不幸体質な少年の青春の物語 作:イルカはシャチ
「僕は最初から誰かの干渉を疑っていた」
「最初にお前はアロナを乗っ取ろうと考えたが失敗した。合ってるか?」
(チっ、あの忌々しい箱には確かに妨害を受けた)
「あの時に確信して僕は一つの条件を提示したんだ」
そう、僕はアロナに特定の単語を発した際に僕を気絶させるよう伝えた。乗っ取られた時に確実に使うもの、スタンガンは僕も使いたかったため、飾り用の銃をトリガーにしようと決めた
「"銃"または"ライフル"この単語を発したら僕を電気ショックで気絶させてくれってね」
(だ、、、黙れぇえ!!)
(全てお前の思い通りいったと思うなよ)
(あのピンク髪はもう二度とお前を信用しない)
(小生の勝ちだ!!ヒヒヒヒヒヒッヒヒヒヒヒヒッ)
それ以降そいつが喋りかけてくることはなかった
──
僕は今の状況を確認するために辺りを見渡す。そこは僕が倒れた砂漠ではなく、今は使われていないであろう廃ビルだった。側には小鳥遊ホシノがいて、仮眠を取っていたようだったが僕が目覚めるとすぐに武器を構えて警戒し始めた。最初から仮眠すら取っていなかったのかもしれない
「殺さないでくれたんだ」
「殺さなかった。ってよりも殺せなかったんだよね〜」
「最初はその場で撃ち殺そうと思ったけど弾詰まり、近くのビルまで運んで瓦礫で殺そうとしたんだけど思い留まっちゃってね」
「それはとんだ災難だ」
そう言いながらホシノの目線を辿ると、僕の足元に盾が寄りかかっていた
「思い留まった原因ってこれ?」
「、、、。」
僕が尋ねるとホシノは黙り込んでしまった
「話しにくいなら話さなくても大丈夫、それよりもお互いの情報を共有しよう」
「うん」
「まずは大前提、僕とホシノは第三者による感情の操作が原因で戦っていた。これは共通認識でいい?」
「雰囲気が完全に別の人だったからね〜そこは私も納得だよ」
よかった。ここの解釈が一致しないと永遠に敵対するところだった
「次にホシノの目的を教えてもらいたい」
「こっちの目的はアビドスの後輩、セリカちゃんの救出。セリカちゃんは2日前にカイザーの奴らに攫われちゃって、それを一人で探しに行ったシロコちゃんって子も行方不明」
ホシノが単独でいた理由はこれか、事前の調べだと在校生徒は5人。2人が行方不明でもう2人が校舎で残り、それでホシノが捜索
「僕の方はアビドスから届いた支援要請を受けてここまで来た。目的はアビドスを支援することだ、どうか僕に2人を助けさせてほしい」
「私はもう一度(先輩が信じた人を)信じる」
僕はもう一度信じてもらえた。あの盾に何かあるのは確かだが、まずはホシノの目的を達成するのが先だ
「一度アビドスの校舎に戻って状態を整えた上で2人の捜索に向かう。それでいい?」
「うん。じゃあ付いてきて」
ホシノは校舎に向かって走り出し、僕は自身のバイクにエンジンをかけて後を追った
………
………
「止まって」
アビドスの校舎がいよいよ見えてきたところでホシノに呼び止められる
「なにかあった?」
「門のところ、カイザーが待ち伏せしてる」
僕がホシノの言っていた門の方を見ると、2体のカイザー兵が門番のように立っていた
「ホシノいける?」
「もちろん。私に任せて」
そうして飛び出したホシノは一瞬で2体のカイザー兵を倒した
「これは校内にもいるね」
「ノノミちゃんとアヤネちゃんが心配、急ごう」
「先に行ってて、武器になりそうなもの取ってくる」
ホシノは手を挙げて了解の合図をして校舎の中に消えていった。僕はそれを見送り、近くの体育倉庫に向かった
「アロナ」
「はい!先生、無事で何よりです!」
「心配かけたね。念のためバリアはホシノと合流するまで常時お願い」
「わかりました!気をつけてくださいね。先生」
僕は体育倉庫の中からバットを取り出し、校内へと急いだ
………
………
校舎の中に入ると、ホシノが倒したであろうカイザー共が転がっていて、僕はそれを辿ってホシノに追いついた
「ホシノ、2人は?」
「この中で拘束されてる」
ホシノが指し示した教室には対策委員会という文字が見えた
「合図するから私に続いて」
「いくよっ!」
ホシノは合図と同時にドアを蹴破り一体のカイザー兵を窓から外へと吹っ飛ばす。僕はそれに続いて中に入り、拘束された2人の近くにいたカイザー兵に向かってバットを振りかざす
振りかざしたが勢い余って前のめりに転んでしまったため、カイザー兵にとどめの二撃目の拳を叩き込んだ
ホシノの方に目をやると若干呆れた表情をしていたが、すぐにこっちに来て拘束を解くのを手伝ってくれた
「ホシノ先輩!ありがとうございます」
「助かりました〜ホシノ先輩」
「うへ〜二人とも無事でよかったよー」
「ところでホシノ先輩、その方は?」
話題はついさっきバットを振って転んだ僕へと移り変わった
「こんにちは。僕は幸村、先生だよ」
「先生ってもしかしてシャーレの?!」
そう聞くのはメガネをかけた黒髪で大人しそうな子。名前は確か奥空アヤネだ
「もしかして君がシャーレに手紙を送ってくれたの?」
「はい!これで物資にも困らないし、きっとセリカちゃんも、、、」
かなり信頼されてるし、なんとしても2人は見つけ出さなければならない。この教室に5人がもう一度揃うように、僕はもう一度決意を固めた