不幸体質な少年の青春の物語 作:イルカはシャチ
シャーレの先生になって数日経った頃、僕はトリニティで治療を受けていたのもあり業務は山積みだったが、始めてやることへの興味とやる気は意外と続くものだ
割り振れれた業務をこなしパトロール。時間があればボランティアをやる日々、仕事量に対しての収入は微妙だがそこはリンたちも大変なのだろう
「先生、なんだか不穏な内容のメッセージが届いてますよ」
そうアロナから声をかける
「不穏な内容って誹謗中傷とか?」
「そういう感じではないのですが、一度読み上げますね」
内容を要約すると砂漠化により窮地に追い込まれたアビドスという学校からの支援要請のようだ
「これって結構緊急だよね」
「はい、いつ頃向かいましょうか?」
物資が底をつくといってもどれくらい保つのか分からない。頻繁に戦闘が起こる自治区なのであれば一刻でも早く欲しい筈だ
「今すぐに行こう!」
「わかりました!すぐに準備しますね」
………
………
それで、、、
「ここどこだよ!」
「うぅ、先生。砂嵐が予想よりも強く正確な位置情報が表示できません」
「アロナのせいじゃない、きっと位置情報がわかっても真っ直ぐに進める保証はない」
アビドス砂漠に入った途端に突如巻き起こった砂嵐、一瞬にして退路も見失ってくれた
「せめて引き返せればいいんだけど、、、」
「引き続き位置情報の習得を試みますね」
「頼んだ」
まさかここに来て自然の脅威にやられるとは
僕は歩き続ける。この砂嵐から抜ければすべて解決する。そう思ったからだ
「先生!前方に何者かの反応があります!」
アロナの声に反応して前方に目を凝らす
しかし見えたのはロボット共
「ここにもカイザーいるのかよ」
「迂回しますか?」
「そうしよう」
そう話をした時だった。途端に砂嵐が晴れたのだ
「は?」
カイザーの奴らに見つかる。何か話し合ってる
「逃げるぞアロナ!」
「先生、現在地を習得しました。こちらの方角に進めばアビドス砂漠を抜けることができます!」
僕は位置情報が表示されたシッテムの箱を見つめる
アビドスの校舎まではまだ距離があるな
銃弾の雨から必死に逃げているうちに、再び砂嵐が僕らを覆う
「ダメだ、方角を見失った」
砂嵐が一瞬晴れたのは唯一の希望であり不幸だったが、無情にも僕は砂漠に取り残さたままである
そこからしばらく歩いてたどり着いたのは、、、さっき僕を襲ったであろうカイザー達の残骸だ
戻って来てしまった。それよりカイザーは何故こうなった?
僕は間もなくその答えを知ることになった
「動くな」
冷たい声、不気味な雰囲気からは怒りの感情が読み取れる
僕は背後から頭に銃を突きつけられている。振り向く事が許されないため姿が見えない、会話を試みるか?
「カイザーじゃないね、名前を聞いても?」
「言うことは何もない。そっちこそ何者?」
「シャーレの先生だよ、ほら連邦生徒会とかの」
僕が答えると明らかにその何者かの憎悪が増した
「連邦生徒会が今更なんのよう?」
声からも怒りの感情がより強まったと感じる。連邦生徒会って地雷なのかよ!
「物資の支援に来たんだよ。必要でしょ?」
「そんなのいらない。お前みたいな信用できない奴を誰が通すと思う?」
「せめて銃を下ろして貰ってもいいかな?また今度出直すよ」
「二度と来ないでくれるなら生かしてあげるよ」
ここで引き下がるか?でも支援要請があるのは確か。それを見過ごすことなんて出来ないし、したくない
「また来るよ、何度でもね」
「そっか、じゃあ殺すしかないね」
淡々とした口調で喋るそいつ、せめて姿だけでも拝んで離脱しようか
「アロナっ!バリア!」
ドバァァッ!
僕の指示と同時に銃声が聞こえる。しかしそれはアロナのバリアにより防がれる
僕は次の攻撃に備えて身を屈めて振り向く
「アロナ写真!」
僕はシッテムの箱を抱えながら二発目を間一髪で躱す
三発目に備えて距離を詰める。銃は近接じゃ役に立たない、僕は距離を詰めた勢いで蹴りをいれる
「無駄だよ?」
予想通り盾で防がれた
「また来るねピンク髪の子」
僕は盾を足場に後ろに飛び退く、砂嵐が酷く数メートルも離れれば一瞬で姿を見失う
「アロナ位置情報の取得を試みてくれ!」
「はい!」
万が一に備えて走り続ける。前に進めているかも分からない
頼むもう一度!
ダダダダダダダッ!
「うぐっ、、、!」
両足に被弾した。カイザーがまだ居たのか、、、これはもう長くは歩けない
「、、、。」
僕はその場で屈み姿を隠して、カイザーの奴らが居なくなるのを待つ
………
………
どれくらい経ったのか、僕は隠れながら応急処置で止血を行った
だがもう力は入らない。足が動かなくてはこの砂漠から抜け出せる可能性は限りなく0に近くなるだろう
「先生!先生!」
「、、、。」
「先生!」
「っ!アロナどうした?!」
「位置情報が取得出来ました!前方に1000m程でアビドス砂漠を抜け出せます!」
気づけば砂嵐は晴れて遠くに微かに街並みが見えた
これだけは見失うしなってはならない
僕は上がらない足を引きずり、匍匐前進で体を前に進めた
途中砂嵐が来て方向を見失いかけたが、僕が移動中垂れ流した血が道を示してくれた
ゆっくり確実に前に進んだ結果、僕は遂にアビドス砂漠から抜け出すことに成功した
………
………
僕は普段のパトロールやボランティア活動などでそれなりに顔が知れている。通りかかった住民が僕を見つけて病院まで連れて行ってくれた