【アンエクスペクテッド】《unexpected》
予期せぬ、思いがけない。
計算や予測の範疇を超えた事態。
* * *
一夜明け、事態はニュースとなって大きく報道されていた。
マイトタワー最上階、ザ・スカイクロウラー事務所の受付。
カフェテリアにもなっているそこには、大型のテレビも置かれている。
テレビ画面の中では、片角アナウンサーこと
「続いてのニュースです。
警察の調べによりますと、
押収された資料などから、彼らは未成年の女児を長期間にわたり監禁。組織的な虐待、および医療類似行為と称した身体的損壊を日常的に行い、その過程で得られた生体情報を元に、殺傷能力の高い違法兵器を製造していた疑いが持たれています。
被害に遭った女児は既に保護され、現在は厳重なケアの下で治療を受けているとのことですが、警察関係者は『稀に見る凶悪かつ残虐な事案』として、事件の全容解明を急いでいます。
また、逮捕・護送中に死亡した若頭の
一方、現場での捜索中に死亡した若頭補佐の
警察は、これら一連の対応について『現場の状況に鑑み、やむを得ない措置であった』とコメントしています」
「ずーっとこの話だねー」
ポップ☆ステップこと、
ヒーロー側はほぼ無傷だったが、警察側に多少の怪我人が発生した(警察発表)。
調査や手続きが立て続けで、静岡県の雄英高校に戻れずにいる。
「
ニュース報道を見ながら、
(
イレイザーヘッドが、緑谷を諭す。
「とりあえず、生徒を学校に戻す。
『お医者さん』という言い方が可愛いな、と
ザ・スカイクロウラー事務所は、単純に広くて集まりやすい。
なので、ヒーロー側が拠点として活用していた。
「お父さんが怪我したらしいので、見舞ってから戻ります」
「ああ、わかった。
イレイザーヘッドの
「……じゃっ、じゃぁ、僕は応接室の見学へ……!」
そわそわとしながら、足繁く応接室に通うデクの姿。
「デクくん、何回見てるの?」
そんな彼の姿に、和歩が呆れて苦笑する。
応接室は、事実上のオールマイト博物館なので無理もない。
しかも、ここにしかないモノも多い。ファン垂涎どころの話ではなかった。
* * *
「空」
「お父さん」
塚内空は皆と別れ、大学病院にやってきた。
頬に絆創膏を貼った病衣姿の塚内直正が、笑顔で娘を出迎える。
「怪我は……大丈夫なの?」
「ああ。欠損でもしない限りは、大丈夫さ」
一日だけの入院なので、たいした怪我ではないとわかっている。
それでもやはり、心配であることに変わりは無い。
なお三茶の手配で『そういうことになった』だけだが、塚内空がそれを知ることはない。
「クロノスタシスが激しく抵抗した捜査員って、お父さんだったんだね」
「ああ。お父さんは、引き金を引いた。いつかの
「お父さん……」
父娘が、そっと抱きしめ合った。
娘を想い、娘のためにクロノスタシスを撃った塚内警部の判断。
これはちょっとした未来に、予想外の場所から意味不明な角度で返ってくることになるのだが、この時の彼らはそれを知るよしもない。
* * *
「
「おお。ニュース見たぜ嬢ちゃん。
「流通経路の洗い出し、大変助かりました。その節は感謝です」
「いいってことよ! これで
「あ、それなんですけど
「……嬢ちゃん、もう少し詳しく教えてくれ。相手はどれぐらい大きいんだ?」
「通称、異能解放軍。サポート企業デトネラット、IT企業Feel Good Inc.、集瑛社、心求党あたりが絡んでます。デトネラットとFGIにはこれからジャブを入れますが、観測衛星の機能を備えた通信衛星を向こうは保持しているので、個人で戦うのは少々厳しいかと。古物商の資格を取ってもらって、輸出入や中古品の売買を一手に担う部署を会社ごと扱う案はどうでしょうか?」
「古物商は大丈夫だ、もう持ってる。しかし、確かに個人じゃ厳しそうだな。手じまいに一ヶ月か二ヶ月は欲しい」
