不幸体質な少年の青春の物語 作:イルカはシャチ
しばらくしてセリナが戻ってきた。その後ろには
「あっ!最初の日の!」
そこに居たのは、ここに転移して最初に護衛してくれた子の中の一人、確か名前は──ハスミ
「覚えて下さっていたのですね、あの時は私の力が及ばないがためきあのような事になってしまい申し訳──!」
「ストーーップ!」
僕が反応すると直にハスミからの謝罪が始まってしまったので、僕はそれを制止する
「守って貰ってるのに謝られるとか居心地悪いから!それと体質だから僕の怪我は気にしないでも、、、」
「体質ですか?少し興味深いというか不思議ですね」
セリナは僕の体質に首を傾げて僕の全身を見回している
「それでセリナ?」
「はい、ハスミ先輩が護衛を引き受けて下さりました」
「僕は幸村、先生だよ」
「羽川ハスミです。先生をなんとしてでも守り通して見せます」
一度の失敗がかなり響いているようで、ハスミからは絶対守護の気配が漂っていた
「ありがと、これで安心して過ごせるよ。セリナもありがとうね」
「私も近くには居るのでまた何かあればお伝えしてください」
そう言い残してセリナは一度部屋を去って行った
部屋にハスミと2人だけになったので気になっていた事を聞いてみる
「やっぱあの「とある物」って取りに行かないといけない感じ?」
「はい、サンクトゥムタワーは未だ行政権を失ったまま、再び権限を得るには先生のお力が必要です」
病室のテレビもサンクトゥムタワーが取り上げられている。これはかなり緊急の事案なのだろう
僕はハスミに話しかける
「こないだは待ち伏せされてたからテロリスト見たいのに邪魔されてダメだったけど、今ならいけるんじゃないかな」
「ですが先生、まだ体の状態が万全では、、、」
「多分だけど僕の情報が流れてる。毎回病院で倒れてから4日後くらいには居場所も侵入経路も確保して襲撃に遭ってる」
僕は続ける
「今は1日目、出発は明日。どうやって情報を入手したかは知らないけど、移動を繰り返せばいずれ追いつけなくなるはずだ」
「分かりました。でしたら少し増援して安全を確保した上で向かいましょう。直に準備を行ってきます」
──
「理事、対象はトリニティに逃げ込んだようです!」
「しぶとい奴め、どれくらいかかる」
「ゲヘナと同様に偵察用ドローンが何機か撃ち落とされてしまい、慎重に入る必要がありそうです」
「4日以内には詳しい場所を掴み今度こそ確実に仕留めるぞ、私は一度外へ出る」
………
………
「こっそり抜け出すつもりだったけど、まさかこんなに護衛が来てくれるなんて、、、」
僕が後ろを振り返ると黒い制服に身を包んだ正義実現委員会のメンバーが続いていた。正義実現委員会とはハスミを中心としたトリニティの治安維持組織だ
「既に連邦生徒会との連絡も完了しているので、直接指示を聞くことができます」
僕はそれを聞いて早速リンに話しかける
「リン久しぶり、こっちは体ボコボコだけど元気してるよ」
「お久しぶりです先生、本当に無事でよかったです。その、、、元気そうで何よりです」
リン的にも強引に突破しようとしたことを悔やんでいるのかもしれない、どこか返しがぎこちなく聞こえた。体ボコボコとか言わない方が良かったか?
「幸村先生、止まって下さい」
突然ハスミから静止を促す声が聞こえた
「障害物の設置が不自然です。恐らく潜伏している可能性があります」
「どこで情報漏れたんだよ、、、」
「恐らく連邦生徒会に連絡した時点で盗聴されていたのかと」
盗聴までするのかよ!いくら何でもやりすぎじゃね
「向こうから出てこないならばこちらから攻撃を仕掛けましょう。マシロ」
ハスミが指示を出すと一発の銃声かま鳴り、それを合図に僕の周りにいた他の正義実現委員会の子たちも攻撃を始めた
反撃の余裕すら与えない猛攻でら一瞬にして相手を撤退まで追い込んだ
「今のはカイザーではありませんでしたね」
「え?民間人?!」
「いえ、間違いなくこちらに敵意はあったと思いますが、ヘルメットでもなくガスマスクはあまり見ないですね」
トレンドマークごとに別の組織ということは、僕は複数の組織から狙われている
最初に初日のヘルメットを被った集団、次に4日後の病院でカイザー、その次に4日後のゲヘナの救急医療部の部室でガスマスク、さらに同日の護送中にカイザー、そして今のがガスマスク
僕懸賞金でも掛かってます?
「ここまでこれば大丈夫でしょう」
「ありがとう、助かったよ」
僕はみんなに感謝を伝えた後、リンの指示に従い目的の建物内を進んでいく
「この部屋です。そこにあるタブレット端末こそが連邦生徒会長が残した「シッテムの箱」と呼ばれる物です」
「連邦生徒会長によると、これは先生の物で、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました」
リンはされに続ける
「私たちでは起動すら出来なかった物ですが、先生ならこれを起動させられるでしょうか、それとも……」
「うーん色々とツッコミどころがある話だけど、その連邦生徒会長さん?が言ってたんだし出来るでしょ」
「僕も気持ちでは既に先生気分だし」そう付け足して僕は「シッテムの箱」を手に取る
起動すると一番に出てきたのは「システム接続パスワードを入力してください。」という文字だった
何か頭に浮かぶような気もするのだが、直に阻害されてしまい分からない
「、、、。」
不幸体質ってほんと最低!
僕は辛うじて浮かんでくる言葉を時間をかけて読み取り、半信半疑で中二病のようなパスワードを打ち込んだ
……我々は望む、七つの嘆きを。
……我々は覚えている、ジェリコの古則を。
結果は、、、接続パスワード承認。その一文を見て僕は安堵した
シッテム箱へようこそ、幸村先生
一通り文字が流れると僕の視界は一瞬真っ白になり、気づけば見知らぬ教室に立っていた
「うわっ、何ここ」
僕は戸惑い周りを見渡していると、一人の少女が机の上でうつ伏せで居眠りしているのが目に入った