不幸体質な少年の青春の物語   作:イルカはシャチ

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流れダマ

 

僕がエレベーターから降りるとリンが何人かの女子に囲まれていた

 

彼女たちの話を簡単にまとめると、どうやら連邦生徒会長が失踪してしまい大変らしい

 

んでそれを改善するのが

 

 

「この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです」

 

 

なるほど先生ね、、先生?

 

 

「こちらの幸村先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指定した人物です」

 

 

なんか労働が確定したんだけど、、

 

その後もリンは淡々と現状について語り続け、僕は何となくそれを聞いて次にやるべき事を理解した

 

僕はシャーレの部室がある建物に「とある物」というものを取りに行くらしい

 

 

その後半ば強引にその場にいた女の子4人を僕の護衛としてつけてくれた。青っぽい髪色にツインテールの子、黒髪に黒い制服の子、クリーム色の髪にメガネをかけた子、白い髪に

 

皆一見僕よりも非力そうに見えるが、みんな護衛だから銃を持ってるのかな?

 

 

──

 

 

いざ外に出ると辺りには物々しい雰囲気が漂っていた

 

 

「あの、なんかすごい銃声なんですけど!?」

 

 

この人数突破して行くとか無理があるような、、、

 

銃を持つテロリストの数は目的の建物に近づけば近づくほど増えていった

 

 

「護衛の方々!?この数は一旦引いたほうがいいんじゃない?!」

 

 

「ですが先生、シャーレの部室はすぐそこです」

 

 

「先生だけでも強引に、、いやいや先生は銃弾1発で致命傷、そんなリスクは犯せない!」

 

 

「安全が確保されるまで先生は下がっていて下さい!」

 

 

わかった事が2つある。

1つ僕は確実に足手まといになっている

2つ誰がどう見てもこれは不利な状況である

 

ここまであの子達がテロリストを気絶させてくれたから進んでこれだけど、いくら護衛の人でも恐らく女子高生、僕と年齢もそう変わらないだろう

 

このままじゃあの子達は死んでしまうだろう。それは嫌だ、僕のせいで周りの命が消えるのは御免だ

 

そう思うと勝手に足が動いていた

 

僕は僕にできることをすべきだ、みんなが持ち堪えてくれている間に助けを呼びに行こう

 

そう思い駆け出した時、無線が入った

 

 

「先生!そこには潜伏した敵が──」

 

 

「っ!」

 

 

ダダダンッ!

 

 

これは銃声だ。撃たれたのは僕

 

 

「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

撃たれた。腹部だ、止血しようにも傷が深すぎる。幾度なく死に際を乗り越えてきたんだ、考えろ、自分のためじゃなくて僕を護ろうと戦ってくれてるあの子達のために、、!

 

意識がとおのいて、、い、、、

 

 

「先生!先生!」

 

 

「まと、もに、護られることも、出来なか、、た」

 

 

 

 

………

 

 

 

………

 

 

 

 

目を開ける。病室、さっきのは転移じゃなくて夢だった?

 

ふと外に目をやる、そこには夢だと思っていた世界と同じ景色が広がっていた。夢ではなく僕はまた撃たれて一命を取り留めたようだ

 

カレンダーを見る。この世界に来た時の日付など覚えていないが、体感で4日程経過している

 

 

「護衛してくれた子達は大丈夫だったかな、、、」

 

 

再び窓の方を見ると丁度ドローンと目が合った

 

次の瞬間ドアがノックされる音がした。看護師の人かな?妙な寒気を感じながらも体の自由が効かないので、ドアの方に目をやる

 

 

ドゴガァッ!

 

 

大きな音と共にドアは勢いよく破壊された。相手の姿が見えず身構えていると、銃で武装したロボットに周りを囲まれる

 

極僅かな可能性にかけて「どうも」と一応挨拶をしてみる

 

すると奥から高らかな笑い声が聞こえてきた

 

 

「貴様が先生と呼ばれるやつだな、我々の邪魔になり得る芽は早いうちに潰しておこうと思ってなあ」

 

 

そういうと声の主は僕を憐れむように見回し、笑い声上げた

 

そいつはロボットだった。中に人が入っているかは分からないが自我を持ってこちらに語りかけている

 

 

「念のため一つ質問をしても?」

 

 

「遺言なら結構だ、時間が惜しいのでな」

 

 

そうか、こいつらは他の人に気づかれる前に終わらせたいのか

 

少しでも動いたら撃たれる。それは分かっているが今の自分は布団から上半身を起こして座っている状態。だが逆に足の動きに反応するのに相手は少しだけ時間がかかるだろう。あのロボット共の反射神経が人間と同程度なら僕は生き残る

 

傷は完治していないが、堪えられるレベルだ。ならばやるしかない

 

 

『不幸で生き残る自分の体質を信じて』

 

 

っ!!

 

僕は勢いよく足元の布団を蹴り上げる

 

周囲は一瞬の動揺の後、先程まで偉そうに高笑いしていたリーダーらしき奴の指示で射撃を始める

 

前方に転がり込み、つかんだ布団を正面のロボット共に覆い被せる

 

ロボット同士を盾にしながら、狭い部屋の利を活かしていく

 

 

「理事!我々を盾にされて目標に当たりません!!」

 

 

仲間撃ちで次から次へと倒れていくロボット達、僕らそのうちの一体から銃を取り上げ、窓目掛けて走る

 

 

「あがっぁ」

 

 

被弾した。窓に向かう際はどうしても直線の動きになる。痛覚、左肩、左脇腹掠り、右頬掠り、右膝

 

 

「おりやあぁ゙!!」

 

 

力いっぱいに銃を振り翳し、窓を叩き割る。そして飛び降りた

 

 

──

 

 

「理事!直ぐに追いますか?!」

 

 

「一度撤退だ。なかなか頭の切れる奴め」

 

 

「?」

 

 

「布団を蹴り上げる時、同時に奴はナースコールを押したんだ。多少の銃声があろうと部屋の特定には時間がかかる筈だったのだがな」

 

 

まあいい、これでしばらくはサンクトゥムタワーは機能しない

 

 

 

 

………

 

 

 

………

 

 

 

 

「……。」

 

 

最後に聞こえたガコンッという音、起き上がれないため恐らく骨が折れている。だが生きている

 

 

「何階から飛び降りたんだろ、、、」

 

 

僕は運良くトラックの上に落ち、生き延びた。体はボロボロだが出血も思っているよりかは酷くない

 

このトラックはどこに行くのだろうか

 

いや、そんなことはもう決まっている

 

次の不幸が起こる場所だ

 

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