「11月末までにお願いします。そこを過ぎると、危ないです」
「わかった、嬢ちゃん。なるべく急いで合流する」
「お願いします。お待ちしています」
古物商の資格は、たしか公安委員会の管轄だったはず。
公安委員会とヒーロー公安は別だとしても、ヒーロー公安は明確に警察の下部組織だと原作の設定にある(仮免試験の内容変更指示など)から、恐らくヒーロー公安は警察の各部門から人員が出向していて、公安委員会や公安警察からも人員が送られているんだと思う。
どちらにしても。
公安委員会もヒーロー公安もガバガバなのはどうなんだろうと、塚内空は首を傾げた。
* * *
原作では、9月21日に
この日は同時に、黒霧さんが捕まってギガントマキアが出没する日でもある。
サー・ナイトアイが死んで護送車も襲撃されて……と、原作のこの日は随分と忙しい。
この世界では突入日が前倒しになった関係で、私のお父さんとグラントリノが突入に参加できてしまった。お父さんとグラントリノは、改めて黒霧さんの逮捕に向かうと思う。
言い換えると、原作と違って2~3日の猶予が黒霧さんに発生したことになる。
このまま放置しておけば、運命の21日が来て黒霧さんは逮捕されちゃうんだろうけど……。
ぶっちゃけ黒霧さんの方が人材として重要すぎない?
ギガントマキアはただでさえ言う事聞かない上に、最期は用無しとして殺される犬っころ。
図体がでかいだけの奴よりワープゲートの方が大事でしょ。
何考えてるの、あの
ただ流れに任せると、ギガントマキアは反撃して逃げ切ることになる。
グラントリノと共に、お父さんは血塗れの重傷を負う。
原作描写のお父さんは意識も飛びかけていて、相当ヤバい感じのダメージだった。
……は? 私のお父さんに何してくれてんの?
荼毘ダンスの
なので私は、賭けをしてみることにした。
黒霧さんが電話に出たら、黒霧さんを助ける努力をしてみる。
電話にでなかったら……流れに身を委ねる。
そして、
「……あ、繫がった。黒霧さん、お話があります」
「何の話かはわかりませんが、今は忙しいのでそのお話は受けられません。私は
「その力は不要だという話をするつもりでした。黒霧さんは、あまりに目立ちすぎました。このまま放っておけば、目的を達成できないまま無意味に逮捕されるだけです。そして大変残念なことに、オール・フォー・ワンが残したというその力より、貴方の価値の方が遙かに高い」
私がそう言うと、黒霧さんの返事に少しだけ間が空いた。
「あの方は、常に未来を見据えておられます。あの方が育てていたのは、死柄木弔だけではないのですよ。オール・フォー・ワンの忠実なる
「いりません。貴方の方が大事です。そもそも
「……私にどうしろというのですか、塚内空」
彼のため息が聞こえてくる。
「数時間程度が限界ですが、まずはギガントマキアを探すのを手伝いましょう。その上で、オール・フォー・ワンの残した力がゴミクズ同然であったことを証明してみせます」
「貴女の座標が欲しい。今どちらに?」
「私の現在地は――」
* * *
黒霧さんの出迎えで、私は山の中に転移した。
原作では『とある山間部』としか書かれていなかったけれど、弔君達が新潟の山奥でだらだら過ごしていた時にギガントマキアが出現したことを考えると、ここは新潟の山中なのかもしれない。
「スプリンガーのヒーロー事務所はどこですか?」とギガントマキアが千葉県で道を尋ねた際に、中学生時代の
……個性『
スプリンガーのヒーロー事務所は、ありがちな『回収しきれなかった伏線』?
無意味な考察の予感。
ともあれ私は、隣で腕組みをしている黒霧さんに話しかけた。
「黒霧さん、ギガントマキアの居場所のあたりはついていますか?」
「……今、向かおうと思っていたところだったのですが。信じがたいことに、向こうからやってきたようです」
「えっ?」
ドゴォ!
