが現状てす」

 

 

あのさ、状況などいきなり伝えられてもさっぱりだ、君高校生でしょ?!

 

僕は一応話を合わせて、指示通り用意されたスーツに着替えることになった

 

 

状況説明の際に名乗っていたが、彼女の名前は七瀬リンと言うらしい。リンに促されて一緒にエレベーターに乗る。エレベーターから見える街並みは僕が知っている世界に近く、どこか神秘的で発展しているように見えた

 

そしてその景色はだんだん早く動いて、、

 

 

「落ちてますね」

 

 

僕は読み上げるように言葉を発した

 

 

「どうしてこんな時に限って!エレベーターが誤作動を起こして急降下しているようです」

 

 

リンは焦った様子でエレベーターに取り付けられたパネルを操作している

 

 

どのくらいの高さかは分からないがそろそろ地面に着いてしまう頃だろう、だが半分予想通りエレベーターは地面が見え始めると落下速度が緩やかになり地面に着く頃にはストンッと軽く揺れた程度だった

 

 

「何とか助かりましたね」

 

 

はぁなるほど、、

 

 

「ちょっと代行!今の揺れは一体?!」

 

 

奥からツインテールの女の子が駆け足で近づいてくる

 

それに対してリンが対応する

 

 

「たった今エレベーターこ誤作動により、装置が外れ急降下してしまったようです。幸い落下直前に落下速度が緩まり助かりました。ミレニアムの技術は緊急事態まで想定されているのですね」

 

 

「え、ええそうね。緊急時を想定して作られた点はいいのだけど、そう簡単に誤作動するようなものじゃないはずなのよね」

 

 

「……。」

 

 

ここでも特異体質は健在、やはり転移か

 

 




ここまで読んでくれた方々、ありがとうございます。
不定期にはなりますが2話も楽しみに待って頂けると幸いです。
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