不幸体質な少年の青春の物語   作:イルカはシャチ

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災厄のミナモト

 

日が落ちるまでトラックに運ばれて、いい加減に喉の渇きも限界を迎えていたところトラックは止まった

 

ここが目的地なのだろうか?そんな考えが過ぎるが、直にそれは間違いであると気づくことになった

 

何かが割れる音と共に、あたりを吹き飛ばすような爆発音、周囲には火が登っていた

 

ここにいては五体満足では済まなくなってしまう

 

 

「ぁ、、、rぇkぁ」

 

 

掠れて声がでない、水分不足に重なりかなり煙を吸ってしまったためだろう

 

このままでは、、、

 

 

──

 

 

僕は自分が生き残り体質である事に気づいたその日、自分の中である事を誓った

 

それは「誰かの為になる」

 

それと同時に自分の中である願いができた

 

それは「誰かの為になり死んでやる」

 

不幸体質で回りに不幸を振りまく僕が不死身であっていい筈がない。親しかった人はみんな僕の為に何かしら影響を与えてくれた。そして死んだ。ならば僕も誰かの為になって死にたいと強く願うようになったのだ

 

 

「何してるの?」

 

 

「どうせ死なないんだから次のことを考えようよ」

 

 

なんて無様なのだろうか、この世界に転移して僕は一度たりとも誰かの為にはならなかった

 

僕だって死にたい訳じゃない、死にたくない訳でもない

 

せめて、普通の、普通の人間をやりやり(演じ)たかった

 

 

「何して──」

 

 

「頼むから挽回させてくれよ!今回じゃなくてもいい、次じゃなくてもいい」

 

 

「どうせ死なないんだから次のこと──」

 

 

「いつか今まで助けてもらった分を返せるようになりたい」

 

 

──

 

 

僕の体は何者かに持ち上げられた

 

 

「、、、!」

 

 

「死体を見つけました」

 

 

誰かが助けてくれてる。この子も同い年くらいだ、、どうやって火を掻い潜ったのだろうか?

 

てかこの子何言っちゃってんの!まだいきてるんですけど?!

 

「食料の輸送中のところを美食研究会の方々に襲われたようです」と話す声が聞こえる

 

声の方に目をやると、巨大なマシンガンのような武器を手にした女の子が立っていて、こちらも高校生くらいに見える

 

次はどうすればいい?僕は目を閉じて意識を落とした

 

 

 

………

 

 

 

 

………

 

 

 

目が覚める。知らない天井

 

そして女の子

 

 

「おはようございます。死体、、ではなく。体の調子はどうですか?」

 

 

「おはよう。死体呼びされる気分は最悪、体の調子は、、、あれ?折れてたけどもう治ったの?」

 

 

「いえ、私が4日間付きっきりで看病をしましたが、折れた骨の完治にはもう少し時間がかかるでしょう」

 

 

「リハビリなしで動けるかな?」

 

 

「どうでしょうか、私もヘイローがない人間の方の治療は経験がなくて。ですが治りは早い方だと思われます」

 

 

「それはよかった」

 

 

僕はそう言いベッドから体を起こす。まったく、嫌な予感とは慣れるモノだ

 

 

「何でもいいから武器を持って」

 

 

「はい?」

 

 

彼女は不思議そうな顔で首を傾げた

 

トラックで運ばれている時に道行く人が皆銃を持っていることは把握済みだ

 

 

「いいから、窓も開けといて」

 

 

僕がそこまで言うと渋々といった感じか、意図も分からず恐らく彼女のものと思われる銃を取り出してきた

 

 

「名前、聞いてもいいかな?」

 

 

「氷室セナです」

 

 

「そうか、セナ。僕のお見舞いが来たみたいなんだ」

 

 

僕の言葉とほぼ同時にドアが勢いよく開かれ、中にガスマスクを着用した奴らが流れ込んでくる

 

しかし一足先に窓辺に避難していた僕らは難なく脱出する

 

 

「あの方々はあなたを追って?」

 

 

「知らない!ロボットかと思ってたのになんか違かった!」

 

 

それにしても計画的に突撃してきたのだとしたら間抜けすぎる

 

窓がある部屋ってことくらい分かるだろうに、、、?

 

 

「待ち伏せされてるかも」

 

 

僕が呟くとセナは警戒して銃を構えながら僕の前に出る

 

予想通り敵が見えた

 

ダダダダ

 

が、先にセナが撃たれてしまった

 

 

「セナあぁぁああ!あぁぁぁ?!」

 

 

しかし銃弾は貫通せず、それどころかセナは何事もなかったかのように反撃を開始した

 

僕は心配と驚きと混乱が入り混じったよく分からない叫び声を上げてしまった

 

 

「え?え、大丈夫なの??」

 

 

「はい、キヴォトスではこのくらいよくある事なので、銃弾一発では致命傷に至りません」

 

 

よくあることって、銃社会で撃たれ慣れたってことか?

 

それとも撃たれても大丈夫だから銃社会になったのか?

 

 

「先に言ってくれてもよかったんじゃ、、、」

 

 

「風紀委員会に助けを求めています。合流するので急ぎますよ」

 

 

そう言ってセナは駆け足で僕の前を行った

 

 

 

………

 

 

 

 

………

 

 

 

道中は特に接敵することなく風紀委員会と呼ばれる人達と合流する事ができた。僕らが安全に合流できるよう手を回してくれていたのかもしれない

 

 

「ここからは風紀委員会の方に護衛してもらい先生をDUシラトリ区に送り返します」

 

 

「セナは?」

 

 

「死体が見れ、、傷が完治していないため私も同行します」

 

 

「わざわざありがと」

 

 

「時間ないし行くよー?」

 

 

僕は促されて装甲車の荷台に乗った

 

 

「改めて、私は風紀委員会所属の銀鏡イオリ」

 

 

「僕は幸村、先生だよ」

 

 

僕が自己紹介をすると少し怪訝な顔をされる。ほんとに先生なのかよ的な視線やめてくれない?!

 

こっちだっていきなり先生になったけど、自分の使命として貫き通そうとしてるんですけど!

 

 

「それでその、何で先生がこんなところに居たんだ?」

 

 

おっと、痛いところを突いてくるじゃないか

 

 

「トラックの上で死た、、居眠りしていたところを助けました」

 

 

イオリが僕らに尋ねるとセナが答えたが、また口から死体が出てきている

 

この子は本物の死体をみたことはあるのだろうか?

 

 

「死体が出てるし居眠りも誤解を生むからやめようねー」

 

 

「色々あったし経緯を話すよ」

 

 

それから僕はこれまでの数日間のことを話した。しかし数日の内のほとんどは寝て過ごしていたのが現実だ

 

 

「随分と大変な思いしてるんだな」

 

 

イオリが同情するようにこちらを見て言った

 

以外にも2人は僕の話をしっかりと聞いてくれたのだ

 

そこからは互いに緊張が解けて、しばらくは2人からキヴォトスについての話を聞いていた

 

 

 

………

 

 

 

 

………

 

 

 

どのくらい経っただろうか、急に装甲車が停車してイオリに無線が入った

 

 

その後再び動き出したかと思えば、外から激しい銃声が聞こえてきた

 

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