私の驚愕と同時に、ギガントマキアが山肌を砕きながらその巨体を現した。
身長は約25m、個性を発動した
「探した……やっと見つけた。お前がオール・フォー・ワンを継ぐ者か」
その言葉に、私は少しだけ安心した。
何故なら彼は、原作7巻においてステイン逮捕のニュースをラジオで聞いていたし、
この世界に置き換えるならステイン自殺のニュースをラジオで聞いていたはずだし、出会った頃のスピナー同様、私のことをヴィランの女神扱いしてくる可能性もあった。
「いえ、違います。オール・フォー・ワンの後継者は、
「俺はオール・フォー・ワンに全てを捧げる。さァ、後継者……その価値が、お前に在るのか示してくれ」
ギガントマキアはそう言って、戦闘態勢に入った。
「話を聞いて?」
はぁ。やっぱダメかも。
意思疎通が不可能なら、ぶっちゃけコイツは殺してもいい。
そんな感じに、私が考えた瞬間だった。
突然、大きな音を立ててギガントマキアが私の前に
状況を理解しきれずに、私は呆然と立ち尽くしてしまった。
「いや、姿は違えど匂いでわかる……探したぞ、オール・フォー・ワン……
「……は?」
隣に立っていた腕組み黒霧さんと、思わず顔を見合わせた。
「黒霧さん、あの、すいません。翻訳してください」
「いえ、塚内空。同じ日本語のはずです」
「えー……」
なんだかよくわからないけれど。
ギガントマキアは、感動の涙と鼻水まで流している。
待って。
これならまだ、ヴィランの女神扱いの方がマシ。
よりにもよってオール・フォー・ワン扱いって、どういうことなの?
「何にせよ、このままだと警察に逮捕されるわけで……地面にずっと潜っていろと指示を出すわけにもいかないでしょうし」
「主が望むのであればそうしよう!」
ギガントマキアの、快い承諾。
私は、大きなため息をついた。
「黒霧さん。この大きさでも、ワープはさせられるんですか?」
「問題ありません。どちらかといえば、どこに隠れておいてもらうのかを悩む感じでしょうか」
「
原作でラジオにそうしたように、ギガントマキアが私に頬ずりをしようとしてきた。
「待て!」
私の指示に合わせて、ギガントマキアがピタリと止まった。
「お手!」
ギガントマキアの右手人差し指が、私に向けてそっと伸ばされた。
彼の人差し指の先端を、そっと撫でてあげた。
「おかわり!」
ギガントマキアは右手を引っ込めて、左手人差し指を伸ばしてきた。
左手人差し指の先端を撫でながら、褒めてあげる。
「よーしよしよしよし。貴方がズボンを履いていて良かった」
「ウオオオーーーッ!」
ギガントマキアは、子犬のように喜びながら雄叫びをあげた。
原作のギガントマキアは全裸で、超常解放戦線加入後にズボンを履くようになる。
アニメ版は大人の事情で最初からズボンを履いているけれど、それで良かったと思う。
身長25mの巨人の男に、ナニをぷらぷらされ続けても、なんていうかその、困る。
「これは……一体……」
「騙されましたね、黒霧さん。オール・フォー・ワンの言う新たなステージとは、弔くんの身体を奪って自分の精神を移し替えることです。ドクターはそれを支援する役割。……今までの付き合いや流れの中で、心当たりはありませんか?」
黒霧さんの顔は分かりづらいけれど、ショックを受けているのがありありとわかる。
「……
考えてみれば、黒霧さんを生み出したのはドクターこと
AFOに作られたわけではないのがポイント。
黒霧さんの最優先目標はあくまでも『死柄木弔のために生きること』であり、AFOに対して強固な忠誠心を持っているわけではない。この辺はドクターの片手落ちというか、設定ミス。
開発さえできれば後はどうでもいいというドクターの性格が、如実に表れている。
黒霧さんは突然、私の前で片膝をついて
「塚内空。貴女が死柄木弔のために動き続ける限り、私は貴女を二番目として扱うと誓います」
「わかりました、黒霧さん。とりあえず、皆のところに帰りましょう……皆の隠れ家も手配しないと、ですね」
雄英高校は、浜松の弁天島付近。
神野のバー付近は、今はグラウンド・ゼロとしてオールマイト広場になっている。
ついでに言うとドクターの蛇腔病院は京都。
超常解放戦線本部の群訝山荘は奈良県の金剛山付近。
仮設要塞トロイアは、愛知県の鳳来寺山付近。
・適度に雄英から近くて行きやすい場所(全てを黒霧さんに頼るわけにはいかない)
・静岡の雄英から東京のマイトタワーに行った時、帰りにさりげなく寄れるとベスト
・乗り換えが面倒臭いので、できれば新幹線停車駅
・それでいて田舎、山のそば(ギガントマキア隠し)
・田舎ではあるけれど、寿司も蕎麦も出前可能なぐらいに絶妙に栄えた街
・光通信も万全、なんなら海だの温泉だのがあって皆の息抜きが可能
……全部の条件を兼ね備えてるのは、『熱海』かな?
「静岡県の熱海に、保養所として別荘を買っておきます。ああ大変、
もやもやっとしていて、表情のわかりにくい黒霧さんだけど。
私の台詞に、彼が笑ったことは簡単に理解できた。
* * *
「帰ってきたァアアア! 奴らが帰ってきたァ!」
「大丈夫だったかよォ!」
「ニュース見たぞおい!」
「皆、心配してましたのよ」
「大変だったな!」
「まぁとにかくガトーショコラ食えよ!」
「無事でなにより」
皆が一斉に、声をかけた。
「何で言ってくんなかったんだよ! 俺たち、もう仰天だったよ!」
「カンコーレー敷かれてたんだよ」
げんなりとした顔で、切島が答える。
「切島……大丈夫?」
「……まだまだだわ」
「そっか」
このさりげなくも、短いやりとり。
いつも芦戸に恋バナ恋バナと言われていた女子勢は、目を光らせて注目していた。
塚内空が忙しい立場なのは皆知っていたので、話題には出なかった。
* * *
9月21日は、原作における
しかしこの世界では、
別荘には最初から家具の類が揃っており、温泉すら引かれている。
熱海の温泉は、乱開発の結果海水の流入量が増え、泉質が変わってしまったところが多い。
全てがそうだというわけではないが、要は『舐めるとしょっぱい温泉』(塩化物泉)だ。
湯ざめしにくく、さらに殺菌効果があるので外傷治療にも効く。
「うはっ、しょっぺー!」
「浸かった瞬間に、水質が
「飲泉はやりすぎると腹を壊す。ほどほどにな」
「はぁー、一仕事終えての温泉は最高だねぇ」
死柄木弔、リュミエール・ノワール、スピナー、Mr.コンプレスが早速温泉に浸かり、裸の付き合いをしている。黒霧は別荘内の掃除や点検をしている。
ギガントマキアは、別荘の裏手で犬小屋の犬のように丸まっている。
温泉に入ることを拒否した荼毘に、塚内空は丁度いいとばかりに面談を申し込んでいた。
二人きりの談話室。
一体何の話なのだろうかと、荼毘は首を傾げながら面談に臨んだ。
「あー、えーと。もう面倒なのでズバリ聞いちゃいますけど」
塚内空は荼毘の目の前で、ポテロングの蓋を開けながら言った。
「なんだよ、急に」
荼毘は、テーブル上のりんごジュースを飲みながらぶっきらぼうに答える。
「
「ウェッホ、ゲッホ、ガハッ!」
荼毘が激しく
かろうじて、りんごジュースは噴かずに済んだ。
「お、お前、何を突然」
塚内空は呆れ顔で自身の髪の毛、その根元辺りをつついてみせる。
「荼毘さんの髪の毛、根元に白が見えてます。染色してるのはバレバレ。さらに言えばクラスメイトの
塚内空が並べ立てた理由に、荼毘は片手で頭を抱えた。
「個性婚のことも含め、あらゆることが簡単に想像できます。ネグレクトという言葉を使うのも生ぬるいぐらい、轟家が地獄と絶望に満ちていたであろうことも。問題はその先です。
そう言って、塚内空はポテロングをかじりはじめた。
荼毘は観念して、ゆっくりと語り始めた。
「最初は……
「何年先の話ですか」
塚内空が、怪訝そうな表情を見せる。
「だが期せずして、あいつはNo.1に繰り上がった。だから……あいつを苦しめ、人生を踏み
「ふむ」
ポテロング一本を丸ごとかじった塚内空は、新しいポテロングに手を伸ばした。
「食べますか? 美味しいですよ」
「あ、ああ」
薦められた荼毘は、素直にポテロングを一本取りだした。
「そこです。平和の象徴たるオールマイトが引退した今、エンデヴァーは事実上のNo.1だと認知されています。ここからは解釈が分かれるというか、好みの問題なんですが……どうせなら、このまま『万年No.2』から転落人生を送ってもらうのはどうでしょうか? 誰も彼もが、エンデヴァー本人ですらNo.1になったと思い込んでいるところに、足を引っかけて転ばせる。かりそめのNo.1の座はかりそめとして終わり、そして……
先刻の『親子の縁を切る』発言の時もそうだったが、二度目の『親子の縁を切る』発言の前に、わかりやすく荼毘は動揺した。
ゆえに、塚内空はポリポリとポテロングをかじりながら続ける。
「……親子の縁は切りたくないんですね? でもエンデヴァーに復讐はしたい。ズタボロにしたい。結果として彼が死んでも、それはそれでざまあみろ……」
「黙れ」
「黙りません。貴方は何の
「てめェッ……!?」
叫び、立ち上がりかけた荼毘の口の中に、ポテロングが突っ込まれた。
荼毘は勢いでポテロングを食べながらも、これが塚内空の食べかけだったと思い出す。
「おっ、おまえ……これは……かっ、間接キス……」
「確かにそうなんですけど、流石に
ばりぼりばりぼり。すー、はー。
一瞬で食べかけの一本を食い尽くし、荼毘はわかりやすく深呼吸をした。
「目的というか、やりたいことを絞りましょう。もちろん
「……いや、最優先はクソ親父だ……
「仮にこの後、告発ビデオの撮影をしたとして。どうしても満たしたい条件はありますか? 家族全員揃ってる時がいいとか」
「ああ、それなら……クソ親父と
荼毘のその言葉に、塚内空はりんごジュースを飲みながら思案する。
「ヒーロービルボードチャートJPの前に、エンデヴァーと
ぽむ、と手を叩く塚内空。
「……明後日の仮免補講!」
「なんだ、急に大声だしやがって」
「明後日ですよ、明後日。多分そこを逃すとチャンスは来年になります。よーし忙しくなってきたァーッ!」
呆れ顔で、荼毘が言う。
「明後日はわかったけどよ。なんでそんなに元気なんだよ、お前……」
「エンデヴァーの評価が落ちるのは、私にとって利が沢山あるので」
「なんだそりゃ」
エンデヴァーの評価がさがると、ザ・スカイクロウラーのランクがあがる可能性がある。
エンデヴァー好き好きホークスの心に、確実にダメージがいく。
『君との試合で得られるものは何もなさそうだ』と言ったエンデヴァーの涙目が見られる。
塚内空は立ち上がり、あっさり部屋を出て行った。
「黒霧さーん、ドクターに連絡して貰っていいですか? 『テスト用のハイエンドを今すぐ一匹寄こせ、このガラケー野郎』と伝えてもらえればわかります」
「はあ、構いませんが……ああ、ドクターですか? 伝言がありまして。『テスト用のハイエンドを今すぐ一匹寄こせ、このガラケー野郎』。……今すぐ用意する。わかりました。塚内空、すぐに転送するそうです」
荼毘は大きなため息をついてから、残されたポテロングを三本抜き取って一気にカブりついた。
2026/02/01 公安警察とヒーロー公安は別という独自設定記述に変更。